88 めざせリア充村3
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/*
【本日の吊りはナユタ[[who]]です。】
【本日の襲撃はポプラ[[who]]です。】
(#0) 2013/06/29(Sat) 00時頃
/*
リトライ。
【本日の襲撃はナユタ[[who]]です。】
(#1) 2013/06/29(Sat) 00時頃
/*
……リトライ。
【本日の襲撃はポプラ[[who]]です。】
(#2) 2013/06/29(Sat) 00時頃
/*
………ごほん。
【本日の襲撃はモニカ[[who]]です。】
(#3) 2013/06/29(Sat) 00時頃
―― 実験室 ――
[鳴り響くビープ音。
バチリと音がして二つのカプセルのロックが外れ開いた。
被験者が眼を覚ませば、身体を起こすことができるだろう。]
……よぉ。気分はどうだ。
[起きた彼らにかけたのはそんな言葉。
諦めに似た感情と共に。]
――実験室――
[ビーッ ビーッ ビーッ
不快な音。耳障りな音だ。
ガンガン頭に響いて、うるさい、うるさい。
頭がぐらぐらする、くらくらする、胸がムカムカして吐き気もする。]
うっ、ぜ……!
[久しぶりに思いっきり悪態をついて立ち上がろうと――]
……え? な、なん……!
お前、しん、だ……は、ず、じゃ
[眼の前に居たミナカタに、二年半も前に死んだはずの男に呼びかけられて、しばし言葉を失った。]
[動揺しているヤニクに向かって
近くにあった毛布を投げつけておいた。]
俺が幽霊にでも見えるのか?
……まあ、見えるか。
[どこから説明しようかと首をかしげる。
ケイトのカプセルは開いていたが、まだ彼女は起きてこない。]
[どこからどう見てもミナカタはミナカタだった。
ぴんぴんしていやがる。ライジに殺されたのはどうなった。]
……おい、ここはなんだ。
[投げられた毛布を受け取って、それは裸の身体に巻きつけながら周囲を見回して乾いた声で問い詰めた。
並べられたカプセル、床を這うコード。
そして何より、部屋に光っているモニター。
そこに映し出されているのは――さっきまでいた戦場。]
てめぇ……俺様にわかるように説明しやがれ。
[問い詰めてくるヤニクの姿に
悲しげな表情を一瞬。]
まあ待て、そう急かすな。
……ケイトが起きるのを待ってからでもいいだろう?
[少しそこにいろ、と言って出ていく。
待つのを強制するわけではないし、
どのみちここの扉は開いている。*]
ちょっ――待ちやがれおい!!
[叫んだがミナカタはすでに去り残っているのはヤニクだけになっている。
とりあえず自分が寝ていたカプセルからは出ると、手近にあったカプセルに駆けよった。
見える顔は――ナユタ[[who]]のものだったかもしれない。]
クソッ、何なんだよ!!
[苛立ちをカプセルにぶつけるため蹴りあげようとして――やめる。
何が起きるかわからない、コードだって万が一切れでもしたら大変なことになるかもしれなかった。]
……くっそ。
[舌打ちして毛布をずるずると身体に巻きつける。]
――実験室→自室――
[そのまま裸足で床を歩きながら、とあるカプセルの前で少しだけ佇んで。]
――……ひでぇ傷。
[呟いたもののカプセルは開かず。
そのまましばらく見ていたけれど、顔をそらして部屋を出ていく。
廊下では誰にも会わなくて、それでも記憶のままの場所で。
ここは一体いつのどこなのかと。
それとも今が夢なのだろうかと。
判然としないまま自室の扉を開き――寸分たがわぬ精巧さに、紺の眼を瞬かせた。]
―― →実験室 ――
[ふらりと戻る。
モニターにはチアキの姿が。
また別のモニターにナユタの姿が)
――……
[何も言えなくて、脇においてある椅子に腰を下ろす。
そのまましばらくモニターを見ている。**]
――自室――
[机の引き出しを開けた。
ほとんど物の入っていない引き出しの奥に、宛先の書かれていない封筒に入った手紙が一枚、ずっとそこで眠っている。
手にとって引き出して中味を読んだ。
汚い字で並べられているのは、昼食に肉が出たこと、風呂が熱かったこと、ようやく本を一冊読めたこと。]
――だっせぇの。
[誤字脱字ばかりのくしゃくしゃとした字で書かれた手紙は、きらきらとした幸せを纏っていた。
ここにいることとが楽しかったと、書き手がそう思っているのが伝わるものだったから、何度も何度も目を通してから、そっと畳んでもう一度しまった。]
――自室→実験室――
[替えの服はいつものように、当然の顔をして置いてあった。
着慣れた紺と黒のものではなくて、研究室で着ていたのと同じ赤いもの。
袖を通すと違和感がある、軍での訓練で少し体格が変わっていた記憶があったから。
だがそれも着終える頃にはなくなっていた。]
……変なの。
[気に入ってる肌触り。軍服とは違うもの。
懐かしいはずなのにそうでもなくて、記憶と感覚がまだ混乱している。
人のいない廊下を歩いて、実験室に戻ればミナカタはそこにいただろうか。
いれば近づいて、小声で質問をした。]
わっかんねぇよそんなの!
[叫んでミナカタに掴みかかる。
多分避けはしないだろうと思っていた、ミナカタはそういうヤツだから。]
何でこんなことになってンだよ!
てめぇが死んで――その後、俺達がどんな、に、
[ミナカタが死んだ後は、全員が散り散りになってしまい、再会して過去を語りたくても、思い出の中には彼の死が刺のように残っていた。
あの日はもうかえってこないのだと認めるのも辛かったけれど、その後変わってしまった友を見るのはもっと辛かった。]
……俺は、生きてるのか。
どっちが、夢なんだ。
[乾いた声で同じ質問を。]
―実験室―
[耳触りな音、何故聞こえるのか分からずに。
頭が割れるような、そんな感じがして。
目を開ける。]
…あ、れ。
どうし…て?
[自分はあの時、「彼」に殺されたのではなかっただろうか。
なのに。何かのカプセルの中にいる。]
…これは、どういうこと?
[カプセルから体を起こしてその外に出てみると。
そこには自分以外のカプセルが9つ。
その中のそれぞれに、「あの頃の」人たちが。
1個だけ開いていていなかったのは、ここにいる人的にヤニク君なのだろう。
…そこまでは、分析できた。でも、]
……これも。実験だったと、言うの?
私は、私たちは、いったい何なの?
[「実験体」という名称が頭に浮かび、顔を顰める。]
[カプセルには各々のモニターがついており、それは時折早くなったり、視認できる早さに戻ったり。さながら、加速装置といったところだろうか。そのモニターを見つめる気にもあまりならず。…は床の上に座りこむ。
…障壁を目の前に出してみる。それは「先ほど」よりも10枚最大枚数が減って。前と同じ6枚までだった。やはり実験だったのかな、と思う。
誰かが来るまでは、障壁は消して座りこんだまま。]
[ヤニクが掴みかかってくるのはかわさない。
そして彼に尋ねられた質問には。]
残念だが――こっちが現実だ。
ライジが俺を殺したのも、
お前がモニカに殺されたのも。
全部――夢だ。
[夢、とヤニクの言葉を使って回答した。
本当のところはきっともっと残酷だ。]
……っつーかそんな大きい声を出すな。
興奮してるならなだめてやるぞ。
[掌をヤニクに向けたが、受け入れてくれるだろうか。
内心は隠して、淡々と話す。]
こんな入口にいないで、
ケイトが起きてないか見てきたらどうだ。
[ここからではモニターがあるだけで
カプセルの部屋のすべては分からない。
ケイトが眼を覚ましているかもしれないが
最初に見るのは自分の顔ではなく
ヤニクのほうがいいだろう、と。]
[夢だったとミナカタは言う。
三年間の記憶が、ぐるりと頭の中で回って色彩を失っていく。]
……っ、いらねぇよ!!
[ミナカタが伸ばしてきた手は振り払って、彼が続けた言葉には少し言葉を詰まらせてから、背中を向けた。]
――→実験室:奥――
[カプセルが置いてある場所へと向かう。
距離にしてたいした歩数ではないので、すぐに視界に入ってくる。
最初に気がついたのは――床に座り込んだケイトだった。]
……ケイト。
[彼女が死んだのはもちろん見ていなくて、何があったかも当然知るはずもなく、彼女を殺したのがオスカーということも知らない。
しかし彼女とは死ぬ少し前まで戦っていたのは覚えていた。
あの決着はどうなったのだろう、ケイトがここにいるということは、ヤニクと同じなのだろうか。
そう思うと、何か言葉を続けるのも難しくて、座っているケイトの前にしゃがみこむ。]
ごめんな。
[何についてかは分からないが、するりと口から出た謝罪の言葉は18歳のヤニクは言うことがなかったもの。]
[
……誰かの声が、聞こえた気がして。
それを幻聴なのかも知れないな、と思ったのだけど。
…もしかしたらと目を上げれば、そこにはヤニク君がいて。]
…ヤニク、君。
[「あの場所」で遠くから見た彼は、真っ黒で。
そして、敵だった。
だけど、今此処にいる彼は、そうではないだろうことは、容易に分かり。]
…あなたが、悪いとは思っていないよ。
[だけど、と小さな声で呟いて。]
私も、ごめんね。…止められ、なかったから。
[あそこで止められなかったことは、何よりも私の罪であろう。]
[ケイトの言葉には小さく頷いてから、首を横に振った。]
俺は生きてるし。ケイトのせいじゃねぇだろ。
……モニカには、悪ぃことした、けど……
[最後に意識をなくす時。背中から聞こえた彼女の心の叫び。
それに応えられなかった事が。
彼女にそんな思いをさせてしまったことが何より後悔。
それから――]
こっちが、"現実"らしい。
……あの時間は、何だったんだろう、な。
[思わず漏らしたのは、その三年間で何か積み上げたものがあった気がしたから。
なのに現実に戻ってしまうと、それがニセモノだと知らされて、価値などなかったのだとわかってしまった。]
――実験室→診察室――
[胸が痛い。
気分が悪い。
見ていられなくなって仕事場へ戻ってくる。
このあいだまで入れ替わり立ち替わり子供たちがいたそこは
今はしんと静まり返っている。
ふ、と視線を向けるとそこには書き散らされた紙があった。
何だろうと手にとって――くしゃりと端を握ってしまう。
慌てて紙を伸ばして、皺の上を何度かなぞり。]
――約束、したのにな。
[目覚めた彼は、覚えていてくれるだろうか。
また、頼んでくれるだろうか。]
[彼の内面に、前よりも優しさを感じるようになった。
それだけは「本物」なのかもしれないな、なんて思いながら。]
...私たちはどうであったとしても、そのようにはなるべきじゃなかった。
それじゃあ、また「あれ」らの手の平の上で踊っただけじゃない。
...何だったのかしら。
色々なものを諦めて、色々なものを捨て去って。
今目の前にあったとしても、それを前と同じようには受け取れるとは思えないから。
[と、溜息ながら。]
[態度も言葉も、意識して三年間積み上げたもの。
全部幻だったと言われても、すぐにすべてなくなるわけではないが、目的がなくなった今は何のためにあったものなのか。]
踊らされてンのは、今更だろ。
……やっぱ、ケイトも大変だったんだ、な。
[彼女の溜息と共に呟かれた言葉に、ヤニクの知らない時間が垣間見える。
それは全部偽物だったとしても、それを感じて何かを思ってあそこに立っていたのは事実なのだから。
労わるように片手を伸べかけて、それがただの"模倣"であることに改めて気がついて、手は彼女に触れる少し前で、止まる。]
[ふとモニターに視線を向けると、ライジとナユタとリッキィが向き合っていて、音声は聞き取れなかったけれど、リッキィの横顔に彼女が何を思っているかは分かってしまう。
彼女にはライジのことは一言も伝えていなかった。
機会はあったのに、ソフィアには伝えたのに、リッキィには言っていなかった。]
……いえる、かよ。
[無意識の奥。隠していた恐れ。
だって彼女が、それを聞いて。
兄のライジがニュリクティ国にいると聞いて。
彼のところに行ってしまうかも、と思ったら言えなかった。
どうしても言えなかった。絶対に言えなかった。]
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