266 冷たい校舎村7
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──………──
[ 寝返りを打つ。痛い。
じわじわと響く痛覚で目が覚める。
目の前に映るのは見慣れた自宅の天井で、
端っこにある顔みたいな木目と睨めっこ。
そんなものも一瞬だけ。 ]
……
[ 痛むのは、真ん中ではなく。
寝心地の悪い床の所為で身体の節々だったけど。 ]
[ 相原からの連絡は、律儀にも俺にまで届いており
カーテンの閉め切った薄暗い部屋の中じゃ
ちかちかと光る端末が嫌にうるさかった。 ]
ほーん、
[ 病院に運び込まれたという人物の名前を見れば、
ただ、それだけの声しかでない。
毎日のように来ているであろう、
似たりよったりの真っ赤なパーカーの上から
ブルゾンを一枚羽織って。
あの吹雪く風などない。
深い紫の広がる空の下へと踏み出した。 ]
[ もちろん、向かう先はひとつ。
養拓海という男が搬送された場所。
大きな門構えをずずい、と見上げながら
中に入るのを少し躊躇っていた。
細めた眸は外にある喫煙所へと向き
私服ならバレないだろ、と自然と其方へ。
一度休憩が必要だ、と。
カチ、カチ、とライターの火を点けようと。 ]
……くそっ、こんな時に
[ しかし、何度押しても火は灯らない。
火のない煙草を片手に悪態をついていた。 ]**
[嫌だったのかな。
宇井野はなんとも言えない顔をしていた。
肯定でもなく否定でもなく、
帰って来た問いに紫苑は微笑む。]
正直、見える訳じゃないけど、
ネコちゃん、嬉しそうだったからね。
[嘘。女心すら分からない紫苑に、
ぬいぐるみの気持ちが分かるわけない。
でもまぁ、良いんじゃない?
少なくとも、紫苑はあのネコを可愛いと思った。]
良いよね、ネコちゃん。
俺も好きだよ。
[猫か犬かと言われたら犬派だけれど、
まぁ、それはさておき。]
[話の腰を折られてか、
突然の宇井野とネコの取り合わせに驚いたのか。
呆気に取られていた灰谷も
飲み物を買いに行くらしい。
そっちの方向、自販機あったっけと思いつつ
紫苑は彼女の向かった方向とは
少し逸れた場所へ向かう。
あったかいコーヒーか紅茶が飲みたいなと思う。]
[ガコン、と自販機が音を立てる。
飲み物が勢い良く落ちてくるこの音を
紫苑は余り好まなかった。
びっくりするし、容器凹んでたりするし。
閑話休題。
コーヒーを冷ましつつ
紫苑はスマホを取り出した。
通話アプリが大量の通知を告げていた。]
[その相手が誰かだなんて言うまでもなくて、
自分を引き留めるような言葉が並んだ通知を
紫苑はふぅんと感心したように眺める。
振られた時には、
これくらい泣き言を言ってもいいらしい。
自分の過去を省みつつ、
別段気が重くなることは無かった。
吹っ切れた、ってやつなのかもしれない。]
悪い子だなぁ。
[度のない眼鏡の下で、紫苑は笑う。
生憎と、国語の教科書と同じで、
文字を並べられてもピンと来ない。
むしろブロック忘れてたなぁって、
親指を画面の上で滑らせた。
薄情?はて、どちらがだろう。
雑音は未だに耳から離れないのに。]
……バイバイ、はるちゃん。
[光る画面に紫苑は告げる。
多分、言葉とは裏腹に
チャシャ猫のように口角が上がっていた。**]
撫でて欲しいのなら撫でてあげた。
痛みが欲しいなら痛めつけてあげた。
愛でないと言われても、
罪であると言われても、
私には理解できないの。
[ 傘に、手を伸ばしかけたのは
夢の中の大雪が、印象深かったからかしら。
でもね、もう必要ないんだもの。
あの世界でだって、持っていなかったし。
玄関から一歩出た私の手に、青い傘は無くて
夜の風の冷たさに、冷え切っていくだけ。
やっと、あの子が死んでしまった実感を
得たけれども、どうしましょうか。なんて、
考えても、飼うことをやめる気はないの。
悩んでいたことに踏ん切りがつけれたって、
私が私なのは、変わらないんだもん。 ]
[ 明るい道を選んで、夜を歩いて行きます。
怖い人に襲われたら、病院に着けないし。
足取りは重くって。重くって。
誰かを飼っているときよりも、重くて。
立ち止まりました。独りきりは、息苦しいので。
公園の街頭が、私の影を創り出していて
不意に消えたりするのを、眺めていると、
不意に、腕を掴まれて、驚きました。
ええ、ああ。貴方は。
いつかの、公園の小学生。
ついさっき、マネキンを見たから分かるわ。 ]
……背、伸びたね
[ 受験の時、だから三年前かあ。私は笑います。
まだまだ伸びるんだろうけれど、十分。
彼は、腕を、振り上げて。
あら。殴るのかしら。何て眺めていたけれど、
結局力なく、降ろしてしまいました。 ]
[ 俯いて、顔を上げて、また俯いて。
彼は、小さな声で話し始めました。
その後保護されたこと。今は親戚の家に居ること。
そこでは良くして貰っていること。
あの日、私が二度と帰らなかった家で
どんなに寂しくて、辛くて、憎い気持ちになったか
……という、ありふれたこと。と、
それでも、あの親から遠ざけて、助けてくれて。
一生忘れられないほど、感謝していること。 ]
[ まだまだ拙い、何歳も年下な子供の話を、
私はふんふん と聞いてあげました。 ]
それだけ?
[ それだけ……と、力なく返す彼の声を聴いて
にっこりと笑いながら、腕を振り解きました。
だって私、貴方に用は無いんだもの。
足はね。相変わらず重いけれど、歩き出して。
公園を置いてけぼりにしちゃいます。
彼もきっと、すぐ帰るわ。ばいばい。 ]
[ 私が救いだと。良い人だと思ってしまったのなら
それは、残念だけれど、錯覚でしか無くて。
だって、自分の所為で人が死んでも
どうとも思わない人間を、どうすれば
良い人だって、言えるのかしら?
だから。私は、どうしたって悪い人ですから。
寂しいなんて、どの口が言えるのかしら?
病院への道を、歩きます。
澄んだ空気が、心地良い。 ]*
[ 病院特有の香りがして、実感が湧くの。
夜も深いと言うのに、人の気配がする、
だけれど静かで、見える人も少ない。
皆、集まっているのかしら。
案外、誰もいなかったりして。
だったら笑ってあげるのだけれど、
そんなことは、きっと、ありませんから。
ほら、よく見た顔がいるもの。
自動販売機前、俯いた人物は夢の中でも
見た彼、そのものでしたから。 ]
おはよう、ひいらぎ君
[ もし夢の中の出来事が、本当に
全員の記憶に残っているというのなら、
彼も、眠っていただろうから、おはよう。
ひらひらと手を振って、笑って、
ぽつり と聞こえていた呟きが、
気になったものですから。 ]
“はるちゃん”とバイバイしたんだ?
[ 笑っているように見えたから、
きっと。きっとね。良いことでしょう。
だから、良かったね。って、私は言います。
自動販売機のラインナップを眺めながら。 ]*
[むかしが今に塗りつぶされていくのを感じながら、
それでもあしたを手放すことはなかった。
死ぬほどのことじゃない、と思いながら、
連綿と続くきょうをおわらせてきた。
死ぬほどのことじゃない、し、
死んだら“お母さん”がますますかわいそうになるじゃないか]
………。
[気がつけば、自動販売機なんてどこにもない、
よくよく整備された植えこまれた樹と、
だだっ広い草原が広がるあたりに来ていた。
……柊の姿も追わずに適当に歩いてきたんだし、
こういう状態になってしまうのも致し方ない話か。
ぽつぽつと据えられているベンチのひとつに腰掛けて、
空を見る。それから、手元を見る。
病院内から出て、ようやく、堂々と開けるようになったスマートフォン。
片隅で通知が来たことを示すランプがともっている]
[イロハはスマートフォンの電源を切った。
それだけだ。
イロハにメッセージを寄越した相手――
母からの言葉を黙って殺すのにそれ以上は必要なかった]
[やたらと穏やかな気持ちに包まれながらこれからのことを考える。
今日は家に帰らない、とは決めた。
ならばどうやって夜を明かそうか。
誰かの家にでも泊めてもらうよう頼みこもうか。
不思議なことに、最初に思い浮かんだのがなぜか蛭野の家だった。
正確には、今よりずっと小さなイロハが、
ランドセルを背負って、両手にふわふわしたものを抱えて、
立てこもり先を蛭野の家のどこかに求めようとしている光景、が浮かんで消えて。
その時とは違うんだから、と、
自分に言い聞かせながら小さく首を横に振った]
[野良猫を拾ったことがある。
雨の降る道端でうずくまっていたその姿が、
あんまりにもかわいそうだから連れて帰った。
けれどウチの猫にすることは母から断られた。飼ってる余裕がないと。
ならあたしが世話する、って頑張って言ったんだけど母は譲らず。
最後の抵抗手段としてイロハは着の身着のまま家を出たのだった。猫と。
そうして立てこもり先で夜を明かし、次の朝、
一緒に寝たはずの野良猫は忽然と姿を消していたのだった。
ちゃんちゃん]
[小学生の時の話だ。今の今まで忘れてた、そのくらいの記憶だ。
現に、猫がいなくなったことに対して何を思ったかはおぼろげだ。
あんまり悲しまなかった気はする]
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