人狼議事


76 ─いつか、薔薇の木の下で。

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メモを貼った。


メモを貼った。


[彼は、サイラスとは違い、すみっこで、宙をみている。
 だから、薔薇が精気を求め、踊りいく姿も眸に映していても、心には映していない。]

 ああ、ロシェの姿がみえる。
 どうしてだろうな。

[ぼんやりと。]


[暫くその場にぼんやり、くず折れていたけれど、
ふと顔を上げて立ち上がる。

ふらりその姿を消したあと、辿るのは自分が埋めた薔薇の気配]


[足は何故か迷わずにひと時の分身の元、たどり着く。
情事の残り香に混じった、大事な人の元。

扉の前、暫く躊躇するかのように額をつけて深い呼吸。
見たくないものを見るために]

───……。


[そこにあるのは薔薇を受け入れた褐色の彼と、自分と同じ青い眼と金髪の後輩。

余程深く交わっていたのだろう。
そんな様子が見て取れて。

胸に沸くのは後輩への深い嫉妬。
同時に自分への嫌悪感]

ごめん。

[眠る相方の頬に、触れられない手を伸ばす]


[思うところ向かうサイラスの姿が見えた。
 本当に眩しく見える。

 きっと、細い手首でも、揺らせば気付いてくれるだろうけれど、
 首を穏やかに振って、やわく諦念の笑み。]

 ああ、眠っていたい。
 ずうっと……。

[寂寥混じる笑みとため息。
 この薔薇の幻影が終わるのを惜しみながら。]


[一瞬、後輩の胸元にナイフを突き立ててやりたい感情に駆られる。
が、彼だって望んでこうなった訳じゃないだろう。
きっと、薔薇のせい。きっと、その筈だ。

それでも深呼吸をして、落ち着くのに随分と時間がかかったもので。

ヤニクもおなじ思いをしたのだろうかと思えば
ただただ、申し訳なさと自己嫌悪だけが胸に満ちる]

ごめん、二人とも。
俺の、せいで。


[夢の自分がここに居ることは勿論彼はしるまい。
ヤニクの体に触れているのを見るだけで胸が締め付けられる思いであったけれど。

小さく、「ありがとう」と呟いた。
そして、彼が部屋から出たあとのこと。
ヤニクにささやきかけるように呟いた]

ヤニク。好きだよ。本当に、好きだよ。
だから、隣に居させてほしいよ。


[ヤニクの隣、後輩が寝ていた部分。
そこに自分も横たわる。
勿論ヤニクの体温を感じることはできないけれど、
肩口に顔を埋めるようにすりよって、あの時感じた暖かさを思い出す。

青い眼の猫が、夢の中でも寝息を立てる。
ほんのわずか、幸せを感じながら*]


[夢の中で眠る猫、また瞼がふるり震えて目を覚ます。
夢から醒めた夢、何も記憶と相違なく

未だ眠る部屋の相方。
好きで、大事で、傷つけてしまった人]

ヤニク。起きろよ。なぁ。
俺、ここにいるよ。もう、寂しくないだろ?
離れないよ?ずっと一緒にいるよ。

だから、起きろよ。


…。怒ってるから、起きてくれない?
俺が離れたから?不安にさせたから?

[すり、とまたその頬に頬を寄せて。
なきそうな声で呼びかけた]

起きろよ。…なぁ…起きて……

[夢の身では声は届く訳もない。
触れても、触れられたとしても彼は感じないのだ。
勿論猫の声も、聞こえない]


起き……

[また触れようとして、手を止める。
ほとりと目から零れる水滴はシーツをぬらさない。
それが例え数え切れない程零れても。
薔薇が咲けば皆目覚める。

けれど、彼と日常に戻ることはできるのだろうか。
夢にいるからこそ、今こうしていられるのに]

ごめんな…。こんな思いさせて。
それでも…俺は、ヤニクが大事だよ。
……あいしてる。

[ふ、と彼の唇に自分のそれを重ねてゆるり離れ。
きしりと鳴るベッドから降りた。
文字通り音もなく、振り向きもせずに部屋を出て*]


[月明かりが、痛いほど眩しい。
小さく小さく身体を丸めて、唇噛んで啜り泣く。]




 ロシェ……


[その姿に、眉を垂らすけれど、
 乾いた肌の手、伸ばしても、届かない気がして。]


[微かに聞こえたシリィの声に振り向く。
片目から滴り落ちる赤。]

…あぁ、俺…、俺ッ、…君に、ひどいことを…



 ロシェ、ひどくないよ。
 僕こそ、

 ごめん

[嘆く人に俯いた。]


メモを貼った。


ううん、それでも……。

あの時、俺……止められなかった。
いけないことだと分かってるのに、なのに俺……

確かに欲に溺れてた。
君を力任せに蹂躙することが、確かに気持ちいいと感じてたんだ。

そんなこと、許されるはずもないのに。


[その身は自室にあった。
薔薇の木の下、エリアスと交わった姿は乱れていたのに、
きっと整えてここに寝かせてくれたのはエリアスだろう

ぼすん、と自分の体に覆い被さるようにたおれこむと、
ぎゅ、と目を閉じる]

…ヤニク。

[そしてまた、薔薇の気配が伝わってくる。
咲くための最後の精気を求めてること。

…大事な彼がまた誰かに抱かれている。
嫉妬と悲しさに涙が止めどなく。


あぁ、もう


目覚めたくない*]


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