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メモを貼った。
[結局、手紙を残す事は無く
ベルナデットの手を引いて接続を受けるべく一度待機室へ。
其処で流れる機械音声。
頷き、周囲を見渡した]
それでは、
[各々の反応を受けとめて
誘導されるまま、接続を受ける。
気が狂いそうな長い間、じわじわと脳裏が侵されていくのを感じた。
過ぎた性欲を規制された地上
例えば子孫繁栄以外の性的興奮は全て規制されるわけで
其処には各々のフェチズムも含まれている。
異常性欲から、変態性欲、性的趣向は多種多様
本来、個々の内に秘められるはずの不適切な性欲が
男の身に流れ――――――――――数時間後]
――――っは、はぁ……はッ、
[メインルームに続く扉が開くと、
額に汗浮かべた男が、よろめきながら個室へと向かう姿が
一度待機室のモニタに映る。
全力疾走後のような、荒い吐息を繰り返しながら]
今の、 私に 近づくな
[ベルナデットには、短く告げる低く擦れた声を向けた**]
メモを貼った。
[疲労。徒労。
そんな言葉に、こちらは息を吐き出すしかない。
彼が本当はどうしたかったのか
自分は一言も聞いていないのだから]
…服を着る時間くらい、くださいませんか。
[腕を取った男から僅か視線をそらし、息を吐き出す。
羽織っているものといえばジャケット一枚。
そのままの姿で連れて行く気なのだろうか。
とにかく、一度部屋へと戻り身の支度を済ませる。
シャワーを浴びて、服を着替えるその途中、
肌の上に残る桜色に僅かに指を沿えて息を吐き出す。
あとで、改めてラルフにはきちんと謝らなくてはと心に決め
それから部屋を出た]
[男は、部屋の外で待っていたのだろう。
これ以上変な気を起こさせないつもりなのか。
手を引かれたまま待機室へと向かう。
聴こえるアナウンスに、微かに不安を覚えた。
それは、これから先のことよりも常に監視され続けることに対するもの。
アナウンスが天井から落ちてきたタイミングが、余りに良すぎて。
最後に、皆と交わした言葉はどんなものだったか。
ただ、ラルフにはとにかく謝ったことだけは事実]
[とたたん、と軽い足音が二つ。
チャールズの接続が終わる頃現れた二匹の鼠。
そして、おいていった鍵が二つ。
終わったのだろう、起き上がったチャールズに声をかけようとして]
…チャールズ様。
[その細い声は、待機室に届いたかもしれない。
選びかねたその手は、ただ二つの鍵を握り締めるだけだった**]
メモを貼った。
メモを貼った。
―接続前―
[己の内心を告げぬまま、
彼女に命じるだけでは伝わろうはずも無い。
男の本質を知らぬままであると、苦い気持ちが浮かぶ。
聖人ではないのだ
ただの男があちらへ行けばどうなる事か]
服を着る必要があるのなら、どうぞ。
[薄笑いを浮かべて告げてみる
意味合いが通じたかどうかはわからない。
ベルナデットが身を清めて出てくるまで、
部屋の外で待つ事にした。
結果として、どのような格好で出てきたのやら]
[殴れといわれていたらしい
ただ、苦い笑いを浮かべて首を振った]
伝言を、よろしく頼みますよ。
本当は手紙をと思ったのですが、間に合いませんで。
[ラルフからかけられた言葉
――――ええ、お先に
真の地獄の門を潜らせて頂きましょう。
あちら側で会う事があれば、また。
[そう告げて、背を向ける。
その後の青年と少女の遣り取りが終われば
接続前に今一度声をかけ]
ベルナデット、本当に……彼を残して私の管理者となる事に異論はないのですね?
[確認を取ったのだった。
返答がどうであれ、結果として彼女と共に地獄の門を潜る]
メモを貼った。
― メインルーム:個室001号室 ―
[眠りに落ちる寸前まで、コリーンの気配を側に感じていた
……ゆ、め……。
[夢の中では胃袋に限界など無いかのようだった。現実に帰れば、既に空っぽになった胃が食べ物を求めている。身に注がれ続ける「暴食」がその欲求を加速させる]
何か……食べ物……。
[ベッドから起き上がると、コリーンの姿は無かった。それを心細いと思う余裕もなく、台所へと歩き出す]
―→ メインルーム:台所 ―
―通路―
[個室にたどり着く前に崩れ落ちる。
床に蹲り、苦悶の表情を浮かべ、両腕で身を抑える仕草]
っは、……駄目だ だめ
[首を振る。
低く擦れた声で、言い聞かせるような言葉]
−接続前−
…。
[着る必要、というその言葉を思い出して息を吐き出した。
生憎、今のところは露出を好む嗜好はない。
ラルフに散々謝ったまでは良かったが]
…、え
[契約、その一言に頬に朱がのぼる。春のいろ。
一つ二つ、考えるような間があいて、無言のままかすかに首を縦に振る。
恥ずかしいと思うその反面、彼が来る頃の自分はどうなっているのかと
幾らか不安にも感じていた。
チャールズの問いかけに確かに頷いた。
そも、自分とラルフの間に恋愛感情はなく
そこにあるものといえば契約の一つだけであったから]
−通路−
[彼の部屋の鍵は、この手の中。
近づくな、といわれたのである程度の距離は保っていたが]
…チャールズ様。
[大丈夫か、と問えるはずはない。
大丈夫であるはずがないのだ。
いくらなんでもそこまで無神経には、なれない。
彼との間合いを詰めながら、ただ見守ることしか出来ない]
メモを貼った。
― 通路 ―
[台所へ向かおうと個室を出た。ちょうどチャールズ
……チャールズさん?
接続されたの? もうそんな時間……?
[いったいどれだけの時間寝ていたのだろうかと、不安に思いながら、うずくまる彼に声をかけた。食欲に支配された思考にも、誰かを心配するような感情は湧くのだと気付いた]
―通路―
――――…駄目、だ
[流れ込む慾は止まる事が無い。
男の脳裏が染められていく]
…………
[かけられた声に返す事も無く。
よろよろと
柔らかな壁伝いに立ち上がる。
黒檀色の焦点は合わず]
嗚呼
[視線の先に、
薄っすらと笑みを浮かべて手を差し伸べる]
助けてくれないか
…部屋まで、もう少しですから。
[手に握った鍵の音を立てる。
視点があっていないように見えた。
幾らか表情は険しくなったが、
聞こえた別の声に顔を上げる]
…貴方は
[先達て接続された少年。暴食の子。
管理者とは一緒ではないのかと思っている間に
子供へと伸ばされる手]
チャールズ様。
[声は、幾らか険しい。
手を伸ばしたことまでは止めるべきか迷い]
[黒檀色が名を呼ぶ側へ向けられる]
……邪魔をする気か
私に溜まる慾を、解放させぬ心算だとでも?
[情欲を瞳にうつし、地を這うような呪いの声音]
お前は、管理者だろう?
ならばすべきは、子供を捕らえて私の前に差し出す事だ。
[助けて、と手を伸ばされ
チャールズさん、大丈夫……?
[ベルナデット
…いいえ。
私の仕事は、貴方を管理することです。
貴方に、生贄を捧げる祭司ではありません。
[はっきりと口にする。
それから、トニーのほうへと視線を向けた]
大丈夫、まだ少し慣れていらっしゃらないだけ。
…それよりも、何処かへ行くつもりだったの?
コリーンさんは、一緒じゃないのね。
[チャールズの興味はトニーから逸れることはなさそうだ。
だから、逆にトニーの意識を別の場所に向かわせようと]
メモを貼った。
―通路―
[近づいた少年の姿]
大丈夫じゃない、から……助けてくれるだろう?
[とられない手は宙に浮いていた。
逆に子供の腕を取るべく身を乗り出す]
個室へ連れて行ってくれないか
このままでは、治まらない
[焦れたような声。
私の管理? 体調管理も仕事のうちだろう。
ならば早くこの身の熱を沈めてくれないか
出来もせぬなら、子をこちらへ寄越せ
―メインルーム:個室02―
[室内に音が響く。
それは管理対象である器が個室から出たことを知らせる音で。
そんな機能があるとは思っていなかったから、その音に驚いたように目を覚ました]
な、なに……?
[部屋の中を見渡せば、扉付近に或るコンソールに「暴食の器が部屋を出ました」という無機質なメッセージが一つ]
…………ほんとうに、”管理”なのね……
[孤児院で面倒を見ているのとは違う。
それを知らしめるかのような機能に眉根を寄せて僅かに息をつく。
寝乱れた髪を軽く手櫛ですいた後、ワンピース一枚身につけて廊下へと出る。
昨日、あのままトニーも今迄眠っていたのなら、おなかがすいているだろうと台所に向かうつもりで]
チャールズ様!
[声を僅かに荒げた。
身を乗り出しかけたその姿を、止めるように間に入ろうと動く。
体調管理として求められた言葉に眉が僅かによる。
痛みとも、悲しみともつかない表情。
それは、最早チャールズを止めるに値したいだろうけれど]
…。
わかりました。
[少年に相手をさせるくらいなら自分が相手をする。
そう決めると、ゆっくりと息を吐いて個室へと促す。
最初から、覚悟していたことだ。
ラルフに頼んだ無茶のことだって忘れていない。
握り締めた掌に、鍵は幾らか痛かった]
メモを貼った。
近づくなと言ったのに
自己犠牲か……お前もまた
[伸ばした腕は、子供に届かず
かわりに間に入った少女の腰を引き寄せる]
私以上に
途方も無いほど無知無能ではあるが
主としてはこれくらいの方が扱いやすかったんだろう
覚悟は出来ているのだったか。
ならば、今すぐにでも
[通路の壁に、少女を押し付ける。
トニーの見ているその前で
衣服の襟口つかみ、力を込めて]
―通路―
[通路に出たときに、チャールズとベルナデットは、まだそこにいただろうか。
チャールズとベルナデットが個室に入ろうとするのならすれ違うかどうかというところだったかもしれない]
今日はチャールズさんだったのね……
[小さく呟き]
コリーンの声が聞こえて、視線だけを其方へ向けると薄く唇に弧を描いた。
[ベルナデット
あ……うん、目が覚めたらすごくお腹が空いてて……何か食べようと思ってた……
お姉ちゃんは……今は、お部屋にいるのかも。
[チャールズ
チャールズさん……?
[何がしたいのだろう、と彼をじっと見つめた。そうしているうちにも、ベルナデットの言葉で思い出された食欲が募ってくる。が、彼がベルナデットを壁に押しつけるのを見て目を丸くし]
チャールズさん、駄目だよ、やめてよ……!
[暴力を振るおうとしたのだと思って、止めようとした]
駄目な事などあるものか。
[止めろというトニーの声。
男は嗤う。
息も絶え絶えに駄目だと己で零した言葉の否定]
此処は負の溜まる場所
受け入れるのが器の役目
行き場の無い負の感情は何処へ発散すればいい?
そうだ
何も我慢する事など無かった
トニー
お前も、したいことをすれば良い
器はそれが許されて然るべき
そう。
それなら、何か食べてくるといいわ。
[トニーに先を促すも、チャールズに引き寄せられ
一瞬だけ思考がトニーから逸れた。
壁に押し付けられて、息が詰まる]
私は大丈夫だから。行きなさい。
…お願い、行って!
[少し掠れた声で、トニーに先を促す。
最後はもう、悲鳴にも似た懇願だった。
自分のこの先を見られたくなかったのか。
それとも、トニーをとにかくチャールズの手の
届かないところに起きたかったのか。
よくわからないまま]
ッ
[襟口を掴まれれば皺が寄る。
白いシャツブラウスと、フロントボタンのワンピース。
ジャケットのボタンはかけていなかったけれど、
彼が力をかければたくさんのボタンが
白い床へと霰のように音を立てて落ちるのか、
それとも心地よい布地が悲鳴を立てて破けるのか]
―通路―
[チャールズがベルナデットを壁に押し付けているのが見え。
それをトニーがとめようとしているのに、慌ててトニーの傍へとちかより]
トニー、駄目よ。
チャールズさんにはチャールズさんの考えがあるし、ベルナデットさんはそれを受け入れる立場だから邪魔しちゃ駄目。
[トニーにしたいことをすればいいと告げるチャールズと、早く行けというベルナデットにかぶせるように声をかけた。
どちらにせよ、器となったものを無理に抑制するのは良くないのでは、と考えているからこそ、トニーをとめる]
コリーンの姿が見えれば首を横に振る。トニーを連れて遠ざかってほしいという思いは通じるのか。
[チャールズ
受け入れるのは役目だけど……でも、でも剥き出しにするのは違うと思う……!
[少なくとも自分は必死に耐えていた。それが無意味だと言われるのが悔しかったのかもしれない。自分ももっと欲望に素直になってよかったのかと、一瞬そう思った自分に吐き気がした]
お姉さん……
[心配そうな目で「行って」と言うベルナデットを見つめた。が、コリーンの声
お姉ちゃん。管理する人って、器の人が暴れたりするの、止める人なんだと思ってたんだけど、違うの?
[困ったように少年自身の管理者を見上げて尋ねる]
器の人は好き放題していいの? 好きに暴れて、それを管理者の人が受け止めるの? 器の人が頑張って我慢すればいいんじゃないの?
[我知らず声が荒くなった。八つ当たりにも見えたかもしれない]
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