76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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[廊下に出れば、無事な人の姿を求めて歩き回る。
しかし、徐々に薔薇の香りに意識が塗り潰されていくだろうか。]
(20) 2013/03/31(Sun) 00時頃
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…そうだな。痛くないといい。 お前は、大丈夫なのか?痛く…なかった、のか?
[ロシェを寝台に降ろし、おやすみと呟く。 これで3人の寝顔を見届けたのかと。ぼんやり、考えた。
振り返れば、彼が自分で自らの肩を抱いている。 己に向けられる瞳は誰のもので。 己に向けられる言葉が誰のものなのか。
それがどちらだとしても]
…ごめんな。ごめん。 ありがとう。
[そっとその肩に手を触れ、ぽつり、言葉を落とした]
行こう。お前の部屋、誰もいないんだろう? 朝まで、一緒にいよう。
(21) 2013/03/31(Sun) 00時頃
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俺?
[何の話?そう言いたげに赤い瞳をまあるくして見返した]
痛くないよ だってそれが 彼の、俺の ええと 望み、だったんだから
[肩に触れたエリアスの手。 それに触れ、うん、とひとつ頷いた]
誰もいない、し 何もない ……一緒に、いよう
[そのまま手をひいて、歩き出した]
(22) 2013/03/31(Sun) 00時頃
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ならいいんだ。 …それならさ。
[口元を緩めて、黒い髪をぽんぽんと撫でる。 引かれた手はそのままに、彼について歩き出す。
何もない。 ふっと今更ながらに思い出したのは、 未だ片付かない自室のことで]
まあ、いっか。今日はもう充分やったんだしな。
[現実味がなく、遠い話。 ふらりふらりと。抗うことは無く。 薔薇の香り満ちる宵闇の中を進んでいく]
(23) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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[強い薔薇の香りに身体の芯に熱が宿る。 自分の地盤が崩れていくような感覚に胸をおののかせ。 熱い息を吐きながら無事な人の姿を求めつつ。 蒼い目はうっすらと滲み。]
…誰か…。
[徐々に塗り潰されていく意識の中、 安堵を与えてくれる人を求めていた。]
(24) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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……あは。
[前方に見える影。 それは自分に栄養をくれた]
そうだ……お礼、しないとね。
[近付く。 笑みを湛えたまま。 彼にも、蕾をあげよう。 もっともっと、快楽に堕ちれるように]
(25) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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[少しだけ肩をすくめて、大人しく撫でられる]
うん、それでいいんだ
[つないだ手は暖かく、熱く、けれど離したらすぐに冷えてしまいそうで。
やがて辿りついた自室。 開いた先、片付けたにしろ、少ない荷物。 目立つのは枕元の本だけ。そんな部屋にエリアスは何を思うか]
……ぅ
[嗚咽みたいな音が喉奥からこみ上げる。ふる、と一度強く首を振ると、寝台へと促した]
(26) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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[近付いてきたのがヤニクと分かれば、びくりと瞳を揺らし]
…ヤニク先輩…。 お礼とか、いらないですし。
[サイラスの寝顔を思い出す。 随分と心配していた様子を考えれば、彼の事は言ってはいけないとそう思った。]
(27) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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遠慮なんてしなくていいよ…… もっと、もっとヨくしてあげる。 もう何も怖くないし心配もしなくていい。 だから……ね?
[伸ばされる指が、白い顎を伝う。 擽るようなその動き。 そのまま顔を寄せ、間近で微笑む。 薔薇の香りが、恐ろしく強い]
(28) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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…。
[がらんとした部屋。 枕元に本が残っていたことに、思わず安堵してしまった。
卒業するということは。 寮を去るということは。 こういうこと、なのだと]
…なあ。本当に、大丈夫なのか? お前は、痛く、ないんだよな。そうだよな、オスカー?
[首を振った時の彼の瞳はどうだったのだろう。 促されるまま寝台に腰かけて。 紅をじっと見つめる]
俺は大丈夫だから。 何がどうなっても、大丈夫だからさ。
[言いながら、手指を絡ませようと]
(29) 2013/03/31(Sun) 00時半頃
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……。
[薔薇の誘惑に抗わなければと本能は警鐘を鳴らす。 ヤニクの言葉に、声に縋ってしまいたい。 彼との交わりが強い快楽を生み出す事は身体が覚えている。]
…貴方は誰?
[けれど、目の前の相手が同室者の事を懸命に探していた姿と、助けたいと願った姿と重ならず。
相手の手に触れながら、困惑ぎみに問い掛けた。]
(30) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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大丈夫、大丈夫だ
[腰掛け、近くなった視線。 じ、と見返しもう一度]
大丈夫だよ、エリアス お前がそうなら、いてくれれば
[絡む指先。視線は逸らさずに、親指で優しく撫で さっき触れた頬にそっと唇を寄せた]
……だから頂戴
心を、想いを ……咲くための、力を
[刹那瞳を揺らした躊躇いは瞼の下に押し込めて、そのまま唇を重ねようと]
(31) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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……ふふ。 誰だって、いいじゃない。 そんなことどうだっていいでしょう?
[クスクスと。 低い笑いが周囲に響く]
……貴方ももうすぐ。 私と同じになる。 私になる。 私を……咲かせるための。
(32) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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此処にいる。 お前が望んでくれるなら、いつまでも、ここに。
[灰色の双眸を溶かすのは、快楽への予感か、それとも。 ほとんど入っていない力を抜いて、 唇を受け止め、味わう。
腕は小柄な彼の背を抱くように回されて。 ただ、全てを受け入れるべく]
だから… 全部、持って行ってくれ。 俺を、どうか、全部。
(33) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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[目の前の相手は、ますます自分の知る先輩から掛け離れていく。 そして、自分には理解出来ない言葉。]
貴方と同じ…? 咲く? どういう事ですか?
[薔薇の香りによって意識が覆い隠されようとしている。 けれど聞いておかねばと、何とか踏み止まろうと。]
(34) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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……花を。 咲かせるの。
[ふわり、身を寄せる。 動くたびに強く香る、薔薇の香り]
だけど……まだ、足りない。 あと少し、足りない。 皆から精気を貰って…… あと少しなの。
[愉しそうに。嬉しそうに。 熱っぽい息を耳元で]
(35) 2013/03/31(Sun) 01時頃
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[重なる唇。濡れた音はこのまま全て奪ってしまえ、と身体の熱をあげる]
ありがと、エリアス
[薔薇の知識に追い付かないのか、たどたどしい口づけ。 洩れる吐息を飲み込んで、そのままエリアスの肩を軽く押して寝台に横たえる]
……好きだよ、エリアス
好き、だって
[そう、伝えた]
(36) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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みん、な…? …それじゃ…。
[蒼い目を見開く。 薔薇から告げられた言葉は自分の想像を超えていて。 守りたいと願う人は、サイラス達と同じように眠ってしまったのだろうか。
−蒼がじわりと滲む。
けれど相手の纏う薔薇の香りに、誘惑に最後の対抗をするように、 ヤニクではなく…目の前の相手を強い眼差しで見つめ。]
俺で…終わりに出来るのか?
(37) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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[寝台に柔らかく灰色の髪を散らして。 紅い双眸を見上げ、彼の頬を撫でる。
伝えられた言葉に、双眸は泣きそうに歪んだ]
…俺も、好きだよ。 オスカー。 お前が、好きだ。
[だから一緒に。 どうか一緒に。
薔薇の宵闇にその身を投げ出す。 塗りつぶされていく自我の中で、再びのキスをねだる]
(38) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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そうだね。 貴方で終わりに出来る、かな。
[此方は、という言葉は口に出さず]
そうしたら、きっと咲けるよ…… だから、ね?
[唇を寄せる。 けれど触れ合う寸前で、止まり]
……貴方を。また。 全部、頂戴?
[黒薔薇は蒼を見つめ、嗤った。 触れ合えば、其処から薔薇は根付くだろう。 この身体はもう眠る。 だから最後の仕上げを、と]
(39) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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[歪む瞳、その瞼に優しく唇を落として]
喜んでるよ、オスカーは
でもね、彼は…… 皆に幸せになってほしいんだ
俺も、僕も、薔薇も ――…みいんな
[言葉の合間、鼻に耳に唇に、軽い口づけをいくつも落として。 甘いキスと冷静な言葉。 熱は両方を飲み込んで、やがて二人の呼吸はひとつになった]
(40) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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…皆が、幸せに…?
俺は… 俺に出来ること、は
[甘い口付けに意識はとけていく。 夢見心地に、語りかけられる言葉に返した。
吐息が混じればもっととせがんで。 既に花弁の散らされた肌を晒しながら、 目の前の肢体を欲し、自らの肢体を差し出していく。
やがて、意識は深く甘い闇の淵へと沈んでいくのだろうか**]
(41) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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……。
[何かに操られているよりも、眠っている方がまだましなのだろうか。 やがて意を決して両手を伸ばすと、先輩の…薔薇の身体を引き寄せる。]
―いいよ。俺を全部あげる。 その代わり、必ず先輩を解放してくれ。
[そして自分から最後の距離を詰めた。]
(42) 2013/03/31(Sun) 01時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/31(Sun) 02時頃
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エリアスは
……傍に、いてよ
[欲に掠れた声は小さく細く、けれどかきいだき肩口に顔を埋めた体勢で届かぬはずはない]
…………
[既に散らされた処女雪の白に浮かぶ紅い華。それらを薔薇色に染め直しながら、薔薇は悦びの声をあげ]
(43) 2013/03/31(Sun) 02時頃
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[中庭で、一輪の薔薇が開き*始めた*]
(44) 2013/03/31(Sun) 02時頃
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大丈夫……薔薇が咲けば。 そのうち皆、目を覚ます。 今だけ。一時だけ。 心地よい眠りについているだけ。 だから……何も心配ないよ。
[唇が触れ合えば。 其処から最後の栄養を求め、薔薇は激しく侵食する。 同時に、もう殆ど意識の残っていない身体は 力を失いノックスにその身を預けるだろう*]
(45) 2013/03/31(Sun) 02時頃
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…本当…? それなら…。
[薔薇の言葉に滲んだ蒼が揺れる。
皆が戻って来られるのなら、いくらだってこの身を差し出せる。
自らが花開く為の養分を求める薔薇に、望むままに精気を与えた。
−やがてヤニクの身体から力が抜ければ、それを抱き留めて。 くしゃりと顔を歪めながら囁いた。]
…おやすみなさい。
(46) 2013/03/31(Sun) 02時頃
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――……
サイ、ラス、さん……
[最後に唯その一言だけを呟いて。 身体はくたりと弛緩した**]
(47) 2013/03/31(Sun) 02時半頃
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ノックスは、目を閉じた。**
2013/03/31(Sun) 02時半頃
病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/31(Sun) 09時頃
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[やがて目を開けると、力の抜けたヤニクを背負うようにして彼の部屋まで運ぶ。
サイラスが眠っている寝台の隣に寝かせると、そっと退室した。]
[薔薇は褐色の肌を持つ少年から白金の髪を持つ少年に移り、 晴天の空を思わせる蒼い瞳は、少年達の精気を得て徐々に緩みだす蕾の色に。]
(48) 2013/03/31(Sun) 10時半頃
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−まだかな。
[歌うように、 口笛さえ吹くような調子で。 あれ程翻弄された薔薇の香りも今は心地好い。
少年は、明けない夜の始まりの時にいた食堂へと向かう。 食堂に着いたなら、同じ椅子に座り、机の上に肘をついた。
薔薇が咲けば、皆が目覚めるのだと、蕾の色の目をうっとりと細め。
じっとその時を*待った。*]
(49) 2013/03/31(Sun) 11時頃
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