140 Erwachen〜lost wing of Jade〜
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[花の根は彼の心臓を、瓶の破片をも巻き込んで、 深く深く、その根を下ろす。
吸い上げたのは生命力《力の源》 もたらしたのは異常性《狂 気》
彼の全てを吸い上げて、咲き誇る花は白く、淡く。 しかしそれも束の間、 まるで血液を吸い上げるように、葉は赤く紅葉して。
傷を負った朱には気付けぬまま、防除壁から出て運命者を取り押さえる事となったか。 白から赤へ染まった植物は蔓を大きく伸ばし、今やその胸を覆いつくすように。]
(210) 2014/11/18(Tue) 21時頃
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[だが、表皮の強固さは、見た目通り。 なみの剣など、当然ながら歯が立たないだろう。]
だからやめておけと────
[これ以上はやめろと、警戒の意味を込めて緩慢に腕を伸ばす。
今度は何をする真似か。 様子からして雷撃か。 雷は、最も相性のいい……いわばダメージを受けにくい属性。 まして人間の放つまがい物など……]
(211) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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──────トール!?
[何かが聞こえた。]
(212) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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……っ、しまっ……!!
[一瞬、完全に無防備となった。 天からの雷撃は、その瞬間、脊椎を貫いてきた。]
ッがぁぁ!!!
[大きく背を反らせ、咆哮する。
痺れる太い腕を闇雲に振るえば、土壁が崩れ、暴れた尾は、穴をさらに大きく広げた。]
(213) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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[足に痕を付けた黒に、幸い痛みは無かった。 それに精神が疲弊するでもなく。
黒い染みが内側に浸透し消えていく。 其処からじわりと内側に染み込んでくるものには、嫌悪感があった。
僕はその性質を、僕の中の歴史の記述に照らし合わせる。 それが僕にどんな影響を及ぼすのか。 理解して何も無かったかのように、今はその頁を閉じた]
(214) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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[歴史書は、意識の外側の戦いを記録しない。 《チ》の守護者と《解析者》の戦いは、綴られぬままページは過ぎて。
今はせめて雷神の最後を見届けようと、仰は遙か天上の、 高笑う狂戦士。**]
(215) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 21時半頃
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……まったく、勘弁して下さい。 これでも戦いを教えてくれたのは貴方じゃないですか。
[雷と、力と。全てが終わったその場で、対峙するように立っていた。 ゆっくりと語られる言葉>>201に呼応するように、緩やかに笑う]
全力には、全力で応えるのがマナーでしょうか。 護れたかは、私には判断できませんが。
(216) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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―異変―
[リィィィィィィィ……ン]
[雷神の姿が消えた後、地面に転がっていた黒槍は、大いなる力に耐え切れなかったかのように鳴動し、罅が入っていく。]
[ パキッ…… ]
[そして槍は砕けたが、内部から雷が溢れ出た。 雷はエネルギーの球体と化し、光を纏わりつかせながら、空へ還るかのように、上空へ駆け上がる。]
(217) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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……私は、愉しかったですよ。
[肌の一部が焼け爛れ、髪の一部が縮れ、服の裾も焦げ、溶け。 それでも少女は、観察者《ディオサ》の娘としての誇りを抱いて毅然と立っていた]
貴方と戦えたこと、感謝します。
[彼の姿を見届けるのと同じくして、どさり、とその場に崩れ落ちる。 雷の直撃を受け。翡翠を暴走させ。 無事で居られる筈もなく。
巨大な兵は、いつの間にか霧散していた。]
(218) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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[やがて、一筋の雷は、見た目に反して音もなく、静かに歴史書と記録の姫君、そして宝珠魔道士《ジュエリスナイト》の元へと落ちていく。]
[光は徐々に薄れ、その場に残されたのは一粒の石が柄にはまった短剣。
その石の名は天青石《セレスタイト》。 《ソラ》の守護者の力の一部。 本来ならば、後継者へと受け継がれるべき短剣は、トールがまっっったく次の守護者の選出をしていなかった為、その死を告げるべく、記録者の姫君の元へと降りたのだ。
或いは、勝負を預けたままにした謝罪を、歴史書に告げるように。 或いは、帰って来るように言われた約束を、代わりに果たすかのように。>>122
その短剣は、手にした者の望む形に変化するだろう。 《ソラ》の力は、三者の元へ。**]
(219) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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………ッのやろ……! ゲフ、ッ……
いいかげんにして、おけよ……!
[表面上は、硬い水晶の鱗に覆われたままの姿。 だが裡のダメージは、もう癒やしきれるものではない。 大きく裂けた口から吐出される血液が、それを示す。
振るった腕が、尾が、何を薙ぎ払ったかなど、分かりようもない**]
(220) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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[雷が竜を穿つ。 何故か、竜が何かに気を取られたおかげだ。 即座に追撃の攻撃を仕掛ければ仕留める事は可能だっただろう。 だがその咆哮は凄まじく、耳鳴りがわんわんと鳴り、動きは鈍って。]
うる…せぇなぁ……、
[そして、もう一つ。 消えようとしている小さな気配>>218を感知したから。 精神感応で繋がっている相手。 名前すらも知らない、声しか知らない相手でも。 ほんの少しの情《バグ》が動く。 だから。]
(221) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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く………っ!!
[竜が苦痛に暴れ、尾が地を荒らすその余波を身体で受けてしまった。 身体を硬い尾で強打され思わずその場に蹲る。 悪魔にやられた火傷もある。 先程やられた右腕もある。 ダメージは着実に身体を蝕み動きを鈍くしていった。]
(222) 2014/11/18(Tue) 21時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 22時頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 22時頃
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―千年前の些細な日常―
ハツ。 今日は、冷えるぞ。
[庭園を走り回る小さな影に、注意を促す。 一応注意だったのだが、それが注意とわかったかは定かではない。]
……ほら。雪だ。 これが初雪だ。貴殿と一緒だな。
[空中庭園は雪雲よりは低い位置にあり、普通に雪も降る。 ハツが来てから初めて降った雪を見て、呟いた。 雪など見慣れた物だったが、ハツが珍しそうに見ていたので、何とはなしに一緒に眺めていた。
些細すぎて、雷神も既に忘れていた記憶。**]
(223) 2014/11/18(Tue) 22時頃
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[ぐつり、ふつり。 影は蠢く。]
[ぐらり、ふらり。 影は揺れる。]
……おかあ、さ…
[少女は、母が死んだということを識らない。]
(224) 2014/11/18(Tue) 22時頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 22時頃
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[倒れこみ、ぴくりとも動かない少女。 ただ右手に埋め込まれた翡翠だけが、鈍く煌めき、影と同じように蠢く。]
(225) 2014/11/18(Tue) 22時頃
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は……ぁ、…くそ……。
[痛みに息が荒く、肩が激しく上下する。 止めを刺さねばこちらがやられるというのに。 勢いのない炎の蛇を飛ばす事で精いっぱい。 竜の再生能力を解析《アナライズ》して己に使うにも、時間がかかる。]
竜に悪魔、か。 異分子《バグ》以前の問題だよ、あんたらは排除《デバッグ》して当然。 だってそうだろう、ここは人間のセカイだ。
[ぽつり、と呟き。 そしてゆらりと身体が揺れてノイズへと変化して。 邪魔が入らなければその場から姿を消すだろう**]
(226) 2014/11/18(Tue) 22時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 22時半頃
執事 ハワードは、メモを貼った。
2014/11/18(Tue) 22時半頃
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− 小休止の場所で −
[夢芽を抱いた紳士は柔らかい物腰と、礼儀正しい口調で 正体と事情を説明してくれた。 誰がと顔を歪めて、歴史書に問いかけたが。]
貴方も傷があるです。 モグラさんや雷神さんが戻って来てもきっと傷だらけです。
[最強の災厄の気配を纏った少女との戦いに向かった 雷神が無傷で戻って来るとは思えない。 皆を運命者が発動させた爆発から助けたモグラも。 彼らの為にも回復魔法は取っておきたいが、 目の前の2人の傷にそんな事は言っていられない。]
(227) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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ちょっと待つです。
[鞄を開けると回復を司る宝珠を全て取り出して、 人数分寄り分けた。]
モグラさん、雷神さん、夢芽さん、ハワードさん。
[そして自分の分と分けようとして手が止まる。 横を見れば運命者も傷を負っている様に見えた。]
あなたの分です。
[分け直せばそれだけ力は弱まってしまう。 分けようとしていた宝珠を握り締めると、運命者の ポケットに捻じ込んだ。 仮にもあれだけの力を使えるのだ。 回復を秘めた宝珠の力も使いこなすだろう。]
(228) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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大事に使うです。
[運命者に回復の力を分けた後、夢芽とハワードの手に 宝珠を握らせる。どれだけの力を消費するか判らないが、 魔力を使い果たした宝珠は砕けてただの砂へと還って行く。]
女性はあまり肌を見せるものじゃないです。
[頭を下げる夢芽>>149>>150の傷が心配だが、それを見せぬ様に 嗜みを教えるのみに留め。]
ああ、運命者さんですね。 地下の狭い世界で全員吹き飛ばそうとしたので危なくて 縛ってあるです。
[その頃運命者も目覚めたか。 彼を縛る理由について問われれば夢芽とハワードに答えるが。]
(229) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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あのスカーフは、元々は彼のものです。 資格がある者が、あれを断つ事は出来るです。
[外す許可に、一見答えとならない答えを返す。 楔を創った片割れから片割れへと贈られたモノ。 言の葉と共に結ばれた結び目は、 世界に関わる事を赦す証となる。 それを解けると言うならそう言う事だろうと、止めはせず。]
(230) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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ボクちんはモグラさんと雷神さんにこれを届けるです。
[残る2人分の回復の宝珠。 早く届けようと3人から離れようとして。 《チ》を走るエネルギーを感じると共に、すぐ傍で何かが弾けた。] 魔宝珠《ジュエリスルーン》!!?
[ソレを見た瞬間、守護の紫水晶が一瞬頭を過ぎった。 アレなら護れるだろう。 だがそれはモグラの加護が消える事を意味していて。 咄嗟に判断が遅れた事が加護を脆弱に変えた。]
(231) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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────ッッッ!!
[音の無い音を立てて紫水晶が地下で砕け散る。 霧散した魔力は竜と化したモグラだけでなく、 ノイズとして消えようとする解析者までも包み込んだ。
加護としてでは無く、ただの魔力の塊として 紫の光は《チ》の2人へと力を注ぎ、消滅する。
そして加護の主はハワードの盾へと庇われた]
(232) 2014/11/18(Tue) 23時頃
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― 至極の悪夢《M・N・U》 ―
[空に現れた闇黒の渦雲。そして、天空樹《スカイ・ツリィ》倒壊。平和な世界に起こった突然の大災害《ディザスター》。 夕方のTVは災害特別報道で埋め尽くされていた。
異様なのは、ヘリコプターから送られる現場の映像がひとつもないこと。 それもそのはずだ。 1機はワームホールに吸い込まれ、1機は人智を超えた爆発に巻き込まれた。 1機はパイロットが精神に異常をきたし、1機は空から降る隕石に当たって墜落した。
光翼町は壊滅の様相を呈し、 それは遠くない未来に、世界中を呑み込んでいくだろう。]
(@5) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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― 路傍の石のモノガタリ ―
[《それ》は、翡翠でもなく、琥珀でもなく、宝珠でもない。 どこにでもある石ころだった。
しかし《それ》は、きっとただの気まぐれから、導きの女神の手につまみ上げられて、智慧の女神からことばを授けられ、観察の女神から肉体と名を与えられた。]
J・A・N・I・S 《"Julia", An Naked Invaluable Stone》
[記録者よりも、解析者よりもずっと前に生まれた存在だ。 その本当の名を呼ぶ者は最早何処にもいない。]
(@6) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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[美しい女性のように丁寧に磨かれた《それ》は、未来を見通す透明な水晶球となり、つねに人々を観測し続けた。不変の三位一体《エヴァラスティン・トライアド》と呼ばれ、それはそれは幸せな日々を送る。 しかし―――長い長い観測の間に、《それ》は歪みを溜め込みすぎた。
悲願を遂行せんと戦った、その結末として、 路傍の石はその中心から爆ぜ、世界に散る塵へと還った。]
(@7) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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[光る塵はつながった《ソラ》と《チ》の次元の穴>>11から噴き出して、天から世界に降り注いだ。
光る塵は戻っていく。 天に地に、破滅を迎えようとしているヒトの営みの中に。
ひらひらと降りながら、その声を聞いた。
『 、見えるです? 罅《ワームホール》だけじゃなくて、 こんな綺麗なのも見えるです。』
禍々しく昏い空の下で、地には宝珠が瞬く>>18。 世界はまだこんなにも健気に瞬いているのだと言わんばかりに。]
(@8) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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[路傍の石であった欠片は燃える焔となり、 その身を焦がしながら世界へと降り注ぐ。
路傍の石の欠片と想いが重なるとき、共鳴が生まれるだろう。 すなわち、世界の破壊を望む者には、破壊のためのチカラを。 それでいて、世界の復活を求める者には、肉体と精神の癒やしを。
それは世界の願いを密かに宿す流れ星《ミーティア》か、 あるいは世界を破壊へと導く流星《メテオ》か。
その意味は、まだ *誰も知らない*]
(@9) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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― 機関 ―
―――――Are you ready?《モウ、イイカイ》
――――――Okey, Here we go!《モウ、イイヨ》
(@10) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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[翼作戦《プラン・フリューゲル》第弐の段階。]
[『機関』の工作員たちが、世界中で動き出した。 自由を讃える女神が、英雄の凱旋を讃える門が、万の距離を護る城壁が。世界中の、ありとあらゆる霊脈が破壊されていく。
そして、世界の崩壊を防ぐべく。 世界中のあらゆる人々が、運命に抗い、立ち上がろうとしていた――――。**]
(@11) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
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