270 「 」に至る病
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人
狼
墓
少
霊
全
ドリベルに12人が投票した。
グスタフに1人が投票した。
ドリベルは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
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だいすきよ
[だいすき。
お風呂の中、白い湯気に包まれて 柔らかな銀糸の髪に触れたら
君が纏ってるものは私が全部脱がせてしまおう。 釦をひとつずつ外して、1枚、2枚。 するりと下着も除いてしまう。
これで二人を隔てていたものは何もなくなった。 わたしたち、いっしょね。]
(0) asaki 2019/10/14(Mon) 11時頃
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─ 余談、そして 『 』に至る病 ─
人なんて、いつ死ぬかわからない
だからそんなもの関係ない 日々は刹那の連なりで、死ぬ時までは生きていればいい そう思ってた 薄氷のような人生
(1) tayu 2019/10/14(Mon) 11時半頃
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数年、あの日かかった病を一人で見つめて生きた もう決して元には戻らないと理解するまで。
(クソ大仰に書いてるけど 要するに一目惚れ拗らせたって話) あの人が吸血鬼かなんて知りもしなかった
たったの数年で病気は魂まで浸潤しきって 人間としてはだいたい死んだ やっぱり短命の家系だったね>>0:333>>3:-317
(2) tayu 2019/10/14(Mon) 11時半頃
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とっくに踏み抜かれていた薄氷を、噛み砕く
病 ──『終わらない夢』へ、誘う病
沈んで、溺れて
水底で訪れた、初めての夜
(3) tayu 2019/10/14(Mon) 11時半頃
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それから何年だって?
ド派手に宗旨替え もうこうなったらあとは出来るだけ長く生きたい、なんて 笑えばいい、現実主義なんでね
時間はたっぷりあるんだから 悩んだり、つれなくしてみたり いいじゃない? 知ってる、ツンデレ萌えっていうジャンル**
(4) tayu 2019/10/14(Mon) 11時半頃
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[書けなくなるまでは、日記も続けるつもり]
はいおりこうさん 眠っていいよ?
[自分の足でベッドまで辿り着いて シーツに沈んだ主人に微笑んだ。 気配と声でわかるだろう、私が湛えるいろだって。
ライトを消して、蝋燭を灯す]
(5) tayu 2019/10/14(Mon) 11時半頃
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["この瞬間に終わりたい" そう思えるほどの幸せ
まだ終わらせないように 閉じ込めて蓋をして]
(6) pearlkun 2019/10/14(Mon) 15時頃
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( ”――――約束を果たして” )
( ”……約束を” )
[――……]
(7) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃
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[つきん、と頭が痛んで目が覚めた。 そろりと目を開ける。精と汗、甘い血の匂いがして くらくらと眩暈がする。
少し呻きながらセイルズは時計を確認し 朝餉を作るより前の時間であることを悟ると 抱きしめていたミルフィからそっと体を離し
少し迷って、その頬を 軽く抓った。]
…………ミルフィ。 起きなさい。 ミルフィ。
[今日が休日であれ平日であれ はやめに風呂に入っておかねばならない
……ベッドを見下ろしてそう思う。]
(8) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃
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[セイルズは何度か、彼女に呼びかけたが 疲れのせいか、それとも起こし方が下手なのか ミルフィの目は開かないまま
呼吸をしていることはわかっていたので セイルズは少し眉を顰めて 彼女の寝顔に顔を近づけた。]
起きないと………
[唇と唇が触れ合いそうな距離で呟く。 そのまま彼女がおきてくれるなら、 おや、と片眉をあげて意地悪そうに笑うだろうし
起きなければ、その形のいい鼻が抓まれるだけだ**]
(9) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃
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[>>337目が合ったなら、激情の痕跡も残らない瞳を細めて微笑んだ。 初めから自分は狡かった。 惜しみなく労力を注いで言葉を尽くしてアオの長い人生に自分を刻んだ。
そして今、その終わりすら奪おうとしている自分がいて、自分自身から彼をどう救おうか、その為の言葉を探している。]
(10) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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[100年一緒にいて、こんな風に縋りつくアオを見たのは初めてだった。 こんなに自分の死を惜しんでくれるなら、この瞬間舌を噛んでも良いとゆっくり上歯を引き上げた時]
は――……?!
[飛び出したのは、思ってもみなかった一言。 「被害者」という言葉が彼のトラウマを抉ったのか。>>339 こんな時まで無意識に彼を自分の死に巻き込もうとしてしまったのだろうか。
戸惑いで動けずにいると、言葉が重ねられ。>>340]
(11) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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……、
――……、 ・・、
(12) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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……初めてのデートの誘いが天国かー。 俺だけ地獄に行かされたりして。
[出来るだけ冗談のように言ったつもりが鼻声になる。 どうやら涙腺が壊れてしまったらしい。
髭面のおっさんの泣き顔など一部のOTAKU文化でしか許容されないような絵面を晒して、アオの赤い舌が自分の手首に触れるのを眺めていた。]
(13) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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[はあ、と吐く息が熱い。 吸血行為による多幸感を堪え性のない身体が別の慾に変換しようとしているのを頭を振ってやり過ごした。
傷は塞がった気配がする。 血に染まったシャツは捨ててしまおう。]
(14) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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[殺せ、と言われたことで、堕ちていくばかりだった心に少し安定が戻った気配がする。 皮肉なものだ。
部屋の壁掛け時計で時間を測れる程度には理性もある。]
噛んだ傷じゃないから量はまだ足りてない? いつもの時間過ぎたよ。
[黒髪をくしゃりと撫でて告げた。]
(15) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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そういや俺帰って来てシャワーも浴びてねぇや。 新陳代謝のスパン長くなってんだから汗もかかなきゃ良いのにな。汗臭いだろ?
……安心しろよ、勝手に死んだりしねぇから。 俺が死ぬ時にアオくん連れてくなら、その前にソラを見送ってやんなきゃだろ、そこまでは踏ん張るから。
[さて彼は通知からどれくらいで顔を上げるのだろう。 きちんと味わって貰えていたのなら、その顔を見て平静でいられる自信はあまりない。*]
(16) Ellie 2019/10/14(Mon) 17時半頃
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[朝の、まどろみの中にいた]
(17) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[こういうときは必ず、ママの夢を見るの]
(18) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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―― 寝室 ――
[唇と唇が触れ合いそうになるほど近い距離で、 確かに愛しい人の声がした。>>8 私はパチリと目を開けて、じっとあなたを見つめたわ]
……違うわ。 私は、ミルフィじゃない。 あの子は眠ってる。
[いつもより大人びた口調で言うものだから、 きっとあなたは驚いてしまったでしょうね]
(19) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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セイルズ。 あなたは私がいないと幸せになれない。
[いつでも傍にいるわ。 忘れないで、と甘い声で囁いた]
ねえ、ちゃんと私の名を呼んで。 ――クラリッサって。
[妖艶に微笑んで――……]
(20) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[ 暗 転 ]
(21) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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……パパ。あと、5分。
[寝ぼけ眼であたしはそうパパに返すんだ。 でも、いつもより何か肌寒くて、 おかしいなってあたしは目を開ける。
そこにはきっと、 ちょっといつもと様子が違うパパがいて。 あたしはまともに服も着ていない はしたない格好で、ベッドに寝転んでいる。
真っ白だったはずのシーツは血に汚れていて。 いつも本の香りが漂っているはずの寝室は、 濃厚な精の匂いに満ちている]
(22) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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え、え、え。
[首筋をさすれば、牙で貫かれた数ヶ所の噛み痕。 秘所に走る微かな違和感に、あたしはパパを見つめる]
夢じゃ、なかったの。 あたし昨日。本当に。パパと……。
[ふるふると身体を震わせて]
(23) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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パパ!
[まともに服も纏わないままに。 思い切り、パパに抱きついてやるんだ]
ええと、その。すごくよかった。 また、今度、やろ。
[羞恥心に蓋をして、 たどたどしい口調でおねだりをする]
(24) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[ああ、もう! 恥ずかしくって、 まともにパパの顔も見られないわ!]*
(25) gurik0 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[今度こそ、これだけは譲らない。 こういう時の僕が頑固なのは、知ってるはずだ。 いつも飄々と笑っている蒼佑が本気で戸惑っている顔を、じっと見上げて待てば。>>11
長めの沈黙のあと。 その目からまたぽろりと零れる雫に、ぎょっとした。]
……泣くな、ばか。 地獄に行くからって途中で手を離したら ゆるさないからな。
[変なところで遠慮しそうな男に釘をさしつつ。>>13 顔を伏せれば、さっきから視界の端にちらついてしょうがなかった赤を舐めとっていく。 乾きかけの部分から少し袖をめくって、塞がりかけの傷痕まで丁寧に舌を這わせながら。
頭上から聞こえる声に混ざる吐息に。>>14 ぞくりと犬歯が疼く。
このまま肌に突き立てたくなる衝動を堪えたのは、咬むのを躊躇ったわけじゃなくて。 職人の蒼佑にとって腕は大事なものだから。]
(26) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[久しぶりになる食事。 熟れきった甘さに、喉が満たされていく。
けど、まだ足りない。
まるで読んだようなタイミングで、蒼佑の声が降ってきて。>>15 腕から顔を離さないまま、こくりと頷けば。 頭を撫でる掌の体温に、とろりと目元が緩んだ。のに。]
(27) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時半頃
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[ここまできて、先にシャワーを浴びるという。 ソラを看取るのは当然だし、どうやら一旦落ち着いたらしい蒼佑が無茶をする可能性も低いだろうけど。 文句を言いたいのは、そうじゃない。
僕はぺろりと唇に残る甘い残滓を舐めとりながら、不満げに顔を上げた。>>16]
べつに汗臭いってほどじゃないから、このままでいい。 それに……
[身体を寄せながらほどいた手を肩に乗せて背伸びをすれば、顎下に口を寄せる。 髭がまばらな肌に舌を這わせると、少ししょっぱい味がするけど。]
蒼佑のにおいは、嫌いじゃない。 それなら、問題ないだろ。
(28) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時半頃
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[だいすきと君が言う。>>0 だから僕も嬉しそうに笑って言うんだ]
僕も大好きだよ、アリス。 えへへー、おそろいだね♪
[僕の髪に触れるその指先にキスを。
そして君が服を脱がせてくれる。 釦を外して一枚、二枚。 まるでプレゼントの包みを剥がす子供のよう。 可愛らしくてその頭を撫でてあげて。
やがて二人は裸で絡まり合う。 触れ合う素肌が愛おしくてぺろりと舐めた]
(29) ゆき@青葱帯 2019/10/14(Mon) 23時頃
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いやー何かヤバいね、ビョーキやべぇわ。ハハ。
[一応言い訳しておくと、男は幼少時からほぼ泣かない子どもだった。 なので真偽不明でもこれは病気の所為にしておく。>>26]
ガラスの手錠でもつくろうか。 …………それとも指輪にしとく?
[なんて、死出の旅路に手を繋いでいるのが決定事項みたいな言い方が嬉しくて、調子に乗ってしまう。離れないようにする為の指輪だなんて、まるで夫婦の誓いを立てるようだ。]
(30) Ellie 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[舐めるだけの量ではやはり足りなかったようで、頷くのに離れないのには「参ったな」と音を立てずに唇が動いた。>>27
脳が大分沸いている状態では、アオが腕に気遣ってくれたことまでは思い至らない。そもそも最初に傷をつけたのは自分だ。>>26
死ぬことしか頭になかった時には、アオに出逢う前から続けてきた仕事のことなどさっぱり忘れていた。]
(31) Ellie 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[アオは男の操縦方法をわかり過ぎている。 ほんの少しの摂取で既に酔い始めたような表情を見れば、理性を保つ為のクールダウンの時間も取れる筈もなく。>>28 真っ赤な顔で白旗を上げた。]
降参。 ほら、
[立ったままでは背伸びして貰ってもキスすら出来ない。 それを惜しむ男の気持ちをきっとアオはわかっている。
ベッドに誘導し腰かければ、ネクタイと血染めのシャツを乱暴に放り投げ、最早黒子程度にまで目立たなくなっている吸血痕を晒す。]
(32) Ellie 2019/10/14(Mon) 23時頃
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嗚呼でも。 さっき顎だったから、先にキスしたい。
[いただきますの前に、と見つめれば幾分主導権を此方に預けてくれるだろうか。*]
(33) Ellie 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[ふる、と震える瞼が、開く。
紅茶色の瞳に亜麻色の髪。 唇は春の色めいて赤く
そこにいるのは、確かに”娘”であるはずなのに 浮かべようとした笑みが違和感に消えうせる。]
……、君、は……
[誰だ、というかすれた声はカーテンの揺れる音に消えた。 朝を迎えて間もない薄暗い部屋の中。 一人の女を見下ろす男の表情は、固まっている。]
(34) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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………… ……………どうして、
[窓に結露が張り付く時のような肌寒さに セイルズはぶるりと背を震わせた。
狂ってしまった娘が生み出した二人目の人格か、 それとも本当に――本当に、”彼女”なのか、
冷静に分析しようとする頭が追いつかない。 ただ、聞き覚えのある甘い声、見覚えのある妖艶な微笑みに 激しく痛む心臓を押さえ、拳を握る。]
(35) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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(僕が君を呼び戻してしまったのか? ――今更化けて出るならどうして死んだんだ、 ……違う、……どうしてこんな、 おかしいとは思っていた、思っていたんだ、けれど
――…………嗚呼、)
(36) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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僕を…………
…………許さないでくれ、クラリッサ。
(37) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[震える男の手指が、小さな女の指を掴んだ。 繋ぎとめておきたいのはどちらか。 ――わからないまま、ただ祈りと恐怖に身を震わせて、]
(38) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[――…………、]
…………5分といって15分は経ったよ。ミルフィ。
[結局、風呂にも行かず、 さりとて彼女の体を抱きしめて寝なおすこともできず ただ体液でべたついた体でベッドサイドに座った男は 少しげっそりした表情でミルフィを一瞥した。
ああ、良かった。元に戻った。
そう思ってしまう自分が憎らしかった。 かつて愛した妻が戻ってくるのを素直に喜ばず 愛しい娘が娘のままでいる様子にほっとする。]
(39) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[――……それでも、不気味に思う気持ちはあったが 首元の噛み跡を確認して、>>23 まるで子犬のように飛びついてくる>>24娘を見て 何もかもが吹き飛んでしまった。
ぺたり、と合わせる肌の感触が心地よく はあ、とため息をついて、その頭を少々雑に撫でる。
それから、たどたどしい口調でおねだりする娘の その表情を覗き込んで]
まったく、遊びのように言う。 僕からすれば大変なことだったんだが?
[つん、と額を人差し指で押してから、 肩を竦めて笑った。 ……愛らしい子。そう思いながら]
(40) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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……また、今度、な。
…………さて、 レディなんだから、ちゃんと体は綺麗にしないと。
[そのまま形のいい唇にキスをすると、 娘が抱きついてきているのをいいことに、 そのまま抱き上げて風呂に向かう。]
(41) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[その最中。]
ミルフィ。 ……さっき、寝ぼけて起きてなかったかい?
[セイルズはじっとミルフィの顔を見つめて ぽそりと問いかけた。*]
(42) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃
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[わしゃわしゃと、 子犬のように頭を撫でられた。>>40 完全に、子ども扱いだ。
情事の最中みたいに、丁寧に髪を 撫で梳いてもらえるはずもなく。
昨日の男らしいパパは いったいどこにいっちゃったんだろうなって、 あたしは心の中で何度も何度も 昨夜のパパの姿を思い返していた]
(43) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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[あたしの知らなかった、パパの顔。
きっとああやって ママのこともたくさんたくさん愛したんだろうな。
いつもの理知的で温厚なパパからは 想像もつかないような、激しさと雄々しさ。
ねえ、パパ。 今まで知らなかったパパの一面を知って、 あたしはもっともっと パパのことを好きになっていく]
(44) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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[あたしはパパの家族。 娘であり、伴侶。 だから、ずっといっしょ]
(45) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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……パパも、きもちよかった、でしょ?
[つん、と額をつつかれれば 大変だったと言うパパに こてりと首を傾げた。
だって、昨夜はあんなにもパパも興奮していた。
そうして返される「また今度」の言葉>>41に あたしはぱあっと顔を輝かせて]
うん、たのしみにしてる。
[今度の機会を想像しながら、パパに頬をすり寄せた]
(46) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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……きゃ、 もう、パパってば!
[ひょいとそのまま抱き上げられて 風呂場へと連行される。
なんだか昔に戻ったみたいで、あたしは上機嫌だ。 ただ子供の頃と違うのは、 昔は額にされていたキスの場所が、 唇になったっていうこと]
(47) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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寝ぼけて……? なんの話?
[訳の分からない話に、呆けたように返す。
風呂場に行く途中、 写真立てに飾られたママの写真が目に入った。 あたしはいつもの日課を行うために]
おはよう、ママ。
[元気に朝の挨拶をする]
(48) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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……ね。パパ。 今日はいっしょにお風呂に入ってくれるの? 昔みたいに。
[最後にふたりでお風呂に入ったのは、 いったい何年前だっただろう。
セイルズのあたたかな腕の中で、 あたしは上機嫌に問いかけた]*
(49) gurik0 2019/10/14(Mon) 23時半頃
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…………、ばかな事を聞くんじゃない。 …………………気持ちよかったよ。
[頭を撫で見下ろす娘は、 いつもどおり子供らしい彼女なのに
その小さく愛らしい唇から情事の事がこぼれ出るので セイルズは100年ほど感じていなかった照れを思い出し 少し顔を背け、ぼそりと答えた。>>46
昨日は―― ちらつく妻の影を振り払って思い出してみれば 相当獣のような振る舞いをしたはずで
その記憶を娘に賞味される前に 恥をかくすように彼女を抱き上げた。 ミルフィの乱れる姿はしっかり思い出しながら。]
(50) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃
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……おはよう、クラリッサ。
[問いかけても「何の話?」と問われるので セイルズは「なんでもない」と返す。
ママ、と挨拶したミルフィの視線の先を一瞥し、 クラリッサの写真と目が合って、 セイルズは一瞬、表情を翳らせたが]
ああ、一緒に入ろう。 服を着なおして入れ替わりで入るのは きっと無理だろうしね……
[全く、無茶をしたものだと昨日の自分に思う。
せめて風呂に入ってから事に及べば 無駄に服にまで汗が染みなかっただろうに、と。
どうせシーツも服も洗濯するのはセイルズ自身なのに 馬鹿なことをした、と。]
(51) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃
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[じめじめした思考は 上機嫌なミルフィの表情で消し飛んでしまう。 風呂場の入り口に彼女を下ろすと、 扉をあけて、「おいで」と手を引き彼女を導いた。]
さすがに大人二人は狭いね。
……ほら。背中、きれいきれいしますよ。
(52) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃
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[けだるげに呼びかける。 投げかけるのは、彼女が六歳だった頃 たまに親子感で交わされた幼児語であった。
何の事はない。 伴侶として共に風呂に入るのが気恥ずかしいので 相手を子ども扱いしているだけである。
あの頃よりきっと増えた洗顔料や、 シャンプーの類を見下ろして 結局昔から使っている洗剤を手に取ると 娘用のボディスポンジを泡たてて、彼女の背中を流した。]
(53) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃
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…………、
[首裏や背中をひとしきり洗ったところで セイルズは彼女の体を見下ろして何かを言いかけ ――……口を閉ざし、咳払いを1つ。]
……前とか、足の間は、ちゃんと自分で洗うんだよ。 見てない。見てないから。
[はい、とボディスポンジを手渡して目をそらす。]
(54) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃
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[手錠は動きにくいし指輪はなくしそう、とか。>>30 無茶言うな、とか>>-205
相変わらず僕は、蒼佑と一緒になって浮かれたり、呻くような記憶を慰めたりはできそうにない。 それでも、100年一緒に居た分だけ。 どうすれば蒼佑が弱いかは、わかってるつもりだ。
僕の食事の時、紛らわすように吐かれる息も。 終えた後に覗きこんでくる顔も。 何百回と見て来たんだから、知らないわけがない。]
(55) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
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[真っ赤になった蒼佑の顔を見れば、口角が微かに上がり。 くつくつと堪えきれず小さく肩を震わせながら、ベッドに腰掛ける蒼佑についていく。
ネクタイやシャツを取り去るのを待ち。 咬みやすいように片膝に跨るよう乗り上がれば、再び肩へ手を掛ける。]
ちょっと痩せたか?
[なんとなく見慣れた身体の厚みが変わったような気がして、呟きながら。 消えかかった咬み痕に目を細めながら、薄く口を開いた。
その時。]
(56) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
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|
…………。 それは、あとじゃだめか?
[おあずけの一声に、また不満げな顔を。>>33 今は少し下にある蒼佑の顔を見下ろせば、大人しく待てをする犬のような顔をしていて。 はぁ、と息をついた。]
(57) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
|
|
うん、パパ。 しっかり背中あわあわしてね。
[あまりにもパパがあたしを子供扱いするものだから 思わず微笑んで、昔のように幼児語で返した。>>52
――気恥ずかしいのだろう。あたしも、彼も。
そんなセイルズの変化が、 あたしはいっとうに愛おしい]
(58) gurik0 2019/10/15(Tue) 02時頃
|
|
[惚れた方が負け、という格言を思い浮かべるのはもう何度目だろう。 先程までの緊迫した状況が幻だったかのように、アオがとても嬉しそうに肩を震わせるから、「参ったな」と今度は声に出して呟いた。 片膝に、慣れた体重。>>56]
仲直りのキスってやつだよ。
[直前の「待て」に不満そうなアオに対し、此方はにこやかに主の施しを待っている。 100年一緒にいた分、こういう時にアオは強引に進めないというのをよくわかっている。 こんな風にアオと情に訴えた駆け引きをするのが男はとても好きだった。]
(59) Ellie 2019/10/15(Tue) 16時半頃
|
|
―― 朝餉 ――
…………近いうちに、ママの命日が来るんだ。
[そういう話を切り出したのは、 きっと風呂から出て、 休日である事を確認してから洗濯機を回して 昨日冷蔵庫にしまったパスタを温めていた頃合だった。
”いつもどおり”きっちりと服を着込んだセイルズは 娘を前に獣に成り果てた男とは遠く
紅茶を淹れながらおもむろにその話題を切り出して 娘をちらりと一瞥し、再びカップに視線を戻した。] 例年通り僕は会いにいってくるから 帰りは夕方になるけど――……
[君も来るか、と言いかけて、口を噤む。 静寂が食卓に落ちた**]
(60) さねきち 2019/10/17(Thu) 00時頃
|
|
―― 朝餉 ――
[湯気を立てるティーカップに 角砂糖を入れながら、 あたしはじっとパパを見つめた]
……ママの、命日。
[小さく、鸚鵡返しに呟いた。
ママがどうやって死んだのかも ママの墓地がどこにあるのかも あたしはまったく知らされていなくって]
(61) gurik0 2019/10/17(Thu) 02時頃
|
|
[ママが生きていた頃の話ならともかく。 吸血鬼と眷属の話題に次いで、 ママが亡くなったことは触れにくい話題だったから。
あたしは恐る恐るパパの様子を窺って]
その……あたしはついていっちゃ、だめ?
[すこし不安げに、聞いてみたんだ]
(62) gurik0 2019/10/17(Thu) 02時頃
|
|
[パパとママが、 どういうお別れをしたかは知らないけれど]
あたしも、家族だから。 ちゃんと手を合わせてあげたい。
[勇気を振り絞って、じっとパパを見つめた]**
(63) gurik0 2019/10/17(Thu) 02時頃
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|
―― 朝餉 ――
そう…………
[落ちた呟きを拾って>>61 セイルズはこくりと頷いた。 自分自身のコップに珈琲を淹れようとして 娘から出た言葉に、少しだけ手の動きを止める。]
……かまわないよ。
[数秒の沈黙を挟んでから、再び頷いた。 半ば望んでいたことなのに、 彼女の口から行きたい、と切り出されると 少しだけ不安になってくる。]
(64) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃
|
|
[――――二人を混同しないであげて。と 白い眷属に言われたことを思い出す。
妻と娘にとって自分はどう映るのだろう。 二人目の眷属を迎えたことは。 ……妻はきっと怨んでいるだろう。
そんな事を考えながら、セイルズは食卓についた。]
優しい子だね、君は。 彼女を……家族だと思ってくれるなら、 祈ってあげてほしい。
[微笑みながら、そうしてほしいと添える。
食前の祈りは相変わらず捧げない。 捧げどころを失った想いだけが燻っている。*]
(65) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃
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―― 命日 ――
……けっこう古い墓地でね。 彼女が眠るのは、新しく敷地が増やされた場所だが
[十字架の墓が立ち並ぶ墓地へ 娘を伴って出かけたのは、それから少し経った日の事だった。
蒼い草原の上にいくつも灰色の十字架が立っている。 誰かが誰かの墓に花を供えているのが見える。
セイルズは墓地の入り口から少し歩いた場所 立ち並んだ墓の一角へ向かうと]
(66) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃
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会いに来たよ、クラリッサ。
[本来悼まれるべき家族に悼まれず 一人の男に添って、100年を生きた女性の名を呼ぶ。]
今日は娘も一緒なんだ…… ずいぶんと、君に会わせていなかったけれど
[呼びかける間も、十字を切ることはなく 乾いた風が、墓地を駆け抜ける**]
(67) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃
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やさしい……のかな。
[あたしは曖昧に微笑んだ。>>65
会ったことのないあたしのママ。 ずっとずっとママみたいな人にならなきゃいけないって 化粧を真似して、髪形を真似して。 きっと今は“本当に血の繋がった母娘”みたいに、 あたしたちは似ていると思う]
(68) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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[今でも、あたしはママの夢を見る。
ママはさみしそうにあたしを見つめて、 あたしの首筋に手を掛けるの。 大好きなあたしのママ。 どうしてあたしの首を締めるんだろう。
苦しいって思った瞬間に、 すうっとママの身体は溶けていって あたしの中に消えてゆく。
きっと、ママも寂しいんだ。 パパがママを失ってさみしいように]
(69) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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[ママの気持ちを考える。 大切な人を残していく無念を思う。
ママのことを考えて、考えて、考えて、 あたしはママにならなきゃって思うんだ。
パパのさみしさを埋めてあげられるように]
(70) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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("I am you, and you are me.")
(71) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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[あたしはきっと、やさしくなんてないよ。
お空の国に行ったときに、 ママに家族って認めてもらえるのか 不安なだけなんだ]*
(72) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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―― 命日 ――
[十字架の立ち並ぶ墓地を、パパと並んで歩く。 白い薔薇の花束をたずさえて]
ここに、ママが眠ってるのね。
[パパの足が、ひとつの十字架の前で ぴたりと立ち止まる。
十字架には「Clarissa」と、ママの名前が刻まれてる。 生没年を見遣り、パパとママの歩んできた 歴史の長さを知った]
(73) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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……ママ。
[白い薔薇の花束を、墓地に手向ける。 乾いた風が、あたしの亜麻色の髪を揺らした]**
(74) gurik0 2019/10/17(Thu) 10時半頃
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―― 旅行前夜 ――
[新たな誓約を交わしてから幾ばくかの時が経過した。 相変わらずヴィラドメア城での日々は、 執筆活動を中心に進んでいた。
しめじの炊き込みご飯の素のお返しにと ヴェルヌイユ宅へカレー缶のセットと福神漬けを 送ったりしたがリコールは受け付けてはいない。
とある日には役所に書類を提出した。 初めて出会った日の分は額縁に入れて保管してある為、 提出したのは新しく署名させたものである。 これで法的に『メルヤ・スチュアート』が 世界に誕生したことになる]
(75) rusyi 2019/10/17(Thu) 17時半頃
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旅行に行く準備はこれで良かろう さて――もう一度確認するか
[明日から向かう地中海への旅行。 その前日に届いた純白のドレスをメルヤに渡し 着用するのを待つ間に荷の確認を幾度も行っていた*]
(76) rusyi 2019/10/17(Thu) 17時半頃
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[いつも言葉は多くなかった。 初めての夜でさえ、そうだった。 こちらは言葉によって己が削られるのを惜しみ。 彼女は、どこか玄冬の夜の幻想のような人だった。
言葉を尽くす習慣はなかったけれど]
ん……
[省略された言葉が何なのか>>-671 音にならない息をまるで聴き取ったように]
(77) tayu 2019/10/17(Thu) 21時頃
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そう そうだね。わたしも
私も、だよ
(78) tayu 2019/10/17(Thu) 21時頃
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――命日――
……ありがとう。
[乾いた指先を、娘の小さな頭に伸ばした。 そのままいくらか撫でて 白い薔薇と墓石に目を落とし思考をめぐらせる。
生まれた年と、死んだ年。 それから名前だけを刻んだ小さな墓がそこにある。
クラリッサ・ローズブレイド。 きっと順風満帆な人生を送っていれば 一人の令嬢として生を終え、 もっと”家族”に囲まれて弔われていたはずの女。
殺したのは、他ならぬセイルズだ。 愛を言い訳にして何度も何度も毒を盛り 気を狂わせて殺してしまった。]
(79) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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[かわいそうに。という嘆きと、 いまだ燻る「あいしている」のやり場がないまま ここに祈ることもなく通って約三十年。
愚かにもセイルズは同じ轍を踏もうとしている。
長年添い遂げた妻の後を追うこともできずに ただ生を長らえて 幼い少女を生かすといいながら 自由に生きる尊厳を奪った。
…………いとし子には 反抗期も成長に伴う別離も存在しなかった。 彼女の意思が芽生える前に殺したようなものだ。]
(80) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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[二人も殺したセイルズに、よもや祈る神などなかった。 残り100年か200年の命を抱えて きっと行くなら地獄だ。
――――けれども、その前に]
(81) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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馬鹿な僕の独り言として聞いてほしいんだが… ……1つだけ、聞きたいことがあったんだ。 ここに君を連れてきたときに。
[優しく呼びかける声は、 父が娘に呼びかけるようであり あるいは夫が妻に呼びかけるようでもあった。
セイルズは亜麻色の髪から手を離す。 ”彼女”から視線をそらし、 灰色の空を見上げた。]
(82) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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初めての夜にね。 目覚めた君を起こそうとして 君は、いつもどおり起きなかった。 あと5分、って…………いつもどおりに。
けれどその時の君は目を開けて、 僕を夫のように呼んだんだ。 『――呼んで、』って、……30年前みたいに。
(83) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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[視線を落とす。 紅茶色の目を見た。
風にさらさらと流れる髪も、揺れる瞳も なにもかもが似ていて見分けがつかなくなりそうになる。
吐息ばかりの笑いがこぼれた。 惑いながら、 きっと知らなくてもいいことを知ろうとしているのに 伸ばす手をやめられないのは職業柄か]
僕が言っていることがわからないならいいんだ。 いいんだが……
(84) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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…………君は一体誰なんだ。 ミルフィ? それとも、クラリッサ?
(85) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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[問いかけながら、セイルズはどこかで 「何をいっているの」と笑う娘の声を求めている。
その都合のよさを内心でせせら笑う間にも、 墓地には湿気た風が吹き込んだ。*]
(86) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃
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─ Dawn ─
……
[起き上がってバルコニーへ出ようと思ったけど頭痛がするから諦めた。 もういいや、今日だけ今日だけ]
ふ 、
[汚れたシーツにくるまり、主人の髪を片手で梳いて。 チップを咥えると仄かにLEDが光って、電子烟草のメンソールフレーバーが腔内にひろがる。
外が明るいことだけはわかるけど今何時だろう。 起きたくなったら起きればいいか、と考えて、]
はは
[1日で随分狂ったもの。笑える]
(87) tayu 2019/10/17(Thu) 22時頃
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ヴェルヌイユ
[ねえ、と呼びかけて、 裸の膝を擦り寄せる。 体がボロボロになるほどヤったって、疲労や貧血以外で然程困らないのとか、ほんとムカつく病気]
これからモーニングして、掃除して 済んだらちょっと出かけない?
[昨日、何処かにバイクを乗り捨てて来てしまったから]
私と出かけたい?
[是が返るなら、それをエネルギーにして 熱いコーヒーをたっぷり淹れよう]
[これは、そういう未来**]
(88) tayu 2019/10/17(Thu) 22時頃
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― 医者の耽溺 ―
[彼と己の関係が、不安定だが正常だったものから、 安定した異常なものへと変質しても、然程大事はなかった。
長期休診を経た診療所を再び開けて、彼を助手にして。 相変わらず、死にゆく人々を見送った。
変わったのは水面下。 彼が刃物を持ち出す前に、 自主的に血を求めるようになった。
仰々しく首筋に穴を空けるのではなくて、 彼の指腹に自身の口腔を探らせ、一口分だけ鮮血を啜る。 潤う熱い粘膜で包み、爪と指の間も舐め濡らし。]
(89) momoten 2019/10/17(Thu) 22時頃
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[そうして唯々諾々と血を得る己は、 きっと彼の執着を満たした筈だ。
なにせ、これまで拒み続けたお堅い男が陥落したのだ。 人並みのプライドを持つなら愉悦も得るだろう。
だが、血を得れば得るほどに病は進行する。 一度目よりも二度目、二度目よりも三度目。 朝に限らず夕に限らず、彼が指を差し出せば、 パブロフの犬のように咥えても、依存には限界がない。
――― 眷属の依存が進行すると、 当然、死の可能性も高まってくる。
眷属の依存は吸血で進むが、 依存を慰めるのもまた吸血であるから、 己が煽られ、少し踏み外すだけで彼は容易く死に至る。]
(90) momoten 2019/10/17(Thu) 22時半頃
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[故に―――、吸血行為以外に、彼の執着を慰め、 安寧を齎す行為が、彼と己には必要であった。
無論、医者である己は、 どんな行為が眷属の安堵に繋がるか、知っていた。 知っていて、この段階まで、彼を連れてきたのだ。]
(91) momoten 2019/10/17(Thu) 22時半頃
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どうだ、フェルゼ。 この間よりもマシになったか?
[次の診察まで30分。 卓上にはカルテが並び、本日の予定が開かれている。
だが、来院の合間で勤しむのは事務処理ではない。 此処最近―― 正しくは指が差しされる折 ――、 繰り返してきた行為を、今日もまた彼に施していた。
二人分の自重を支えるドクターチェア。 膝に乗せるのは自身が生かす唯一の眷属。
乱れを知らない己と、下衣を寛げられた彼。 囁く声で問う医者は、触診めいて指を動かした。
ぐる、り、と彼の濡らした隘路を攪拌しながら。]
(92) momoten 2019/10/17(Thu) 22時半頃
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[初めて彼を貫いて以来、彼を暴くのは指ばかり。 最初の頃は一本だけ、今は二本。
吸血の代替え行為というには不埒だが、 彼の不安と思考を塗り潰す役には立つ。
――― 彼がこの刺激に馴致し、 次のステージを望むまではまだ。]
………、
[そっと指を伸ばせば、覚えた前立腺を左右から挟み、 己が大人にしてしまった眷属を労わろうか。
乾く咽喉を堪え、沢山の言い訳を集めて。*]
(93) momoten 2019/10/17(Thu) 22時半頃
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── 旅行前夜 ──
[眷属と主人。 契約の形が変化しても日々は続いていた。
変わったことといえば 体を重ねる意味が変化したぐらい。 共に居られる時を少しでも増やすため 距離を取ろうと足掻くことも。
最近では体を交えていない時には 専ら、彼の腕の中にいるようになった
不確かな未来より、確実な今を選ぶ 未来を捨てたようなこの選択もまた 病が進行した証に他ならないのだろう。
────それでも構わない 心からそう思っている]
(94) pearlkun 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[書類を提出した日のことは覚えている。
自分が『メルヤ・スチュアート』となった日 初めて彼の本当のファミリーネームを知ったのだったか 教えられていた名との違いに随分と驚いた記憶がある。 彼が名乗っていたファミリーネームと比べ 覚えやすくて良かったと思ったのは内緒にしておこう]
(95) pearlkun 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[明日から向かう予定の旅行
旅行などしたことがないのだから 旅に出るのはこれが初めてのこと
この場から離れることを思えば 少しだけ名残惜しくもあるけれど]
(96) pearlkun 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[用意された純白のドレス 選ぶ時には随分と迷ったけれど 動きやすさを考えて、ミニ丈に。
その分ベールはあの日、彼にねだった通り 引きずるほどに長く全体に花の刺繍の入ったものを 彼の顔が見えにくいのは嫌だとわがままを追加して 折り返しをせず、髪にピンで留める形にした。
一通り着替えを済ませれば コンコンと扉を叩き、完了の合図を彼に 細く開けた戸の隙間から顔を覗かせて]
あの、背中のリボンを……おねがいします
[そこだけは自力ではできなかった。と 背中に付けられた水色の編み上げリボンを示す*]
(97) pearlkun 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[ざわり、と葉擦れの音がする]
(98) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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あなたは、どちらだと思うのかしら。
[振り返った私は、きっと大人びた 曖昧な笑みを浮かべていたはずだわ]
(99) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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こう言い換えましょうか。
あなたは私に どちらでいてほしいのかしら。
ねえ、セイルズ。
[墓地に湿気た風が吹き抜ける。 十字架の前に手向けられた白薔薇が さやさやと揺れた]
(100) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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私は何なのかしら。 ミルフィの罪悪感が生み出したもうひとつの人格? あるいは天に召されなかったクラリッサの魂が、 哀れな娘の身体に取りついたのかしら。
……どちらでもいいわよね。この際。
[私は愛するセイルズに近付いて、 昔のようにその唇を奪ってみせた。 舌を絡ませ、熱を混ぜる]
(101) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[それは、初々しい娘の口付けではない。 長き時間を連れ添った夫婦のような、 こなれた接吻だった]
セイルズ。愛してるわ。ずっと一緒よ。 決してあなたを離さない。
[うっとりと、私は伴侶を見つめて]
(102) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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きっと、私は病そのものよ。 あなたにとっての依存症の具現化。
[一歩、セイルズから距離を取る]
あなたがこの前、 抱いたのはどちらなのかしらね。ふふふ。
(103) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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あなたがこの娘の生き血を啜って 依存が進行するたびに、 私はこの子の“表面”にあらわれる。
今は少ししか出てこられないけれど。
ねえ、きっとすぐに私たちは “昔のように”暮らせるわ。 愛して、セイルズ。私だけを愛して。 私 “眷属”なしには、あなたは決して幸せになれないわ。
[きっと私が浮かべる笑みは、 写真立てに飾られたあの写真のように 慈悲深く、穏やかなものだ]
(104) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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ああ、残念よ。セイルズ。 今日のところは、これでさよならね。
(105) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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[ 暗 転 ]
(106) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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……パパ?
[ざわり、と葉擦れの音がする。
湿った風が墓地を吹き抜ければ、 そこに佇むのは、不思議そうに小首を傾げる 無垢な顔をした少女がひとり]**
(107) gurik0 2019/10/17(Thu) 23時半頃
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── 純熟期 ──
[目覚めた先に待っていたのは、 夢のように現実味のない、幸せな時間だった。
抱擁を求めても溜息は返ってこない。 身を寄せても撥ねられるのでなく、むしろ抱えられ 咽頭から頤へ指が滑った後の一連を思い出しては 大人ふたりでも裕にあまるベッドの中で 細脚をばたつかせ、悶え、悦に浸る。]
(108) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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[もう、いちいちどこに刃先を宛がうか悩む必要もない。 呼ばれる侭に膝に乗り上げ、白指を差し出すだけでいい。 もっと太い血管から心ゆくまで喰らってほしかったが、 これまでの頑なさを思えばじゅうぶん満足すべきだろう。]
ん、 ……うぅ、…
[指を食まれ、吸血から解放されるまでの時間も 少しずつ伸びていた。 軟体がねっとりと関節や爪の淵をなぞり、 頬や歯肉に指先が触れる度、唾液ごと吸われる度。
指よりずっと遠い器官が擽ったさを感じ初めて 丹念に舐めしゃぶる主を見詰める眼差しが陶酔に眩む。]
(109) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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[傍目にはさしたる変化もない日常が続いたが、 水面下での変化は顕著だ。 懼れていた主からの拒絶が消え、 誘う前に求められる至福は、どんどん己を蕩かしていく。
脳の一部を、心臓を。流れる血が濃度を増して いつの間にか蝋燭作りには一切手をつけなくなり。 診療所の受付に顔を出す頻度も下がっていった。]
(110) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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[彼が患者と会うことを煩わしく思い 診察を始める度に、不機嫌と不満と 不安を顕わにするまで、そう長くはかからなかった。 他の患者が彼に心を奪われたらどうしよう 優しい彼はそれを受け止めるのでは? と。
進行する病が疑心暗鬼と自己嫌悪を重ねていく。 主の一途を信じていないわけじゃないのに。 信じるだけじゃとても足りず。
──そんな己に主が与えてくれたのは。]
(111) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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ぅん……ッ、 ん、前、より… へいき、だか…らぁ、あっ ……
[だらしなく肩が落ちるシャツ。 踝でわだかまる下着は軽い拘束具めいて 彼の腰の上でもどかしそうに身を捩る。 淫らに跳ねる腰の奥から、粘ついた水音を鳴らして。
始めの衝撃に比べたら、指の一本や二本と思えたが 痩躯を暴くそれは十分な圧迫と異物感と ──当時は感じえなかった快感を己に植え付けていく。]
(112) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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ふぁ、……あっ、…そ、ゃあ、……あッ… グス…ティ、どうしよう、 僕、また……
[何度も、何度も。 隘路を撫でる指を締め付け悶えるうち、それまで 碌に触れもしなかった陰茎が張りつめて痛み
眦を赤く潤ませ、背後の主を窺う。 どうしよう、どうしたらいい?なんて 慌てたのは始めだけ。]
(113) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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["最初"に其処に違和感を覚えた時、 自ら触れようとして咎めをうけたから、なんて口実だ。]
なか、も、きゅんきゅんする、し おちんちんが腫れて苦しい、よぉ…
助けて、…ッぁう
[無知を逆手に、赤く熟れた果実を弾いて欲しいと請い、 願いが叶った後に襲うのは、一時の充実と羞恥と罪悪感と 新たな疑念。
一糸乱れぬ姿で、己を乱す彼の冷静さに、 彼が以前のように、渋々、こうしているのではと。]
(114) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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は、ぁ──… ぅん、…グス、ティ…
[三本目まで従順に受け入れられるようになった頃には、 主の助けなぞ借りずとも不安を散らせるそうな程。
指だけでは足りぬほど熟れた身体は、 寝台に戻っても熱が引かず、主の戻りを待つ間 恐々、濡れた襞に触れ、中指の先を沈めるまでに。]
(115) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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(…違う……ゃだ、…こんなこと、だめなのに)
[もっと、もっと。傍にいたい、誰よりも近くに。 はしたないと詰る一方で脳裏を埋めるのは不埒な妄想。
あの、悪夢のような一夜を、激しさを反芻し 興奮するなぞ──ありえないことなのに。
再び薄氷へと踏み出す一歩は、新たな地獄の幕開け。 より成熟を促し、腐敗させ、朽ち果てるまで続く業。]**
(116) mumriken 2019/10/18(Fri) 00時頃
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[色の失せた枯れ草を、風が撫でていった。]
(117) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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[振り向いた彼女は、 セイルズが見たこともない表情を浮かべていた。
大人びた妖艶な微笑に一瞬見蕩れ、 それから、不穏に震える心臓を押さえ込むよう、 ぎゅ、と己の手を握り締める。]
どちらでいてほしい……?
[瞬き、鸚鵡返しに呟く間にも、 彼女は自分の可能性について語る。 曰く、二重人格。曰く、幽霊。
持ち札に触れてから「どちらでもいい」とカードを捨てて セイルズに近づき、その唇を奪ってみせた。]
(118) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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……、っ、――――、
[セイルズは或る名を呼ぼうとしてそれを留め、 諾々と接吻を受け入れた。 意図しないのに慣れたように体温を上げさせられるのが 少しばかり恐ろしく、軽く肩を掴んだが
銀糸が伝う。荒い呼吸を吐き出す。 二人の間にまた風が入り込む頃には セイルズは少し紅くなった己の頬を煩わしそうに拭い 「彼女」が語ることを、やはり黙して聞いていた。>>104]
(119) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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[彼女は自分を病の具現化だ、と語る。 お前が血を啜る度に 私はこの娘の表面に出てくるのだ、と。
そして”どこで見たのか”、”誰かに似た”微笑を浮かべて セイルズをじっと見据える。
セイルズはそこでやっと、 少し皮肉げに、……寂しげに笑った。]
(120) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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……そうか。 よかった。
信じてもいない神がいたら ……。妻を追い出す羽目になったら どうしてくれようかと思ったが
[目を伏せる。それから腕を伸ばし――]
待ちなさい。
[「さよならね」と告げた「女」の腕を掴んだ。 そうして身近に引き寄せる。 紅茶色の瞳を覗き込んだ。]
(121) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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どちら、と聞くなら答えを聞いていけ。 君は、怯えた、ただの女の子だ。
ひとりになる事を怖れて 愛されるものに擬態して それでも足りなくて怖いから狂っていく
……たったひとり、僕の娘だ。
[あたし、もう、ひとりでいなくていいの?>>0:200
思い出の中の少女が不安そうに首を傾げて 抱きついてくる姿を思い出しながら セイルズはそう語る。
愛しているわ、といいながら愛して、と強請る姿は 依存症末期の患者にもよく似ているが どちらかといえば、一人ぼっちの頃の娘に似ていた。]
(122) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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[……馬鹿な子。内心でひとりごち もっと馬鹿なのは僕か、と自嘲する。 いまだ神の国は遠く死者を蘇らせはしない。 わかっていた。わかっている。
終わってしまった物語の続きを 夢見ることは望んでいないのに その可能性を考えた自分を、嫌悪しながら 繋ぎとめるのはあくまで「娘」の方だ。]
(123) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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この考えが間違っていてもいいさ
……君がその通り「病の具現化」だというなら 僕は君ごと―― ミルフィ、君ごと 全て受け止め、愛して……償うまで。
君がその通り、「病の具現化」だというなら…… 本当に昔を知っているなら 僕を死で縛れないのは知っているはず 繋ぎとめておけ。ちゃんと。 ……僕が君を愛せるように。
(124) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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[セイルズはそこまで言うと、 彼女の頬に触れ強引に上を向かせた。
こんなものはただのあがきであって 何の救いにもならないことはよく知っている。
それでも、衝動は体を突き動かし
――――――彼女の呼吸を奪う。深く。熱く。]
[ ――……暗転。 ]
(125) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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…………。 なんでもないよ、ミルフィ。
[呼びかけられ、セイルズは穏やかに微笑み、 彼女の頭を撫でた。]
雨が降りそうだね。 今日はもう帰ろうか。 また、来年ここにくればいい。
[そういいながらも、白い薔薇を一瞥する。 揺れる花弁に目を細め そこに妻の姿を幻視し、苦笑した。]
(126) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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( …………馬鹿だよなあ、 笑ってくれ。クラリッサ。
君の代わりも、彼女の代わりも、 どちらも居はしないのに )
(127) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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[踵を返し歩きだす。 湿った風が墓地を吹きぬけた。 灰色の空からはそろそろ雨の気配がしてくる。
セイルズは空を仰いで、 そこにありもしない天国を見ると そっと、娘の手をとった。]
……ミルフィ。 また今度天気のいい日に、一緒に出かけようか。 随分一緒に買い物してないだろう?
「君」が好きなものを、教えてほしいんだ。
(128) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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( 君ごと愛して全て背負おう。 僕は吸血鬼である前に、君の父親なのだから ) **
(129) さねきち 2019/10/18(Fri) 01時頃
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―夜明け― [烟草の香り>>87] [はじめに運命が瞬いたとき>>0:130から、 ずいぶんと様変わりした煙の香]
(130) あさくら 2019/10/18(Fri) 09時半頃
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[朝陽を吸い込む睫毛はまだ臥せたまま その中に彼女を探して 女は白い腕を伸ばす] なあに [返す声は、いつもの倍は気だるげ>>88 触れあう肌の感触も、いつもの倍は甘やかで ――いつもの倍は優しげに感じたのは、秘密。]
(131) あさくら 2019/10/18(Fri) 09時半頃
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あら、あなたの方から誘ってくれるなんて [瞳を見開く 声色も楽しげに踊りだし] うふふ、いいわね デートしましょ、 ツヅラ [細い首を抱き寄せて 彼女の唇を奪ってしまおう つかの間の朝の挨拶 より深くなる夜の、はじまり**]
(132) あさくら 2019/10/18(Fri) 09時半頃
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[私は、セイルズの言葉>>122に 大きく目を見開いたわ。
――ふふ、そう。 あなたは私をそう捉えるのね。
間違っていてもいいと言うのなら 私から言うことは何もないわ。 信じたいものを信じなさい。
あなたが“私”を愛してくれるなら、それで それだけで。“あたし”は――……]
(133) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時頃
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[情熱的なその口付けを、受け入れた]
(134) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時頃
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[ざわり、と湿った風が墓地を吹き抜ける。 あたしは不思議そうにパパを見つめている。
なんでもない、言ううパパは>>126 いつも通りに穏やかな笑みを浮かべている。
白昼夢を見たような感覚。
疲れてるのかな、あたし。 ちょっと時間が飛んだみたいに、 前後の会話がかみ合わない。
なんだか口元が熱い気がして、 あたしは自分の唇を指先でなぞった]
(135) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時頃
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……うん。帰ろう、パパ。
[あたしとパパは連れ立って、歩き出す。 自然と、パパと指と指を絡めた。 親子が手を繋ぐように、夫婦が手を取り合うように。 どんよりとした鉛色の空を見上げて、ひとこと]
パパと初めて会った日みたいな空だね。
[ぽつりと、呟いた]
(136) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時頃
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お出かけ? うん、行く行く。 でもお買い物だけじゃ物足りないわ。
ええとね、たくさん行きたい場所があるの。 遊園地でしょ。水族館でしょ。 あと動物園も。それから――……
[パパと一緒に行きたい場所を、指折り数える。 まるで、休日に遠出をせがむ子供みたいに。
――これじゃあ、いくつ休日があってもたりないわ!]
(137) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時半頃
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好きなもの? そんなの決まっているじゃない。
[ひょい、と背伸びをして パパの唇に軽く口付けた]
(138) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時半頃
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パパ、だいすき。**
(139) gurik0 2019/10/18(Fri) 16時半頃
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[>>94メルヤの居場所が腕の中に変わっていっても 然程依存症が進行したとは思えなかった。 仕事をしている時は変わらず作業をするし そうでない場合には常に侍らせている。
腕の中に居れば不安もないだろう。 安全と認識出来ていれば拗らせることもない。 それに>>96現時点では旅行にも行けるし、 >>97独りで扉の向こうで着替えることもできている。
ノックの音が聞こえたら覗いている顔へと視線を向ける]
(140) rusyi 2019/10/18(Fri) 17時半頃
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構わないが結び目はちょうちょで良いのか?
[メルヤの選んだドレスは愛らしいものである。 小さな体躯が着飾れば妖精のように見えなくもない。
もっと高いものでも構わなかったが 嫁が気に入ったのだからそれで構うまい。
扉を開けて中に入るとドレスの背中にある 編み上げリボンを結っていく。 最後は大き目に結って羽に見えるようにしてみよう。
ヴェールを被るメルヤはまごうことなく 俺の嫁である]
(141) rusyi 2019/10/18(Fri) 17時半頃
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古今東西に於いて俺の嫁が最強に見える 此れは真理であり自然の摂理だ
良く似合っている
[耳元でそう囁くジャーディンは漆黒のマントを羽織った姿。 理想に掲げるドラキュラ伯爵を模倣した 黒と赤で彩られた正装であった]
今日は良く晴れている 式には絶好の夜空だ
[小さく笑みを浮かべて、 我が愛しき嫁に手を差し伸べた**]
(142) rusyi 2019/10/18(Fri) 17時半頃
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そうだね。
[灰色の空を見上げてセイルズは小さく頷いた。
季節は巡り、望まないのに はじまりと終わりを連れてくる。
自分の生に自分で幕を下ろせたなら、 きっとこの手を握ることもなかっただろう。 そう思えばこそ、 セイルズはミルフィの手を握ったまま歩く。]
(143) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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……ははは。 遊園地に水族館に、動物園か。 ああ、全部行こう。
[彼女が挙げた場所のなんと子供らしく愛らしいことか。 洒落たレストランでも美しい場所でもなく 家族の思い出がつきものの場所に行きたがる。
そのことにセイルズはどこか安堵して 笑い声をあげた。
それから唇に触れた感触に瞬き、 ……片眉をあげて照れたように頭を掻くが]
(144) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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残念だが知っている。だからパパ以外で。
[意地悪をするようにそんな事を尋ねる。
――そうはいっても、 彼女は明け渡してはくれないかもしれないが。
少し考えてから、ため息をつき、再び口を開いた。]
ミルフィが好きなもの…… 好きなこと、あるいは嫌いなもの。
……食べ物の好き嫌いは知ってるし 僕の授業に来ると眠そうだから 歴史が好きじゃないのも知ってる。
そういう ママの真似じゃないところ……
(145) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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僕は、やはり好きだと思ったから
(146) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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[誰かの代わりだと思わせて、 彼女の心を殺した回数よりも多く 彼女のことを知りたいと思う。
指先を伸ばすと、 セイルズは指の背でミルフィの頬をつついた。]
墓参りで確認したかったんだ。 最近あんまり似てきたから…… ……でも、
ママはママで、君は君だ 君は、ママじゃない。
……だけども君はやっぱり、何があっても僕の家族だ。
[何か吹っ切れたようにセイルズは微笑み ミルフィの手を握る。――留めるように強く]
(147) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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……愛しているよ、ミルフィ。
(148) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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(例えば君が狂気に負けたとしても 小さな祈りも届かないとしても 君の最期まで全てを
……いずれ地獄に落ちるまで )**
(149) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃
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はい、ちょうちょ結びで お願いします
[姿見の前でくるりと彼に背中を向ければ 鏡越しリボンを結わえられている様が見える。
バレリーナの衣装のようなドレス 背中にリボンでできた羽が完成すれば 後ろ手でそっと触れ、確認して>>141]
お姫様、みたいに見えますかね? あ、でもご主人様のお洋服だと──
(150) pearlkun 2019/10/19(Sat) 00時頃
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[鏡ごしに見た彼の衣装は物語の吸血鬼然としたもの>>142 定番の白い礼装とは違う、黒いマントのはためく姿。 これでは神の祝福など望めない、と 神なんて信じていないくせに拗ねたふりをしてみせて]
ご主人様も、その……素敵です えっとこれからは呼び方を…… "旦那様"と変えた方がいいでしょうか
[呼び方ばかり変えたとして 何かが変わるわけでもないけれど なんとなく、その方が雰囲気があるから。
戯れにそんなことを問いかけつつ 差し出された手に自分の手をそっと重ね 月と星が立ち会う場所へと**]
(151) pearlkun 2019/10/19(Sat) 00時頃
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パパ、本当に? 約束だからね。遊園地も水族館も動物園も ぜんぶぜんぶぜーんぶよ!
[あたしはぱあっと顔を輝かせる。>>144 これからの休日をどう過ごすかに思いを馳せて 自然と足取りは軽いものになった]
(152) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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パパ以外?
[きょとん、とあたしは目を丸くする。 それからパパの言葉>>147に 黙って耳を傾けたんだ。
ぐ、と。 あたしの手を握るパパの指先に、力が籠る。
“愛している”>>148のひとことが あたしの中に強く強く響いた]
(153) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[しばらくあたしは 曇天の街をパパとふたり 家に向かって黙りこくって歩いていた。
だって、どういう反応をしていいか 馬鹿なあたしには分からなかったから。
どきどきしたし、嬉しかったし、しあわせだった。 だけど“愛している”を返すだけじゃ、 きっとあたしの気持ちは伝わらないと思ったから]
(154) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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……ねえ、パパ。雨が降ってきたよ。
[小さく呟いて あたしは鉛色の空を仰ぐ。
ぽつ、ぽつと雨粒が顔に当たって、 頬を流れ落ちていった。 ほら、これでもう 泣いているのがバレないでしょ。
結局、返すのはお決まりの文句だ]
(155) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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"I’m so happy being your daughter."
(156) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[血は繋がっていないけど きっとあたしは パパの家族になるために生まれてきたんだわ。
とっても愛してる。パパのことを。
娘として、伴侶として、家族として あなたを愛してる。
あたしに、愛することのしあわせを 教えてくれてありがとう。
……愛してくれて、ありがとう]*
(157) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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―― それから ――
[長い、月日が経った。
あたしの見た目の年齢は ちょうどママと同じ年嵩で止まった。
穏やかで、しあわせな日々が過ぎてゆく]
(158) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[パパとあたしは、親子であり夫婦だった。
週に幾度も身体を重ねたけれど、 結局、あたしがパパの子を授かることはなかった。
あたしが、いつ狂って死んでもいいように、 パパの子供を産んで 新しい家族を作ってあげたかった。
けど、そんなに世の中はうまくいかないみたい]
(159) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[ママの真似じゃないところが好き、って>>145 パパに言われても、あたしは変われなかった。
ママの真似をしてパパの助手になって、 大学の研究を手伝った。 ママのいなくなった穴を埋められるのは あたしだけのはずだから。
仕事でも、家庭でも、 あたしはいつでもパパの隣にいた]
(160) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[最近は段々と 記憶の辻褄が合わないことが多くなっていた。
朝食を食べていたはずが、午後になっていたり。 夕方大学にいたはずが、夜ベッドの中にいた。 あたしが、あたしでなくなっていく感触。
あたしはいつまであたしのままでいられるんだろう。 怖くて怖くて、堪らなかった]
(161) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[依存症という病は、 ママの形をとって私に現れているらしい。 正気のあたしでいられる時間は、 どんどん短くなっている。
ある日、目覚めると あたしは裸でパパのベッドの中で眠っていた。
記憶がないというのに、確かに愛された痕跡があって 首筋をなぞれば新しい噛み痕がある。 熱を持った胎を、さする]
……パパ。
[生まれたままの姿で、パパに抱きついた]
(162) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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パパ。あたし“も”愛して。お願い。
[すがるように、祈るように。 パパに身体を密着させる。 そのぬくもりに、目を細めて]
怖いの、パパ。眠れないの。 えっちしよ。 そしたら、怖いこと忘れられるから。
[読み聞かせをねだる子供のように、 情事を迫ったりも、した]
(163) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[時には、カレンダーの日付が 飛んでいる時すらあった。
パパとあたしの幸せな日常は永遠じゃない。 終わりの日が、きっといつかはやってくる。
あたしは、カレンダーに赤丸をつけて 「この日だけはあたしでいられますように」って 毎年お祈りをするの。
その日は、特別な日だから]
(164) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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―― 朝 ――
おはよう、ママ。
[写真立てに飾られた古ぼけたママの写真に、 いつも通りに朝の挨拶をする。
カレンダーを見遣って、安堵する。 ああ、あたしはあたしでいられたんだって 神様に感謝するんだ。
パパを起こさないように 足音をしのばせて台所へと向かう。
今日は大学のお仕事がお休みの日。 起こさずにゆっくり寝かせてあげたいし、 サプライズでお祝いしたかったから]
(165) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[だって。今日は、大好きなパパのお誕生日なの]
(166) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[小麦粉と卵と牛乳を目分量でボウルに入れて、 たっぷりのお砂糖と共に泡立て器で混ぜた。
型に生地を流し込んだら、オーブンの中へ。 今度は冷蔵庫の中の苺を取り出して 可愛いハート型に切ってゆく。
生クリームをボウルでいくら混ぜても パパの作ったホイップクリームのように 角が立たないけれど、 見た目じゃなくて味で勝負だからきっと問題がないわ]
(167) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[ほら完成。 いつも通りにちょっと不細工な パパのためのお誕生日ケーキ。
たくさんたくさんお砂糖を入れたから 今年もきっとパパは喜んでくれるはずだわ。
階段を下りてくる足音が響いてきたなら、 あたしは満面の笑顔でパパを出迎える]
(168) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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Daddy, Happy Birthday!
(169) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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ロウソクがいっぱいで、 ケーキが見えなくなっちゃったわ。
[パパと出会ってからの年嵩だけ増えた、 ケーキの上のロウソクたち。
クリームの付いた頬を、人差し指で掻いた]
(170) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[ねえ、大好きなあたしのパパ。 来年もあたしはパパを祝ってあげられるのかな。
もっといっしょにいさせてくださいって 毎朝、天国のママにお祈りしてるの。
きっとママはやさしいから、 あたしのお願いを聞いてくれるよね。 パパが寂しい思いをするのを ママも見たくないはずって思うから]
(171) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[ケーキの上にのったロウソクの1本1本に あたしたち家族ふたりの思い出が詰まってる。
何年前はこんなことがあったねって 小さな思い出まであたしは覚えてるよ。
パパもきっと、同じでしょう?]
(172) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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[大好きなパパ。 いつまでもいつまでも元気でいてね。 しあわせでいてね。
それがあたしの願いです]**
(173) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃
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俺の服は不服か? "吸血鬼"としては定番なのだぞ
[>>151それに恰好良いだろう。 見目だけは夜の貴公子として不足ないと自負している。
"素敵です"と言われればすぐに納得してしまうので 自分はチョロイ方なのだろう。 拗ねたように見えるメルヤの頬に口づけてやり、 手が重なれば今宵はきちんとエスコートしよう]
御主人様でも、旦那様でも構わない 勿論身体を重ね合う時、 甘く切ない声色でジャーディンと 呼んでくれるのも好きだ
[口元に笑みを浮かべて通路へと。 通路に出れば屋上へ向かう階段を上っていく]
(174) rusyi 2019/10/19(Sat) 08時頃
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緊張はしてはいないか
[後ろを振り返りながら階段をあがり、 黒曜石を見つめて投げかける質問。
間を埋めながら屋上に続く扉の前に到着すれば 魔法の言葉を唱えた]
(175) rusyi 2019/10/19(Sat) 08時頃
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"アレックス"、 世界で一番可愛いのは俺のメルヤだ
[唱えれば扉は開く。 扉の向こう側はヴィラドメア城の屋上で、 見上げるとリンディンの夜空が栄えている。
月もあれば星もある。 都市の明かりで全ては見えなくなっているが、 見えなくても星は変わらず瞬いているだろう。
屋上には祭壇を設けていた。 その前までメルヤを連れていき、 相対して両の手を取ろう]
(176) rusyi 2019/10/19(Sat) 08時頃
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夜空の星を見上げてごらん 小さな瞬きも大きな瞬きも その全てが俺たちを見つめている
見上げてごらん、夜天に輝く天上の真珠を 月はいつまでも俺たちの営みを見つめている
見つめてごらん、俺の瞳を 俺は生涯メルヤを愛そう
星よりも、月よりも見つめていよう 互いの生が終焉を迎えたとしても 生の終焉より先に世界が終焉を迎えても 俺は変わらずお前を愛し尽くしていよう
[目を細めてメルヤを見つめて、 自分の誓約だと伝えよう**]
(177) rusyi 2019/10/19(Sat) 08時頃
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ああ、全部……全部だよ。
[彼女の手を繋ぎなおす。 思うことを打ち明けて 黙ってしまった娘と、家に向かって歩いていく。
こつりこつりと革靴の底が地面を叩く。
頬につめたい感触が走った。 見上げれば、きら、と 糸がきらめくように雨が降ってくる。]
(178) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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……そうだね。 傘がないから、急いで帰ろうか。
体が冷えてしまう前に。
[雨に降られながらセイルズは手を伸ばす。 ミルフィの頭をそっとなでて、 彼女の目じりから頬までを一度だけ、 指の背でなぞった。
"泣かないで”と言おうとして 何も出ない、不器用な父親めいて。
頭に、顔に、広い背に、雨は降りしきる。]
(179) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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"I'm so happy to be your daddy, my love."
[浮かべるのは穏やかな微笑。 返した言葉は、いつもの決まり文句。
それ以上を語らずに二人だけの帰路を歩く。 大切に娘の手を握ったまま*]
(180) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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―― 独白 ――
[永遠のようで一瞬な 愛しい年月の中で、日に日に、娘を病が蝕んだ。 二重人格、あるいは依存症そのものが ミルフィを支配し、彼女の生活を塗り替えていく。
妻と同じ年嵩で見た目の年齢が止まり 大学の研究を手伝うようになって いつも、隣にいてくれるミルフィ。
僕は何をしてやれるだろう。 父親として、家族として、 そしてこんな僕の生に巻き込んでしまった償いとして どうしてあげられるだろう。
……考えて考えて、考えたあげくに、 僕はやはり、最初に出した結論しか選べなかった。]
(181) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[起こる全てを、彼女の全てとして受け入れ、愛すること。]
(182) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[蠱惑的に誘って、「愛して」と両手を広げてくる>>162 そんな彼女――依存症を愛しながら思う。 依存症に乗っ取られている時の娘は、 妻に似た表情を浮かべながら、いつも寂しそうにしている。
"You'll never ever, never ever, never be happy without me."
そういう言葉が彼女の口からこぼれるたびに、 「もちろん」と笑ってその唇を塞いだ。 彼女の望むまま愛して、血を啜った。 それは例えるなら、死ぬ前の晩餐に似ていた。
気を失うまで抱いて愛しているうちに、時々、 僕は自分が誰を愛して抱いているのか解らなくなってくる。 そういう時必ず、「ミルフィ」と彼女の名を呼んで、 頭を優しく撫でた。
僕自身が誰のためにそう在るのか、 そうすれば思い出せたから。]
(183) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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……ミルフィ。
[気絶してしまった彼女の髪を撫で梳いていると 時折、依存症が抜けた娘が目を覚ますことがあった。 そんなとき決まって、彼女は『あたしも』>>163と 僕にすがり付いてきた。]
ミルフィ。おかえり。 ……しょうがない子だ。
[僕は彼女を抱きしめて、その肌に鼻筋を寄せた。 心が少し入れ替わってしまっているだけで 同じ彼女。同じ体なのに 僕はそんなとき決まって、「おかえり」と口にする]
(184) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[恋しさと苦さ、娘を失いたくないと叫ぶ心を 「しょうがない子だ」と 彼女を受け入れるふりをして誤魔化して、 怖がる娘に微笑みかける。
そういう時の僕がうまく笑えていたか、自信がない。
たぶん、読み聞かせするときのように 声を穏やかに繕っていても 彼女を抱きしめる腕の震えと強引さは、 誤魔化せなかっただろうが。]
(185) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[カレンダーについた赤い丸を見る。 季節は巡る。今年も、あの日がやってくる。]
(186) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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―― 夢 ――
[最近、頻繁に夢を見る。
僕と君は、手を繋いで歩いている。 灰色の空の下を。
君の体には随分と噛み痕が増えて 君を彩る服も化粧も、随分君が好まないものになった。 『ママ』に寄せた格好で、ぎこちなく笑っている。
もう何日も、君は君ではなかったから 久々の外出になる。]
(187) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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今日は、好きなところに連れて行ってあげる。
[僕は笑ってそういう。――動物園、水族館、遊園地。 研究ばかりしていては息が詰まるから 史跡や図書館、博物館以外の場所を どこでもいいよ、と選択肢を示して 君の興味がある場所へ赴く。
少し大きくなりすぎた君を抱き上げることだって 甘いデザートがある店にも行って 弱ってきた胃腸に鞭を打つことだってする。]
沢山遊んだなあ、ミルフィ。
[そうしていくつも思い出を積み上げた後に、 夕暮れを見上げて帰路につく。 僕が作った夕食に、甘すぎる君のデザートを添えて 二人で食卓を囲んだら、 月が窓から覗く頃、僕らは眠る準備をする。]
(188) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[夢の中の僕は、まだ君を抱かない。
ただ古びたアルバムを持ち出して 全てがデジタル化されたこの時代に わざわざ現像して、色の褪せた古い写真を―― 半透明のページに綴じられたそれらを、 君と一緒にたどっていく。 あんな事があったね。こんな事もあった。
そうしてアルバムが最後のページに差し掛かる頃 僕は君の服に手をかけて]
[初めての時のように愛して、]
[――首筋に、深く牙をつきたてた。]
(189) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[真っ白だったシーツが真っ赤に染まっていく。 僕は止めずに尚君を腹に収める。
君の血。君の涙。君の全てを。 君が君でなくなってしまう前に。
君の体はどんどん冷たくなっていく。 かつて抱きかかえて町を歩いた体が 弛緩して、重くなっていく。
僕はずっと君の名前を呼んでいる。 口の中に広がる幸せの味に嗚咽しながら 君を最後まで食べつくして
その瞳を、優しく閉じてあげる。 その髪や頭を撫でてあげる。
愛している、と言いながら。 ――――……………君が狂う前に、]
(190) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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『お目出度い人ね。 ――そんな夢物語、あるわけないじゃない』
(191) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[声が降る。
ざあざあと雨が降っている。 妻が死んだ日と同じ服を着て、 僕は夜のリンディンに立っている。
目の前には、白い幽霊が居る。 真っ白な顔をした妻が僕を見つめ、 妖艶に、そして恨めしげに微笑んでいる。 化けて出て尚、美しくも恐ろしい、白薔薇に似た僕の妻。
降る長雨の中、シャツが体に張り付く。髪が体に張り付く。 ……体が冷えていく。
彼女は雨に打たれながら僕を見据えると、 すっと暗闇の中に姿を消した。 僕は思わず手を伸ばして、一歩、二歩と石畳を踏む。]
(192) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[雨が降っている。
濡れた革靴が黒い水溜りを踏んだ。
雨が降っている。
遠く、サイレンの音を聞いた。
雨が降っている。
散らばり、ひしゃげた、――の体を覗き込んだ。]
(193) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[膝をついて君の名を呼ぶ。 答えは返らない。誰も応えない。 ただ、雨の音だけが聞こえている。
僕はただただ首を横に振って、 眠り姫のように目を瞑る君の赤くなった髪を撫でる。]
…………ねぼすけな子だなあ……
[白く冷たい頬に手を伸ばす。 目覚めのキスになんかならなくとも 笑いながら泣いて君の体を抱き上げた。]
(194) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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解って、いるよ。 許されないことだと。 救いなどないほうが自然だと。
けれど、どうあっても…… 僕は、この子の最期までを
…………すまない
[妻か、君か、誰に謝りたいのかわからなかった。 解らないまま、もう息をしない君の唇を塞ぐ。
――――甘い匂いが鼻をついて、]
(195) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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"... I'm so happy to be your ... ."
(196) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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―― ある誕生日に ――
[――――……]
[今日は仕事がない日だからと、 ベッドに埋もれて惰眠を貪っていると 隣で起き上がる気配がして、少しだけ手を伸ばした。
さらり、流れる髪の柔らかさだけを感じてまた眠る。
なんだか酷い夢>>187をみて再び目を覚ます頃合には、 甘い匂いが階下から立ち込めていて、 僕は例年、行われたそれにひどく安堵しながら、 一定のリズムで階段を降りていった。
投げかけられる言葉に僕は目を見開いて>>169
笑顔を咲かせた愛しい娘と、 精一杯の努力の証が見えるケーキを見て 本当に嬉しくなってしまって、微笑む。]
(197) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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お祝いしてくれるのかい? はは……ありがとう、僕の可愛い娘。
[神に感謝など捧げないが、 いつもどおりの砂糖の多いケーキを 僕は大層喜んで
共に過ごした年だけ増えたロウソクが ケーキを埋め尽くしていくのを 圧巻だな、と思い見つめていた。
覚悟を決めてブラック珈琲を淹れる。 それから、切り分けられたケーキを食べる前に 彼女の名を呼んだ。
顎に指先を添えて、 唇を寄せるのは首元……ではなく、頬。 ついたクリームを思わず舐めたのは さっき見た酷い夢のせいだろう。]
(198) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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クリームがついているから間違えたよ。 [笑って冗談を吐き肩をすくめた。 それから食卓につく。]
……ミルフィ。 今回は砂糖をどれくらい使ったんだい?
[僕は律儀にそんな事を聞く。 もちろん、その後の言葉に繋げるために。]
食べ終わったら、買出しに行こう。 君の紅茶にいれる砂糖がないだろう?
[言いながらちらりと窓の外を見た。 蒼い空。きらきらと差し込む朝日に目を細める。]
(199) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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[いずれ終わりがくるとしても いずれ地獄に落ちるとしても……
君がいるなら、きっといつまでも僕は幸せだ。
だから――どうか、 限りある生で、君の命がはじまりから終わりまで 「しあわせでした」と言えますように。
最早祈る神も何もないけれど それだけを願って、甘すぎるケーキを咀嚼した。**]
(200) さねきち 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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――時は流れ――
[寝室を共にしてくれ、と頼んだ。]
(201) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[隣で目覚める朝の心地よさに、ジョギングを日課から外した。]
(202) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[スマホはバッテリーを外して使えなくなっていたままだったが、問題はなかった。 彼を置いて外出することはほぼなくなってしまった。]
(203) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[次に出来なくなったのは、買い物がてらの散歩だった。 食材も本も、ブルーレイのレンタルだってインターネットで済ませられる。
その結果、ふと見つけた珍しい食材で思いがけない料理を作ったり、掘り出し物の中古本の知識を披露することがなくなった。
出来ることを貪欲に増やし続けた男の人生に、出来ないことが増えていった。]
(204) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[ネットショップを閉じ、売り物としてつくった在庫はすべて卸した。 正気でいられる時間が減ったと気づいた時に、工房は閉じることにした。 それが眷属になる前から続けてきた職人の最後のプライドだった。
――そして。]
(205) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[――――そして、
ソラが、逝った。*]
(206) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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ぅ…….。最後の例は違うような……
どれでも良いならば今まで通り そのときによって変えますね
["結婚式"であれば こういう時は花嫁の父が共に歩くのだったか。
かつて自分が"お父さん"と呼んだ男 今はもう水底で朽ち果てているはずの人 不思議なものでその男と暮らした時間より ジャーディンと過ごした時間の方が遥かに長く感じる。
ぎゅっと手を繋ぎ、引かれ 屋上へと歩み出せば>>174>>175]
(207) pearlkun 2019/10/19(Sat) 17時半頃
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緊張は、してました……けど なんだか一気に解けました
[開いた扉と彼の顔を交互に見比べてぽつり。
これ>>176が扉を開く合図であったなら 彼以外の人は、きっと扉を開けられない
少なくとも式の間 乱入するものはいなさそうだ。と 赤くなった頬に苦笑を浮かべれば
視線の先、家々の暮らしの明かりと 空に瞬く明かりの粒が見える]
(208) pearlkun 2019/10/19(Sat) 17時半頃
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[設えられた祭壇の前 促されるまま、向かいに立ち
自分の右手には彼の左の手を 左の手には右の手を 重ねて握り、彼の言葉>>177に耳を傾けて]
ジャーディン……ずるい。です
[見つめろと言われたら、そらせなくなる。 星も月も見えなくなってしまう 道路を通る車の音すらどこか遠くて]
(209) pearlkun 2019/10/19(Sat) 17時半頃
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私も、誓います
この命が潰えても 最後の骨が朽ちる瞬間まで ジャーディンだけを────
[見つめ続けます、と**]
(210) pearlkun 2019/10/19(Sat) 17時半頃
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[>>210誓約の言葉が紡がれる。 互いの言葉が交わされれば]
今、此処に俺たちの関係は為った 神も人も要らぬものだ 物語は俺とメルヤだけで紡いでいける
[黒曜石を見つめながら腰を折り、 瞳の距離を近づけ唇を重ね合わせる]
ずるいと感じることもあるだろう ただ一つ 俺は常にお前を愛している それだけは変わらぬことだ
[願うことは唯一それだけ。 誓約が永遠に近しく続きますように]
(211) rusyi 2019/10/19(Sat) 19時半頃
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それでは明日の朝は早い 今宵は初夜ではあるが早めに休むとしよう
明日の夜にはリンディンでは見られぬ程の プラネタリウムで見たような満天の星が見れるぞ
[一人と一人の物語は二人の物語として これからページを埋め尽くしていく**]
(212) rusyi 2019/10/19(Sat) 19時半頃
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── それから、 ──
[「恋人」になって、僕の寝室が蒼佑の部屋になり。 しばらくは、また落ち着いた日常がすぎていった。
けれど。 症状を認めてからの進行は、坂道を転がり出した石のように。止まることなく、着実に蒼佑は変わっていった。]
(213) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[日課だったジョギングをやめて、少し筋肉が落ち。 外出の時間が日に日に減っていき。 家の中、ふたりで過ごし触れ合う時間が増えていくにつれ、僕も少しずつ仕事を減らしていった。
工房や家のあちこちにあったガラス細工も、人手に譲り。 とうとう隣の工房も閉まり、ますます坂道を転がる速度は増していく中。
それでも、ソラの散歩の時間だけは。 一緒に行こうと、手を繋いで外に出た。]
(214) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[蒼佑に言ってないけど。 最近また、”彼女”を思い出す。
僕を家という箱庭に閉じ込めた”彼女”と過ごした、十年足らずの時間。 確かにあの頃の僕は”しあわせ”だったし。 そして、今も”しあわせ”だと思う。
だから、僕は全部わかっていながら。 変わってしまい失っていくものから、そっと目を伏せて。]
(215) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[────そして。 ソラが老いて足腰が弱くなれば、とうとう散歩にすら出ることもなくなり。
ある、冬の終わり。 天寿を全うし、ソラも土に還っていった。]
(216) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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── 墓地 ──
[小さな石碑の前。 最期のごはんのように水色のガラス器に水を入れ、首輪の横に置き。 ゆっくりと立ち上がれば、隣の蒼佑を見上げ。]
……ソラを看取らせてくれて、ありがとう。
[次の犬を飼う予定は、もうない。 今はもう、犬より手のかかるかもしれない眷属兼恋人の手を取れば、指を絡めた。
そして。]
(217) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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……蒼佑。
[繋いだ手をすこし引きながら、呼ぶ。]
桜を、見に行こうか。
[もうソラを置いてかなきゃならない心配もないし。 なんて添えながら。
隣の反応を待った。*]
(218) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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……ソラ、がんばったな。
[愛犬は、アオに吸血されていない歴代の飼い犬の中では最も長く生きて、それでも病に狂っていく男が外に出られる内にその生涯を閉じた。 孝行息子だ、と、男はその動かなくなった背を撫でて、兄弟たちが眠る墓地に埋葬した。
冬の終わり。
最近はずっと灰色だった空は、同じ名前の仔を迎え入れるように澄んで晴れ渡っている。]
アオくん、
[お喋りだった男は、段々語彙を失っていた。 見た目だけはまだ中年に差し掛かる前でありながら、子どもにかえっていく老人のように、思考能力も落ち。
それでも、アオが発した言葉に、古い記憶が呼び起こされる。]
(219) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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『サクラ を 見に行こう』
(220) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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ぅああ、 あ、 ……っ
[頭を振った。 振っても振っても失ってしまった記憶は元には戻らなかったけれど、それが大切な約束だったことだけは、魂に刻まれていて。]
飛行機、乗れるかな、
[船旅よりは短く着くであろう、遥か彼方の故郷を思う。]
(221) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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願はくは――……花の下にて、
[さてこれは、誰の歌だったか。 繋がれた指の細さだけが、男を現実に繋ぎとめる。]
……デートだね。
[チケットはきっと、片道しか使わない。*]
(222) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[久しぶりに晴れた空の下で。>>219 近頃、随分口数が少なくなった蒼佑は、僕の言葉にすら反応が曖昧なことがある。
啜る赤い蜜は、とうに甘く熟れきっていて。 おそらく、いつ朽ちてもおかしくない。]
……蒼佑?
[返事は、ないかもしれない。 もしかしたら約束すら忘れて、置いてかれるかもしれない。 こんなときはいつも、そんな想像をしてしまい。 でもそれを口にする勇気もなくて、黙って眉尻を下げることも多くなった。]
(223) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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おい、どうしたんだ。蒼佑?
[突然頭を振りだしたのを見て、慌ててもう片方の手を伸ばして随分痩せた頬に触れる。 不安と心配で押し潰されそうになりながら見上げていれば、ゆっくりと、落ち着いてきて。
返事が、あった。]
…………乗れるだろ。 僕がずっと隣にいるんだから。
[家にいるのと変わらない、と。 手を降ろし平気な顔を作れば、淡々と答えながら。]
(224) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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[繋いだ手を、ぎゅ、と握る。>>222]
……それ以外何があるんだよ、ばか。
[帰ろう、と家に向かって歩き出し。 蒼佑の手を引いた。*]
(225) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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うん、ずっと傍にいて。 馬鹿な俺が、これ以上馬鹿にならないように。
[恋人となってからのアオの「ばか」は本当に甘い響きで。 こうやって病が進行することになっても、告白して良かったと改めて思う。
歩幅はアオの方が小さい筈なのに、手を引かれながら家路についた。]
(226) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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――自宅――
[病が進行してからは、「二人きり」を欲してソラを疎んだこともあった。 それでも、アオが散歩を一緒にしてくれて、段々無様な姿を晒す眷属を詰らずにいてくれたから、最期まで老犬に手を出さずにいられた。
望んでいた「二人きり」の空間。
嬉しい、と安心しない自分を自覚できたのが嬉しかった。
その夜は二人手を繋いで同じベッドに眠った。 食事もなくセックスもなく。 長く寄り添ってくれて――そしてこの国に遺していく息子たちの色を思いながら、静かに眠った。]
(227) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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[難しい法律のことはわからなかったので、チケットの手配や宿泊先のことなどはすべて雇ったコーディネーターに任せた。 金に糸目をつけなかったおかげか、コーディネーターは二人の生家のことを遡って調べてくれて、フリーツアーの提案では今はもう別の建物になっているそこに立ち寄るルートも挙げられていた。 もう知らない土地だ。アオが行きたがらないなら、特に回る必要もないだろう。]
ちょうど見頃らしいよ。
[とはいえ人出の多い花見スポットに行く気はまるでなかった。 とにかく背の高い、空に近い山で桜が咲いているところを探して貰った。 幾つかの候補の中から選んだのは、登山にかなりの時間を要する田舎の辺鄙な山だった。
その方が良い。 途中で引き離されてしまわないように。
自分が誰かもわからなくなる前に、 ちゃんと連れていけるように。*]
(228) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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[とくん、と胸が高鳴る。
いきなりパパに頬を舐められるなんて 全然思っていなかったから、 あたしは頬を押さえて固まってしまう。
ちろりと唇から覗く蠱惑的で赤い パパの舌先に、心を奪われて]
もう、パパったら。
[>>199仕方のない人ね、と笑った]
(229) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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おうちのお砂糖はぜーんぶ使っちゃった。
[甘い方がおいしいもんね、と あたしは笑顔を浮かべながらパパに答える]
買い出し? うん、行こ行こ! 砂糖も、苺も買い足さなくっちゃ。 あたしはパパの作る苺ジャムが大好きなの。
[最近は、朝に正気でいられない日も多くって パパの苺ジャムをトーストに塗って食べることが どんなに贅沢な幸せなのかって、 あたしは改めて知ることになったんだ]
(230) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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[それから ふたりだけの小さなパーティをした。
ケーキを切り分けて、クラッカーを鳴らす。 パパのお誕生日を祝いながら、 他愛もない話に花を咲かせた]
ごちそうさま。そろそろでかけましょ。
[今日は大好きなパパの誕生日。 だから、最高の1日にしなくっちゃ]
(231) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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[空はどこまでも澄み渡っていて、 きらきらとした日差しが街路樹を照らしていた。 木漏れ日の下を、パパとふたりで歩く。
パパとあたしは、街の人からどう見られてるんだろう。 きっともう親子には見えないよね。 できたら夫婦とか――家族に見えていたらいいなって そう思うんだ。
パパとあたしは、しあわせな家族。 誰になんと言われようと、それだけは確かな事実で]
(232) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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[ 暗 転 ]
(233) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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―― 夢 ――
[あたしは、遠い昔の夢を見ていたわ。
あのときのあたしは、まだ小さな6歳の子供で 朝食をパパといっしょに食べていたの。 大好きなパパの苺ジャムをたっぷりトーストに塗って ぱくりと齧りつく。
楽しい話を、たくさんたくさんして パパと顔を見合わせて何度も笑いあった。 昨日は学校でこんなことがあったんだって、 他愛もない話に花を咲かせる。
朝食を終えれば、大きなパパを見上げて シャツの袖をくいくいっと引いた]
(234) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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おでかけしよう、パパ。 ね、お願い。 今日はお仕事お休みだったよね。
[大好きなパパとおでかけがしたくって、 一生懸命におねだりをした。 こういうとき、やさしいパパは いつもあたしのおねだりを聞いてくれるんだ]
(235) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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あのね、今日はお買い物に行きたい。
[あの頃のあたしは、小さなスーパーですら パパと歩けば宝の山に思えた。 ちょっと前まで食べるものにも困っていたから、 詰まれたトマトの山を見るだけでもはしゃいだわ]
お砂糖とー、苺とー。
[買い物かごに食材を入れて、とてとてと歩く。 あたしがひとりでかごを持つの、と言い張ったら パパはとても困った顔をしていたっけ。 お手伝いがしたかったのよね。あの時のあたしは]
(236) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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[買い物を終えて帰るときには、 あたしはすっかりくたくたになって 歩けなくなってた。
そんなあたしを見かねて、 パパはいつも抱っこをしてくれたよね]
パパ。
[あたしはパパの愛情をたっぷり感じながら ぎゅうっと抱きついて、 穏やかな笑みを浮かべるんだ]
(237) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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大好きだよ。パパ。
[幸せな1日だった。 とても、とても幸せで――……]
(238) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時頃
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―― 覚醒 ――
[そうして、あたしは我に返った。 気付けばあたしは家にいて、もう日が暮れている]
……ごめ、んなさい。パパ。あたし。
[何が起こったのか、瞬時に分かってしまった。
近くにいたパパに駆け寄って 泣きながら思い切り抱きついてしまう]
(239) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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せっかく、パパの誕生日だったのに。 最高の1日にしなきゃいけなかったのに。 ごめんね。あたし、駄目な娘で。ごめんね。
[正気を、保てなくなっている自分が 憎くて堪らなかった。どうして、こんな大切な日に]
たくさんたくさんお祝いしたかったのに もう夜になっちゃった……。
[悲しくて悲しくて、涙がぽろぽろ零れた]
(240) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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夢を、見てたの。 6歳の頃のあたしに戻って、 たくさんたくさんパパに甘える夢。
[涙をこすりながら、先程まで見ていた夢の話をする]
(241) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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[ふと、家の壁に貼られた 黄ばんだ古めかしい画用紙が目に入った。
ヘタクソな「パパの顔」がクレヨンで描かれている。 いつかの誕生日に、あたしがあげたプレゼント。 遠く過ぎ去ってしまった、幸せの残滓。
あたしは、お決まりの文句を囁くの]
(242) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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"I'm so happy being your daughter."
(243) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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パパの娘でいられて、あたしとても幸せよ。
だから、あたしがどこにもいかないように、 繋ぎとめて。お願い。
[最近は、そう言って 情事をせがむことが多くなっていた。
パパとまぐわっているときは、 正気を保っていられたから。
家族として“愛し合っている”って 感じることができたから]
(244) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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|
[本当はね。
パパとえっちをして、血を与えれば与えるほど 依存症が進んで、あたしという存在が すりつぶされていくって、分かっていたんだ。
パパといっしょにいない方が、 あたしの寿命が伸びるってことも。
でもね、あたしという存在はパパの幸せのためにあって。 パパの家族じゃないあたしは、あたしじゃないから。
いつか終わるこの幸せな日々を。1分1秒を。 大切に大切にして、あたしは生きていく]
(245) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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[ねえ、パパ。
あたしがあたしでいられるうちに たくさんたくさん、家族として愛し合おうね。
あたしはとても幸せな、あなたの娘。 伴侶にして家族]
(246) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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[死があたしたちを別つまで、 ずっとこうしてふたりで暮らしていこうね。 愛しあって、仲良く、しあわせに。
――――約束だよ]**
(247) gurik0 2019/10/19(Sat) 23時半頃
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|
[墓地から帰ればそこには、二人きりの家があった。>>227
よく、ソラの散歩のために朝のベッドから抜け出す僕を引き止めて、駄々を捏ねたりもしたくせに。 なんでか蒼佑はあまり嬉しそうではなくて。
リビングの隅にぽつんと残された、クッション。 もう少しだけこのまま、と片付けるのを止めた僕と同じ気持ちがそこにあることを願ってしまう。]
(248) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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|
……蒼佑、おぼえてるか。 モモがはじめてこのうちに来た時、 はしゃいで玄関にあったガラスの置物割ったの。
コンは、なかなか蒼佑に懐いてくれなかったよな。 そういえば、アサギの器だけ変な色だったっけ。
[犬の気配がない夜も。 何もしないでただ眠る夜も、いつぶりだろう。 蒼佑の隣に潜り込んで、うとうとしながらぽつりぽつりと。 思い出話をしているうちに、声に欠伸が混じりだし。]
…………、
[静かに眠りの淵に落ちていった。]
(249) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[祖国に帰るのは、何百年ぶりだろう。 決してそれは比喩ではなく、生まれた街や家の記憶も正直曖昧だ。 わざわざ調べてくれたコーディネーターには悪いが、過去を巡るようなルートは丁重に辞退して。
桜がゆっくり見れる場所、とだけ希望をつけてあとは蒼佑に任せた。その結果。]
見頃なのはいいけど…… こんなに歩いたのは、ソラの散歩以来だよ。
[観光地というには、山以外何もない場所に人気はなく。 山肌一面を淡い色に染める樹を、間近で見あげれば感嘆の息が零れた。]
(250) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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……昔は何とも思わなかったけど、 こんなに綺麗だったんだな。
[ひらり、と落ちてきた花弁を掌で受け止めたなら。]
蒼佑がくれたのと、同じ花だ。 初めて会った時にくれた、ガラスでできた栞と同じ。
[掌を開いて、隣の蒼佑に見せ。]
……あの頃の蒼佑のこと、 なんだこの物好きなやつって思ってたな。
[そっと花弁を風に任せて地に還し。 すぐ隣の”さくら”に手を伸ばした。]
(251) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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でも今は───
傍にいるのが蒼佑でよかった。 そう思ってる。
(252) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[このデートの日程がこの先空白なのも。 こんな辺鄙な場所を選んだ理由も、わかってる。 わかってて、僕はここに来た。]
……僕も、一緒に連れていけよ?
[狂って咲いて朽ちかけた樹へ。 背伸びをして、触れるだけのキスを。*]
(253) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[モモはとてもやんちゃで、犬に慣れていない頃の男はその行動を予見出来ずに手を焼いた。>>249 眷属となってから迎えたコンは主にべったりで、それでも可愛がりたい男が持ち上げたら拒否の失禁で実はかなり落ち込んだものだ。 アサギは少し短い生だった。もっと生きていられたら、もっと良い色の器をやれたのに。
ソラは。 ソラは――「思い出」にするにはまだ、言葉を持てない。
きっと待ってくれている。 輪廻転生などないのだと100年以上を生きて諦めてはいるが、天上の楽園でまた逢えたら良いと願うだけなら自由だ。]
(254) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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――祖国――
空港の辺りの空気が不味くてどうなるかと思ってたけど、ここまで登れば流石に綺麗だな。
[軽装備で登る本格的な山は、すっかり出不精になった吸血鬼とその眷属には、超人的な体力が備わっているとはいえ息を荒くするには充分な悪路で、その分目論見通り人気はなく、着いた時の景色で自分の選択は正解だったと弾む息のまま笑った。>>250]
俺はあの時からずっと、俺は間違ってないって思ってたよ。
[アオを選んだ。 「桜」を贈った。 生命の源を捧げた。
生まれ育った環境に馴染めず、流れた先で大切な人々を失った男の最後に、最期まで寄り添ってくれる人。
伸ばされた手を取って自らの頬の上で一緒に重ね。 触れるだけのキスにそっと目を閉じた。]
(255) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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……うん。
[この旅の間もちょくちょく錯乱していた男は、今頭の中にかかった靄が漸く晴れたような気持ちで、桜吹雪の中に立っている。
根本に腰かけてアオを膝に乗せ、そこで「弁当」にしよう。 じっくり100年以上かけた極上のランチを彼が腹いっぱいになるまで。
それから、 それから―――――――――]
(256) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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[見つからなければこのまま誰も知らない土地の大木の栄養となろう。 朽ちることなく毎年空に桜を舞わせ。
見つかればきっと、この国では荼毘に付されるだろうから。 共に灰となり、煙と共に同じ空を目指そう。]
(257) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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[ 「 青 蒼 」 に至る病の果て、
二人の長い歴史で培ったもの何一つ持って行けなくても、固く繋いだ手の中に、確かな愛を閉じ込めて。**]
(258) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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……ははは
[肩を竦めて笑った。>>229 仕方のない人ね、と言われてほっとした。
いつもどおり君は 砂糖を全部使ってしまったというから>>230 僕は先んじて買出しに行くことを提案する。
使い古したデートプランだが、 君は喜んでくれるようだ。
無邪気に苺も買おう、という様子に目を細めて それから2人だけで誕生日を祝う。
もう何回目かもわからない誕生日に 君のケーキを食べられる事を喜びながら 珈琲片手に、君の話を聞いていた。]
(259) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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|
ああ、そうだね。 行こうか。
おいで、ミルフィ。
[僕はそういって彼女に呼びかけると 昔のようにとはいかないが、 彼女の手をとって歩き出した。
風にさやさやと街路樹の葉が揺れて 石畳には蒼い影が落ちている。 晴れ渡った空の下、僕と君は歩いていく。]
(260) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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|
―― 遠い日の思い出 ――
……ミルフィ、疲れちゃったのかい?
[僕は買い物袋を片手に下げて、 とぼとぼと歩みが遅くなってきた君を見下ろした。
無理もない。 積まれた食材を見ただけで目を輝かせはしゃいだし 嬉しそうに砂糖や苺を買い物カゴにつんでは 「あたしが!」と一生懸命お手伝いをしていたから 体力も持たなかったんだろう。]
(261) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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|
[君が買い物カゴを持っていた関係で あんまり重くない買い物袋を 僕は、手から肘に吊り下げる形にして 「おいで」と君に声をかけた。
君の体を抱き上げれば 暮れた空をカラスが飛んでいく。 ぎゅ、と力がこもるのを感じて 胸いっぱい広がる愛しさに、僕は笑った。]
……帰ろう、ミルフィ。 僕らの家へ。
………………眠ってしまったのかい?
(262) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
|
|
[穏やかな笑い声が聞こえなくなって 君の体温がぽかぽかと暖かくなった頃 僕は静かに、そう尋ねた。
返る答えは、沈黙のYes。
僕はくすくすと笑って、君を抱えたまま家に戻る。 鍵をあけるのに苦労しながら君を落とさないように 寝室のベッドまで運ぶと その丸い額をなでて、口づけた。]
おやすみ、可愛い子。
(263) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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|
―― 夕 ――
[ベッドに寝かせた君の髪をなでて、 夕食の用意のために 自室から出ようとしていた頃のことだった。]
……おかえり、ミルフィ。
[僕はうまく笑えていただろうか。
泣きながら抱きついてくる君を 優しく抱きしめ返す。]
(264) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
|
|
いいんだ、……いいんだよ。 君がケーキを作ってお祝いしてくれた。 僕には、それだけでも十分。
[ぽん、ぽん、と背中をなでた。 どうにか泣き止んでおくれ、と優しく呼びかけた。
君は夢の内容を話す。 遠い遠い昔の、六歳の頃の夢を見た、と。
――……ああ、それは、もしかしたら 僕らが、……もしかしたらだけれど 一番幸せな時期の、思い出かもしれないな。
壁にかけられた古い似顔絵を見て 僕はそう思って苦い味を飲み込むのだけれど>>243 次の瞬間には、君の呼びかけに呼び戻されている。]
(265) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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|
ミルフィ。 ……僕も、僕もね 君が僕の娘で、とても幸せだ。
だから……………
[繋ぎとめて、と言われて僕は少しだけ言いよどむ。 セックスをして、吸血してしまえば きっとまた君の病は進行する。
君を失うのが恐ろしくて、 僕は「駄目だ」といいそうになる。 「どこにもいかせたくないんだ」と縋りそうになる。]
(266) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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[……でも、君はそれを望んでいないから。]
(267) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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…………
[僕は君の体を強く抱きしめる。 そうして優しくベッドに押し倒した。]
……繋ぎとめるよ。
君がもしも……もしも…… ”あの子”に負けて消えてしまいそうになったら
その前に、パパのお腹に隠してあげる。 大丈夫だよ、ミルフィ。泣かないでおくれ。
(268) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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[僕は、ちゃんといつもどおり笑えていたかい? ……そうだね、やっぱり、自信がないな。
唇の震えまで抑えて、人差し指の背で君の涙を拭う。 そして君に読み聞かせをするときのように 優しく笑って、唇にキスをする。]
(269) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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"I'm so happy to be your daddy, my love."
(270) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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[いつか眠りにつく君が、 穏やかに笑えていますように。
願いながら、僕は君を愛すだろう。 愛によって全てが終わる日まで。
……その血も。涙も。笑顔も、]
( ”You are mine, my love." )
[――――いずれは、そう胸を張って言おう。
孤独に至る病を抱えながら 僕らは本当の家族になる。*]
(271) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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―― ――
[曇天に黒いカラスが舞っていた。
クリスマスが近づく町はどこもかしこも飾り立てられている。にも関わらず、天気のせいか、降り始めた雨のせいか、どこか灰色だった。
町を歩く人間たちは皆家族や恋人を連れている。 冷たい空気を、互いの微笑みで暖めて灰色の町並みを歩いていく。
その人ごみの中で、黒いコートを羽織った男があたりを見渡した。 足しげく通った店にも、友人が住んでいた家にも、知った顔の1つもないことを理解すると、納得するように歩いていく。]
(272) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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「ママ、パパ、サンタクロースが来たら ぼくあれが欲しいなあ」
「いい子にしてたらきっとくれるわ」
「おいおい、いつもいい子にしてるじゃないか、なあ? クリスマスを待ちなさい」
「え――、僕待ちきれ……、わ、ごめんなさい!」
(273) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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[町を歩く親子連れがプレゼントについて語り合っている。
はしゃいだ少年が父親に振り返ろうとして、前方を歩いていた男にぶつかり、咄嗟に謝罪を口にした。
男は黙って微笑むと、彼の頭からずり落ちた帽子を被せなおして、何かを呼びかけた。聞き取れなかった少年がぱちくりと瞬きをする。 ――直後。]
「……、誰と喋ってるの?」
「ほら、そんなにふらふらしてたら危ないぞ」
「えっ、――うん、……」
[両親の声が聞こえ、少年は不思議そうに首をかしげた。 そうする間にも、黒いコートの男は雑踏に消えていく。広い背を雨に濡らしながら、家族連れの中をひとりで。]
(274) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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「雨が降ってきたわ。――さあ、帰りましょう。 私達の家へ」
「うん!」
[微笑を交わし、人間たちはそれぞれの帰路につく。
結露に曇った窓の向こう。 クリスマスツリーを室内に飾り、 暖かな料理がテーブルに並ぶ場所へ。
それら全てを祝うように、 あるいは厳かに祈るように
柔らかな雨の中で、リンディンの鐘が鳴っていた。]**
(275) さねきち 2019/10/20(Sun) 03時頃
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[彼と薄氷を踏み出してからどれ程の時が流れたか。 気が遠くなるような未来ではなかった気がする。 諦めた後の日常は曖昧だ。 記憶に鮮烈に残っているのは彼のことだけ。
自身の生活は徐々にではあるが、 人々の終末を支援するのでなく、 白き眷属と最期の時を迎える準備に使われた。 ――とは言え、何かを備えたりした訳じゃない。
朝から淫交に走ったり、食事を手ずから与えたり、 体中にキスと噛み跡を残したり、愛したりした。
それでも歪みは止められない。寧ろ一気に加速した。 僅かに離れるだけで彼の情緒が乱れるようになれば、満を持して診療所を閉めた。そこまでいくと、もう未練はなかった。
それからは毎日彼を抱いていたように思う。 体温を恋しがる彼を慰めて、依存に堕ちていく彼に溺れて。 傍目から見れば中々凄惨な終末期だったのかもしれないが、己の世界は彼一人のものであったから、然程気にならなかった。 マトモではなかったが、覚悟の上だった。]
(276) momoten 2019/10/20(Sun) 07時頃
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[だから、漠然と、今日なんだな。と察しても、 悲しいとか苦しいだとか、ネガティブな感情は湧かなかった。
彼と己の最後の日は、ずっと手を繋いでいた。 セックスはしなかったけど、ずっと笑っていたように思う。
吸血鬼と眷属の多くは碌な結末を迎えない。 自身らも失敗のうちに数えられるのだろう。 天から貰った寿命の半分も使えなかった。
乱れた生活だったし不健康な日々だったが彼がいた。 どこにも行かず、ずっと傍にいてくれた。 結んだ手を強く握る。温もりがある。
堕落し爛れた末期を幸福と呼ぶには流石に抵抗があるが、孤独ではなかった。 彼の気持ちが今なら分かる気がした。>>-1012
重ねた掌の中、 そこには確かに同じの想いと心があった。**]
(277) momoten 2019/10/20(Sun) 07時頃
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