207 愛しの貴方を逃がさない。
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[ ―― だけど、 それはそれで、これは、これで。 其処をはき違えては、いけない。
食べ物もください。 だけど、それが終わったら離してください。 そんな要求が通ったかどうかは …知らないけれど。 少なくとも一つ目の要求は、相手の願いでもあるから 通ったんじゃ、ないだろうか。 ]
(13) mayam 2017/01/26(Thu) 00時半頃
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[ 返事か、動きかを待つ間。 赤色は俯いたまま、 掛け布団を抱いて、再度座り直す。 ]
(14) mayam 2017/01/26(Thu) 00時半頃
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[ 足元の鎖の音が、重く 重く** ]
(15) mayam 2017/01/26(Thu) 00時半頃
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[ そりゃあ 駄目だった。 通報 までは考え切れてなかったけれど、 卯月は彼から 遠く離れることを考えていた訳だから。 それは彼にとって良いことではあるまい。
スープを喉に通す。 脱走、も きっと出来ないだろう。 足元は未だ重い、から。 ]
(33) mayam 2017/01/26(Thu) 23時頃
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[ せめて大学には行かせてくれと、 言い訳じみた"真面目さ"を出そうとして、 卯月も暫し、考えていた。
口を開いたのは彼の方が先。 ]
(34) mayam 2017/01/26(Thu) 23時頃
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[ "一週間"。 碧眼が語るには、 たったそれだけだと。 ]
(35) mayam 2017/01/26(Thu) 23時頃
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[ どういう風の吹き回しだと、 一瞬過ぎったのは言うまでも無い。 …勘ぐったせいか、どういう理由か 口には出さなかったけれど。
一週間だけなら良いだろう。 下手に口を出して機嫌を損ねても、 卯月が不利になるだけだ。 だから卯月は、 少しだけ目を合わせて 緩慢に頷くだけ。 望むものは特に、無かった。 ( 犯人に情を抱いてしまう 被害者の話があったし ) 草食動物よろしく、 警戒"だけ"は、持ち続けて。 ]
(36) mayam 2017/01/26(Thu) 23時頃
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…一週間。 逃げないから、これ、外してくれますか。 [ ぴ、と。 ひとつ指を立てた後、示すのは足元。 此方からの要求が多い気もするけれど、 きっと契約みたいなものだ。 これも聞き入れて貰えたかどうか分からない。 でも、奇妙な一週間の生活は、 これから始まったのだと、思う** ]
(37) mayam 2017/01/26(Thu) 23時頃
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― 終わりの前の日 ―
[ 一週間というのは 短いようで 長くて、 でもやっぱり、短かった。
出される料理を、朝昼晩。 黙々と食べていく日々だったように思う。 同じものがほぼ出てこないメニューに、 流石の卯月も日が経つ毎に驚いた。 あれだけ空っぽだった胃も、 あれだけ渇いていた喉も、 終わりが近づくにつれて満たされていった。 ]
(56) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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[ 終わりの前の日、最後の晩餐。 卯月の目の前に出されたのは、 いつかも彼に注文した、シチューだった。
卯月の好物。 卯月の母が、何時もつくってくれたものとそっくりな。 ひとつ違う点があるとするなら、 母は家族のために作ったけれど、 彼は卯月の為に作った、というところだろうか。 約束だから。 何もされてなんかないことは、 もうここまで来れば理解している。 大人しくスプーンで一口、運んだところで、 不意に声がかかった。 ]
(57) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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………?
[ 前置きの後、 碧眼が見遣るはもうひとり――、否。 籠の中に居る、一羽の存在だった。
卯月とおんなじ、白い毛並みに赤の瞳。 籠の中から卯月を見てくるそれは、 仲間を見ているようなものに、 思えなくも、なかった。
彼の頼みに 再度、赤色は碧眼を見て。
机の下 自由になっている足が ぷらん、揺れる。 ]
(58) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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……別に、良いですけど。 [ かしゃん、と 籠の音を遠くに聞いて。 それだけ言って、卯月は少し黙った。 ]
たまに様子を見に来る位は、 してみても良いんじゃ無いですか。
わたし動物飼うの初めてだし、 あなた、飼い主だったんでしょう。
(59) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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[ ―― ただ、 動物に懐かれても飼い方は別だ、って。 この生活に放り込まれてから 妙に冷静になった頭がそう訴えるから、 言っている。
赤色は伏せられて、 再度食事を進めたけれど。 彼の返事はどうだったか。 ]
(60) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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[ "返事"は、あった。 ]
[ 問いかけに問いかけが返されたような、 そんな調子だった、と 思う。 ]
(76) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ねえ、××さんは どうして、 卯月じゃあ 無い ウサギを飼っていたのでしょう? ]
[ それはね、きっと、 ガブリと食べてしまうため! ]
(77) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ―― 卯月は、察した。 ウサギが飼われていたその理由を。 ただ、
覗き込んできた碧眼、 笑みを作る唇から零れた声の、 その真意は分からない。 ]
(78) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ 考えようとはしたのだ。 した けれど、 何故か鈍くなった頭は 考えることを止めてしまう。
ぐらん、と バランスを崩した身体。 遠くなっていく意識。 どうして、すらも言えずに、 卯月はそのまま、落ちて行く。 ]
(79) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ 気付いたときには、 全てが終わっていることも 知らないで** ]
(80) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ガシャン! ] [ ウサギの目覚めは、 きっと目覚ましでも、朝の光でも無く、 派手な音だ。 ]
(92) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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― 終わりの朝 ―
[ きっと、 あの時から毛布にくるまっていたのだろう。 窓の外からは陽光が射してくる、そんな 朝だ。 約束を破られて 少しばかり腹正しい気持ちはあったけれど、 柔らかい温もりを感じる身体を ゆっくりと起こして、
起こし て、 ]
(93) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 赤色。 ]
(94) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 卯月の瞳の色とも、 籠の中、暴れるウサギの瞳の色とも違う、 光に反射して鈍く煌めく、赤色がそこにあった。 倒れる家主の、その喉元。
咄嗟に卯月が抑えたのは、 包帯が巻かれている首元だった。 卯月が噛まれたときに僅かに感じた あの鉄の臭いと同じものをかぎ取る。 その中に"美味しそう"な匂いもあったけれど、 ……それを上塗りしていくみたいに、 段々濃くなっていく 臭い。
―― 嗚呼神様! どうして卯月はこんな時に聡いというの。 ]
(95) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 悲しいと言えば良かったんだろうか。 叫び声も悲鳴も上げられずに、 卯月の赤色は、ただ、鈍い赤を見ていた。 裂かれた真っ赤な喉。 蚯蚓腫れが見えるから ―― "渇いていたんだ" と 遠く 頭の何処かで理解をする。
したところで、この惨状。 もうどうにもできないのだろう。 ]
(96) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ テーブルの上の、数多の料理。 血まみれの椅子と家主の正面に立ち。
( ―― 心臓こそ五月蠅かったけれど、 どこまでも卯月は"冷静"だった。 )
血に染まったルーズリーフと 小さな鍵を手にとって、 …先ずはウサギを放そう。 腕の中に収まったそのこは、 人の温もりに安堵したのか、 卯月の腕の中でじいっとしていた。 ]
(97) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 動物を抱いたまま 食べ物を食べちゃいけないだなんて、 家主は血まみれで突っ伏しているんだから、 そんなの、良いよね。
緊張しているウサギの背を撫でながら、 卯月は料理を口に運んだ。 飛び散った血の味もして、 苦い表情になったのは言うまでも無い。
ルーズリーフの裏側。 かろうじて残っている白の上に、 彼の赤色で文字を残す。 ]
(98) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 当てつけみたいなものだろうか。 彼がこの赤文字を読む機会は きっと二度と無いだろう けど。
ウサギを抱えて、席を立つ。 裸足のまま、家を出て行こう。
なんだか酷く コンビニが恋しくなった。 だって、最後に食べたあの料理は、
とても、 ]
(99) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ *"美味しくなかった"* ]
(100) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ ―― それからの話。 卯月は警察に連絡したところで、 もう此処から離れようと考えて、 とうとう実家に逃げ帰った。 ウサギを抱えた裸足の少女に、 警察もなにやら思うところがあったらしい。 全部任せる――、という訳にもいなかったけれど、 犯罪者に巻き込まれた、という よくニュースで聞いているような展開になった 筈だ。
筈だ、というのは 卯月にとっての結末は、 最後に食べたあの手料理だけだったから。 ]
(101) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ どうしてだろう。
あれから味覚が無くなった上に、 母の料理が食べられなくなった。 否、"誰かの手料理"が食べられなくなった。 一口運んだところで、反射的、だろう。 全部戻してしまうようになった。 味が分からないのに 手料理は駄目ときたものだから、 自室には大量のカップ麵と、お菓子と、総菜と。 結局今まで通りの食べ物ばかりだ。
歯で潰す感触と音だけで、 卯月は今日も、生きながらえている。 ]
(102) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 最後に食べたのも、最期に食べたのも、 名も知らぬシェフの料理だった。 八重瀬卯月にとっては、 きっとそれだけの 話** ]
(103) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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