278 冷たい校舎村8
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/14(Sun) 00時頃
師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/14(Sun) 00時半頃
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始業の合図。
(171) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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-- 8時50分/教室 --
[ 3年8組、以外の教室には誰もいないはず。 チャイムの仕組みなんて知らないけど、 毎日設定された時間に鳴るのか、なんて、 千夏は考えて、考えて。 他に入ってくる情報に気を取られる。 匂いに、音に、振動に、 ]
……なあに、
[ 気が付けば、何人かは教室を飛び出したよう。 困ったな、怖いな。 あ。また気持ちが悪い。と千夏は思う。
開いた扉の先。 振り返って見えたものは、 文化祭その日の光景だった。 ]
(172) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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[ どうにか情報を整理しようとして、 振動したスマホを開く。>>1 わあ、春ちゃんかわいい、だなんて、 呑気に思えなくて、待ち受けからすぐに 受信したものを開いて見詰める。 ] ……誰?
[ 差出人はスマホの故障か、読み取れず。 死にます。ごめんなさい。 ……みんなとの文化祭の思い出は、 そこまで読んでくらくらした。 ]
(173) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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みんな。 人間のみんな。への言葉。
(174) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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[ こみ上げてくる気持ちは一旦置く。 落ち着いて。落ち着こう。 廊下に広がっていた文化祭。 夢にも思えるような現象に、遺書。
なんだか、ぱちり、と頭の中で線が繋がる。 小さな声で線の先の答えがもれる。 ] 誰かの、頭のなか……?
[ 児童書から始まった読書は、 カテゴリーを超えて、様々なジャンルに多岐した。 その中で、読んだことあるような、気がして。 ]
(175) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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ホストに招かれた者は、 無事に帰れる、と思った。
(176) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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[ 千夏がスマホを握っている間に、 きっと教室では様々な話が進む。 窓が開かれて、それから捜索隊が組まれる。
なんとなく、そうなんだ、と妙に冷静。 非日常を受け入れる。 教室をでていく捜索隊に、静かに告げる。 ]
電波は見つからない、と思う。
[ 人の頭の中に受信塔も送信塔もない。 あるとすれば、テレパシーだけ。 ]
(177) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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私も、ちょっと探検してくるね。
[ 誰かの頭の中。誰だろう。 もしかしたら、と思って、 千夏は返事も聞かずに教室をでる。
向かう先はどこにしよう。 まずは階段に向かって、歩く。* ]
(178) 2020/06/14(Sun) 10時半頃
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-- 回想/黒 --
怖い、って言ってなかったっけ? 大丈夫? コンタクト付けられる……?
[ 教室の端と端。>>0:501>>0:599 飛び交う声が頭上を往ったのを千夏は覚えてる。 今日も元気にうるさいな、と思ったのを。
メイクの濃さが変わるだけだから、>>0:1479 眼鏡の有無はどっちでも大丈夫なんだよ、と言った。 ただ、 男子にしてみたら濃いのは嫌かもしれない。 ]
(228) 2020/06/14(Sun) 12時頃
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[ 少し考えている様子の颯真をみて、 どうかな、どんな答えが返ってくるかな。 と、期待の視線を注ぐ。>>0:1480 ]
そう、なりたい自分に近づけてくれる。 [ ほらと眼鏡を押し付ければ、 赤いフレームが颯真に戻ってくる。>>0:1483 鮮やかな赤が、目を惹いてしまう。 足し算引き算は難しい。 ]
(229) 2020/06/14(Sun) 12時頃
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すごいでしょ。 初めて化粧したときには、 鏡覗いてびっくりしたもの。
[ 顔色の悪い女が、少し顔色の悪い女に進化した、 最初はそれくらいの変化だった。 千夏にとっては、それでも大きなことだった。
まじまじと手鏡を見る颯真に、千夏は満足だ。 ]
(230) 2020/06/14(Sun) 12時頃
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[ どうにか引き出した答えに、>>0:1486 あまり納得いってなさそうと感じて、>>0:1488 新たな色を顔のパレットに乗せる、のを想像。 ]
……そう? じゃあ、黒をメインにする!
連城くん、そんな子供っぽいかなあ? 元気なのはわかるけど、
[ どうかなあ、と千夏は再び颯真を見る。 ]
あ。結構表情がくるくる変わるところは、 無邪気だなー、って思うかも。しんない。
[ ふんふん、と頷いて、 千夏はアイシャドウだけでなく、 他に必要なものを颯真の顔に滑らせた。* ]
(232) 2020/06/14(Sun) 12時頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/14(Sun) 12時頃
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-- 回想/揃い --
[ 予算とクラスの意思から弾き出された答えは、 ふりふりのレースを着脱できるベスト、とのこと。
黄冬高校の制服。 トップスはシャツに、ブレザー。 ボトムスは男女問わずにスラックスかスカートか、 選ぶことができる。 シャツの上にベストを着ればいい具合になる。 ]
結構大変だねえ。
[ 裾のレースになる部分へとテープをつける作業。 教室の隅だったかな。>>0:1461 どこかいい場所を見つけて。 斜め前の机だが、すこし怜と距離をとりつつ。 ]
(244) 2020/06/14(Sun) 12時半頃
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[ 恋愛とか、人間もどきには遠いこと。 恥ずかしくて傍に寄らなかったわけじゃなくて。 完璧、な女子高生姿が羨ましかった、からかなあ。 きちんと答えを出せと言われても難しいけれど。 ]
(245) 2020/06/14(Sun) 12時半頃
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[ 指先まで隠すと作業はやりにくい。 カーディガンを肘あたりまで捲って、 指示を受けた場所にマジックテープをつける。
そして。 曲がった出来上がりを振り返って、怜に見せる。 ]
……これはやり直したほうがいいよね。
[ 結局、裏方だけじゃなくて、 みんなで着ようということになって。 クラスメイト全員の分、という話になっていたはず。
一着くらいなら、失敗作を千夏が着ればいい。 でも失敗作が二着出来上がったら大変なので。 ]
(246) 2020/06/14(Sun) 12時半頃
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[ どうかなあ、と千夏は千夏作のものを見る。 たぶん、それから、声がした。 声の先を見上げる。
紅いルージュ。が目を惹く。>>0:17 ]
(247) 2020/06/14(Sun) 13時頃
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手を伸ばしていた。
(248) 2020/06/14(Sun) 13時頃
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[ 颯真にメイクをした後だったから、と言い訳。 自分の視界に、細い手が入る。 あ。いけない。と思う。
怜の唇に触れる前に手は止まらせて、 千夏の鎖骨辺りに押し付ける。 びっくりした。魔性の魅力かもしれない。 ]
わ、ごめん。
……えと。 そ、そのって、新作のだよね? 口紅、の色、雑誌で見た気がする。
[ 伸ばした手を、もう一方の手で握る。 大丈夫、そちらに伸びることはない。はず。 おろおろとしつつ、ね、と首を千夏は傾げた。 ]
(249) 2020/06/14(Sun) 13時頃
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[ そんなこともあった。 準備期間の一瞬の出来事。* ]
(250) 2020/06/14(Sun) 13時頃
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-- 回想/打ち上げ --
[ 3年8組、全員で。 開催されていたと思う。
若林にも、たしか揃いのベストを押し付けて。 白衣の上にベストを着ようとするので、 千夏は小さく笑った気がする。 ]
……かんぱーい。
[ 幹事。言ってしまえば。 企画者の礼一郎が挨拶をしていた。 はずだ。 出資した若林への礼の声が幾重にもかかる。 ]
(319) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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[ 打ち上げ。挨拶。乾杯。 とくれば、きっと写真撮影もある。 誰かが集合写真を撮ろうよ、と言う。
劇を作り上げた全員で一枚。 3年8組に属するものは並んで、写真が撮られる。 その後、個人間での写真撮影となるけれど、 会場を抜け出した千夏は知らぬことだ。 ]
(320) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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同じものを着ていれば、同じに思える。 けど。 確かに違いもより浮かんでしまう。
(321) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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客観的に見る自信はなくて、 千夏は自分が写る写真から目を逸らす。
(322) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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[ 写真一枚で、気持ちが悪くて。 ぜんぜん痛くないおなかを痛いことにして、 千夏は秘密基地、でもないけど、 足を運びやすい準備室へと向かう。 ]
(323) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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[ 一度しかない学生生活。 打ち上げくらいきちんと参加しろよ。 体育祭はぜんぶ見学しやがって。 ま、俺も見学してたくちだけど。 とかなんとか。若林は言う。
非難の言葉を若林にぶつけていれば、 響くノックの音に身が固くなる。>>291 声で誰が入ってくるかわかるから、 ぎゅ、と自分の二の腕を抱いた。 ]
(324) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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[ 打ち上げだったので。 いつも着ているカーディガンはなくて、 薄いシャツが指先に感覚を伝える。 ベストよりも長袖のニットとかがいいって、 意見出しの時に、言えばよかった。と後悔。
顔と視線だけ動かして、礼一郎を見る。>>295 なんでここにいるんでしょうね。>>296 引き攣った顔に、気まずく頷く。 ]
ごめんなさい。 ……ちょっとね。 せっかく企画してくれたのに。
[ 言葉ばかりの謝罪が、口からでる。 ]
(325) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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大丈夫だよ。 『みんな』は楽しんでる。はず。
(326) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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[ 続きそうな言葉は口に押し込めて、 黙っていれば、本来の用事が成される。>>297
その後、また視線がこっちに向くので。 ]
……おなかが痛くて、 お菓子とか見ると、 たぶん気持ち悪くなっちゃうから。
[ 嘘とほんととを混ぜて。 とりあえずの誘いは断る。
若林からの、行け、という圧は、見なかったふり。* ]
(327) 2020/06/14(Sun) 15時頃
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-- 現在/→4階へ --
[ とりあえずどこかにいこう。 そう思って、廊下にでる。>>178
近くには、紫織や郁斗もいたかも。>>119>>287 廊下にでれば、より食べ物の匂いがする。 焼きそばとか、パンケーキとか、いろいろ混じって。] 文化祭、もどきだあ。
[ 文化祭。 その際には廊下も結構人が溢れてて、 香水の匂いとか、シャンプーの匂いとか、いろいろ。 もっと混じっていたように思う。 ]
(351) 2020/06/14(Sun) 15時半頃
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毎日、しにたくなる。
(353) 2020/06/14(Sun) 15時半頃
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[ もしかして、ここは千夏の頭の中かも。 と、千夏は思う。 クラスにいた人間たちは、死にそうに見えた? ……ううん。あんまり。
文化祭もどき。 廊下に貼られたポスターに、手を滑らせる。 打ち上げに最後まで参加しなかったことを、 後悔しているのかもなあ、と思う。 楽しかった、楽しかったね、 と誰かと言いあいたいのかも。しれない。 ]
(355) 2020/06/14(Sun) 15時半頃
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[ 今、急に楽しかったよねー! なんて、言っても社会から爪弾きになるのは、 わりと簡単に想像がつく。
ので。 とりあえず探索と参りましょう。 ]
こっちもきちんと文化祭なのかな。
[ もしかすると見えてないところは、 手抜きかもしれないと視線を送りながら、 千夏は階段を目指して。 なんとなあく上の段に足を置いた。 ]
(357) 2020/06/14(Sun) 15時半頃
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……校舎って、 3階までじゃなかった、っけ。
[ 2.5階。踊り場でなんとなあく嫌な予感。 そのまま昇り切って、3階で。 まだ、階段が続いていた。 すこぉしだけ、困惑。
でも、そのまま4階まで行けば、 なんだか知ってる教室が廊下を並んでいた。* ]
(358) 2020/06/14(Sun) 15時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/14(Sun) 15時半頃
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-- 少し前/2階廊下 --
[ どんなに似せても、 もどきはもどきのまま。というお話。 本物にはなれない。>>389 郁斗の疑問には首を横に振って、否定。 呟かれる紫織の言葉を次いで。>>399 ]
……かけがえのないものだって、 信じてほしかったって書いてあったよね。 時間を巻き戻す事はできないから、 こんな状況つくったのかも。
[ こんなので、満足できるのかは、 この世界の主しか知らないだろう。 と、千夏は思う。* ]
(441) 2020/06/14(Sun) 19時半頃
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-- 現在/4階廊下 --
[ 4階に辿り着いて、廊下を踏む。 歩いて、各教室の入り口、 誂えられたプレートをひとつひとつみた。 ]
おんなじ、だ。
[ 並び順もぜんぶ。 でもひとつ、違うことがある。 天井に、壁に赤い何かがついている。 なんだろうなあと、背伸びして指で掬った。
指先が赤くなる。 ]
(458) 2020/06/14(Sun) 20時半頃
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[ あ、お昼ごはん、と千夏は思う。 血糖測定をして、注射をして、食事をとる。 1日3回、毎日ほぼ同じ時間にしてきたこと。
人間もどきの血もどうやら赤いので。 指が赤く染まって、思うことはそれで。 ]
(459) 2020/06/14(Sun) 20時半頃
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[ 一人、廊下で頭を振る。 精神世界ならば、ルーチンは必要ない。 千夏の身体は、千夏のであって、 それでいて本物じゃないのだから。 ]
……これ、どうしよ。
[ 指先をみて、ううんと唸る。 選択肢としては三つ。 洗う。なすりつける。放置する。
ぱ、と顔を挙げた先にいつもの準備室があった。 ]
(460) 2020/06/14(Sun) 20時半頃
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[ 千夏は、準備室の扉を開ける。 埃っぽいこの部屋は、文化祭の装いはされていない。 若林の白衣が、置いてある。 白いそれに、指をなすりつける。 赤いなにかは、胡麻粒大よりも大きくて、 乾燥したのか、指から完全に赤はとれない。 ]
……手、洗お。
[ 最初から手を洗えばよかった。 後悔して、手洗い場へと向かう。* ]
(461) 2020/06/14(Sun) 20時半頃
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-- 回想/低血糖 --
[ 夏は終わり、秋に。 秋と言っても、まだ暑さが残っていて、 さすがに鳴いてる蝉はいなかったけど、 まだ夏だと言っても信じてしまいそう。
退院して、やりたかったこと。 もう一緒に走ってくれる仲間はいないけど、 千夏は走りたかった。 ]
冬真、外いかない?
[ ソファに寝転がって、 腹の上に乗せた猫を撫でる弟に声をかける。
久しぶりに病衣以外のものを着る。 Tシャツに、短パン。いつもの練習着。 短パンから伸びる足は、細くて見慣れない。 ]
(573) 2020/06/14(Sun) 22時頃
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[ ちか、と弟が呼ぶ。走んの?と言う。 走れるの?と言葉の裏に張り付いているように、 千夏には聞こえてしまう。 ]
走れるよ。 注射さえしてれば普通の生活できるって、 きいたし。言ってたし。
[ だから、付き合って。ね? 少しむきになってしまった言葉を、 柔らかく付け足しで中和させる。
時々喧嘩もするけれど、 早未家の姉弟の仲はそんなに悪くない。 たぶんいいほう、といっても嘘じゃない。 ]
(575) 2020/06/14(Sun) 22時頃
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[ 秋の空。見上げた先は高かった。 きっと走ったら気持ちいいだろうな、 と思いながら家の前で軽く柔軟する。 ]
競争ね。
[ よーい、どん。 ふいうちでスタートを決めれば、走り出す。 たびたび千夏は弟と走っていたから、 コースは決まっている。
あ。と思ったら、追い抜かされていた。 ]
(576) 2020/06/14(Sun) 22時頃
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[ 初夏からタイムは落ちていて。 入院で筋肉もだいぶ落ちていて。
その間、弟は普通に生活して、 普通に成長して、 千夏は後退するばかり。 ]
(577) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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[ 負けたくなかった。 足を精いっぱい動かして、走る。 汗が出てくる。わ、この感覚久しぶり。
じとり。こめかみから汗が流れる。 いつもと違って、 なんだか気持ちが悪いな、と思った。 ]
……っ、あ。
[ これは変だなと思った。 視界が徐々に薄暗くなってきて、 目の前が黒に近くなる。
がらんどうの何かに閉じ込められたみたい。 ]
(578) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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[ 走ろうとして、足に動けと命じる。 暗闇の中、弟の白っぽいシャツが見えた。 そして、消えた。
たぶんそこで。 千夏は倒れたらしい。 ]
(579) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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[ 気が付いたら、また病院だった。 低血糖昏睡。だって。
高くなってもだめ。 低くなりすぎてもだめ。 血糖コントロールの生活。 千夏はそれを一人でやらなきゃいけない。 ]
(580) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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走るのが怖くなった。
(581) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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松葉杖がなくなって。 ようやく二本足で立てるけど。 もう立ちたくなかった。
(582) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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[ 今は低血糖の予兆、っていうのがわかる。 冷や汗とか、急な気持ち悪さとか、 そういうのがあったら、対処できる。 甘いものを周囲に求めることも、できる。* ]
(583) 2020/06/14(Sun) 22時半頃
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-- 現在/4階 --
[ 赤いなにかを洗い流して、探索を続く。 4階。3階と同じ。赤いなにかがついてる以外。 ……特に他に情報はない。かなあ。 ]
窓、……開けてみる?
[ 2階の窓。下が遠い。 なら、4階も+2階分遠いんだろう、と思う。 わざわざ解っていることをしなくても、いいかな。 と千夏は思う。 無駄なことはしなくてもいいかな。と。 ]
(616) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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[ 仕方がないので、教室に戻ることとにする。 一段一段階段を降りていけば、 喫茶店かなあ、どこかのクラスの出し物か。 薄くなっていた食べ物の甘い匂いがして、 千夏は気持ちが悪い。 ]
……今年は劇、でよかった。
[ 去年は確か屋台で。一昨年は喫茶店。 食べ物に関わるものばっかりで。
どうせ舞台を作り上げるなら、 要らないものは消しておけばよかったのに。 と世界主と誤認する千夏は思った。 ]
(617) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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-- 現在/3年8組 --
[ 千夏は教室の扉を開ける。 先ほどよりも教室は静かだった。>>589 ]
あ。夏美ちゃん、と阿東くん。
[ 黒板の前に立つ二人の名前を呼んで、 そこに書かれる文字列に目を走らせる。 後ろ手で扉を閉めた。 ]
(626) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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[ 黒板に近づきながら、千夏は言う。 ]
やっぱり、でられないんだ。
[ 昇降口、の隣。出られないの言葉をみて、 千夏は感想を零す。 あとは、もしかして、 4階の赤いあれはインクじゃないかって。 ]
(627) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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[ いつもより、 かなり落ち着いて見えたかもしれない。 あんまり、胸の内に不安はなかった。今は。 ]
3階の上に、 そっくり同じみたいな4階ができてたよ。 びっくりだね。
[ 報連相は大事。 黒板の前に立った千夏は白いチョークをもって、 広い黒板の端に字間の狭い文字を書き足す。 ]
(629) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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職員室 無人 (準備室にも若林先生いない) 固定電話 駄目そう
窓から下見ると高すぎてちょーヤバイ ↑ わからん
ごはん、家庭科室に置いておきます
昇降口にインク 出られない
体育館に舞台のセットがあります。 8組の作ったのにそっくり。
4階ができている。3階とそっくり。 違いは赤のインクが飛び散ってること。
(631) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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4階の準備室にも若林先生、いなかったよ。
[ 書き加えながら、 横のほうに書いてあるかっこの内容が頭をよぎって。 もしかして探してたら悪いかな、と付け加えた。* ]
(633) 2020/06/14(Sun) 23時頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/14(Sun) 23時頃
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-- 現在/3年8組 --
[ 夏美の声はよく通る。 扉越しの個人的な会話は、 途切れ途切れに単語くらい聞こえていた。
躊躇なく扉を開いたのは、 ただただ、教室に戻りたかった。だけ。
あ。あんまり雰囲気よくない。 ただいま。と千夏は思う。 ]
(672) 2020/06/14(Sun) 23時半頃
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[ そっかあ。と笑う礼一郎に返す。>>652 夏美がすこし険のある視線で見るのは、 気のせいじゃないなあ、と思う。 ]
机の下? ……そんなところに先生潜るかな。
[ 見てないよ、と千夏は言う。>>653 机の下見てもいないのは解り切っていやしませんか。 と、無駄なことはしなかった。 ]
(673) 2020/06/14(Sun) 23時半頃
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夏美ちゃん。 人探しするときに机の下は覗く……?
[ あ。居心地悪いな、と思うから。 チョークを置いて、 指先から粉を落としながら夏美に問う。
きっと答えはノーだ。たぶん。* ]
(674) 2020/06/14(Sun) 23時半頃
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-- 現在/3年8組 --
[ 若林が猫になっているかも。>>707 だなんてきいたら、千夏も笑うくらいはした。 きっと可愛げのない猫だよ。という。 ]
……うん。
[ この話は続けても、実りがない。 では、次。どうぞ。>>708
3階に思い入れがあったのかもね、 と独り言のような言葉に返して、 経緯を説明してもらう。>>709 衣・食・住を確保しよう。ということらしい。 ]
(749) 2020/06/15(Mon) 00時半頃
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そっかあ。 いってらっしゃい。
私もどこか探してこよう。
[ 保健室以外を見に行くと意思表示をする。
人がいないところなら、知ってるのになあ。 あんまり役立ちそうにない、と千夏は思う。** ]
(750) 2020/06/15(Mon) 00時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/15(Mon) 00時半頃
師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/15(Mon) 13時半頃
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-- 現在/3年8組 --
[ この場に居るもの全て居心地が悪かった。 というのが千夏の予想。>>776 いってらっしゃいの声でこの場はお開き。 教室の扉が開かれて、閉まっていくのを見る。 ]
夏美ちゃんは、どうする?
[ 強張り気味の顔がこちらを向く。 その顔を見上げて。
夏美は千夏には質問を投げない。>>644 ]
(892) 2020/06/15(Mon) 17時半頃
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[ おんなのこ同士の距離感というより。 たぶん。 人間と人間もどきの間には溝がある。 ]
(893) 2020/06/15(Mon) 17時半頃
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[ 言葉が見つからないような夏美に、 すこしだけ千夏は満足だった。 結局、体育館見に行ってくる、ていってたかな。 教室にひとりきり。 さあて、どうしよう、と意気込んだ時だった。 扉が開く。>>844 ]
おかえりなさーい。
[ やあ、紫織ちゃんと千夏はゆうるく手を振る。 歩み寄ってきた紫織に黒板の位置を譲る。
人が増えて、千夏はぴこん。と思いつく。 ]
(894) 2020/06/15(Mon) 17時半頃
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一緒に文化祭回らない?
[ 正しくは文化祭もどきを見て回りませんか? だけど。
すこし強引にも思えるようだけど。 千夏は時には押しも強いので。 紫織の肘辺りに手を添えて、行きませんか?と。 チョークをもう片方の手で取り上げて。* ]
(895) 2020/06/15(Mon) 17時半頃
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-- 現在/2階廊下 --
[ 紫織の反応はどうだったか。 意見があるなら言いくるめて、 廊下へと連れ出してみましょう。 ]
どこのクラス、回ったりしたの? あ、部活も入ってるんだっけ。
[ 千夏といえば、劇以外のとき。 体育館で催される他の物を見たり。 若林のいる準備室に逃げ込んだり。 友人にくっついて、かーるく他のクラス行ったり。 あとは、なにしてたっけ。 ]
(896) 2020/06/15(Mon) 18時頃
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[ 千夏なりに楽しかった。 劇の準備がいちばんたのしかったよ。 ]
(897) 2020/06/15(Mon) 18時頃
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[ 算盤をはじいたり。 メイクをしたり。 色を塗ったり、紙を貼ったり。 クラスおそろいの衣装だって作って。
まるで、クラスのみんなの中に入れたみたい。 ]
(898) 2020/06/15(Mon) 18時頃
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[ ふ、と遠い目をしていたのだとおもう。 ]
紫織ちゃん、ここ見にいった?
[ 足を止めたのは、3年3組の前。 おどろおどろしい装飾には、 お化け屋敷、と怖さを煽るフォントで書かれている。* ]
(899) 2020/06/15(Mon) 18時頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/15(Mon) 18時頃
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-- 現在/2階廊下→3年3組 --
[ 提案にはすんなり乗ってもらえたので、 千夏は機嫌よく手を絡ませて、腕を組む。>>913 らぶらぶかっぷる。ううん。 普通におんなのこ同士でするやつ。軽くね(笑) ]
あー、そっかあ。 部活と研究会?の掛け持ちだったっけ。
[ メイド喫茶、 と聞けばどこのクラス?とか、 雑談はゆうるく続いていく。 ]
(921) 2020/06/15(Mon) 19時半頃
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[ 千夏には親友と呼べる存在はいないので。 クラスメイトとして、>>0:646 文化祭以前から こんな風にお喋りすることもありましたね。 千夏は特別困ってませんから。 ふりふりだっていやではないし。>>0:786 ]
(922) 2020/06/15(Mon) 19時半頃
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[ 千夏もこのクラスは覗いていなかった。 二人とも、しらないはずの教室の向こう。 なにが広がっているのか。 もしかすると何もないかも、とか思って。
千夏はちょっぴり愉快だ。 ]
じゃあ、今から行っちゃお。
[ 赤と黒の看板の先。 わざとぼっろぼろにしたような暖簾をくぐって、 お化け屋敷の世界に踏み込んだ。 ]
(923) 2020/06/15(Mon) 19時半頃
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[ ちなみに早未千夏、 信じられない超常現象が収まって、 結局は人間が一番怖いね。ちゃんちゃん。 という話をまあまあ読んでいたので、 人間の手で作られた世界とわかりきっていれば、 そんなに怖くない。 ]
(924) 2020/06/15(Mon) 19時半頃
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[ 暖簾の先は薄闇で。 通路を歩いていく方式。
歩いていけば、なにかが顔をかすめたり。 センサーがあるのか、急に大きな音が鳴ったり。 でも、やっぱり人間が驚かすのがメインのようで。 ]
脅かし役がいないと味気ないね。
[ とちょっぴり笑った。** ]
(925) 2020/06/15(Mon) 19時半頃
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-- 現在/3年3組 --
[ 気楽に腕を組んで、れっつごーお化け屋敷。 勝負を挑まれれば、受けて立ちましょう。>>948 ]
じゃあ、負けたほうが、 うーん。うー、ん。 ……自分のいいところをプレゼンする!
[ 罰ゲームを提示する。 この罰ゲーム。恥ずかしくない? 千夏はやるとしたら、とっても恥ずかしい。 提案しておいてなんだけど、腕を組む力が少し強く。 紫織の反応を見上げながら、暗闇に潜る。 ]
(965) 2020/06/15(Mon) 20時半頃
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[ 突然の音には、急にびくりと身体がするけど、 それ以外はなにも問題なく。>>949 ひとつの悲鳴もなく。つつがなく通路を往く。 ]
蜘蛛に、光る目玉…… 紫織ちゃんはとっても想像ゆたかだね。
[ ダメ出しには、そんな感想を零す。>>950 わ、呪いの人形?なあに、それ。 紫織がそれに近づいて、手を取る。 ]
(966) 2020/06/15(Mon) 20時半頃
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[ ────ぼとり。 ケタケタケタケタケタ……………。 ]
……あはは。
[ シュールな笑いが暗闇をまばらに満たす。 落ちた首を拾って、紫織に手渡した。 ] なんだか。 違う楽しみ方をしちゃったね。 これもある意味、貴重な体験ってやつかも。。
本当の世界では、体験できなかったこと。 体験できてうれしい。 付き合ってくれてありがとう。
[ ふふ、とカーディガンの袖を口にあてて、 千夏はお礼をいって笑う。* ]
(967) 2020/06/15(Mon) 20時半頃
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-- 現在/3年3組 --
[ 首は身体の上にのせられて、>>969 きっと息継ぎもない笑いは止まった。
勝負はドロー。 だあれも悲鳴はあげませんでした、とさ。 引き分けなので、どちらも罰ゲームを、 という展開には流石にならず。 ]
怖くないお化け屋敷は、 私たちに貴重な体験を与えてくれました。
[ なあんて。小学校の卒業式にあるやつ。 みんなで声を合わせるために、 棒読みな感じになるように千夏は言って。 ]
(980) 2020/06/15(Mon) 21時半頃
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[ 示された道は、もうおしまい。 薄闇のなか、広めな場所に出る。 生還おめでとう!みたいなポップが見えるのは、 気のせいじゃない。 ]
おなか、すいたね。 もうそろそろ、もしかして、夕食の時間かな。
[ スマホに手を遣って、時間を確認。 8時50分はとうに昔。 もうお昼も過ぎて、午後になっていた。
突然に投げかけられた質問に、 千夏は瞬いた。 ]
(981) 2020/06/15(Mon) 21時半頃
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うん?
[ なんでそんなこと聞くの? 不思議そうな顔をした千夏が、 紫織を見上げて首を傾ぐ。
それから、目が泳いで。>>971 ]
帰れない、と思う。 ……紫織ちゃんは帰りたい?*
(983) 2020/06/15(Mon) 21時半頃
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-- 回想/揃いの衣装 --
[ 何気なく声を出した応えに、>>675 千夏はちょっぴりびっくりしたのだ。 ]
……そっかあ。楽しい、か。 一人でするよりも作業進むなら何より、何より。
[ ふふ、と笑いが漏れて、 きっとそれで生地がたわんだ。>>676 楽しいという単語が千夏自身に結び付かなかったし、 美術品の彫刻みたいな人間が、 それを言うとも想像つかなくて。びっくり。 ]
(1008) 2020/06/15(Mon) 22時頃
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[ 後ろを振り返って、差し出した衣装。 それはふわりと宙を飛んで。 怜の腕が袖を通る。 ]
わ。 ……うん。似合う。
[ やり直すよ、という言葉をいう隙も無くて。 千夏作のちょっぴりたわんだベストは怜のものとなる。 出来は、千夏的には27点くらいなのだけど、 似合う人間が着れば、 きっとどうとでも見れるようになるだろう。 ]
(1009) 2020/06/15(Mon) 22時頃
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[ 夕日の中、弧を描く唇が綺麗で。>>677 ]
(1010) 2020/06/15(Mon) 22時頃
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[ 急に動いた手をぎゅうと握りながら、 千夏はこくこくと頷く。>>678 ]
好き、行く。行きたい。
[ このナリでも、と聞けば。 そっか、声はおとこのこだし、と考える。 ]
私でもよかったら、一緒に行こう。 あそこのブランドの新作のチークが見たいんだ。 氷室くんはさ、……
[ なんて、メイク関連の話をしながら、 みんなのふりふりを一生懸命作った。 千夏でもすこしは役に立てるんだって。
楽しかったよ。本当に。* ]
(1011) 2020/06/15(Mon) 22時頃
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-- 現在/3年3組前 --
[ 紫織がアンケートにボールペンを走らせるのを見て、 千夏も感想を書いてみる。 「急の大きな音は心臓によくないです。」投函。
命からがら逃げだした涼しい顔の生還者たちは、 お化け屋敷の入り口で話し始める。>>1012 ]
……うーん。 精神世界って、知ってる?
[ 阿東のように千夏は説明は得意ではないけど。 知ってることを話す。 ここは。しにかけの。だれかの。あたまのなか。 めいびー。 ]
(1027) 2020/06/15(Mon) 22時半頃
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紫織ちゃんはきっと帰れるよ。 SNSじゃなくて、勉強、してほしいけど……。
[ 未来への道が君にはあるんだからさ、>>1014 みたいないいかたで千夏は嗜める。 進学しないとか、芸大だとか、思いつかないから、 当たり前に大学に行くもんだ、って思っている。* ]
(1029) 2020/06/15(Mon) 22時半頃
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-- 回想/本番前 --
[ 夏美にオレンジ色のチークをそおっと乗せて。 夏美ちゃん、おわりだよ、と千夏は声を掛けた。
次に取り掛かるのは、颯真だ。 ]
ようやく本番だね。
[ 楽しみだねー、そんなテンションで話しかけ。 そこに座って、といつかのように指示する。 千夏は颯真の顔をじと見詰めて。 なんだか変だな、と千夏は思う。 なんでだろう。>>487>>754 ]
(1045) 2020/06/15(Mon) 22時半頃
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[ 一瞬眼鏡がないせいかなと思った。けど。] ……隈、できてない? そんなにコンタクト怖かった……?
[ なんだか顔色が悪いようにみえて、親近感。 と思ったのを千夏は打ち消す。 どうしてかな、と思ってでてきたのは、そんな理由。 あっ、台本を必死におさらいしてた?と付け足す。 大丈夫だよ。>>486 コンタクトでわーわー騒ぐとはそこまで思ってない。 ]
(1046) 2020/06/15(Mon) 22時半頃
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[ 千夏は、すこぉし真剣な顔。 ]
あんまり無理しないでね。 本番、がんばってね。応援してる。
[ 隈は千夏の見間違いかも。 でも、本当にあったとしても、 おんなのこのコンシーラーはすごいので。 心配しないでください。* ]
(1047) 2020/06/15(Mon) 22時半頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/15(Mon) 23時頃
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-- 現在/3年3組前 --
[ ほえー。>>1084 千夏もこの状況になるまでは、眉唾物だと思っていた。 誰かの作り話。誰かのための都合いい話。 話しながら、怪訝そうに紫織の動作を見遣る。 ]
冗句だったらいいけど、 明らかにこの世界を飲み込むためには、 精神世界っていう構造がしっくり。 かなあ、って思う。
[ きっと紫織も同意見だ。 ]
(1107) 2020/06/15(Mon) 23時半頃
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そうだよ、帰った方がいいよ。 お参りにつくったCGの作品を 持ってきてくれたら嬉しいなあ。
[ そのほうがいいよ。 って千夏は紫織の意見に大賛成。 うんうんと頷く。>>1085 ]
(1108) 2020/06/15(Mon) 23時半頃
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[ 人間もどきには、人間の世界はわからない。 人間も、人間できっと悩んでる。
けど。千夏にはわからない。 ]
(1109) 2020/06/15(Mon) 23時半頃
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たぶん。 毎日、しんじゃいたいって思っていたもの。 文化祭の未練にも心当たり、あるし。
[ 覗き込む目線から逃げずに。>>1087 じと紫織をまっすぐに見上げた。* ]
(1110) 2020/06/15(Mon) 23時半頃
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