219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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[帯で隠しても、混凝土に溢れた赤華は消せない。 布地に散った赤染みは消えない。 一見では分からなくとも纏った鉄の匂いは 消えないのだから、無駄な努力だ、と考えるだけの 思考も、鈍った頭では回らない。]
[……>>162かれの言葉が聞こえた。] [渋るような間が、一寸。疚しい事がある、と。 自白するに等しい間だと、我ながら思った。]
『 ……。 ───臆、 良いよ。 』
(174) 2017/06/20(Tue) 16時半頃
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( 風に触れさせた吐息でも無いのに、 薄っぺらく延びた返事を雑破に搔き消すよう。 重ねた問いかけは、──少々、意地悪だったか。 )
『 ……今は? 』
[>>165 飲み込まれた言葉の尻尾を追い掛けた。 添えられた最もの疑には、『何となく』、を繰り返す。 出来る限り冗句の体を繕ったものだが、 きみのエントリー料は迄は知らないからこそ 下手に程があるんじゃねえか、と思った。]
(完全な面を被るには、被れていたころには。 演じていたころには未だ時も年も足りていない。 あの幼子らのことを、言えたもんじゃあない。)
(175) 2017/06/20(Tue) 16時半頃
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(それでも。此方に来ると言うので在れば いつ迄も立ち竦んでは居られないもので、)
虚勢で立ちあがる二本の足に鞭を打ち、 から、と音ばかりは涼やかな下駄の音に全てを秘した。 着物を正して、短くも耐え忍ぶには長い掌を見下ろし、 嘆息を溢せば、───臆、逃げちまおうか、と。]
(鬼ごっこの役者でもねえのに、 かれに見つかる前に行こうとした北に足を転がす。 ……それも、>>164無駄な努力。)
[安堵する息の音色。 振り向けば、(互いに疵を匿す、)かれのすがた。 こうも少年から相対していても相手のばかり。>>162
其れが真に相手の望んでいることとは限らないのだから、 これが見世であれば滑稽極まりない、と 観衆は思うのだろうが、残念ながら此処はうつつ。]
(179) 2017/06/20(Tue) 17時頃
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[男は自らの間抜けさにも気付かない儘、 混凝土の上の血痕を有象無象の雑踏に 紛らわせるよう一歩の間合いを埋めながら、 まじまじと見詰められる>>164瞳に───…。]
( ……出来る限りの涼しい顔を演じて、 )
─── なんだい、そんなに見て。 …………塵でも着いてんのかね?
[痛み続ける ”何某か” の疵を隠しながら、 脇腹の熱を冷ますように風を浴びれば、逆さに染みる。 寄りかける眉根を離す事に意識を手向けながら、 「ミッション、きみは分かったか?」なんて ゆる、と亦、なんでもないように首を傾げて。
──そそくさと場を離れるよう、 追い越すように、先んじようとしたのだった。]*
(180) 2017/06/20(Tue) 17時頃
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『 ……そうかい。 』
[隠せている筈なのに、 見透かされている。>>181
逡巡した思考にも似て、 うちに孕んだ矛盾めいた現状を知りもしないからこそ >>182(既に歩み出されていた足なんか知らないで、) 詰まった音を逆撫でるような問いを送った。 少しでもその足が止まればいい、と思った。]
( 正解なんて無いような意地悪を放り投げても 歯切れの悪さが歯止めになる証明なんざ、 ─── …… 何処にもねえのにな。 )
(192) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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( 卑怯者は。 卑怯だと思わない。 そも、卑怯なのは、己の問いのほう。 )
『 別に、そんなんじゃねえよ。 唯、──生き延びても、 ”生き返れなかった”人間は。 ……どうなんのかなァ、って具合に ちょいと考え込んじまったもんで。 』
[>>183 青年が意識していないのだろう、 素直に呑み込まれた言葉から帰ってきた応えは 時に、悟っているのでは無いかと思うほどに 硝子片の断片めいて鋭く、突き刺さる。]
(193) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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(──輝久なら、紛う事なく気づいているんだろう。 >>182いっそ咎めるなり、或いは知った上で。 別の節介を焼いたかもしれない。
けれど、”僕の全く知りやしない”彼の青年は、 それを気づいて言ってんのか、分かんねえから。 つい、と、はぐらかしちまうのさ。)
(194) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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[臆、誤魔化すのは。 未熟な嘘で騙すのは、己の体だって同じ。 本来は蹲っちまうほどの怪我でさえ、
(未だ、…こんくらいなら、動けるだろう。)
思い込みで騙して。 思い込んでは、騙って。]
( 間違いなく最善どころか、 帰してやろうと思っているはずの かれの足を引っ張るのだとしても。 )
[───触れれば手折れそうな白椿にも似た、 (友と違って、その腕の力さえも分からない、) 彩が摘み取られずに、自分であった事を歓ぶだけ。]
(195) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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[相手の為、と偽って。 我を、我儘を通す事を諦められない自分に、 (”互い様”である事でさえも見つけられやしない儘。) 早早と先んじて仕舞えばわからんだろう、と、 浅はかさでひとたり、すれ違う。]
(>>184鉄の香が、移る。)
[振られた白銀に ”じゃあ、何で──、” と 言わんばかりだった玻璃が────凍った。]
……… ───── 。
(196) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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(是が、例に因って”友人”であれば。 観念したように手のひとつ、上げられたんだろう。 けれども”見知らぬ者”に弱みを見せたくなかった、 道化の如き芝居の───止め時を知らなかった。)
ははっ、怪我ってのは。何の事だ。 僕は大丈夫だから、─── ……。
[疑問と謂う名の通せんぼ。 それを無視して、無理矢理通って仕舞おうとした 天罰のように、怪我の所為で縺れた足が 何も無いはずの地表に、引っ掛かった。 その弾みで、傷口が叫びを上げた。]
──── ッ、
(197) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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[その儘、普段なら食い縛れた筈の足が、 重力に逆らえず、儘、力に従って倒れる。 無意識に脇腹を庇うように伸ばした腕が帯に触れ、 ───仄かに擦れて覗いた布地の色は。
……藤色では無く、緋だ。] ( ……慌てて立ち上がろうとして、 一瞬遅れて気づいて、気まずげな顔をする。 ──そも、隠し通せるようなもんでは無いのだ。 )
……駄目か。
[ぽつ、と、俯いた儘でぼやいた。 のろ、と混凝土に手をついて、側のガードレールに 着く手を移してから、痛む怪我の重さに反した軽さで へら、と笑って、─── ]
(198) 2017/06/20(Tue) 20時半頃
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(───見えた傷口に、そッ、と蓋をする。) [擦れた帯の位置を怪我を隠すよう、──戻した。]
嗚呼。 ……問題ねえから、行こう。
(血が流れるたび、 夢幻とは違った朧に眩む頭でそれでも尚、 急かすように、然う、と促した。)
[他者の怪我を死んだらと終わり、とでも謂う癖に。 己の怪我では立ち止まらない此の足と云うのは、 無理矢理座らせられるか留められない限り (或いは終わらない限り、)
───困った事に、 制止を聞こうともしないもので。]*
(199) 2017/06/20(Tue) 21時頃
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( >>225場所を詐れたってのに、 然うしなかったのは、何でだろうなァ。 ……僕にも分かんねえ事だったが 片隅で疚しさがあったから、──かもな。 )
(256) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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[花は、手折れば折れるもの。 近づいた羽蟲を喰らう食虫花程の逞しさなど、 あるように見えたとて、虚構のガワでしか無いのだ。]
(……内側に渦巻く澱は、其れに良く似ていても。)
[>>236よもや、信じられているとも、思わない儘。]
(臆、けれども。 知ったら知ったで、僕は斯う思うだろう。 ──── ”其れで良い” と。)
(257) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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[──やもすれば。 ずうっと夢を見せて来てくれた彼に この段に置いても、信じて居ないとも取れる 我が儘を抱くがまゝ、先んじようとして。
(>>242伸ばされかけた手を、 気遣いのよに留める言葉などとかすら、 逃げようとした戒めのように───、)
体を崩すうしろ、 自らの疵さえ隠す事に必死な男が、 傷むかれの臓の事など如何して気付けるものか。 >>246遅れてやってきた息呑む音にせいぜいが、 臆、やってしまった、── と思うが関の山。]
(266) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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はは、
(……かれの心配も。>>246 かれへの有難さや申し訳なさより、 醜態を晒した自己への嫌悪に変わる。)
……気遣わせちまって悪いな。 ああ、無理はしない。
[ ─── "約束する” とは言わない。 ]
(270) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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[(疵を噛み潰す為に、) のっぺりとした笑みの仮面を貼り付けて、 ”他人様”に向けるような不確かな肯定で、強がった。]
( ……きっと。 もし記憶が在った処で、 同じ事をする。同じ虚勢を張る。 )
[>>250 抱えられるなんて申し出が出た日には、 目を見開いて、
「──幾ら参加者以外には見えてなくとも、 そんな情けねえ真似させらんねえよ」
なんて笑って、首を振ったに違いないから、 青年の見当は少なからず間違っていないのであった。 ──臆、奥で強行手段を考えられてるなんてのは、 男には存ぜぬ噺。]*
(273) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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─ 北エリア / 九想屋・広場前 ─
( 喪った血の分だけのふらつきを 下駄で踏み殺して、辿り着いたのは 九想屋の建物が聳える──その手前の広場。 )
[>>244>>271 真先に見えたのは”黄色い観衆”どもより何より、 デッキブラシを構えた少女と、 ぐる、と大空を旋回する黒い影。 昨日も見た少女にはた、と、玻璃を留めた。]
(279) 2017/06/21(Wed) 00時頃
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(そう言や。 林口さんのパートナーってのは 分かっても名前を聞いちゃ無かったな、と 思うのは瞬く間の事。 ……其れよりも、まァ。) [から、と下駄を踏み出せば。 >>277>>278空影と睨む合うような少女に 常を装った声をかたわらから放り投げ乍ら。
──固く結んだ帯の代わりに、 懐に差し込んだ扇を すッ、と引き抜いた。]
…… ──手を貸した方がいいかい?
(……ま、返事が何う在れ。その心算だったが。)*
(281) 2017/06/21(Wed) 00時半頃
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[>>282 上、と叫ばれるほうを改めて見遣れば、 何日目かに見たような悠々と翼を広げた烏。 見開く少女の瞳を見届けるよりも先に、 耳に通る明瞭に、縦の頷きひとつ。]
(傷ついた臓腑の痛みを堪えて、 「退治ってんなら任せておくれ」と笑みを置き。)
” 千山鳥飛ぶこと絶え、 万径人蹤滅す ” ───。
[ぱ、と滑らす様に開いた扇の羽が虚を示せば、 藤の花弁が渦を踊ると共に顕れる七の太刀。 白刃を煌めかせれば、此の身の虚脱感と引き換えに 空を我が物顔で翔ぶ烏を地に縫い止めるように降る。]
(289) 2017/06/21(Wed) 00時半頃
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[全てを靄に還せる迄狩れずとも、 その羽根を混凝土に串刺しに出来るくらいは ───叶ったろう。]
(咳込みひとつ。 混じった血は見て見ぬ振りで、 扇を汚さぬよう、左の手に持ち替える序で。 …掌の数字が消えてないのに、目を細める。)
この場は凌ぐのはご覧の通り、 ──任せて貰いようもあるんだが…。 ミッションの具合ってのはどうなんだい?
[瞬間移動だとか、地を柔らかくするなんて 便利な応用の効くサイキックなんかじゃないからこそ。 ふ、と合間、少女のほうを仰ぎては、問う。]*
(292) 2017/06/21(Wed) 00時半頃
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[>>297 感嘆の声を受けもすれば、 何処ぞ歓声のようで悪い気はしないもので。]
───ははっ、如何もな。
[口内で笑みを転がし乍ら、 昨日も見たとは言えども、黒烏が柔っこくなる様には 興味深ささえ覚えたものだが───。]
……はァ。 豚? [ ───少女の応えの儘に、視線の先を追えば。 ]
(303) 2017/06/21(Wed) 01時頃
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[>>300 ぼとぼと、と。 寧ろお帰る為の翼を喪ってくのでは無いかと 突っ込みのひとつふたつ出来そうな、 落とし切れなかった黒翼の幕簾が舞う中──。]
( 確かに黄色い、 ── ? )
[ ……>>294いっとう大きなブタ(?)が居た。 ]
(305) 2017/06/21(Wed) 01時頃
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[わらわらと群がられる>>299 着ぐるみすがたから上がった叫び声に随分と 聞き覚えのある聲がするものだ、と思ったら。]
(>>301 ……”熊さん”って呼称に覚えは無かったものの だいたい彼女が近寄ってけば、正体のほどは 自ずと察するわけで、── …。)
──はは、熊じゃなくて。 …今は、豚みてえだけど…。
[別に悪口だとか、そう言うんじゃなくて。 見た儘を告げただけである。──他意はない。 …ほんとうに。]
(310) 2017/06/21(Wed) 01時頃
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(如何なってんのかは分かんねえが。 ふと、扇を懐に戻して掌を2度目見りゃあ タイマーは消えているもんだから。
……何とかは、なったようで。)
─── じゃァ、今日はもう、是で。
[「大丈夫なんだよな、」と呟く序で。 >>306青いバッジを見るでも無く、 黄色い豚たちに囲まれた和やか(?)な光景を 呆けるように眺めて、力を抜いたのが──。
──…悪かったのやら。]
(313) 2017/06/21(Wed) 01時頃
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( ふら、と蹌踉ける浮遊感。 張り詰めた糸は全て断たれちまった感覚は、 広場端の花壇塀に座り込むような形になる。 )
[立ち上がろうにも立ち上がれん儘。 嗚呼、日替わり迄はもう少しの辛抱なのだから、と。 裏の路地に斃れた影と寄る人影、其処に佇むものらを 識れば、もうひとつ動こうとしたかもしれないものも。
─── 知らなければ。文字通り、道の向こうの噺。]*
(315) 2017/06/21(Wed) 01時頃
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(笑いたければ、笑えばいいだろうに。)
[>>319 我慢したふうに堪えていたかれを見たなら、 矢張りきみとは違うようすに目線を落としたのだろう。
けれども、 そんな茶化すふうな言葉が溢れなかったのは。]
(一重に、───気の抜けちまったから。)
(325) 2017/06/21(Wed) 02時半頃
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────無理はしてねえよ、無理は……。
(>>319 笑って、諄いくらいに採算告げる口に。 いなすように「分かってる、分かってる」と テンプレートのように繰り返す傍らで、 かれの心配は一体、
──何のものなんだろうなァ、と。
……思っちまうんだ。)
[我が身の為か、其れとも、──僕なんかの為か。 分からなかったからこそ、臆、分からないからこそ。 深みに嵌るような、虚無心がぞろり、と顔を出すようで。]
(326) 2017/06/21(Wed) 02時半頃
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(”ほんとうの歳”らしいもんを数えれば、 こちらのほうが随分と年上みてえなのに。 保護者か何かのように言い聞かせるさまににがわらう。 何故、何方、ってその様を見りゃあ、
── 一目瞭然だろうに。) [─── 血を流し過ぎた所為、なんだろう。] [然う自分を納得させる様に、心底で言い聞かせたのち、 バッジを差し出しに来た彼女>>320からは 少し躊躇うように考えたあと。]
……有難う。 じゃァ、今日は遠慮なく。
(2つ。大した働きをした訳でも無かったから、 迷ったこころは一応と、儘、貰う事にした。)
(327) 2017/06/21(Wed) 02時半頃
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[>>319 巾着袋にそれらを仕舞って、 袂にでも納めたあと。
他所へ赴こうとするかれを、あとは (蝶のように墜ちた命の存在を知らないからこそ、) やる事もないからこそ言いつけを聞いて腰掛けた儘。 呆、と見送り───。
( ……その裏。 )
空いた手は、 花壇に咲いた紫の──菖蒲花を ぽきん、と。 無意識に、掌の赤を塗りつけるよう、 ──── 手折っていた。]*
(328) 2017/06/21(Wed) 02時半頃
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