219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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─ 追憶譚 ・ 喪 ─
(>>34くちさもないものたちの、 好奇の目に晒されているきみを見た時。 僕は見開いた瞳硝子に、驚嘆を顕にした。 『──如何したんだい。その大層な怪我は。』
滅多にねえくらいに大袈裟にさ。 その日の日暮れ、門下生も、烏も帰った後に、 壊れ物を扱うようにでも、世話を焼いて居た筈だ。)
(40) 2017/06/15(Thu) 19時半頃
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[きみが育つたびに、 生き辛そうな一本芯が芽生えてくること。 僕はそうでもねえし、僕の知るかぎりでは、周りに そんな事を教えた人も居なかったと思うんだが。
生き写しのように ”似てくる” 面影、面差しに 臆、有り体に言えば『不器用』な生き様ってやつに、 対して信じもしなかった、因果や運命さえ感じた。
>>35唯、思った処で、 かれを誤解する者に言えたとして、 彼本人に、言えなんてするものか。]
( ……そんなところ"まで”、 輝久に似て。 )
[ …… なんてさ。 ]
(41) 2017/06/15(Thu) 19時半頃
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( ……彼は、きみとは違うのだから。 そうと分かって、痛む心を抑え続けた。 大切なきみの”忘れ形見”に迄。
──較べ続けられることを、 ──重ね続けられることを。 ──演じ続けなければ為らんことを。
背負わせたく無かった。 )
[ …のに、なあ。 ]
(42) 2017/06/15(Thu) 19時半頃
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(──さぞ ”生前の行い” ってやつが 悪かったんじゃねえかな。
…臆、勿論、僕のな。 )*
(43) 2017/06/15(Thu) 19時半頃
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─ 3rd days / スクランブル交差点 ─
( ───、 きみに言伝てたところで、 幕を区切られたような暗転。 )
『まだ参加できんのかな?マブスラ・デスマッチ!』 『なんでも、あの伝説の風乗りも来るとか……。』 『まじで!?やっべ、行こうぜ、行こうぜ!』
[ぱち、と見開いた目の先は、再び雑踏。 唯、昨日までとは違って>>#3行き交う人の群れ、 とりわけ、今ときめく若者たちを中心に ひとつの話題が文字通り、
──── 熱を上げていたのであった!]
(49) 2017/06/15(Thu) 20時頃
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(……この数日で、恐らくは。 この、知ってるようで知らない町、ひと。 そういうものに包まれてるもんだから、 僕のエントリー料ってのは、「記憶」だと。 ………そんだけだと、思ってたわけだが。)
……おお。 マブスラも未だ流行ってんだなァ。
[──何時からあったのだか、 恐らくそれを識る者は然うと居ないのだろう。 男が若かりし頃にも既にあったくらいには── 存外深い歴史を持ち続ける”マーブルスラッシュ”。
知らないものばかりだと思っていたからこそ くちぐちに聞こえているはしゃぎ声だとか、 そういうものに感慨を覚えたのだが──。]
(50) 2017/06/15(Thu) 20時頃
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( ……や、こうしてっと。 ほんとに年食っちまったようで…──嫌だねェ。)
[何せ、記憶ばかりは二十代。
通りの誰も見てなど居ないのに、 誤魔化すように黒髪の束を梳いてなんか見せたのち。 ふと、聞こえた声の一途。
好奇心もしれなりにある、 ”珍しいバッジ”の話なんかには興を燈すものだったが、 ──>>#0そろそろ聞き慣れてきた着信音と、違和感。]
(55) 2017/06/15(Thu) 20時半頃
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…… 何時もの事だが、 わかんねえなァ……?!
[「日に日によく分からなくなってねえか?」と 初日の大空のスクリーンにも映っていた、 仮面のお嬢さんを思い出して、首も傾がるもの。]
「失われし対の王」──って事は、 なんだか、お宝でもあるのかねえ…。 その復活……はわかんねえが、 老兵さん、ってのは年配なんだろうな…。
(断片を紡ぎ出しながら、 昨日は「ブログ」ってもんがあったから 未だ良かったが、今回は添えものも無い。 どうと見つけりゃいいのか、──それこそ、 …… ”お手上げ” だと思ったが。)
(62) 2017/06/15(Thu) 20時半頃
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( ……臆、でも。 王…、ってのは。 冠するところは、あったよな。 )
[”十王マルチシアター”。 地図を見直せば、結われた黒束を泳がせて。 振り向いてから、「なあ、」と話しかけた口は。 ”また”きみの居ないことに気づいて、唇を食んだ。 ” ……淋しいもんだな。 ”
宙空に投げ捨てた言の葉は、 嘗てなら、(諦念を覚えたあとの男為ら、) 絶対に口遊ぶことの無いものだった。]
(浮かんでは爆ぜる水泡は儚く潰えてしまうように、 雑踏の中では、淡い呟き等、─踏み潰れるだけ。)
(66) 2017/06/15(Thu) 20時半頃
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[”手荒な部下” とやらのことは、>>0 未だ雑踏の中に隠れて、知り及ぶ処では無かったが。
口にしても届かないと言うのに 思念なら及ぶ事の不思議さに嘲して見せながら、 話しかけようとした何某かは、>>54 きみのほうからの言伝に瞳硝子を開き、霧散する。]
( …ふ、と微笑った。 )
『──此処は多分、……交差点みてえだな。 きみは? また離れちまったんだろうか。』
[見えもしないのに、自然と揺れる首は >>61遠く、何ぞの音楽を鼓膜に拾い上げる。 きみにそうやって問い返しながら、 なにかを思い出したように掌を開き、見下ろした。]
(71) 2017/06/15(Thu) 21時頃
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『 ……今日は、90分なんだな? 』
[昨日も昨日で大変だった──ような、 と言うのは途中から別件で動いてたもんだから 結末は推測に過ぎやしないが。
ふと、見た儘に思ったことをテレパシーに乗せ、 心のうちだけでもっとややこしいのかね、と厭った。]
(取り敢えず、きょうは。 昨日の死神さんのご忠告もあったもんだから、 きみと合流を先ずしようか、とも思うもんで。 下手に動くよりも、──返事がある迄、 きょろ と辺りを見回していた。)*
(73) 2017/06/15(Thu) 21時頃
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『浄瑠璃公園か。 マブスラの大会ってのがあるんだったか。 僕としちゃ、トランジハウスってのが 面白いもんがあるとかで気になってたんだが… ……いや、私用甚だしかったな。
一先ず駅ってんなら、そう離れてねえな。』
[『先ずは合流しねえか?』
>>89 呑気に雑踏の中に佇んでいる藤衣は、 きみの前に立ちはだかるような──山にでも帰るべき 巨躯の存在なんて知らないからこそ、呑気にそう返す。]
(念話の向こうにあるもんでも知れたら もう少し気の遣いようのひとつ、ふたつ。 あったに違いないんだろが、─── ……。)
(198) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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[離れた空気なんぞ、其れこそ──。 サイキックでも無ければ、読めもしまい!]
『……だろうなァ。 見るからに難問な上にヒントもねえ。 ま、猶予があるに越したことはねえが。 取り敢えず、なんにせよ来てくれんなら、 ……待ってるよ。』
(>>100 きみが来てくれるなんて言うもんだから、 その辺の建物の壁にでも凭れて、呆けるように 安心して待ってたんだ。
……すると、何が来たと思う?)
(200) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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(先ず、きみが見えた。 見慣れた白を見遣れば自然と咲いた笑みを伴って、 ひら、と袖を振るとともに、壁から背を浮かせる。
次に、きみが随分と急いているのを見、 おや、と緩めた瞼肉の合間から覗いた─── そのうしろから、随分大きい影が付き纏う。
流石に、それってのがな。)
(203) 2017/06/16(Fri) 02時頃
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[ 熊とは思わんだろう。 ]
(…確かにな、昨日話にゃ聞いたがな?)
… あ、 ? ───きみ、まさか、 [本来、僕の存ぜぬところだが。 死神さんのやってる ソーシャル・ゲームってのに喩えるなら、 「話の途中だがワイバーンの群れだ!」… とでも言われたような気分で──あんぐりさ!
其処に。 ふい、と浮かんだ想像を固めるような、 きみの声が飛んで来るもんだから、余計──。]
待ってたのはきみだけだったんだがな! 随分とおもしろいもんに追っかけられやがって!
(208) 2017/06/16(Fri) 02時頃
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( ……逃げられるもんなのかね、こりゃ? )
[から、と下駄を弾く。 随分遠影だったとは言えど、 その間が埋まるのも時間の問題だろう。]
(きみの剣の”鞘”が抜けねえ、 とは思わねえもんだから。 ひとりじゃ倒せるようなやつじゃねえんだろ、と。 昨日の死神の忠告がそう言う意味でねえにせよ、 「はあ、」とまんまるの瞳で真ん前を見据え、─。)
─── 然うだな、…だが、その前に。
(210) 2017/06/16(Fri) 02時頃
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[帯間の扇を抜きされば、 ふい と指すは熊の出づる方角。 詠を吟じるこころ迄は熊に吹っ飛ばされたもんだから、 ご容赦として、───扇の先を縦に振るう。
ひとよりも大きい五の大太刀が 踊る花円に誘われるようにして虚空から輪を描き、 一点、熊を地に縫い止めるように振り降りる。
流石に動いてる熊程の疾さのもんな上、 遠い分狙いはさだまらねえが、頑丈とは言えど 劔を楔、四肢の部分が地面に惹きつけられりゃ、 ───上手く引っ繰り返ってはくれたみてえで。]
(211) 2017/06/16(Fri) 02時頃
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───時間稼ぎくらいは出来ただろ。 ……ええと、熊から逃げる時ってのは…。 背を見せちゃ駄目なんだったか。
(なんせ、この形でも都会育ち。 熊なんぞは見た事は無いもので。)
[そもそも”雑音(ノイズ)”に、 一般的な知恵が効くかは別として──。
>>100きみの距離がすぐそばほど近くなったところ、 ひとつ頷けばその通りに駆け出す。
──追跡者が来る北西では無く、 足ってのは自然に、南東のほう。 奇しくも、トランジハウスのほうに往くものだった。]*
(212) 2017/06/16(Fri) 02時頃
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─ 追憶譚 / 喪 ・ 続 ─
『…然うしていると、菖のようだわ。』 『本当、瓜二つ。』 『嗚呼、けれどもお兄様はもう少し…。』
[有象無象は、舞台袖の影法師。 「はは、」と愛想笑いで払う事を覚えたのは、 二十も半ばに過ぎたころだった筈だ。
自らの夢を捨て、 生きてきた”代役”として演じ続ける人生も 三、四年も経てば、諦めは普通に変わった。]
(──それは早いのやら、遅いのやら。)
(218) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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( 唯一照明で無理矢理輝かせる事も無い、 太陽のように眩しすぎる事も無い灯許。 素顔で居られたのは、きみのそばだけ。
それも燭台のともしびがかそけく薄らいだら きみの前でさえ、素顔の面を後ろ手に 隠してしまっていた。 )
[そもそもきみにさえ、ほんとうのことなど。 青年のころには、もう、言えてなど無かったのに。 それきり、素顔など隠していたのに。]
( ……きみの”死”と言う、 ひとつの幕切れを迎えるまで。 )
(219) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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[久々に顔を出したのは、 >>195あくまでも自らが至らないと言い張る きみによく似た青年を前にした時だ。
千切れた呼び声は助けを求めるでも、 なにかを吐き出すでも、心を開いてくれるものでもない。 その頰に染みる水の線の行き道を眺めながら、 手拭いひとつでも差し出して──…。]
……… 、
(なんと言えば良いかは分かっていた癖に、 最善を言い渋ったのは、きみの影がちらついては 離れて、つかず、離れずで、── ……。)
(220) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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───なんでもしょい込むのが、 強いとは……、かぎらないと思いますよ。
[緩やかに開いた玻璃が細まると同時に開いた言の葉が 何時か、きみに掛けたものと同じような言葉だったと 知った時が来たら、(それも丁寧な音で修飾されて、) ───きみの忘れ形見は、どう思うのだろうな。]
(221) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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( 良い大人か、と言えばそうでもない。 良い保護者か、と言えばそうではない。 良い”せんせい”か、と言えば ──…。
…悪い人間だよ。 僕ってのは。 大事な子どもを託すには不釣り合い。 …人選を間違えたんじゃねえかね。 かれは。 )
(222) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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(きみに”能く似て”利発な子だから、 時折影で聞こえる、こころないものの言葉を。 年老いた師範代の言葉を耳にしては、>>197 気づいていたんじゃねえかな。
… ───自分の足元に影に隠れた、 きみ(父親)の存在ってのを。)
[僕の足元に棲んでいたのは、過去。 持て囃されただけの老害ともつかぬ父では無く、 兄ではあったが、積み重ねられる重石の種類は同じ。]
(けれども、誇りなど欠片も無かった僕とは違い、 かれはきみに似て居た。…然う、似て居たから、さ。 唯一周囲を宥められた筈の大人は、”口を挟まなかった”。 それを、躊躇って仕舞った。]
( ──然うして、枷を嵌めさせた! )
(223) 2017/06/16(Fri) 04時半頃
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[約束を反故に出来ぬ程度には” ”していた。 けれども、それと同じだけ、恨んで、逆恨んだ。 悪いのは、伝えられなかった僕自身だってのに。]
( 咲くは藤色の竜胆。 根付いた性の悪い女々しさは、 ……染め落ちない。 )
[正義も誠実も花蕾の中には有さぬ、 とうに堅く口を結んだこころは痛みを知るものだけが、 その固有の価値を認めればいいのだ と歪つに想い、 その瞼裏では、きみの幻影を白昼夢のように追っている。 締め付けられるよな痛みは、]
(詰まるところ、───”悩んでいたのさ”。 平常の面の裏に抱え込んだ醜悪の根の往き場を。 枷檻の外側から悲しむ顔を見たいと思い乍ら、 救いの手を差し伸べるは、僕で在りたいとも願う。)
(227) 2017/06/16(Fri) 05時頃
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( ───…然うして、悩んだ末、 あの子がそれを言ってくれる迄は>>199 ……助けてを求めてくれる迄は、 見ない振りをする事にした狡い大人が一輪。 )
[罪も罰も未だ下らぬ筈の彼岸、 賽の河原の如く、──この手こそが、 石を積み続けるとは思わなんで。]*
(228) 2017/06/16(Fri) 05時頃
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─ 3rd day / → トランジハウス ─
『おや、知らなかったのかい。 ───取り敢えず、然うだな。』
[>>213 空中に放られずとも、意識の海にはぽんと放る。 合流を先としてから、>>214捕獲者と追われる者、 その体現の極地のような構図を納める迄の間──。]
『はは、……情報の少なさ、ってんならそうか。 ま、その代わり。存外見つけられたら、 ──早い、ってやつかも知れん。』
[呑気に返していた男だって、 きっと、きみが今見ているものを知らされて居たら。 こう思った筈だ。]
(259) 2017/06/16(Fri) 13時頃
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(…いや、打ち込んだらな。 そりゃあ、怒るんじゃねえの?)
[雑音も生き物も、 それは世界共通なのかは知る由は無いが。 >>214>>215───斯くして、現場に居合せる。]
(サイガワラパークじゃあねえんだから、と 思う事のひとつでも出来れば 良かったのかもしれねえが、──当然乍ら、 僕はそのアニメを知っちゃねえのさ。)
[黒黒とした熊の儘、 息の上がらないきみに気づけば流石だ、と ひとつふたつ思ったのだろうが。
───怒れる獰猛に釘付けになるのが、先ずは先。 >>216>>217熊のひっくり返った後で、 「気にしなさんな」と笑ったのも一度迄、だ。]
(262) 2017/06/16(Fri) 13時頃
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(……今正に、その側から存外俊敏な影は。 うかうかしてっとまた来るなァ、と身を翻し。 怒らせた今はそもそも回避行動も無意味か、と 思い直したのは少し経ってから。)
……だなァ。 今は兎角、距離を取るべし、……ってとこかね。 第一、後ろを向くより前を向いて走った方が早い。
[…と言っても、 下駄で走るのはある程度なら良いとして 熊に追われんのは考えちゃ無かったな、と思うは一寸。 走り寄る音をひとつ追随をさせたの為ら、 向かう足にそう遠く無いのだから、と、好奇── ばかりでもねえんだが、向かうのは噂の種。>>#3]
(263) 2017/06/16(Fri) 13時頃
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……─── そう、あれ…。 なんだが。 行ってもいいもんか…ね。
[今の見目なら、年甲斐なく、でも無く。 幾つになってもマブスラってのは魅力的なもんだから、 (とは言っても腕の方は押して知るべし。 ──何方かと言うと、蒐集に偏っちゃ居た。) 好奇をそこはかと無く見せて、ちら、と一瞥する。 そこで一も二も無く、連れ添ってくれるきみに、 「! 有難うな。」と弧を描くよな喜色を咲かせ。
──見知った顔が>>177>>178入れ違った事も知らず、 踏み込んだ店内で、随分と陽気な店主に出迎えられた。 >>#8]
(264) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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[───其処で、だ。]
─── ”鎧龍王” !
珍しいもんがあると話にだけ聞いちゃ居たが、 実物があるんですか。御店主。 [但し。 レアものはレアものでも、 ひと昔どころかふた昔前に生きた男は>>#36 "老兵”の話を聞いておらずとも、 「──あれ、そんな古ぼけたもんだっけなァ」と 首を傾げたものだったが、───…。]
この輝き、この燦きってのは、 正に”王者”の風格─── …。
(265) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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[鍵の掛かったショーケースを前、 男も目の前にすれば「いいなァ、」と羨むよな、 普段であれば確実に見せはしなかった童心を 黒玻璃に見え隠れさせて───。
実際には、男も見た事の無かった アンティーク・ゴールドを冷えた硝子越しに ひた、と触れる。]
(非売品である事に惜しんだのも、 ─── 一瞬。)
[ふッ と、自らが口にした単語に 何かを思い出したかの如く、うつつに帰るよう 文字通りの瞬きをひとつ、ぼやいた。]
(266) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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そう言えば。 この「王」も対になるバッジが あったんでなかったか? ───…確か、あれは妃だった気がするが。
(「……横文字なら、妃も女王も。 同じQueenではあるがけど、なァ。」)
[小さくぼやきながら、 きみに身を振り翻したの為ら。
「王、ってんのは。 これの可能性もあるんじゃねえのか?」
然う言う時こそテレパシーでも使えばいいのに、 気づけば囁くような声調子でそう、と耳打ちを。]
(268) 2017/06/16(Fri) 13時半頃
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……これは、矢張り。 売り物にはならんのですかね。
[>>#9 流石に、非売品と言うものに。 無理に言う事の恥くらいはこの時代の男も 知っているものだから、身を引きながら、乞う。
(単純な興であれば、如何せ使う腕は無い。 蒐集欲も引っ込めよう、と言うものだが、 ───ミッションに関わっている可能性が あると思えば、それは別の問題で。)
暫く悩む素振りを見せた主人が 指を差した先には「え?」と思わず、首を捻った。]
(269) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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(なんせ、僕らの命を左右する青ってのが。 シリーズ化して取引の張り紙に連ねられていたなら そりゃ、───……驚きもするもんだろう。)
……ブルースカル、ってのは。 ブルースカルバッジなのかねェ。
──レアグレードで取引されてるってのは、 さしもの僕でも知らなかったが。 ………此処最近のもんなのかね?
[王も妃も持つどころか、 目にした事は無かったとは言え。
その蒐集率と知識は、 マブスラ界でも「先生」と呼ばれる程──っ、 ……なんて、のちの二十数年では黒歴史のように 封印されてゆく閑話はみるみるうちに割愛されるのだが。]
(270) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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……しかし、4つ、ってのは。 ───ちょいと、重いな。
[不確かな推測だけでおいそれ、と 差出せるもんでは無いのは百も承知。
但し、仮に──。 ミッションに関わるたぐいであったとしても、 こればかりは他の参加者に頼れるものでも 無いように思えた、もので。
最初の狐を従えていた彼に貰ったもの、 アイドルとプロデューサーの関係の重要性(?)を 教えてくれた彼に貰ったもの、 それから昨日──三ヶ峯くんに貰ったもの。
かれがもうひとつ獲得しているとは知らないから、 懐から取り出したそれらをじゃら、と見下ろして。]
(271) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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……どーっすかねえ…。
[なァ、と、きみを振り返る。 名残惜しさにショーケースを振り返るすがたは、 一喝だとか、宥められれば引っ込むもんだが。
(普段ならそれこそ、 一も二も無く、諦めるような──。 節制の美徳で在ろうと思う振る舞いは、 諦念を盗られた我が身のうちで ”諦められない”執着に、邪魔をされる。)
──そうでも無ければ、 ゲームだとか玩具のたぐいを前にした子どもが 親の強請れずに渋るような気分で、ちら、と ……時折きみのほうを見て居たかもしれない。]*
(272) 2017/06/16(Fri) 14時頃
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(>>275 きみの目には冷静に見えたと言うんなら、 そりゃァ光栄と言うか…良かったと思うもんだが。 至極振る舞いを然う務めただけで、 内心はおっかな吃驚だった、と言うのはなァ…。 ──ひとり、心の奥に潜めて置く事だ。)
……嗚呼、そんな話も聞いた気がすんな。 でもまァ、あの熊より大きく成れるような 都合の良いサイキックもねえなら…。
(308) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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何より、 ”逃げるが勝ち” ──ってね。
[狭い壇上でも無ければ、 後ろ向きに奔るなんて素人には難しい事。 「……その通り。」なんて、きみの無駄話に付き添う 相槌もまた無駄口なんだろうが、ついつい口が乗る。]
(……嗚呼、そんな状況でも無えのになぁ。 きみとのこう言う遣り取り、ってのも なかなか如何して、好きなもんだから仕方がない。)*
(309) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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─ 3rd day / トランジハウス ─
(>>276 きみの気遣いのような誘いに 悪いと思い乍ら、つい、と好奇の華を咲かせた。 思われているる事の一端くらい、 常なら分かろうものなのに、留まるのを忘れていた。)
[なんせ、旧い付き合いのきみ為ら。 僕の収集癖を知っていると思っていたから、 それを知ってて言ってくれているのだと思っていた。 だからこそ、問われないのなら、由も理由も、 省いて仕舞う、と言うもので───。]
…… 流石にレプリカだろうけど、なァ。
[>>#5>>#6老兵の語る知識程では無いとは言え それなりには知る目がケースの中を撫ぜるうち、 きみを置いていきぼりにしてるのを知るは少し後。]
(310) 2017/06/16(Fri) 19時半頃
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(……それでも、 きみにくらいしか見せられない幼さを、 如何思われているかなんて、分からない儘。) あ……っと、きみは詳しく無かったよな。
[>>277 宝石の輝きにも似たそのバッジに 謂れにも通じる事を感じとったのなら何某か、 それこそ歴史を語りでもしたかもしれないが──。
気恥ずかしげにはにかめば 硝子箱から離れた手は、癖のように髪束を梳き 呟き混じりに対の、”妃”の話を掻い摘んで話してから、]
(311) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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(……店主への問いに少なからず滲んでいた、 >>278"我”に黙られていたと知りゃ羞恥の色に 紫花から青も抜け落ちて、 赤く染まろうよ、と言う処だったろうが───。 黙されれば、秘するもの為れば。)
……だよな。 然し、このバッジ、何だと思えば。 まっさか、マブスラの為のもんだとは…。 ……思わねえよなァ。
(※そうとは限りません。)
[>>281 惑いも呆気も、ある程度理解があるからこそ。 困惑すらも仄かに薫る程度のきみの吐息と云うのは、 想像に難くに無いわけで、にがわらいひとつ。 掌に並べたうち、小さな青のひとつを摘んだら、 「これがなあ、」と外円を指の腹でなぞって居た。]
(312) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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[きみの中の”先生”の像など、 こんな内面を識るたびに崩れてゆくばかりだろうに。 然れでも、心内で敬の称を留めていてくれている事を 知らないからこそ、疑念の程を積み乍ら──。]
(『……まあ、確かに軽いものではないよな、』)
[きみのその言葉に、分かっちゃいたから。 ミッションに確証があるかも分からないような、 こんな軽い、掌の上のバッジのような重さの其れと、 天秤に掛けたうえで、きみの判断に任せようとした。]
(僕だけでは、諦められないような。 持ち前の”狡さ”ってやつで振り返ってさ、 …さすれば、叱りつけてくれると思ったのさ。)
(315) 2017/06/16(Fri) 20時頃
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[ ─── ……なのに、]
………… 、
( きみが、この身の中の幼子の部分を、 甘やかしなんぞするから。 ) ─── いい、のか?
[>>290引っ込められた驚嘆の代わりに、 驚いたのは、まんまるに縁取られた黒玻璃の方だった。 袂の下に潜められていた、残り一枚を駄賃のよう、 広げた掌の上の青いバッジの海に積まれれば、 涼やかに打ち合う音色がする。
口にせずとも、自分が強請った事なのに。 唖然としていたかんばせは、噴出されようものなら 我に帰って、耳元迄、朱に染まった。]
(317) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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(……笑われちまった。)
───、… えっと。済まねえな…。
[>>290其処で漸く、──。 随分と自分が子どもっぽい事をしてんな、だとか。 割り切れない自分の性質へ、不可思議を抱いたふうに 首を傾げ、それから、……罰の悪そうに頰を掻く。
が、それも、 きみの手で乗せられたひとつを大事そうに 握り締めて、店主の方にからん、と踏み出す迄のこと。]
……でも、 有難う。
(ふふ、と、掌から浮かせた瞳できみに笑いかけた。)
(318) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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[背中を押されるようにして、 から、と、もう後名残る事も無い一歩を踏み出せば。
(……また、集めりゃいい事だよな。)
きみの優しさに、 恥じる事の無い働きをしてえもんだ、とさ。 思い乍ら、4つの青をショウケースから取り出される アンティーク・ゴールドの燦きと換える。 白熱灯に照らして、嬉しそうに微笑んでから──。]
……臆。 ひとの集まっているところなら、 なんか分かるかもしんねえしな。
特に本当に、 この王様の対となるバッジ関連だってんなら、 マブスラーの方が詳しいに違いねえだろうし…。
(320) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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(但し、”届ける”…ってからにゃあ。 まことそうなら、渡さなきゃなんねえのかな?と 思えば、複雑な独占欲が出てくるのを引ッ込め。
>>291噛み締められた笑みのもう隠れた横顔に、 未だ気恥ずかしさの残るかんばせは、 仕切り直すように開いた扇子の音と影に隠す。)
[───臆、扇子、ってのはほんと、便利なもんで。]
(321) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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[”王様”は、 袂じゃ落とさねえか怖かったからこそ。 丁重に帯の隙間に挟めば「行こうか」と声を掛けて、 その儘、きみが声に出した公園に向けて──踏み出す。
(そうやって、 「公園だな」なんて会話してたもんだから。 次にトランジハウスで”鎧龍王”を求めるものが 居れば、店主から持ち主の所在は自然、 …耳に入るかも知れない。)
────尚、熊の次に潜む鮫が居る事なんてのは、 >>291無論のところ未だ、存ぜぬところである。]*
(323) 2017/06/16(Fri) 20時半頃
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─ 3rd day ・浄玻璃公園近く ─
[九想屋近くまで惹きつけられた、 >>285>>@13神聖なる場を守護するサメ達も 少年を見失い、時間が経てば──戻って来るもので。
怒れる熊の居場所を避け、自然と北上した先。 人鳥とも、狐とも、幸か不幸か出会うことのなく 公園ももう、黒玻璃の目の前にするところ──、
───……だったのだが。]
………だから、なんで、なァ…。 百歩譲って陸の生きもんなら分かるが、 サメなんかが居るんだ…?
(350) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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(「熊と鮫で潰しあっちゃくれねえのかね?」
夢の雑音大決戦なんてした日には どっちが勝つんだろうなァ、なんざ。 ぐるぐると廻る4匹の鮫を前にして考える事じゃあ ないにしても、浮かんで仕舞えば致し方無い。)
[戻って来ていたのは4匹のうち3匹。 とは言え1匹や2匹なら如何にかなるとしても、 こう、数の積み重なると面倒なもんで───。]
(……逆にこと、対数に置いては。 僕のサイキックってのは真価を発揮する”筈” なんだが、未だに掴みきれてねえってのは きみと同じところで。)
[手に扇子を抱いた儘、呆気に取られる事暫く。 公園に出る影やら、往く影が見えたのであれば、 おや、と瞼肉を開ける事くらいはしたもんだが──。]
(353) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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……因幡の兎みてえに渡れるんでもなきゃあ、 駆除しねえといけねえのかね。 害獣…ってか、人喰い鮫なら致し方無し、だが…。 さっさと渡れるようにした方が、早えかな。
[ぱん、と、扇子を開く。]
” 單蓑直ちに入る 虎狼の窟 一匕深く探る 鮫鰐の淵 ” ──。
[此度藤花に連れられて 踊るは、十二の短刀。
(亦、だ。何時のような虚脱感を 踏み耐えるようにすれば、踏み出した足鳴り、 逆さ手で抱えた袖毎、袂扇は上から下へと ひら、と───滑り、食らうように舞い降る。)
浮遊した劔に誘い出されるように此方を向いた鮫達の、 開いた口の中に釘打つように、地と顎を縫い止め──。]
(360) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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[三の鮫に、四の杭。 大地に見事、楔を作れたの為ら、 安息と共に「今のうちに渡っちまおう」と きみに話しかけ、と、と、往く。
かすかなふらつきを隠すように、 下駄の前のめりにへと変えて。
鮫が痞えを喰い千切る前に、 早早と公園の敷地内へと跨ぎ、転がりこもうとすりゃ ───果たして、先客は幾許か見えたものやら。]
(”見た事のある姿”でも無きゃ、 こうも、密度を濃くしてゆく熱狂の中だ。 参加者とは容易に気付けねえものだろうが。)*
(364) 2017/06/16(Fri) 22時頃
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─ 浄瑠璃公園 ─
[バッジを手に入られた嬉しさは 店主の声と周囲の子どもたちの声に引き戻されて、 どっちかって言うと気恥ずかしさのが勝り乍ら。 >>#18『お殿様みたい』だなんて囃し立てには、 「大袈裟じゃねえか?」と苦笑いしてたのも先刻迄。]
(>>@56 足止め──と言うよりは、 足の無い鮫なんかには口止めってのが 正しいかったかも知れんが、──其れはさて置き。)
……──対になる、は兎角良いとして。 老兵、ってのは如何やって探しゃいいんだろうな…。
(407) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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(扇を持つのと逆さの掌で、 手に入れた『鎧龍王』を摘みあげた時──だった。 >>398ばさ、と聞こえる羽音と共に上げた瞳玻璃は、 自然と浮かんで──……何か、こっちを見てるような。)
[(気の所為なら良いんだけどなァ…。)
掻き立てられるような不安は、”いきもの”としては 違う刺青めいたシンボルの格好で殊更。 と、と、情報を集めるほうが先決だ、と踏み出した足で >>406空を仰いで、カラスを見たかと思えば、 >>410象られた指鉄砲、>>413ぼとぼとと落ちる、 グロテスクに二度程瞬きしてから、 その周囲の影を認めながら──。]
(414) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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───……きみ、…ってか、 きみらも参加者か?
(から、と下駄を転がして。 昨日”きみ”と会った少年だとは思わねえで 「ちょっと訪ねてくる」ときみから少し離れて、 その明るい髪の少年に声を掛けた。)*
(416) 2017/06/16(Fri) 23時半頃
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(……山に帰るどころか、 足をぼとぼと、と落とす様にゃあ、ちょいと。 可哀想になると言うか──。 烏が帰るのに必要なのは 翼だからいいのかもしれねえが、 …いや、よくねえ気もするが。) [>>419 至極真っ当な突っ込みを小耳に挟みながら、 ”それを”我が身に向けられる事なんか微塵も考えない 男は、ミッションの事でも聞けりゃあいい、と 軽い気持ちで近づいたのであったが───。]
(433) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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[……もうひとつ、──ぱち、と瞬いた。] [ふたつの単語が噛み合わない感覚は、 まるで、不揃いの歯車のようだ。]
(亀吉、なんて苗字がそこらへんにあるもんとは 思ってはねえから、瞳に戸惑う彩を載せた。)
……あ? 亀吉、ってえと…、輝久の事だよな…? 相方で友人ではあるが、…先生、ってなんだ?
(──然う、揺らぐ心辺りの一辺も無いのだ。 盗られたもんが時だと思っても、その時の中の記憶が 容易に想像つくようなものでも無いからこそ、──。)
(436) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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[ほんとうに心当たりが無いのだと、首を傾ぐ。 >>432それと言うのも少年の紡いだ次句で 気恥ずかしげに眉を垂らした。
如何返していいか悩んだ唇を扇子の影に掛けて、 照れを誤魔化そうと、扇をはためかせる方に 転ろり、と意識も傾ぶくもので。]
………ええと、なんだ。 その大仰なのは、褒めてんのか? 何処にも居るレベルだと思うんだが、 ───ええと、…。 (「輝久のが綺麗だろうよ、」と。 困り調子を仕切り直すように、扇子の内側じゃ 咳払いをひとつ、こなしたもんだ。)
(443) 2017/06/17(Sat) 00時頃
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……嗚呼、そうだ──。
(『きみも、ミッション見てんだろ。 「老兵」とかについて知らねえか?』)
[そう二、三、と問いかけようとした時だった。 >>424張り上げられた声に思わず振り向けば、 結った黒髪が空を薙ぐ。
(直前、聞こえた>>445問いの応えだとか、 他人の空似だとか、苗字がおんなじにしても 似通い過ぎた”偶然”ってのに覚えた違和感は、 問い正してえ気分と気持ち悪さごと、飲み下した。)
序でに烏の残党がこっちを見てたのにも 気づいたもんだから、「──臆、あれか」と 老爺と少年の方を見初めてから、──。]
(448) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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……狐は好きだが化生ではねえよ。 それに、八尾比丘尼ってのは女だろうし、 ──僕に血を啜る趣味でもあるように見えるかい?
……悪いが、ちょいと待っててくれ。 先にミッションの方を何とかしてくるよ。
[如何せん、 長かったリミットも僅かになり始めた掌を ちら、と仰ぎながら急ぐように 人混みの向こうに見えた老爺の許へ下駄を翻す。
>>439少年とは別に 昨日見た顔があって亦、見開き。]
(450) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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(>>454 序でに聞こうと思ってた情報が聞けりゃ、 ”名付け親”ってのに迅る気持ちは人前なもんだから 押し殺して、礼を告げ。
応えの代わりに、 掌の中の煌めく黄金色をかれらに翳しゃあ、 「行ってくるよ」とひとつ、手を振った。
───それからだ。)
(457) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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……その子、ロイ君の連れかい?
[>>424>>439 老爺にバッジを差し出される迄を、 見守っていた少年より殊更幼い見目の子に 「──小せえ子が多いんだなァ」とぼやきひとつ。
ばっちり『銀鷹妃』って単語は聞こえてたもんだから、 僕の推測ってもんも大凡いけてそうだ、と 相変わらず呑気に構えてたのは心隅。
──掌の名残惜しさはかれと同じ乍ら、 逡巡は黒玻璃の中に閉じ込めて、ロイ君と老爺に アンティーク・ゴールドの輝きでも見せようか。]
(458) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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これ、──『鎧龍王』も必要でねえかな。
(老兵ってんだから、 老爺──と思っていたが。
よく見りゃその存外若い、その初老の紳士に、 必要であれば、「鎧龍王」も差し出そうか。)*
(460) 2017/06/17(Sat) 00時半頃
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[>>459>>464 ぎらついた目を光らせて舞い降りる略奪者たちを 祓おうにも、如何せん男のサイキックは大振りだ。 だからこそ、──察して食い止めてくれるかれらに 「有難う御座います」と、深、とした礼と共に 振り返ったのは、ひとたびだけ。]
───へえ、 彼がニッキー君か。 …嗚呼、僕はね。藤宮竜胆。宜しくな。
[下駄を転がした先で会った彼に、 >>463紹介された、かれのパートナーに にこやかに微笑んでから──輝いた眼差しに気づいた。]
(470) 2017/06/17(Sat) 01時頃
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嗚呼、──こう言うのってのは…。 浪漫、だよな。
……やあ、友人が優しくて。
(先刻の少年の。 僕が知る”亀吉”のかれじゃない言葉を聞いても、 輝久の影を祓う事が出来ない儘、髪束を梳く。)
[はにかみ調子に肯定を載せたなら、 >>463近くで見ようとする視線は拒まずに ほんの僅かの間で見せてあげてから、
───>>#10老兵の掌へ。]
(475) 2017/06/17(Sat) 01時頃
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(落ちる涙粒の静寂の間を、 >>#21追憶のよに嵐の熱狂が駆け巡りッ───…)
[ほんの僅かに、 「高い買い物だったが好い事をしたなあ、」と 老兵の涙と(…と、自分の我欲から、だ。) 目を逸らすように、未だ熱い戦場を見──。
( ……序で、掌を見る。 )
赤いリミットは失せていた。]
(478) 2017/06/17(Sat) 01時頃
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[然うして、視線を戻した時。 老兵の顔は、バッジを手渡す前と同じ表情に戻っている。 男はその辞句を聞けば>>#22「いえ、」と、 ふわ、と笑んで───。]
……では、有り難く。 あなたも如何か、お気を付けて。
[>>#22返された「鎧龍王」と、 手渡されるバッジの所在如何したものか、と見つめた。]
───あっちに居るひとたちも、 今し方世話になったし、渡していいかい?
( そう言って、くい、と 食い止めてくれていた彼らを見遣る。 )
(484) 2017/06/17(Sat) 01時頃
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(自分達と、残り3人の3組分を取って。 この場に居たもうひと組みの事は未だ知らなかったから、 2つロイ君の掌に落として行こうとしたが、──扠。 最低でも2つは、彼方の礼として貰っただろう。)
[───斯くして、亦、下駄を転がし。 再び先刻の三人の元へと戻ったときには、 先ほどの茶色髪の少年へとひとつ。
それから、大柄の──”今”は年上に見える男性へ、 「有難う御座いました」と軽い頭礼と共に。 青いバッジを惜しむでも無く、渡したのだった。]
(488) 2017/06/17(Sat) 01時半頃
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(……然し、”長く生きて”、──なァ。 ) (裏、今や>>#22死人の心地の無い儘、 良心も皮肉のような言の葉に曖昧に嘲し半分。)
[───それから。 未だ烏の残党が居れば手伝おうか、 と 扇を閉じたものだろうが。]
(気は、先の話。>>445)
……そんで、先の事で悪いんだが。 その榴斗君、ってのが22歳、っての迄は良いが…。 …まさか、袴を着た白銀の髪の、か?
(496) 2017/06/17(Sat) 01時半頃
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(>>489 少なくとも少年のほうは、 ひとつで納得してくれたようすであるのに 安堵半分。
───何処かで違ってくれ、と思うこころは。 未だ何なのか、擁、とも知れず。)
[……時が失われたのであれば、失われた時だけ。 それこそ、SF小説のように時間旅行でもしてない限り、 溢れた時計砂がある事をすっかり忘れた事を、
───臆、卑怯者は、見て見ぬ振り。]*
(500) 2017/06/17(Sat) 01時半頃
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[>>514>>516 赤茶の髪の少年に話す折 きっと彼らとは違う”参加者”だろう──、 その前髪で年こそ分かり辛いものの、大凡は壮年の。
彼にバッジを差し出そうとした時、 その、上背のある髪簾の奥から降ろされた 視線に、確かに躊躇いなんかは会ったかも知れない。
だから、素直に男は。 見透かされたようににがわらいを浮かべた。]
(でも、それはね。 自分本位、ってよりは…。)
(522) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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まァ、…僕よりも。 友人に重いもんを支払わせちまったのは ありますけど、ね。
(矢張り何処かで、”きみ” ──一蓮托生の友人にも支払わせた、と言う 負い目もまた、あるからで。
それでも、>>2:571きみが昨日嗚呼言ったように。 きみだって、この場合こうするんじゃねえのか、と 思うからこそ、ひととしての仁義を果たしたい。)
───善いんですよ。 きっと、かれも同じように思うでしょうから。 その代わり、……って言や、何ですが。
(524) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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斯うして会ったのも何かの縁。 また何かが有りましたら───、 互いに助けあえりゃいいな、って思うんですよ。
……生き返ろうにも、先ず、 生き延びなきゃ意味がねえでしょうから。
(そう言って”交換条件”と呼ぶには、 野暮ったいそれを付け添えながら、ね。
改めて、「受け取って頂けますか?」と。 命を計るには軽い青を掌に載せ、差し出した儘 ゆる、──と、肩に垂らした黒髪毎、揺らした。)
(525) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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林口さん。 僕は藤宮竜胆です。
……噺家、かァ…。 格好は確かにそれと似てるかも知れませんが、 話はとんとうまい訳では無いもんで。 家は剣舞の役者の家系ですが、ね。 自分は、……。
(一瞬、惑った。僕の知らない ”きみ”が居るかも知れない可能性に、 己の知らない”自分自身”が居る可能性が混ざって、 ──臆、でもな。 今は、確かに違うんだ。)
……違えかな。
(527) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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[浮かべられた、 きっと彼が”見覚えた”かもしれない記録に 当たる記憶も無い儘乍ら。 >>516それを口にされもしないからこそ、
──曖昧な笑みを確かに変えて、嘯いた。]*
(530) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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