237 それは午前2時の噺。
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[君が、そう、彼女が若くして重要なポストにつき、多忙な日々を送っているのは重々承知している。今日は定時で上がれそうだと言っていたが、急な仕事が入ってしまった可能性もあり得るのだ。しかし、それなら一言くらい連絡をくれてもいいはずなのに、私の携帯は微動だにしない。 今日に入って、いったい何度メッセージチェックをしただろう。スマートフォンの無料通話アプリを開いて、トークルームを表示してみるが、返信どころか既読すらついていない。
『くみた、お疲れ♪ 仕事忙しそうだね。大丈夫(._.)? しばらく会えないって言ってたけど 今日は定時で終われるんだよね?? くみたの職場の近くにある喫茶店、 キャットっていうんだけど知ってる? 今日の5時にそこで会えないかな(*´∀`)? 久しぶりに会いたいな(^-^) ちゃんと会って話したいこともあるし… でも忙しかったら無理しないでね(>_<) あと、困っていることがあったら相談してね? 俺でよければ力になるからさ! じゃあ喫茶店で待ってます♪』
何故だ。]
(1) 2018/03/23(Fri) 02時半頃
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[メッセージを送ってから8時間以上も経つ。その間一度も携帯をチェックしないというのはあり得るのだろうか。通知を見逃して気づけていない可能性はあるが、ここまで反応がないと、良からぬ考えすら浮かんでしまう。 不安定に浮いたままの気持ちを落ち着かせようと、足を小刻みに揺すってみたり、顔を撫でてみたり、カフェオレを飲んでみたりしたが大した効果は現れず。それどころか、少し離れた席にいる閑談中の主婦たちに変なものを見るような目で見られてしまった。うるさい。放っておいてほしい。]
くみた……
[念のため、もう一度だけ窓の外を見る。が、やっぱりいない。もしもの事を考えると居ても立っても居られず、私は追撃のメッセージを打ち込んだ。
『くみた、お疲れ! 今喫茶店で待ってるんだけど、 まだ仕事中かな(-_-;)? もう少しだけ待ってるね〜 カフェオレも飲みたいし(笑)』
送信ボタンをタップする。届け。電子の紙飛行機になって、くみたの元へ。]
(17) 2018/03/24(Sat) 03時半頃
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[だが、私の祈りも虚しく、返事が返ってくることも既読がつくこともなかった。私はマーを鞄にしまうと、会計を済まるため席を立った。こちらを窺っていた主婦たちの姿ももうない。最後に私の方へ一瞥をくれて、とっくに帰ってしまった。彼女を待つ間、追加注文したカフェオレ計三杯の代金を支払い、深い溜息と共に店を出た。気づけばもう空は薄暗く、帰宅する人影も疎らになっている。 もう、行こう。結局、三杯のカフェオレを飲み、警戒の視線に晒されただけで終わったが、まぁこんな日もあるさ。]
(18) 2018/03/24(Sat) 10時頃
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[諦めと落胆を抱えて、閑静な住宅街を歩く。時々、暗闇に浮かぶ小さな灯のような微かな期待が瞬いて、ポケットの中の携帯を振動させる。もちろん、そんなものは幻覚でしかなく、メッセージを確認したところで、無駄に充電を減らすだけでしかなかった。 彼女のことで頭が一杯だったせいで、私はもう一人の女の存在に気付かなかった。そして、それに気づいた頃にはもう、家はすぐ目の前だった。]
……ぬ?
[ふと立ち止まって振り返った。家の窓から漏れる照明以外に、人の存在は感じられない。さっさと前を向いて家まで行けばよかったものを、私は好奇心と違和感から目を凝らしてしまった。 距離にして60mほど、迫り来る夜の闇に溶け込むようにして、その女はいた。ベージュのトレンチコートにスニーカーという出で立ちが、淀みもなく、こちらに向かって歩いてくる。女が、等間隔に配置された街灯の下までくると、その姿はより鮮明になった。くわっと口を大きく開けていたのだ。あんぐりー女だ。]
(45) 2018/03/24(Sat) 23時半頃
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[気づいた瞬間、心臓がプレス機で圧縮されたかのように縮こんだ。私は恐怖に支配された。女が視界から消える恐ろしさを抑え込み、前を向く。その場からとっとと逃げ出したい気持ちで足を動かすのだが、走るまでには至らない。別に歳だから走れないというわけではない。そこは馬鹿にしないでもらいたい。私は心の何処かでこう思っていたのだ。「お化けなんているわけない。何を怖がっているんだ恥ずかしくないのか」と。この場において、ありもしない世間に目が足枷となって動きを鈍らせていた。頭の中では、マーの記事やカフェオレ、彼女のことが超高速のメリーゴーランドのようにぐるぐるしているというのに。 急ぎ足でマンションに駆け込むと、少しは心も落ち着きを取り戻し、冷静に物事を考えられるようになった。あの記事は言っていたじゃないか。あんぐりー女は“実在した”と。お化けではないのだ。仮に実在したとしても、生身の人間ならいくらでも対処法がある。こっちは脂の乗った30歳だぞ。馬鹿馬鹿しい。]
(48) 2018/03/25(Sun) 00時頃
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ふふっ……
[喉奥まで上がってくる文句は、元マーの関係者だったとは思えないものばかりで、つい笑ってしまった。 部屋は4階の角だ。いつもならエレベーターを使うのだが、今日は運動の目的も兼ねて階段を選んだ。エレベーターは、まずい。]
(49) 2018/03/25(Sun) 00時頃
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[こんなに一生懸命に階段を上ったのはいつ以来だろう。学生の頃、遅刻寸前で階段を駆け上がったのが最後のような気がする。動悸が激しい。日頃の運動不足を実感させられる。結局、あの女どころか、誰一人ともすれ違わずに部屋まで辿り着いた。隣のドアから、微かに子どもの声が漏れてくる。夕食中なのかもしれない。温かい気持ちになると同時に、切なくなってしまうのは、きっと彼女との未来に不安を抱えているからかもしれない。 鞄から真新しい鍵を取り出すと、鍵穴に差し込んだ。ドアを開き、中へ入り、閉じて施錠をする。ホラー映画のように、閉じる直前に手を挟み込む妨害を受けることもなく。家の匂いに安心したせいか、どっと疲れが溢れてくる。]
ただいま
[返事はない。以前なら彼女の声が聞こえたのだが、今日は静かだ。仕方がないとはいえ、やはり寂しい。鞄を適当な場所に置くと、風呂場へと向かった。今日の疲れを全て洗い流すには風呂しかない。]
(50) 2018/03/25(Sun) 01時頃
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[抜け毛一つない綺麗な風呂場を水浸しにしていく。ローズアロマのボタニカルシャンプーをいつもよりマシマシで手にとる。こういう嫌んなっちゃう日には、泡だらけにして洗うのが、いいストレス解消になるのだ。ボディーソープはラベンダーの香り。頭の先からつま先まで花の香りに包まれるが、明日になる頃には全部消えているのだから不思議だ。彼女には残るのに。綺麗にまとめた長い髪を解いたときにふわりと舞う香りは、女の子だけのものらしい。 体を洗う間に溜めておいた湯船に、アメリカ生まれのアイスクリームのような、色鮮やかなバスボムを投入する。しゅわしゅわと気泡に包まれていると、彼女と入ったラブホテルでの出来事を思い出す。彼女が先に風呂へ入ったのだが、妙にはしゃいでいるので、何かと思い覗いてみたら湯船が泡だらけになっていたのだ。『きゃーえっち!』なんてテンプレートな台詞が飛んできたのが、昨日のように感じられる。]
出よ
[心も体も充分温まった。ゆでだこになる前にとっとと退散だ。]
(51) 2018/03/25(Sun) 01時頃
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[彼女がいれば、タオルを巻いて出るところだが、今日はフルチンだ。適当に水分をとっただけの、生乾きの髪のまま部屋をうろつく。開放感が半端ない! ──何やってるんだ私は。こんな変態じみたことして楽しんでいる場合じゃない。湯冷めする前に部屋着を探す。フリルのついたシルクのパンティーに、薄手のハーフパンツ。もう春も近いので多少薄着でも問題あるまい。上の方はTシャツにターゲットを絞ってタンスを漁ると、これまた懐かしいものが見つかった。彼女との初の海外旅行で、浮かれて買ったペアTシャツだ。「楽しいハンバーグ」と日本でプリントされたTシャツなのだが、イラストはハンバーガーという微妙なミスマッチがウケた。]
くみた……
[脱ぎ捨てていたズボンから携帯を取り出して、画面を開くが、相変わらず未読のまま。髪を乾かしたら、もう一度だけメッセージを送ってみよう。]
(59) 2018/03/25(Sun) 02時頃
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