88 めざせリア充村3
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
7日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
― 実験室 ―
[最後の二人の有様を写したモニタを、 そこに何も浮かべなくなってからも じっと見つめていた。
鳴り響いた電子音を聞いても、 少しの間はその場から動けなかった。
それでも、 濡れた目元や頬を手で拭い、 横たわるカプセルの傍へと近付き。
眠ったままのソフィアの顔を覗き込む。]
(5) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃
|
|
…ソフィア。
[小さな声をかける。
そうしようと決めていた通り、 ちゃんと、微笑って。]
(6) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃
|
|
……おかえり。おはよう。
[まだ悪夢と現の境界を彷徨っているのか、 ぼんやりとした様子のソフィアに 浅く肯いて見せる。]
夢…、全部…悪い夢だったんだ。
悪夢めいた虚構の世界から戻っておいで、と、 ソフィアの身体を抱き起こそうと。 説明は後回しで。
今はただもう一度だけ ソフィアを抱き締めたい。]
(8) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃
|
|
戦場でしたように 彼女の頭を胸元に抱き込む。
生きている事を、 確かな鼓動を彼女に伝えようと。
ほんの短い間そうしただけで すぐに腕は離して。]
ありがとう、ソフィー…… 俺は、君に救われた。
[―なのに、ただ苦しめるだけだった。 ごめん。]
(12) onecat69 2013/07/06(Sat) 04時頃
|
|
[抱いた頭をゆるく撫ぜて。
あの悪夢の中でずっとこうしたかった事、 それはきっと叶わないだろうと諦めていた事、 最期に会えた刹那の喜びと、 遅すぎたんだという絶望が蘇る。
最期に向き合った彼女の顔を思い出し。 朝焼けの中の彼女の姿を思い出し。 もう二度と、あんな顔はさせたくないと、 あんな未来を歩ませたくはないと切実に願う。
離れる間際の震える手に触れ、 かわりに彼女の目元を指先で拭う。]
あの夢は…戦場は、ひとつの可能性なんだと…―
[それからようやく ナユタとミナカタ先生から聞いた説明を、 ソフィアへも。]
(16) onecat69 2013/07/06(Sat) 14時頃
|
|
今は、…な。
[明日はどうなるか解らない。 大切な物は唐突に失くなってしまうのだと 虚構の戦場へと続く道すがら知った。
だから今この瞬間だけは。 ソフィアの目元を撫でる指先に 持てる限りの優しさを込めて。]
みんな、一緒に居るよ。 ………会いにいっておいで。
[笑ってくれる彼女へは、 努めて穏やかに笑うまま肯いて。
チアキのカプセルの電子音が鳴ったのは きっとその直後。**]
(19) onecat69 2013/07/06(Sat) 15時頃
|
|
― 実験室 ―
[ソフィアの眠っていたカプセルに腰掛け、 周囲の様子を眺める。静かに。
チアキのカプセルが開いてからの様子には 眉を寄せて吐息を落とすものの、 あの惨状の中で“演じた”俺と彼の“役割”を思うと 声をかける事は躊躇われた。
立ち上がり、 ミナカタ先生の傍へと。
傍にはポプラも居るだろうか。 二人へ向ける目は、 悪夢の中で戦場を見つめていた目よりもずっと、 冷たく、暗い。]
(40) onecat69 2013/07/07(Sun) 01時半頃
|
|
[改めて向き合う懐かしい顔。 雪の中、最後に見た顔と変わらない。
ミナカタ先生が生きている事に安堵し、 すまなかったと詫びるつもりは無い。 それでも、良かった、と そう思ってしまうのは仕方なくて。
奥歯を噛み締めて 険しい表情を保つべく努める。]
恨むよ。……先生。
[間近に立ち、向けた言葉は語尾が震える。]
(42) onecat69 2013/07/07(Sun) 01時半頃
|
|
[実際のところ、 ミナカタ先生を恨むのもお門違いだと 頭のどこかでは理解している。
それでも。 先生の胸倉を右腕で掴み、引き寄せる。]
たまたまでこんな気分にって…最低だ。
嘘でいいからだ、 「お前じゃないとダメだった」とか 言われる方が、まだマシ。
[そのまま、 ミナカタ先生の額に頭突きを一発。 ゴツ、と鈍い音。勿論、俺も痛い。]
これで許してやる。
(47) onecat69 2013/07/07(Sun) 02時頃
|
|
[やっぱり俺も痛かった。
額を擦りながら ミナカタ先生を見る涙目からは、 「許す」と言い放った言葉の通り 既に険しい色は失せていた。]
大人なんだからさ、 嘘のひとつも吐きなって。
[先生の心の内は解らないから、 彼の言葉をそのまま受け取って 少し不服そうに拗ねたように、笑った。]
(52) onecat69 2013/07/07(Sun) 02時半頃
|
|
[触れられる額はやっぱり痛い。
温もりは額から滑り降りて 頬を包んでくれる。 懐かしい温かさを感じてしまえば 思わずヒクリと肩は揺れるが。
一度の瞬きで込み上げる感情をやり過ごす。]
でも。大人は子供の嘘を見抜くのは下手だ。
[頬の手に手を重ね、 遠く感じる“あの日”の夜にしたように ミナカタ先生の掌に唇を寄せ。]
先生も……おつかれ。
[手を離して一歩身を退いて。 以前と同じ距離感よりほんの少しだけ離れた位置から、 もう一度、笑いかけた。*]
(58) onecat69 2013/07/07(Sun) 11時頃
|
|
さて。
[額の痛みもおさまったところで。 ミナカタ先生には頭突き一撃としたが、 この子にはどうしようか…と ポプラへも眼差しを向けた。
しばらく押し黙ったままポプラを見つめ。]
ポプラも、 ずっと見てたのか…? ずっと…あれを、見せてたのか…?
[あの悪夢を。惨状を。 そして今尚胸に残る悲しみと苦痛を。]
(77) onecat69 2013/07/07(Sun) 16時半頃
|
|
……おもしろかった?
[ちょっと意地悪な質問を落とすのは 少し、掠れた声で。
ポプラは、 何を思って見ていたのだろう。 何を思って見せていたのだろう。
確かにそれは知りたい事ではあった。
返答は何であったにしろ、 ポプラの眉間を指先で軽く弾いて。 仕返しは、それで終わりとしておく。]
(79) onecat69 2013/07/07(Sun) 17時頃
|
|
[項垂れるポプラの頭に掌を乗せ、 柔らかい髪をもふもふと撫で回す。
ポプラの作る沈黙には 微かな苦笑いを浮かべただけで それ以上は何も訊かなかった。
誰を恨んでもきっとおさまらない。 誰に詫びても謝罪されても終わらない。
今抱えるものは、 これから未来を塗り替える事でしか 乗り越えられないものなんだろう。
そう理解して、 今はただ深く肯くだけで。*]
(81) onecat69 2013/07/07(Sun) 17時半頃
|
|
― 厨房 ―
[チアキには声をかけられないまま、 実験室を後にして、 気まぐれに足を向けた食堂を通り過ぎて 今は無人の厨房へと。
何も変わっていない風景が、 妙に儚いもののように感じるのは 先の実験の名残なのだろう。
あの夢がどの程度の精度で描かれた未来なのか、 それはこの壁の中で生きる 無知な今の俺には解らない。]
……考えても、仕方ないか。
[きっと今の俺がまずするべき事は、と考えて、 珈琲を淹れる。 ミルクと砂糖をたくさん入れた甘い珈琲を。]
(89) onecat69 2013/07/07(Sun) 20時半頃
|
|
― 厨房→食堂 ―
[考え事をしながら、 時間をかけて珈琲を入れた。
ミルクを注いで掻き回しつつ思い出すのは 遠い記憶になりつつある とにかく薄く不思議な風味の炭珈琲。 炭火焙煎なら美味かっただろうに。
薄く思い出し笑いを零したところで 食堂の方から物音が聞こえて。]
……ああ。ソフィー。 今、会いに行こうと思ってた。
[出来上がったばかりの甘い珈琲を手に、 彼女へと歩み寄り。 湯気の立つカップを手渡す。]
(138) onecat69 2013/07/07(Sun) 23時半頃
|
|
ん、どうぞ。 …夢での三年の記憶の中には無くてさ、
[“あの日”約束したはずなのに、 ソフィアのため珈琲を淹れた記憶は無かった。 それがずっと心残りだった。気になっていた。
座る彼女の隣の席を選び腰掛けて、 やっと約束を果たせた事に安堵した。
カップに口を付けてくれる彼女を 横から真っ直ぐに見つめて。]
(143) onecat69 2013/07/07(Sun) 23時半頃
|
|
あのさ、
[しばらくは静かに見つめていたが、 おもむろに口を開き、]
(145) onecat69 2013/07/08(Mon) 00時頃
|
|
― 数日後・自室 ―
[昼食を済ませ、 自由な午後の時間を過ごしている。 ベッドに腰掛けて適当な本のページを捲って。
あれから。 戦場を彷徨う悪夢に魘される夜は続いているし、 チアキとはまだちゃんと会えていない。 実験の余韻が残る日々を送っていた。
本を閉じ、溜息をひとつ落としたところで、 扉を叩く音と声を聞いた(>>136)。]
どうぞ。
[もちろん施錠はされていない。 シンプルな返答で、ヤニクを部屋へ招き入れた。]
(158) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃
|
|
[閉じた本をシーツの上に適当に置き、 座ったままでヤニクを眺めた。 扉の前から動かない様子も、 どこか緊張した面持ちも、らしくない。
どうした、と笑って声をかけようとしたが、]
…………、
[ヤニクの言葉を聞いて、 彼を真っ直ぐに見つめるまま、黙り込んだ。
視線を重ねて、沈黙の時間を過ごす事30秒程。]
(160) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃
|
|
うん、あぁ……すげぇ可愛い。俺も大好き。 いい子だろ。リッキィ。
[沈黙を打ち切って。 朗らかに笑って、肯いた。
無邪気にシレッと兄の顔をして笑う俺の前で、 さて、ヤニクはどんな反応を見せてくれるのか。]
(161) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃
|
|
やっぱ、はぐらかされては…くれないか。 残念。
[確信犯は笑顔を消して、 かといって険しい顔をするでもなく、 常と同じ顔つきで改めてヤニクへと視線を。
「まぁ座れよ」とベッドを叩いて示し、 俺は適当に椅子に掛けなおす。]
俺は、何もしてやれなかったよ。 あの夢の中でも……現実でも。
そもそも、 こんなところへあの子を招いた原因も俺だ。
[はは、と零した乾いた笑い声が、響く。]
(163) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時頃
|
|
…………、
なんだこれ。すげぇ恥ずかしいな。
[更に挟んだ沈黙の後、 頭を掻きながら、複雑な面持ちを浮かべ。 深く呼吸した後に、]
妹を宜しく頼みます。 ……大切にしてやってください。
[深々、頭を下げて。 真剣な声で、はっきりとそう伝えた。]
(164) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時頃
|
|
ヤニクなら、いいよ。 お前になら俺の大切な“家族”を任せてもいい。
[頭を下げたまま床を見つめ、 深く息を吐いた後の言葉は強く。はっきりと。
言い切ってしまえば、 頭を上げて再びヤニクと視線を合わせる。
目にかかった前髪を描き上げつつの笑顔は、 先のような無理矢理な満面の笑みではなく 自嘲するような乾いた笑みでもなく。 自然に、穏やかに。]
(167) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時半頃
|
|
安心しろよ。 “家族”ってのは、奪うとか奪われるとか、 そんな単純なもんじゃねぇの。
俺は死ぬまでリッキィの兄貴で、 リッキィは死ぬまで俺の可愛い妹。 で……兄ちゃんてのは、 妹が好きな男の傍で幸せそうにしててくれるのが、 結構…嬉しかったりするんだよ。
[そこまで言って立ち上がると、 ヤニクの傍へと歩み寄り。]
……寂しいけどな っ、
[おもむろに、背中を思い切り叩いてやる。]
(168) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時半頃
|
|
[咳き込む様子には軽く笑ったものの。
下げて見せられたヤニクの頭に掌を置き、 そのままくしゃりと髪を撫でてやる。 これまでと変わらない容赦無い手付き。
もちろん、 これでヤニクと俺の関係が変わるわけもない。]
よろしく。 ………信じてるよ。ヤニク。
[多くは返さず。 様々な感情全部をその言葉に込めて。 深く肯き。
彼らの未来が明るくあるようにと心から願った。*]
(173) onecat69 2013/07/09(Tue) 00時頃
|
|
― 数日後・自室 ―
[ヤニクから交際報告を聞いた更に数日後。
その日もやはり昼食後の暇な時間を、 自室にて本のページを捲って過ごしている。 古びた絵本は、昔、妹によく読んで聞かせた物語。 診察室で同じものを見つけて 懐かしくなって借りてきた。
何度も読んだ気に入っている場面を眺め、 描かれた主人公の少女の姿を コツコツと指先で叩く。]
……開いてるよ。
[その音に重なるようにして聞こえた扉を叩く音。 もちろん鍵は開いていて、 訪ねてくる者を追い返す必要も無い。 気軽に声を返した。]
(184) onecat69 2013/07/09(Tue) 00時半頃
|
|
[返ってきたのは小さな声。 その後に開いた扉へと眼差しを向け、 そこに居るチアキの姿に、一瞬、身構えた。
彼の様子は逐一誰かから聞いていた。 記憶が欠落しているという話も、 まるで本物の子供のようになっている旨も。
それでも…否、だからこそ、会わなかった。
俺が、封鎖された記憶の蓋を 開けてしまうんじゃないかと。怖かったから。]
………何処へ行きたいんだ?
[開いていた本を閉じて傍らへ置く。 表紙には『Alice in Wonderland』と。
頭を下げるチアキに、 少し緊張を孕んで強張る声を返した。]
(199) onecat69 2013/07/09(Tue) 01時頃
|
|
[困惑してか視線を泳がせるチアキ。 その様子を見つめる俺の瞳も揺らいだ。
診察室へ行きたいならば、と、 少し迷った後に立ち上がって彼の隣へ。 道案内くらいなら…大丈夫だろうか。 これからミナカタ先生の所へ行くなら、 異変があってもなんとかしてくれるだろう。
近付いてみると、チアキはチアキのままで、 どこも変わっていない。 モニタ越しに見た彼の最期が脳裏を過ぎり 胸がギシ…と痛んだ。
それなりに、あの悪夢とは折り合いをつけて、 元のように暮らせるようになってきた。 でも、チアキとの時間は止まったままだった。 悪夢の中から、進めないまま。]
(211) onecat69 2013/07/09(Tue) 09時半頃
|
|
……知ってるよ、チアキ。
[知っているから、努めて平静なまま答える。 彼を見る目元だけが、ほんの少しだけ、険しい。 緊張ゆえにだ。]
ライジ。……俺の名前は、ライジ。
[名を教える声の調子もまた、同じく。 静けさの中で微かに張り詰める緊張感。]
(212) onecat69 2013/07/09(Tue) 09時半頃
|
|
アリス。 ……読んでやろうか?
[チアキの目線が本の表紙へ落ちる。 気紛れに訊いてみたのは、 彼の顔があまりに幼く見えたから。
返答はどうだったにしろ、 きっと俺は黙って肯いただろう。]
(219) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃
|
|
[二人分の足音だけを響かせ歩く廊下で、 唐突に質問を投げかけられて、瞬きを数度。
あまり積極的に答えたい内容じゃない。 実験にまつわる記憶の言語化は、 カウンセリングの時間だけに止めておきたい。
ふと見下ろすと、 チアキと視線が重なった。]
……死にたい気分、かな。
[最後の質問にのみ答えを返す。 言ってしまえば、二年半分の架空の記憶が溢れる。 溢れた記憶と感情に呑まれるように、
表情が失せた。]
(220) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃
|
|
[チアキの唇の動きは声無く問いかけてくる。
―― なんで?
変化の無い硬直した表情の中で、 じわりと瞳に暗い闇が浮かぶ。
―― なんで?こんなことに?
見えない何かに触発された傷口が開く。 そこから溢れるのは、 深く黒い虚構の記憶と絶望。
―― なんで?こんなことに?ここは何処だ?
ぐらりと視界が揺れた。]
(225) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
|
|
[深みに嵌りそうになる意識を、 緩く頭を振る仕草で引き戻して。
落ち込んだ風なりチアキを改めて見る。 幼い視線と言葉に肯いて、 少し、話してやる。軽い笑みを作って。
深い妄想の世界に堕ちたアリスの物語を。]
(226) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
|
|
ああ……、あれは、
[焦って走る時計うさぎは面倒事の中心へ向かい、 チェシャ猫は耳元でまやかしを説き、 アリスは狂った茶会に囚われる。 ハートの女王に追い立てられて、 トランプ兵は槍を血で染め戦場を走った。
仲間殺しの裁判にかけられたアリスは 結局どうなったんだっけ。
妹殺しの罪を背負ったのは誰だったっけ。
……話す途中で物語は大きく歪み、 “Wonderland”は焼け野が原に。
努めて穏やかな顔を浮かべたまま。]
(227) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
|
|
[廊下が妙に長く感じる。
このまま歩いても歩いても 何処へも辿りつけないんじゃないか。
目の前で笑うチアキの顔に かつての日常の中に在った彼が重なり モニタ越しに見た戦場での彼が重なり、 現実の輪郭が曖昧にぼやけていく。
穏やかな調子のままに語る物語は、 アリスが現実と妄想の狭間に落ちて 真っ暗な中でひとり微笑んだ場面で終わった。]
(231) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
|
|
[結局彼女は 何処へも行けず、何処へも帰れなかった。
頭の中に描いたアリスは、 チアキの顔をしていた。
その顔を見つめていると、 像は歪んで、 ひとり嘲笑う俺の姿に成った。]
(232) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
|
|
そう…ただの夢。ただの物語だ。
[―― 本当に?
そうでない事を俺は知っている。
頭で理解した“実験”という真相とは違う 記憶よりもっと深い場所に刻み込まれたものから けして目を逸らせないのと同じで。
子供の顔をして無邪気に笑うチアキから 俺は目を逸らせなくなる。
目眩がする。 白く点滅する視界に、雪の日を思い出す。]
(233) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
|
|
[影の世界で振り翳される鋏には気付かず。
明るく返事をするチアキの髪に指を絡ませ。 甘い手付きで撫でてやるのは、 かつての日常と同じ。
笑う顔も。
違っているのは――何だろう? 思い出せない。]
(245) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時頃
|
|
[食堂の前を通りかかって、 中へと入っていくチアキとはその場で別れた。
誰かに会えるなら、 俺が道案内をする必要も無い。
甘い香りと賑やかな気配に背を向けて そのまま、誰にも声はかけずに廊下を引き返した。
チアキと離れれば、 狂ったワンダーランドの物語は 頭の中からすっかり無くなっていた。*]
(246) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時半頃
|
|
― 半年後・冬の早朝 ―
[荷物は、小さな鞄ひとつに収まった。
朝から降る雪で白く染まりつつある中庭、 誰も居ない静かな食堂や談話室、 寄り道をしながら
良い思い出も苦い思い出も この研究所のあちこちの残っている。
半年前の“実験”で見た悪夢で ミナカタ先生を殺害した日と同じ日付の今日。 俺は、この研究所を出て行く事になった。
誰にも会わずに行きたいと、 昨夜のうちに、皆には挨拶を済ませてある。]
(280) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
|
|
[行く先は、 最近勢力を伸ばしつつある小国の軍。
“魔法使い”を兵器として活用するため 各所から使えそうな実験体を 買い集めているらしい。
―― もう、間違わない。俺は。
国へと向かう車に揺られながら、 車窓を流れる景色を眺め、薄く笑った。*]
(281) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
|
|
[研究所に報せが届くのはその翌日。
買い取った“兵器”を乗せた車は 落雷事故により横転し谷底へと落下。 運搬兵二名及び“兵器”共に死亡。 新たな商材があれば買い取りたい。
…そんな報せだ。*]
(282) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
|
|
― さらに半年後《トラルーニュ自治区》 ―
[着々と戦争の支度を整えつつある小国の外れ、 遊牧民族を中心とした独立自治区。 バラックが建ち並ぶ小さな土地を中心に、 俺は結局、“戦争”をしていた。
各国にじわりと広まりつつある不穏な気配、 “魔法使い”を使った争いの話も聞く。]
……殺すな、死ぬな。生きろ。
[自分の生きる道を拓くためにと 逃げ出してたどり着いたこの土地で出来た 新しい“仲間”にかけるのは、 あの“悪夢”の中に居た俺とそう違わない言葉。
それでも、何かが違っていた。]
(308) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
|
|
じゃあ、行ってくる。 またな。
[暑い夏の日。 半年を過ごしたこの土地を離れる。 戻ってくるかもしれないし、 もう戻らないかもしれない。
放浪の民の気質が根付くこの地では そんな別れは日常茶飯事で。
荷物は殆ど持たずに、軽やかに駈け出した。*]
(309) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
|
|
― 研究所から伸びる道 ―
[得た情報を信じて。 街道の真ん中に立って馬車を待つ。
遠くから聞こえる馬の蹄の音。 車輪がガラガラと回る音。
―― やっと、
馬車の行く手に、 目一杯の力で雷を落としてやった。 辺りに満ちる青白い光と、雷鳴。
土が抉れて道は断たれ、 怯えて慌てた馬は足を止めるか。
―― やっと、会える。ソフィー。]
(310) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
|
|
― 一年後の再会 ―
[光が失せた道中、揺らぐ馬車へと駆け寄る。
早く逢いたい。
急いた気持ちのまま、真っ直ぐに。
そこで見つけた。 焦がれた愛しい君の姿。]
(331) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃
|
|
ソフィア! ……迎えに来た。
[そして、彼女へと手を差し伸ばす。
手を取ってくれるなら。 共に来てくれるなら。 一緒に生きてくれるなら。
俺は、もう二度とソフィアの手を離さない。 何があろうとも。 どんな“悪夢”が訪れても。 どんな“未来”に呑まれそうになっても。
もう、間違える事はない。 ソフィアが一緒に居てくれる限り…――**]
(332) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
7日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る