266 冷たい校舎村7
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―― 4階廊下 ――
[察しがよくて助かる……というよりむしろ、 宇井野も同じことを考えていたのだろう。イロハと。>>10
世界については一応の説明はついた。 でもわからないことばかりだ。 世界を作り出した人が誰かはわからない。 そのひとの現状も、推測はできるが確証は持たない。
ただ、”出られると思う”ということはわかった。>>11 出られるかぁ、と相変わらず淡々とした口調で頷いた]
(45) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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[それは、―――いいことなのだろうか。 必要なことなのだろうか。
たとえ本能がそれを望んだって。 それを上回る感情に支配されてしまえば、 イロハなんてきっと、すぐ、身動きがとれなくなってしまう]
(46) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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えっ。何それこわっ。
[だが、今はまだ動ける。 宇井野からその話を聞けば、なんとなく、 教室へ戻ってみようと思えた。>>12 もしかしたらあちこちに散らばったクラスメイト達が、 何か情報を得て戻ってきてるかもしれないし。 だが、唐突に悲鳴じみた声が聞こえれば足は止まる>>#1]
え、誰……? なにごと!?
[それは少女の悲鳴のようだった、と、 背筋につめたさを感じながら振り返る]
(47) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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[ そして二度目のチャイムが鳴る――― >>#2 ]
(48) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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あ、―――っ!
[駆けだしたのは宇井野の方が早かったし、 一度駆けだされてしまえばイロハごときじゃ追いつくことはできないように思った。 確かに宇井野の視線は受け取ったのだけれど、>>12 その意を受けてすぐ走り出すことはできなかった。
―――悲鳴。もしかしたら、アイちゃんの。
もちろんアイちゃんは無事で、 お化けとか、……黒いアレを見て悲鳴を上げた可能性もあるにはあるんだけど、 だからって怖いと思ってしまったものはしかたないのだ]
(49) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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ああ、もうっ! だからってじたばたしてるわけには!
[ようやく足をもつれさせることなく走り出した。 後半の階段を一段飛ばしで降りて、 3階まで行けば、……BGMに混じって、3年7組の方から、 騒がしさを感じたような。 廊下を見て辺りを見回す]
……、 アイちゃん!?
[イロハとしては、まだ遠くから、 床に投げ出された黒髪の誰か、を見て、 相原を連想して駆け寄ったわけだが。 そこにいたのはマネキンだった。相原とどこか似た、マネキンだった。 そう、質感は見るからにマネキンのそれなのに、 血を流してうつぶせで横たわっているように見える――]
(50) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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なにこれ……、え、だいじょうぶ!?
[思わずそんなことを口走ったけれどマネキンが返事をすることはなく、 夜の校舎に照らされて赤い液体がてらてらとひかっている。
ここは、イロハに都合のいい夢の世界じゃないんだって、 改めて、認識した**]
(54) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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―― マネキンの横たわるその近く ――
[悲鳴は、出なかった。 サスペンスで死体発見した時に叫ぶお約束のアレ。
そんな感じの悲鳴を上げたのは七月で、>>66 へたり込む彼女とは対照的に、 イロハはおろつきながらもマネキンの傍にしゃがみこんだ。 ……触る勇気はなかった。ただ、じっと眺めていた。 そうこうしているうちに、どんどん人が駆けつけてきて、 マネキンに手を伸ばす者まで現れた。>>64>>117 触れたはずみで首元があらわになって、>>85 噛み千切られたかのようなあとが見えた時、 ようやくサスペンスものっぽい「ひえっ!」って声が出た]
(170) 2019/06/10(Mon) 20時半頃
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…………どうしてマネキンが血を流すっていうの。
[「本物かな」って呟きに首を横に振った。>>108 もう立て続けにおかしいことが起こり続けているというのに、 重なるおかしさを否定する。
お化け屋敷のお化け以上に、よくできた、つくりもの。 そういうことにしないと落ち着かない]
(171) 2019/06/10(Mon) 20時半頃
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[耳に流し込まれた言葉を意味ある形に拾い上げていく。 マネキンを置きっぱなしではいけない。 床も綺麗にしなきゃいけない。 相原も探さなければいけない。 泊まるところ――ないしは寝床を探さないといけない。 だってイロハたちは――閉じ込められているのだから。
幸いというべきか、取り乱してる人はあんまりいなくって、 七月も高本に宥められて落ち着いたみたいだ。 適材適所、という言葉が思い浮かんだ。 なんとなくしゃくだけどさすが委員長、というべきか]
……。
[息を長く吐く。短く吸ってイロハは駆けだす]
(172) 2019/06/10(Mon) 21時頃
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[さて。 その時蛭野は夜の校舎のどのあたりにいたか。>>152 下に向かっている、ということは、 おおむねイロハの考えていた行き先とは一致しそうか]
……蛭野くーん、寝るところを探すって話だけど、 とりあえずあたし的には固い床で寝るよりは、 埃っぽくてもマットしいた方がマシだと思いうけるんだけどー……
[意識して明るい声を出して呼びかける]
(173) 2019/06/10(Mon) 21時頃
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まぁシーツとか毛布とかは欲しいよね。あるかな。保健室とかに。 無かったらなんか代わりにするとか……んー、
[気を紛らわすべく動いてみたものの、悩ましい。 イロハはカバンの中にブランケットを入れているが、 あれはあくまでひざ掛けなので、 毛布代わりにするとなると非常にこころもとない]
いっそ全員分の寝袋とかえいっと現れてくれればいいんだけど。 ないか。ないんじゃない。あはは。
[なんて言って、乾いた笑いを響かせるのだった*]
(174) 2019/06/10(Mon) 21時頃
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―― 回想/文化祭準備中・轟木と ――
わかったわかったそーいうことにしておくよ、 轟木くんにあうのがふつうでそれ以外はふつうじゃないって。
[なんて適当に流した後、>>1:555 轟木のことはメジャーぐるぐる巻きの刑に処した。 ……冗談である。必要最低限ぐるぐる巻きにしたといいますか。
轟木の内心知らず適当に鼻歌まで奏でていたが、 目つきは真剣、といっていい部類に入っていた]
(209) 2019/06/10(Mon) 21時半頃
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[それなりに文句を言われようものなら、>>1:556 「だってちょっと見栄張りたかったしー」みたいなことを言うことになったやも。
それはさておき、つい語ってしまったが、 そのせいで引かれちゃったりとかしてないだろうか……というのをちょっとだけ心配したので、 楽しみにしてる、なんて言われた時は驚きに目を丸くした]
轟木くんって意外といいやつだったんだ……
あ、いや、まあ、とにかく! 楽しみにしちゃって! なんてね!
[そもそもまだ志望校に受かってないのでデカい顔をしていられないのだが。 嬉しそうに笑っていた]
(211) 2019/06/10(Mon) 21時半頃
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……そうそうこの目力がね。
[と、答えて轟木をまじまじと見る。>>1:557 この時の彼の表情からは、 なんとなく眼光の鋭さが和らいでいたような気はした。なんとなくだけど]
お、蛭野くんのテクニックが炸裂した? ……崩す前に見せてくれればよかったのにー。写真に撮るとか。
[残念そうに呟いた。 そうして後日改めて思ったものだ。 先に見とけばあんな叫び声あげなくても済んだかもしれないのに! ……なお叫んだあと慌てて謝っておいた*]
(213) 2019/06/10(Mon) 21時半頃
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―― だから、描いた夢だけは、捨てられないんだ。
(214) 2019/06/10(Mon) 21時半頃
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[イロハの目と、腕に埋め込まれてるみたいな質感で描かれた目。 二種類の目がカメラのレンズをとらえている。 イロハは笑っている。
祭りのあと、>>1:397>>1:398 そんな構図の写真を、養に軽い調子で頼んで撮ってもらっていた]
(246) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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―― 現在/1階 ――
[イロハはたいがい自分がこうと決めたことなら突っ走れるが、>>192 ひとりで勝手に決めてはいけない場面がどんなものかはわかっていた。 なので、先に寝床を探しにいった蛭野を追いかけて、呼び止めたわけだが――]
……ちょうどかぁ。
[とりあえず追っかけといてよかったかな、と、>>193 蛭野の顔を見ていたらほんのり思ってしまっていた]
(247) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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保健室ね。よし、毛布運びはまかせなさい。 ベッドの数も確認して、と。
あー、……そういう話ならバレー部にはないから。 あとバスケ部も。 あのへんいつもちょっと遠くの合宿所使ってるから。
[室内球技系の部活の合宿はなぜだか合同でやるのでいつも大所帯である。>>194 寝袋、なんて思いつきで言ってみたものの、 実際の寝心地は使ったことのないイロハにはわからない。 どっちがマシか判断するのは現物を見てからになるだろう]
(250) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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[思案と話し合いを繰り広げていると、 マネキンを見て得た怖さがだいぶマシになってきたように感じた。 正確に言うと、マネキンの”傷”か。
……やめよう。気分を切り替えよう。 とは思ったものの、ふいに蛭野から投げかけられた話題は、>>196 イロハの心を瞬時に上向きにするには至らなかった]
お母さん? …………あぁ、うん。
[なんとなく下を向いた。上履きを履いた足のつま先を見る。 ……そういえばお姉さん来てたんだっけ、と。 直接見てはいないが事実の片端を耳にしたことを思い出したが、 ひとまず脇に置いておく]
(251) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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[どうも話題の本筋は腕にされた装飾のようだった。 ……ずっと気にしてたのかな、と思いつつ、 装飾のことを思い出せば心が凪いでいく気がした。 俯けていた顔をあげる]
気にしないで。 確かにお母さんはちょっとびっくりしてたけど、 あたしは、好きだよ。……特に目のところが。
最初は怖かったよ? でも最近は、 ……よく思い出したり、文化祭の後撮った写真を見返してるんだ。 あの目、あたしがどんな方にいこうとも、 黙って、ただ見ててくれるみたいな感じがして。だから、好き。
(252) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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[イロハもイロハで、昨今思っていたが言ってはいなかったことを口にして、 それだけ。切り替えるべき話題を見つけ損ねてしまった。 微妙な沈黙。 なんか、なんか話して! と内心思っていると、>>197 クラスメイトの姿を見つけ、ほっとしたのは言うまでもない]
あっルリちゃん! 朝ぶりかな! 無事? ……あぁ。
[朝ぶり、なんてめったにしない挨拶だ。>>191 無事? と第一声で訊かれてきょとんとしたものの、 なんとなく思い至った。悲鳴のことを言っているのか]
(253) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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[マネキンが倒れてた。血が出てた。相原が見当たらない。 ……誰か死んだと決まったわけじゃないのだ。 たぶん、嘘で覆い隠さなくてもだいじょうぶなわけで、 だから蛭野の応対はだいじょうぶだ。>>198 言ってることは伝わるはずだ。……信じるかどうかはさておき]
そう、だから無事じゃないかもしれないのはアイちゃん。 あとは……だいじょうぶかな。
[蛭野のあとを継いで話しつつ、 彼からの目くばせにはなぜだかウインクを返しておいた]
(254) 2019/06/10(Mon) 22時半頃
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ありがとうルリちゃん! 人手は大歓迎だよ!
別にお邪魔とかそういうやつじゃあないから。
[やがて宮古にも特大のウインクを寄越す。>>225 彼女が持ってきた救急箱の出番はなさそうだけど、 人手はいくらあっても困ることはあるまい。
蛭野とはご近所さんだよ、という、いたってわかりやすい事実を示すか否か。 なんか他に突っ込まれたらにしよう]
ええと、……いち、にーさん、 ……アイちゃんを入れて11人。だよね。
[人数を訊かれれば指折り数えた後、>>228 蛭野にも確認を取る。 イロハは相原が消えた、とは思っていなかったけど、 宮古の言葉にいやーな予感を感じていないわけではなかった。>>220]
(267) 2019/06/10(Mon) 23時頃
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……なーんかヨーコちゃんが言ってたお化け屋敷のお話、 思い出しちゃうなぁ。
[幻の病棟に集められた人は閉じ込められて、 順番に命を落としていく。大枠はこうだった。>>52
ほら、閉じ込められる、ってところが一番それっぽい]
あんな風になんないといいけど……。 時の止まった、夢幻の校舎、って字面はかっこよさげだけど。
[なんて実になるかわからない話をしながら、 ひとまず保健室を目指そうか*]
(270) 2019/06/10(Mon) 23時頃
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[復唱したのはとりあえずで、>>285 「ちょうど」も「今しがた」もイロハの中ではそんなに違いはない。 とはいえ言い直された言葉の端を掬いとることはなかった。
美術室に寝袋。 想像するとなんかおかしかった。
宇井野なら知ってるかも、と案を出されれば、 イロハの中で天秤が傾く感じがした。戻るか行くか。 たぶんあのマネキンのあった場所まで行けば会えそうだけれど]
それはあるかも。でも今から戻るのもめんどいし、 先保健室行こうよ。
(338) 2019/06/11(Tue) 00時半頃
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[かくして足は平坦な廊下を行く。 時の凍ったかのような学校に密やかに響くのは文化祭の話。
浮かない顔はもう見られていたものの、>>286 顔をあげたのを機にひとつ、吹っ切る。 文化祭の時は確かに楽しかったんだ。楽しかったことを気持ちのままに話せばいい]
別にいいよ。 驚く顔が見てみたかったし。
[ごく真面目な謝罪の言葉に返す口調は軽い。>>287 たったふたりの家族。距離感も近い。 だからこそ驚かせてみたかった、というのは、いささかヘンな話でしょうか]
(339) 2019/06/11(Tue) 00時半頃
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お母さんの今の目は、 あたしが彼女を拒むのをゆるしてくれないような目だ。 道に迷ったかのような心もとなさすらある。
(340) 2019/06/11(Tue) 00時半頃
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ちょっと違うかな。
・・・・・・・ 見守られているだけだと気が楽。
[だから、続く問いには首を横に振った。>>289 何も咎めず何の感情も浮かべず、 ただ見守ってくれる二つの目がイロハの束の間の慰めだった]
……そうだね。やりすぎ。思った以上。 っていうか轟木くんのゾンビメイクもすごかったし。
[あっさりと言ってのけた。 ずけずけと言ってそのはにかんだ顔が崩れてしまわないかちょっと気にかかったけど、 ……でも、あたしと君の仲じゃん? って、 誠に勝手ながら期待しているのだ]
(341) 2019/06/11(Tue) 00時半頃
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………… ちょっとね。
[広がってしまった気まずい沈黙の末、>>290 イロハは蚊の鳴くような小さな声でそう言った。 悪意のカケラもなさそうな声が胸を引っかくが、 イロハはそれ以上何かを言うことを選ばなかった。
それから一歩踏み出したところで、 宮古の姿を見つけたのだったか。 浮かない顔も小さないらえもなかったかのように、 朝ぶり、という(イロハ視点では)いっぷう変わった挨拶をしたのだった]
(350) 2019/06/11(Tue) 00時半頃
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[情報拡散、の、後人数確認。 11人で間違いなさそうだ、とわかった後、>>293 宮古はなぜかやった〜、と言って、 ぴょこん、と飛び跳ねた。>>323 なんとなく、小動物じみたしぐさだなぁと思う]
ルリちゃんの勝ちか。 おー、そりゃあおめでとうじゃん。 けっこうぴったり? まああの雪だったもんねぇ。
[見るからに嬉しそうだったので拍手しておいた。>>324
もし自分が賭けの場にいたら? どうだろう、10人じゃ少ないかなって思ってたかな]
(362) 2019/06/11(Tue) 01時頃
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[夢幻病棟のお話。 懐かしいよねやっぱり、とうんうん頷き返す。>>325 イロハたちがつくった患者服を着ていた少女も被験者で、だけどそれを周りは隠してて、 ぬいぐるみは病棟に来る前からの宝物かな、と、 つらつら空想した日もまた懐かしい]
だといいけどさ。 学校もなんかいつもと違うし、 そのうち学校が病院に……! は勘弁してほしいなあ。
[これは届くかどうかわからないちょっとしたお願いだ。 ともあれ今のところは学校は学校のままで、 保健室も保健室としてのかたちを保っていた]
(367) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[保健室の扉が開けられる。>>326 イロハが辺りを見回している間に宮古は一点を目指す。慌ててついていく]
重くない?
[なんて言いながらイロハも毛布を両手いっぱいに抱える。 ベッドの数を数えるのは蛭野に任せることにした。内心で]
……はは、まあ、クラスのみんな……じゃないけどまぁ、大勢で? 寝泊まりできるのは悪くないかもね?
[家は、今となっては少し、きゅうくつな箱庭のようだ。 というのも相まって、正直心が弾まないこともない……のだけれど]
でも、いつかは、帰らないと。
[そんなことを小声でこぼしていたのはほとんど無意識のうちだった*]
(368) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[――少しだけ昔の話をしよう。 イロハの“お母さん”になったひとと、 イロハを生んだ“ママ”の話だ]
(369) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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―― 幕間/あるふたりの話 ――
[景色を四角く切り取った画像の中心で、 王子様みたいな服の少女と、お姫様が来ているみたいなドレス姿の少女が、 笑顔でピースサインを決めている。 王子様服の少女の男装はとっても似合っている。
……高校最後の文化祭のワンシーン。 出し物である演劇で着た服装で写真を撮ったもの。
きっとこの時ふたりは、幸せの只中にいた]
(370) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[ふたりは仲冬高校に入ってから知り合い、親友と言える間柄になった。 だけど、王子様役の少女は、一緒の時間を過ごしていくうちに、 少しずつ、親友に、それ以上の思いを抱くようになっていた。
……おとこのこ並の身長に、茶色のショートカット。 いくら男装が似合う程度に男っぽい出で立ちであっても中身は女だ。 女が女を好きになるなんておかしいと思いながら、 感情の方はどうにもならなかった。 それを、ひた隠しにしていた。
だがとうとう、文化祭の打ち上げの後に、想いを告げてしまった。 冗談と受け取ってもらえればそれでよかった。
返事は思いがけないものだった。 抱いていた道ならぬ思いは、相手に受け入れられたのだ]
(371) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[思いが通じ合ったところで、 しかし、いつまでも一緒にいられるわけではない。
ふたりは別々の大学に行くことが決まっていたし、 そもそも――、人並みの幸せを望むなら、 一緒にいるべきではないことも、分かっていた。
ふたりは恋い慕い合う関係をひみつにしたまま、 残り少ない高校生活を過ごし、 やがて別々の道を歩んだ。 お互いの幸せをいつまでも祈りながら]
(372) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[王子様役の少女は大学を卒業した後、 念願かなってファッションデザイナーの職に就いた。 数年後には立派なキャリアウーマンになった。 お姫様役の少女は大学を卒業した後、結婚して一児の母となった。 やがて夫との不和から離婚して、ひとりで娘を育てるようになった。
別々の道を歩んだ後も、ときどき二人きりで会った。 表向きは親友同士、ホントのところは元ひみつの恋人同士。 仕事のこと、育児や家事のこと、話題は絶えなかった。時には高校時代の話もした。
劇の中の王子様とお姫様のようには結ばれなかったけれど、 切れない糸はあった]
(373) 2019/06/11(Tue) 01時半頃
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[なのに、待ち受けていたのは、悲劇じみた幕切れだった。
王子様役の少女――いや、女にとっての姫。 彼女は死んだ。事故であっけなく。 保育園に預けていた娘を迎えに行く途中、だったという]
「もし、……わたしに何かあったら彩華のこと、よろしくね」 「わかった」
[念のため、という前置き付きで生前かわされた約束にしたがって、 まだ物心つく前の彼女の子供を引き取った。 こうしてただの他人同士が母娘になった]
(374) 2019/06/11(Tue) 02時頃
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[やがて時は流れ―――灰谷彩華はすくすく成長した。 正しく成長した。 正しく――亡き母の血を受けついで、彼女とほぼそっくりに**]
(375) 2019/06/11(Tue) 02時頃
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―― 回想・うどん屋での出会い、その後 ――
[バツの悪そうな顔をされたと思ったが、 気のせいだったようだ。>>68
注文していたきつねうどんを運んできた時も、 素知らぬ顔をしている感じだった。>>70 イロハに気付いてない、ということはあるまい。だってこっちは特に変装していない]
……あ、ありがとう。
[お礼の言葉を述べつつ、思わず高本らしき店員をじろっと見つめてしまった。 が、1秒かそこらで視線を外してうどんと向き合う。 思うところはあったがそもそもイロハはひみつを暴き立てに来たのではない。 うどんを食べにきたのだ]
(429) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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……。
[あ、おいしい、と、一口食べてすぐに思った。
ツルっとしていてコシのある麺、決して存在を主張しすぎずすべてを包み込むスープ…… おあげからも噛むほどにじゅわっと美味さがしみ出してくる。
イロハは黙々とうどんを完食し、代金を支払い、店を出た]
(430) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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[そして、次の日]
高本くん……って兄弟いたっけ? 双子とかそんな感じの。 昨日うどん屋で見たんだけど。
[正面から訊くのではなく、側面からあえて回り込むように訊く。 そんな手を教室の片隅で高本に対してとっていた。 なおもシラを切られてもそれはそれでよかった。 いくら相手が高本だろうと、根も葉もある噂を流して面白がるつもりはなかった。 ただ、言いたいことがあっただけだった]
えぇと、 ……きつねうどんたいへん美味しかったです、と、 そうお伝えください。ハイ。
[そう言づける(ということにした)イロハの顔には、 ほんのわずかであるが笑みが浮かんでいた。 しかしイロハは気付かない。塩対応の顔のまんまで相対していると思っていた。 きつねうどんの味を思い出しているという自覚はあった*]
(431) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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―― 現在/1階 ――
……どうして相手が何かを求めてくるって話になるんだろ。 何も求めないでただ静かに見守ってくれる、そういうのがいいんだよ。
[……まあ、確かに、わからないのが不安、という気持ちは、>>376 わからないでもないのだが。 思いつつイロハは肩をすくめた。
求められるままに誰かの、 誰かだけのお人形――もとい、お姫様の役になる、 それで心満たされていれば、そうでなくともこれでいいと思えていたら、 この話題に関しては、意見が一致したんだろうか。……というのはこっちの話]
(432) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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……うん、悪くなかった。 だから、まあ、その、……いつも通りににこにこしていればいいんだよ。
[やりすぎ、と言った後に面食らった顔をされて、>>377 ちょっとびっくりしたのは顔に出ていたかも。 向こうに自覚があるかどうかはさておき、 たいていのことでしょげないし卑下もしない、っていうの、 知ってる気でいますからね。ふふん]
(433) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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……うん。
[……正直、ちょっとほっとした。>>378 そうして、ちょっと、で済むことだから深入りしないでほしい、という思いを、 二文字の返事にこめた。つもりだ。
かわいそう、と憐れまれる以外なら、 何を言われてもいいと思っていた。 いっそお前のせいだと手酷いことを言われてもよかった。
そう思ってた……つもりなんだけど、 いざ突っつかれたとたんに臆病風が吹いてきたわけで]
(434) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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―― そして毛布を運ぶ ――
[宮古のやったあ、をこの場のみんなで共有したおかげで、>>379 保健室までの道のりは、うきうきした雰囲気に包まれながらのものになった。 その最中、話題がこの場所のことに移れば、>>380 イロハはひとつのことを思い出す]
そういえば、……宇井野くんもそんなこと言ってったけ。 精神世界とか、無事に出られるとか。
[ころっと忘れてた辺り、だいぶ動転してたかな、と我ながら思う]
事例もあるんだって。これも宇井野くんが言ってたけど。 方法は分からないんだ、……そっかあ。
[なんて話していれば保健室はすぐそこ、か]
(435) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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[毛布の運びだし。 蛭野が頑張って積み重ねたため、明らかに人数分より多く運ぶことになりそうだ。>>381 いいんじゃなかろうか。たくさんあって困ることとかなさそうだし。
お泊り会、なんて認識の輪も広がって、 寝床作ったら次は食べるものかな、と、ぼんやりと考えた。
1階から3階へ。毛布を持ちながらだと、歩きなれた道も長く感じる。 教室前を染めていた赤色はとっくに拭われていて、>>318 相原みたいなマネキンも運び出されていた。 なにごともなかったかのような静穏に一息をついて。 教卓のそばに持ってきた毛布を置いた*]
(436) 2019/06/11(Tue) 20時頃
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―― 幕間/あるふたりの話・2 ――
[そしてこれは、イロハと“お母さん”の話。
“お母さん”がすべてのひみつを明るみに晒したのは、 イロハの高校最後の文化祭の後で。 イロハがあまりに“ママ”に似すぎたことに堪えきれなくなって、 “お母さん”でいる事をやめようとしている彼女に感じたのは、 ―――ただの憐れみでしかなかった。
いつから“お母さん”はおかしくなっていたのか、 こんなに弱いいきものになっていたのか。 いつからイロハを“ママ”の代わりとして見るようになっていたのか、 そんなことを考えるのはやめた。
“お母さん”がずっとイロハに甘かったのを、 ずっとイロハのために服や装飾品を見繕ってくれたのを、 そのせい、だと考えてしまって嫌になったから]
(442) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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[嫌になる。なにかがおかしい。 そう思ったのにどうして突き放さなかったかって? “お母さん”があんまりにも、 捨てられた子猫のような目をしていたからだ。
だから、いいよ、とイロハは言った。 “お母さん”が周りにはないしょで“お母さん”をやめてしまうのを、 一度はゆるしたのだ]
(443) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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――― あたしはお母さんの味方でいるよ。
(445) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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[ふたりきりの家(せかい)にいるのは、仲睦まじい女がふたり。 イロハは求められるままに大人っぽい服を着て、化粧もして、 求められるままに“お母さん”を下の名前で呼んだり、手を繋いでみたりなどして、 ――それから、視線に晒された。 いつか、恋をすると人が変わる、という話をした時のような、 恋人に思いを馳せる甘ったるい雰囲気の。
学校ではいつものイロハのままでいられた。 厚化粧もしないでいい。あんな視線にもさらされなくていい。
――早いうちから気付いていた。 ひみつを知り、ひみつを抱えてからというもの、 そこはかとなく息苦しさが積み上がってきていることに。 だがどうにもできなかった]
(447) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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「彩華は私の味方でしょう?」
(448) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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[家から通える服飾系の学校を勧められて、 それに難色を示した時(もともとちょっと遠いところのいい学校に行けるよう頑張っていた)、 縋るような目でそう言われた。
その時、言葉では言い表せないほど嫌な予感がした。 いっときの慰めとなっていれば、もとの“お母さん”と娘に戻れる気がしていたけど、 そんなことはなくて、決定的に間違ってしまったのではないか、という予感。
結局遠い方と近い方、両方受験することにしたけど、 どっちを選ぶか、答えはまだ出ていない]
(449) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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[一度拾い上げたのだからちゃんと最後まで味方でいたってきっと苦しいのに、 いっそ何もかも捨ててしまうのもきっと、苦しい。
足元がふらついている。ならばどうすればいい。 あたしはどこにいけばいいの。 どうすれば苦しくなくなるの?
いっそ誰かが攫ってくれればいいのに、なんて、 考えたってしかたがないし*]
(450) 2019/06/11(Tue) 20時半頃
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―― 毛布運搬中 ――
[おさらい、のように語られる蛭野の言葉は、 さっきみたいにわかりやすかった。
メールの話も宇井野としていたから、 うんうん、と頷いておく。>>460
それから、提唱された帰る方法(仮説)に、ぱちぱちと目を瞬かせた。>>461 血を流していたマネキンのことを思い出す。 本物だったらまず助からないあの傷]
(488) 2019/06/11(Tue) 22時頃
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[帰らないと、……って、自分はそう言ってたのか。 宮古に拾われたことで気が付いた。>>452 やや間を置いてから「かもねえ」って応じた]
帰りたい、し、……帰したくない。
じゃああたし達、招かれちゃったのかもね、世界をつくったひとに。
[これもまた予測でしかない。>>461 だいたい、あのメールには「探さないで」とか、 「忘れて生きてくれると嬉しい」と書いてあったのに、 誰かを招くとは何事なんだろう。
どこかでこの校舎(せかい)のことを楽しがっているのに、 帰らないと、とどこかで思っているイロハ。 それと似たようなものなのか。わからない]
(489) 2019/06/11(Tue) 22時頃
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―― 準備、それから ――
[毛布を置いた後、蛭野も宮古も別々に動き出した。 さてあたしはどうしようか……とイロハは考え、 3階の別の教室に向かうと扉をがらっと開けた]
おお、ビンゴ。
[3年4組の教室――― 文化祭の時、そこでは喫茶店をやっていた。 既にカーテンの取り去られた一角>>149をちらっと見た後、 教室机を四角く並べた上に敷いてある、かわいめのテーブルクロスに手をかけた]
(493) 2019/06/11(Tue) 22時頃
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[テーブルクロスの上には何もなかった。>>120 床上に落とされた食器や調味料入れ(の一部残骸)が、 照明を受けてせつなく光っていた。 なんて乱暴な扱いをされているんだろうかわいいのに。 (あとちょっとお高い気がする)
テーブルクロスを折りたたんで脇に抱えると、 まだ無事な品々を机の上に乗せなおして7組に戻る。 それから適当に机を寄せ集め、持ってきたテーブルクロスを敷いた。
ここで寝るとしたら、教室を寝るスペースと食べるスペースに分けた方がいいと考え、 寄せ集めテーブルをつくった位置は教室の後ろ半分側]
(494) 2019/06/11(Tue) 22時頃
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[あとはもう一度3階を巡って、何か食べ物を出していた教室から、 食べ物も拝借しようかと思ったけれど。 昼に食べ損ねたお弁当の存在を思い出して、 寄せ集めテーブルの片隅で食べながら、 誰かが戻ってくるのを待っていた。
高本がひとりで戻ってこようものなら、>>417>>441 そっちの方をいぶかしげに見て、]
……ヨーコちゃんといっしょじゃない。 どのへんで別れたの。……2階。そう。
[居場所が分かったのなら2階へ向かう。軽快に階段を、降りて、]
(511) 2019/06/11(Tue) 22時半頃
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ヨーコちゃんっっ ここにおりますかー!
[――多目的室。 小さな光のつぶつぶが天井を彩るその場所に、七月はまだいただろうか>>455]
教室、なんかこう泊まれる準備できそうだよ。 毛布も持ってきたしテーブルも作ったし、 ……アイちゃんのことは気になるけど、でも、 アイちゃんは帰れたのかもっていう説も出てきてて……
とにかく、いこうか。
[姿を見つけたのならいろいろまくし立てて、 さっ、と、手を差し伸べるのだ*]
(512) 2019/06/11(Tue) 22時半頃
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[いろいろあった一日の終わり、眠りにつく少し前、母のことを思った。 常に何かを求める母の二つの目を。
ちょうど、蛭野と話していた時に、>>444 脳裏をよぎっていたのも、同じ、眼差しだった。
彼の言うこともある意味ひとつの真実に近しいのかもしれない。 だとしたって、どうして、ずっと、 ただの”お母さん”のままでいてくれなかったのか]
(580) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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[……何か、ぐにゃぐにゃした感じの夢を見た気がする。 目を開けて見えたのは見慣れた自室の天井――ではない。 徐々に記憶がはっきりしていく。閉じ込められたこと。家には帰っていないこと。
ようやく視界が明瞭になってきた頃、 天井に何かが浮かんでいるのが見えた。 「目」だ。手のひらサイズくらいはあるんじゃなかろうか。 かつて腕にメイクされているのに似た、 無機質なふたつの「目」がイロハを見下ろしている]
……ッ!
[辛うじて悲鳴をこらえて部屋を抜け出すが、 「目」はいつまでもついてきている。 廊下まで出たところで、「目」はとうとうイロハに追いついて、 イロハの両腕に張り付いて――次の瞬間には一体化していた]
(581) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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[捨ててしまいなさいよ――と、 ふたつの「目」を見ていると、そう語りかけられている気がした。
イロハは戸惑った。 いつも写真で見ていた思い浮かべていた目と違う。 だけど、語りかける声は同じだ。 イロハのようでイロハじゃない誰かさん。 あなたはそこにいたんでしょうか。ずっと]
(582) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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『 何もかも捨てられないというのなら。 呪いを。“お母さん”からかけられた呪いのようなものを、 呪いをかけられたお姫様じみた役割を、捨ててしまいなさいよ。
ここにずっといても、貴女はきっとずっと呪われたままだよ。 』
(583) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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そんなのわかってるよ……。
[ぽつり、と呟くイロハの目に映ったのは、 校舎の各階を繋ぐ階段で。 その時イロハの胸に去来した思いは端的に言えばこうだった。 呪いを捨てる方法はまだわからないが、 お姫様の出てくる物語を、 正しく進ませない方法ならまだわかる]
(584) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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[普段は一段飛ばしで上り下りするのがせいぜいの階段。 その、3階の踊り場から飛んだ。 着地はできず、片足は滑り、 そのはずみで身体はごろごろと転がった。 2、3階は頭をぶつけた感触があった。 やがて踊り場の壁にぶつかって止まる。
最後にイロハが見たのは、腕に埋め込まれて、 イロハのひとり舞台を見守っていたはずの「目」が、 まだ天井に張り付いていて、わずかに微笑む、そんな光景だった。]
(585) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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[―――だから。 3度目のチャイムが鳴る頃にイロハの姿はなく。
2階と3階の間の階段の踊り場に横たわる、 イロハによく似たマネキンが転がっているばかり、 片方の足はあらぬ方向に曲がり、顔は天井を向き、 明らかに階段から落ちたかのような姿かたちで**]
(586) 2019/06/12(Wed) 00時頃
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