76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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え、な、何時だったかなー? そうだ、皆は課題やった? 俺、まだ全然でさー!
[声色は少し裏返っていておかしい事には気付いていない。]
[林檎を手に先輩の目が笑っていない事に気付けば、引きつった笑いで誤魔化そうとし]
あ、ははは…。
(4) 2013/03/24(Sun) 00時頃
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…?
[シリィの呟きは、耳には届かなかった。 不思議そうに緩く首を傾げる。]
(8) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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[そのまま暫く笑っていたが、ふと、窓の方を見れば先ほどまで煩く窓を叩いていた風の音が静かになっている事に気付く。]
あれ…? 何か静かになったなぁ。
(11) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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―? どうかしたのか、シリィ。
[何かをしようとして手を止め、額に皺を刻む相手を見て、顔を少し彼の方に寄せる。 相手が避けたなら、苦笑して離れるだろうか。]
(15) 2013/03/24(Sun) 00時半頃
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―何でそんな事言うの…汚いとか、そんな事ないだろ。
[シリィの言葉には目を瞬かせた後に困ったように眉を下げて枯葉色の瞳を覗き込む。 自分からは隠されてしまった手は確かにやせてはいるけれど、汚いという表現はおかしいと思った。]
(19) 2013/03/24(Sun) 01時頃
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そうだよ。俺とシリィは同学年だろ。
[>>22 老人、と自分の事を表現する相手に僅かに目を伏せる。 儚げな容貌も相まって何処か未来を諦めているようで。]
―こうすれば、ちょっとの間でも温かくなるんじゃないか。
[―彼の言う暖かさ、とは違うかもしれないが。 思いつきで彼の手に自分のそれを重ねようとそっと手を伸ばす。 特に抵抗がなければ、包み込むように握っただろうか。]
(24) 2013/03/24(Sun) 01時頃
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まだ十代じゃん。老人とか言うなよ。
[まだまだ自分達は若いのだ。 だから、どうか諦めた顔をしないで欲しい。 そういう思いは相手に伝わるだろうか。]
いいえー、どう致しまして? …ちょっと体温低いのかな。
[彼と自分の手には僅かに温度差があった。
相手の悲しげな顔には気付いたかもしれないが、明るく笑いながら首を振ってみせた。 彼の様子を見て、暫くしたらその手を離すだろうか。**]
(26) 2013/03/24(Sun) 01時半頃
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気持ちって意外と大事だからな。 …ん、そろそろ温まった?
[シリィの手は自分の温度ともう変わらない。 そろそろ頃合いか、と判断して彼の手からそっと離す。
―少し照れ臭くなっていたので顔を逸らした所為か、相手の反応には気付けず。
立ち上がる相手の背中を見送ると、]
ありがと。俺もコーヒー。
(29) 2013/03/24(Sun) 08時頃
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[窓の方を見れば、満月が出ていた。 椅子から立ち上がると、窓際の方へ歩いて行って]
おー、今晩は満月だったか。
[雲の切れ間から顔を覗かせたそれに、窓に張り付くようにして暫く魅入っていた。**]
(30) 2013/03/24(Sun) 08時頃
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…はーい。
[苦笑しながら肩を竦め、ヤニクの後ろ姿を見送る。
やはり、調達した場所で飲むのは危険度が高いか。 …変なところを学習していた。]
(50) 2013/03/24(Sun) 20時半頃
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[シリィを心配して様子を見に行ったロシェが戻ってこない。 不審に思って、かじりかけの林檎を置いて自分も厨房の方へと向かう。 其処にはロシェが立ち尽くしていて。]
…ロシェ、どうしたんだよ。 なぁ。
[彼は何か答えただろうか。 ロシェの隣からひょいと厨房の中を覗けば、床にはスプーンや砂糖のポットが散らばっている。]
…シリィ…?
[ぽかんとしたまま、其処にいた筈の同輩の名前を紡いだ。]
(51) 2013/03/24(Sun) 20時半頃
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えっと…。
[はた、と気付けば、厨房を片付けようと思いつく。
床の有り様は気になるが、シリィも小さな子供ではないのだ。 ―強い風が止んでそう時間も経っていない。流石に外には出ていないだろう、と。
スプーンや砂糖のポットを拾いあげると取り敢えず台の上に置いて、床を掃く為に箒を持ってくる。 そして厨房を片付け始めた。]
(56) 2013/03/24(Sun) 21時頃
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これでよし、と。
[床を掃き終え、スプーンは洗ってあった場所に戻し、砂糖のポットは取り敢えず乾燥させておこうと干しておく。
仕上げに換気でもしようか、と思い立ち、厨房の窓を開け放つ。 暫く入ってくる夜風に目を細めていたが。]
…っ…、なんだ、これ…。
[―風邪が運んでくるのは、濃い薔薇の香り。 それを嗅いだ途端。
くらりと揺れる視界と、身体に灯った熱に。 その場に立っていられずに膝をついた。**]
(62) 2013/03/24(Sun) 21時半頃
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…まど、しめなきゃ。
[は、と浅く呼吸をしながら、身体の熱を堪える。 きっと薔薇の香りを嗅いだからだ。だから窓を閉めてしまえば収まる。
まだふらふらする頭でそう判断すると、窓枠に捕まって身体を起こし、窓に手を伸ばした。 しかし、一つ一つの動作は緩慢で、自分の思うようにならない。]
…くそ…っ。
[力を込めて窓ガラスを乱暴に閉める。 もしかしたら、近くの部屋には聞こえたかもしれないが。]
(69) 2013/03/24(Sun) 23時頃
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…ちゃんと、閉まったかな。
[ほっと息をつくと、その場にへたり込む。 身体にはまだ思うように力は入らない。 どうやら只の薔薇の香りではないようだ。
取り敢えずこの熱をやり過ごそうと、近くの壁に凭れて目を閉じた。 ―意識はそこで手放してしまう。
もし誰かがその姿に気付いたなら。 頬が火照ったように赤く、熱を出してその場で力つきたようにも見えるかもしれない。**]
(73) 2013/03/24(Sun) 23時頃
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そうか? [酔ったのかも、と答え、何処かぼうっとした様子の相手に大丈夫か?と声をかけるが、てきぱきと掃除を進めていき] ん、あぁ。ありがとう。 これ、戻してきてくれるか?その間に洗い物しとくから。 [部屋の片付けを手伝うと言われれば、道具の片付けをお願いしただろうか。]
(100) 2013/03/25(Mon) 08時頃
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ロシェ…? [束の間、意識を失った後に聞こえてくる声。
それを聞いてゆるりと覚醒した頭はまるで霧がかかったように重く。 身体の内の熱は一向に収まってくれる様子がなかった。] んっ…。 だいじょぶ、だから。ひとりで…。 [彼に触れられれば、ぴくりと肩を揺らして掠れた声を漏らす。 心配ないと起こしてくれた相手の腕に触れるが、力が入らないので殆ど添えているだけのようなもの。]
(101) 2013/03/25(Mon) 08時頃
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…う…。 [身体の力は十分に入らず、心臓は早鐘のように打っている。
子供ではないのだ。 彼の力を借りずに部屋に帰りたいが、今の状態ではそれも叶わない。
それより、同じようにこの香りを嗅いだ相手は大丈夫なのだろうか。
けれど辺りに漂う薔薇の香りが思考を奪い。] …ロシェ。 ここからはなれたい。 [彼の腕に添えた手に少し力を込め、熱に浮かされた目を相手に向ける。
誰かの力を借りてでも、とにかく此処から離れなければ、と。**]
(102) 2013/03/25(Mon) 08時頃
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― 廊下 ―
……は…。
[浅い呼吸を繰り返しながら、必死で熱を堪える。 二人に支えられて部屋に向かいながら、罪悪感で頭がいっぱいになった。 確かに熱には浮かされているが、彼らが想像するものとは違う。]
…すみません。 俺が窓、うっかり開けちゃって。
そしたらこの匂いが入ってきて、何だか…。
[眩暈と熱に襲われたのだ、と答えれば、更に説明をしなければならないだろうか。 ―そう思うとそれ以上は口に出せず、只、曖昧に苦笑いを浮かべる。]
(115) 2013/03/25(Mon) 22時頃
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―はい。 先輩も、ありがと…。 おやすみなさい。
[自室の前で冗談めいた言葉を口にするエリアスにはふにゃりと笑みを浮かべて見送ろうと。]
…あ。 部屋の換気は暫くしない方が良いかと…!
[ふと思いついて最後に付け加えた言葉はその場を後にした彼の耳に届いただろうか。]
(116) 2013/03/25(Mon) 22時頃
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― 自室 ―
[二人に支えられながらも何とか自分の部屋に辿りつけば、ほっと息をつく。 薔薇の香りは寮内に漂っていたが、一度窓を開けてしまった厨房よりはきっとましで。
中までついて来てくれた同輩にもお礼を言おうと、彼の方を向いて。] …ありがと、助かっ
え…っ? [彼を支える事も出来ず、二人とも寝台に沈み込む。 もぞもぞ動いて見上げれば、ロシェと至近距離で目が合い、瞠目する。 ―無意識にこくり、と喉を鳴らした。]
(118) 2013/03/25(Mon) 22時半頃
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[けれど、肩越しに落ちたロシェの銀色の長い髪が襟から覗いた首筋をくすぐって。 ―それすらも刺激となって身体がまた熱を帯び。 混乱しながらもぎゅっと両目を閉じる。]
〜っふ…。
[出した事のないような自分の声が耳に入れば、唇を噛み締めて懸命に抑えていたので、相手の動揺にまでは意識がいかなかった。]
(119) 2013/03/25(Mon) 22時半頃
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[暫くすれば落ち着いて来て、そっと安堵の息をつき。 もそもそと上体を起こせば、寝台の横に座り込んでしまった彼の背中が見えた。]
ロシェ…? …ヴェスー?
[そっと手を伸ばし、彼の名前を呼びながら背中をつつけば、相手は何か反応しただろうか。]
(120) 2013/03/25(Mon) 22時半頃
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分かってるって…。
[―多分。 熱は判断力を鈍らせていた。 部屋に着けばもう安心だと。若干ハイになっているのかもしれない。]
…え?
[相手の声を聞けば、つつく指を止めて。何となく気まずくて目を逸らしながら。]
……ごめん?
(124) 2013/03/25(Mon) 22時半頃
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…だから、ごめんってば。
[此方を見ない相手に少なからず気落ちしている自分がいた。 またぼうっとしてきたので壁に凭れながら相手の背中、銀色の髪を見つめる。 触れてみたいと思うが、今は手を伸ばせない。]
…変な気分?
[相手の言葉には、きょとり、と目を瞬かせ。
―それは薔薇の香りで?
けれど、膝に顔埋めている相手に問いかける事も出来ずに。]
……。
[何となくもやもやした気分を抱えつつ、布団を引き寄せて自分の身体に掛けると、相手には手近な毛布をぽすりと投げる。]
…風邪ひくぞ。 別に隣で寝ていっても構わないけど。
(139) 2013/03/25(Mon) 23時半頃
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[何でもない、という言葉には拗ねたように唇をすぼめたまま、何も言わず。
驚いた声の後、投げた毛布に大人しく包まった相手を黙って見ていた。]
ロシェ…? ……。
ヴェス?
[暫くして、うつらうつらとする後ろ姿。 声を掛けて、反応はあったかどうか。
もしあまり反応がないようであれば、そろそろと音を立てないように距離を詰めて様子を窺う。 無防備な横顔が其処にあっただろうか。]
(147) 2013/03/26(Tue) 00時頃
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…其処で寝るのかよ。
[苦笑しながら、そう呟く。 同室者の寝台が空いているから、其処で寝れば良いと言ったつもりだったのに。]
……。
[やがて彼の長い髪に目を止めれば、手を伸ばし。 抵抗がなければ一房掬っては落としてを繰り返し、暫くその銀糸の感触を楽しんでいた。
何故触りたいと思ったのかは、自分でもよく分からないまま。 思考はまるで酩酊しているように鈍い。]
(148) 2013/03/26(Tue) 00時半頃
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