172 ― 恋文 ―
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―ラブ・レター―
マスター、珈琲を。 …いや、今日はブラックで。
[いつもの席に座って出るのは灰色の溜息。 相変わらず男の人生を揺らすような出来事は何も起こらない毎日だが、営業成績が芳しくない。]
この店が、文房具屋なら、マスターに営業するんだけどな。
[男が売っているのは文房具。 それも、このメールやメッセージアプリ全盛期のご時世では売れ行きも下降しているレターセットだった。 女児向けのキャラクターものでもない、シンプルな大人向けのラインは、近頃売り場も狭くなりつつある大型書店の文房具コーナーなどには新規で入れて貰い難い。]
(24) 2015/10/20(Tue) 22時頃
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うーん……でもここ、絵は置いてあるんだよな。値札つきで。
[どんな経緯で置かれるようになったのか男には知る由もないが。 そして絵心のない男にはその絵の価値もよくわからないが。 珈琲を飲みながらふと視界に入れるその色は、不思議と男の気持ちを落ち着かせてくれるものだったから。]
マスター、ちょっと。
[サンプルで持ち歩いていた藤色のレターセット、便箋にさらっと短く言葉を添えて。]
あの絵の作者さんに、言付けてください。
[長らく鞄に仕舞われていた藤色に「仕事」をして貰おうと。]
(25) 2015/10/20(Tue) 22時頃
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[珈琲を飲む。 アルコールは入っていない。 ふと、先週あたりに「同じものを頼んだひとに」と手渡した手紙を思い出したが、あれから何の音沙汰もないという事は、同じものを頼んだ人はいないのだろう。 或いは、いても無視されたか――]
……ふ、
[カップに唇をつけたまま、男は苦笑した。 思いの外、自分は自分の人生に起こるドラマを期待していたらしい。 だが現実はこんなものだ。 恋愛どころか、そのきっかけすら、男の前には落ちてこない。
そのまま珈琲を飲み干して精算しようと注文票を手に取った時。 ラジオから流れてきた「文通」>>14という単語に、眉を上げた。 相談者はきっとまだ若い女の子だ。 こんなおじさんは、ましてや恋も愛もわからないまま年だけ重ねたおじさんは相談相手にはなれないだろう。 だがきっと、彼女の助けになりたいと思う客はいるだろう。 そんな時にレターセットの持ち合わせが無かったら――]
(47) 2015/10/21(Wed) 00時半頃
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マスター。 実は俺、こういう者でして。 文通に使うレターセット、この店で売ってみませんか?
[思い切って言ってみた。 鞄から取り出すのは、藤色を除いたサンプルの数々。 手すき和紙のような風合いを出した表紙の色は12色。 原色よりも薄い色のそれを、置いてはくれないかと打診して、男は此処では一度も見せた事がないような「営業スマイル」を顔に貼りつけた。]
(48) 2015/10/21(Wed) 01時頃
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[かくして、店の片隅に「文通用レターセット」が並ぶ運びとなった。]
(49) 2015/10/21(Wed) 01時頃
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