191 The wonderful world -7 days of MORI-
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── ??? ──
[ まっしろな世界。
眩しいとさえ感じる空間で、 おれは、ふと、気がついた。
意識を取り戻して、まず、 視界に飛び込む人数の多さに怯み、 皮膚に感じる熱や、節々の痛みに、 最後の”ミッション”の記憶が蘇って、
隣にきちんときみがいると知り、 おれは、ひどく安堵した。
ゲーム中見た顔がずらりと並ぶ光景に、 ようやく、「ミッション達成」という言葉の意味を知る。]
(37) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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[ ── ようやく。やっとだ。きみは、元の世界に帰れる。]
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(38) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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[ やっぱり、それさえ叶うなら、 他にはなにもいらない、と思う自分がいて、 それから、
── 提示された選択肢に、少し、戸惑う。]
(39) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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[ ── ”今”のおれに、不思議と、違和感がなくて、
おれにとって”大切”だったはずのなにかを取り戻したとき、 一体、自分が何者になるのか、分からないままだった。
おれには、きみを取り戻したい、って、 それしかなくて、だけど、それだけはあったのだ。
きみの目にうつる世界を、見てみたいと思った。 あのころみたいに、きらきらした世界を、一緒に、って、 きみが言ってくれたから、それだけを夢見て、 生き返る意味もあるのかもしれない、って。
きみしかないから、生きようと思った、おれが、 きみ以外のものを取り戻すのは、怖いよ。 きみよりも大切なものなんか、なにもなくて、 取り戻すべきものなんて、ないんじゃないかって、思う。]
(40) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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── エントリー料、って。
[ 小さい声だった。
いつの間にか、ひとの形をしていたコンポーザーに、 静かに、視線を向けて、問いかける。]
……結局、何だったか。教えてもらえないんですか。
[ 他の参加者たちが口にした質問と比べれば、 ずいぶん、些細な疑問だったかもしれない。
けれど、おれは、今も、 自分が失ったものがなにかさえ知らず、 好きでもない世界を17年も生き抜いた、 かつての、姿の見えない自分を前に、 立ち尽くしているような気分だった。]
(41) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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[ 【問】大切なモノ、記憶を失くした者は、 果たして、その前と同じであると言えるのか。
【答】当然。 何を失おうとも、様子が変わろうとも、 きみがきみであることに、代わりはない。
── って。きみのことなら、迷わないのに。*]
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(42) nabe 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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[ ── 結局のところ、おれはおれでしかなかった。
例えば、覚えのない誰かの名前や、 モノや、馬鹿げた夢や、そういうもの。 おれの予測した、いくつかの可能性の、 どれでもない、答えを、彼は口にした。>>54
── 十七年生きて、そんなもの。
なんて、言えるほども、記憶はあやふやではなく、 思い当たることはないか、という言葉にも、 おれは、やっぱり小さな声で答えたろう。]
(110) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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── あるよ。
[ あるよ。 あきらめることができなかった、じゃなくて、 あきらめてしまえばよかった、って、 ただ、ひたすらに後悔を抱えた、 あの夜、最期の瞬間。
そんな、気色の悪い記憶なら、 おれの中に、ちゃんと、眠っているよ。 きっと、あの後悔のせい。]
(112) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ ”諦めるという意志”と、彼は言って、 おれはただ、礼もなく、「そうですか」と、呟いた。
その言葉の意味する、一番大事なことは、きっと、
たとえば、このゲームにおける、 おれのすべての選択の、
結局”実行に移したか”という決断は、 いまのおれだけの頭に委ねられていたとしても、
”何をするか”って、そもそもの発想は、 きっと、十七年間生きたおれの、 なにも損なわれていないおれの、意志なんじゃないかな、 ってこと。
今、ここにいるおれの思う”正しい”は、 きっと、これまでも、いつだって、正しかったよ。]
(114) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ 十七年、生きて。 きみのことだけ、あきらめられなかったよ。 あきらめられなくて、死んで、 あきらめることを、忘れて、 なんとしてでも、きみだけを救いたかった。
きみ以外、なにもかも、おれ自身も、どうでもよくて、
あのさ、きみの言う、”理解できない”正しさを、 思いつくことが、ダメなのか、 実行することが、ダメなのか。
どうなんだろう。おれにはわからない。]
(115) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ だから、つまり。結局、おれは、おれでしかなかった。]
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(116) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ もう、聞きたいことは、なかった。
おれはただ、きみのほうを向いて、 ゆっくり、静かに尋ねることにする。]
── ネル、
[ 困ったような表情を向けて。 おれはこんな顔ばかりしていた気がする。]
(117) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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おれは、きっと、おれのままだよ。
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(118) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ なにも、劇的になんか、変わらないよ。
もしかすると、おれの忘れた”諦め”が、 おれから、いろんな気力を奪い取って、 突然誰かを斬りつけたりは、しないとしても。
けど、根っこのところ、
絶対、きみだけは生きていてほしいって、 きみだけ生きてくれれば、 親も、知り合いも、あの街も、何もかも、 めちゃくちゃになったって、どうでもいいから、 きみだけ、救いたいと思った。]
(119) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ おれは、おれでしかないよ。 きみの隣にいた、”紀陸類”なんて、 もう、とっくに、この世のどこにもない。
いつからかわからないけど、 どうしてこうなったかなんて、覚えてないけど、 おれは、とっくに、きみの理解の及ばない、 化け物めいたなにかだったのである。たぶんね。 ごめんね。]
(120) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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── 生き返る理由なんて、 おれには、ネルしかないんだよ。
ネルの世界、見えたらいいなあって、 思った、だけだから、
ネルが迷惑なら、生きたくもない、から、
── ネルは、それでもいいの。 .
(121) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ きっと、最後まで、 ”ふつう”になれない、 今のおれは、 やっぱり最後まで、 まっすぐ、きみを、見ていた。*] .
(122) nabe 2016/06/20(Mon) 02時頃
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[ きみは、困った顔をして、 途切れ途切れ、言葉を紡ぐ。>>140
その、きみの、なんともいえない表情に、 おれは、それでも、少し迷ったのだ。
きみを困らせるなら、生きる意味なんてないし、 きみの言葉、そのまま縋っていいのかな、とか、
少しの、逡巡のあと、]
……ネルが、そう言ってくれるなら。
[ それは、もしかすると、 きみには予測できた言葉かもしれないね。
おれは、空っぽみたいな目で、 ずっと、きみを見ていたに違いない。 今も、この七日間も。]
(159) nabe 2016/06/20(Mon) 22時頃
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……生きる、よ。
[ 一緒に、って。 一緒に見よう、一緒に帰ろうって言った、 ”きみの言葉を信じるよ” おれは、そうしてもいいんだって。
そのやり方が、”信頼”とか、 そういう言葉に相応しいかは、ともかく。]
(161) nabe 2016/06/20(Mon) 22時頃
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[ まだ、宣言はしない。 きみのあとがいいと思うから。
それに、今は、つかつかと歩み寄る、 長身の男の要求>>143に、気を取られ、 またきみを見て、待っているよう>>151言われて、
落ち着かず、その背を見送るので、忙しかったのだ。*]
(162) nabe 2016/06/20(Mon) 22時頃
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── last moment @ UG ──
[ 真っ白な部屋に戻ってきたきみに、 おれは露骨に安堵の表情を見せただろう。
それから、ほどなくして、きみは口を開く。
生き返る。エントリー料も携えて。
その選択を、おれは心から喜んだし、 ただ、「おれもそうする」って、追随した。]
(214) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ ── それが、その世界での記憶の、最後。*]
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(215) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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── 1st day @ RG ──
[ ── あのバスは、そう遠くへはたどり着かなかった。
事故はなかった。 目が覚めたとき、そこは、 おれがよくわからないまま選んだ、 オフシーズンの観光地で、
(ああ、なるほど。どうりでチケットが安かったわけだ)
なんて、頷くおれの隣には、きちんと、きみがいた。]
(216) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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── ネル、
[ (おれは、きっと、おれのままだよ)]
……おかえり。
[ ほら、言ったじゃんか。
おれ、覚えてるよ。どうしてここにいるのか。 なんて言って、きみをここに連れてきたのか。
( 逃げよう、この街から。 なにも聞かないで、一緒に来てほしい >>2:321 )
……おれを、信じてくれて、ありがとう。
あとで、いくらでも怒っていいから、 今だけ、おれのお願いを聞いてほしい。]
(217) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ 紀陸 類のエントリー料たる「諦め」を以てしても、 唯一、諦めきれなかった夜の続きが、ここにある。]
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(218) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ 結局のところ、遠くまで逃げる、なんて非現実的で、 おれたちは、早々にあの街に戻ることにした。
ちょっと寂れた空気さえあるその観光地の、 古ぼけたお店で、きみと、少し早めの昼食を取った。 行きのチケット代しか持っていなかったおれに、 きみは、少し呆れたような顔をして、財布を取り出す。
ごめん。とおれは言って、 結局、帰りのチケットもきみが買った。 オフシーズンだからか、本数も少なくて、 到着が翌朝になる便しかなくて、
明日の朝には帰るね、なんて、 きみは家に連絡を入れて、
また、ふたり並んで、帰りのバスに乗り込んだ。
その先で。 ただいま なんて、言う必要はなかった。]
(219) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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── 2nd day @ RG ──
[ 久々の我が家は空っぽで、 それは、モノがない、って、 昔から変わらない意味でもそうなんだけど、 いつだって、ほんと、暇人みたいに、 (いや、事実、彼らは暇だった) 狭いアパートの一室に佇んでいた、両親さえ、
そこには、いなくて。
代わりに、なんにもない部屋に、 おんなじ服着た人間たちが、わらわら。
ほら。逃げて正解、じゃないか。]
(220) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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── こんにちは。
[ ケーサツのひとだなあ、って、
なんとなく、焦りとかでもなんでもなく、
あの、死後の世界、ドラッグストアで見た、 最後の、白い部屋でも見た、元・警察官っぽい男とか、
それから、ケーサツのオシゴトって言った、 あの、赤毛の死神を、思い出した。]
(221) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ 当然、別に、制服の大人たちは、 おれを逮捕しにきたんでもなんでもなくて、 ほんとに、役割を全うしてしまった、 両親のために、ここにいた。
彼らの幸福のために、他人が死んだ。
そう。ほんとにやっちゃったのだ。 ゲームマスター、いわく、RGって場所で。
ばかだよな。おれだって、 その世界のルールは守ったのに。
そんな状況の中、 決行の夜の翌朝、おれは帰宅した、らしく。 「どこに行っていたのだ」という問いかけに、 素直に、逃げていたのだと説明したおれは、 どうして警察に知らせなかったのか、 みたいなことで、説教を食らい、]
(222) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ そんなこと 他人の命まで おれが知るかよ ]
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(223) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ とまでは、思わなかったけれど、
(なぜおれにそんなことを言うのか) みたいな顔をしていたおれに、 たぶん、ケーサツの人びとは、頭を抱えていた。
なるほど、”ふつう”に考えて、 どうやらそれは、おれの役割だったのだ。] .
(224) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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……なんか、すみません。
[ なにも分からず口にした謝罪は、 ぽつん、と、宙ぶらりんに浮かび、 ケーサツのひとは、話を聞かせて、 みたいなことを言うから、おれは頷いた。
……頷きながら、おれは、 きみが無事でよかった、と、ただ安堵する。
── きみは、向坂音流は、生き返った。 今は、ただ、それだけでいいって、おれは思う。 やっぱり、思ってしまうんだよ、ネル。]
(225) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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[ ── 今日も、すばらしきこの世界は、歪な幸福に満ち満ちている。*]
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(226) nabe 2016/06/21(Tue) 01時頃
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── 3rd day @ RG ──
[ ── もしも、何も起こらなかったら。
両親(とおれ)の役割なんて、大したものじゃなくて、 逃げよう、なんて、おれの杞憂に終わって、 でも、おれが帰る気になれない、みたいな。
そういう展開があったとしたら、 父さんと母さんは、 ふつーに生きるのに困るかもしれない。
なんて、数日前のおれはいらぬ心配をしたもので、 最後の親孝行のつもりで置いてったいくらかのお金は、 案の定、手も付けられず、残されていた。
うちを調べてる警察のひとにことわって、 皺のよったお札をポケットに突っ込んで、 また、ふらふら家を出た先に、きみの顔を見た。>>291]
(309) nabe 2016/06/21(Tue) 23時半頃
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[ ここしばらく、毎日顔を合わせてて、 懐かしい、ってはずもないんだけど、 なんだか、とてもほっとする。
だから、ゆらり、とおれは近づいてって、]
……おはよう。 桐原に、お金返しに行こうと思って。
[ って、言ったんだけれども、 きみは、浮かない顔をしているから。
おれは、少し悩んで、口を開く。]
(311) nabe 2016/06/21(Tue) 23時半頃
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……驚かせてごめん。
[ そういうことじゃない?
そうかもしれない。 きみは、おれの予想しない方向に、 泣いたり、怒ったりするのかもしれない。
だけど、おれにとっては、そういうことだったのだ。
きみが、無事で、良かった。 すごく長い道のりだったけれど、 おれの願いは、遠回りを経て、 きちんと、成し遂げられたんだよ。]
(312) nabe 2016/06/21(Tue) 23時半頃
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── ネル、後悔してる?
[ おれを信じたこと。生き返ったこと。 そういう、全部について。
おれはしていないのだ。困ったことに。
それがダメなんだって、 うっすら、分かってはいても、 気もちはついてこないよ。 きみが生きていてくれて、うれしいよ。
だから、きみが、そんな顔をしていても、]
……ごめんね。
[ ── って、薄っぺらい謝罪を吐くほかないのだ。*]
(314) nabe 2016/06/21(Tue) 23時半頃
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── とある記録 ──
[ "従順な息子"の言うには、以下の通りである。
「あの夜になにかある、とは聞いてた、けど」
「ほんとは、たぶん、おれも、行くはずで」
── それが嫌だったのかな?
「……いいえ」
── 誰かに知らせようとは思わなかった?
「……別に」]
(380) nabe 2016/06/22(Wed) 18時半頃
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[ ── こんなに大事になるとは思ってなかった?
「……?」
── 人が死ぬとか、けが人が出るとかさ。
「そう、思ってたら、」
「誰かに知らせたほうがよかったんですね」
── …………*]
(381) nabe 2016/06/22(Wed) 18時半頃
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[ あれが本当に17歳か、と誰かが言った。
この状況に怯えるでも、取り乱すでもなく、 紀陸 類は、静かな目で質問に応じたものの、
時折、落ち着かなさげに視線を揺らし、 言葉少なな返答は、大人を落胆させた。
── 興味がないって目ですね。 ── 何にだよ。 ── 何もかも。
たぶん何も知ってやいませんよ、と、 若い男の期待も何もない声さえ知らず、
紀陸 類は、また別の者に見送られ、 モリ警察署を後にしようとしていた。
少し猫背気味なのは癖だろう。 ゆらゆらと、軽い足取りは、ひどく、日常じみている。]
(382) nabe 2016/06/22(Wed) 18時半頃
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── After day:モリ警察署 ──
[ 取り調べではない、はずだけど、 厳つい顔した警察官に話を聞かれる、 そんな時間から、やっと解放されたところだった。
おれは、桐原にお金を返さなきゃなあとか、 山田さんにもらったケータイの番号を、 ケーサツに教えたとなると、面倒そうだ、 とか、"これから"について、考えていた。
大した悪事も働いていないくせに、 山田さんは、警察って人種がとにかく嫌いなのだ。
ひとまず、一度家に帰ろう。 そう考えて、警察署を、出て行こうとした時だ。]
(383) nabe 2016/06/22(Wed) 18時半頃
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[ ── あ。
って、おれは、気づいた。
死神と警察官の二足草鞋は大変だと、 先日もこぼしていらっしゃいましたね。
その節は、ご親切に、ありがとうございました。 パートナーを信頼しろと、 あなたが言ったんですよね。>>4:248
死ぬのは罪、でしたっけ。 おかげさまで。 おれは無事、生き返り、 今、ここにいるわけですけど、 徳でもつんだことになるんでしょうか。
── 親愛なる、ゲームマスター様。]
(384) nabe 2016/06/22(Wed) 19時頃
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[ 入れ違い、みたいに、
署内へとやってくる、 いつか見た面影に、 おれは、すれ違いざま、 ……なんというか、"おもわず"、
きっと、目的の達成を知って、 浮かれていた、のかもしれない。
(ある意味、恩人だよね、彼女は) (というよりも、あの、死神のゲームとか、) (あの、奇妙な七日間の、すべて)
── 目を細め、口角を上げ、ゆらり。
手を、振った。*]
(385) nabe 2016/06/22(Wed) 19時頃
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── 3rd day @ RG ──
[ あとで、いくらでも怒っていいよ。
って、思っていたとはいえ、 おれが想像していたのは、
たとえば、 誰かを犠牲にして生きることになる、 きみの気もちについて>>7:+30であるとか、
(これまでに学んだ、とも言える) そういう事柄について、だったので。]
── おれは、
[ 思いがけない言葉に、戸惑って、 まっすぐの眼差し>>389に、射抜かれて、 声になろうとした言葉が、蹴躓く。 それでも、おれは言った。]
(393) nabe 2016/06/22(Wed) 20時半頃
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……いいよ。
大変でも、なんでも、 ネルが、一緒に帰ろうって言ってくれたから、 それで、いい。
[ ほんとに、正直なところ、 そうとしか、言い様がないのだ。
両親に会えないからどうとか、考えもしなかったし。 多分、おれは、もう、ずっと、 ”幸せそうなひとたちだなあ”って、 そのくらいの気もちしか、あの家に、なかった。
あの夜、捨ててしまえと思えるくらいには、 きみのほうが、大切だったのだ。]
(394) nabe 2016/06/22(Wed) 20時半頃
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[ それに、真面目な話、 おれはするべきことをしなくて、 止めれたかもしれない何かを、放って、 それを、大人たちにも咎められているようなので、
おれが大変なのって、当たり前なんじゃない?
色々、よくわからない、足りない頭のおれだけど、 ”ふつう”そうなんだったら、そのくらい、背負うよ。
そうじゃなくたって、親が”ヘン”だから困るのも、 多分、当たり前にふつうのことで、仕方なくて、 そこは、もう、よく知っているのだ。
……十年も、ずっとそうだったじゃん。]
(395) nabe 2016/06/22(Wed) 20時半頃
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……”大変”ってだけじゃ、 そうそう死なないし、死ねないし。
どうしたいか、とか、ないけど。 ネルとの約束、守りたいから、 なんとか、するよ。できるよ。
[ これまでだって、なんとかしてきたんだから、 贅沢しなきゃ、多くを望まなきゃ、 どうとでも、生きていけると思う。
こういうのがダメなの? って顔で、 おれは、きみの表情を伺う。]
……必要なら、なにか、考えるし。
[ って、ダメ押しみたいに付け足したのは、 たぶん、おれが口にしたのが正解じゃないって、 薄々、頭ではわかっていたから、かもしれない。*]
(396) nabe 2016/06/22(Wed) 20時半頃
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[ 明らかにきみの機嫌を損ねたぞ。 という空気に、おれは割と本気で簡単に、 この場から消えていなくなってしまいたくなるわけで。
更なる追撃>>447>>448に、 おれはただ、なんにも言えなくなる。
誰かが、というかきみが、 そうして欲しい、って言ってくれなかったら、 生きる気もなかったよ、なんて。
今更、言えるわけないじゃないか。
きみを巻き込んでなきゃ、 あんなゲーム、真っ先に降りてた。 なんて。]
(485) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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[ なので、死にそうな声を吐く。]
……そういうことじゃないなら、 よく、わかんないし……、
[ きみの言葉になにも言えなくて、 じょじょに萎んでいく声とか、
呆れたような顔をして、 おれの前に堂々と立つきみ、とか、
なにも答えが出てこなくて、 ひどく、息苦しいはずなのに、 なんとなく、懐かしいような、気がして、]
(486) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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[ ── 本当のきみは、こんなじゃない。
って、思ったはずなのに、忘れていたのだなあ。
生来、ひどく引っ込み思案で、 だからこそ、きみの後ろにこそこそ隠れて、 他の子どもから逃げ回っていたおれと違って、
きみは、気は優しくとも、にこにこしていても、 なんだか、頼もしい背中をしていた。
……っていうのも、いつも、 きみの後ろをついて回っていたから、知ってるのだ。
いつの間にか、遠のいて、手も届かなくなって、 ── って思うようになって、忘れかけていたけれど。]
(487) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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[ きみのはじめての作品は、蝶の王子と蛾の姫の物語だった。]
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(488) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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[ おれは、なにがなんだか、って顔をしていただろう。]
── すごく、迷惑だと思うんだけど。
[ って言うと、きみはまた拳を握ったかもしれない。
けど、事実そうじゃない? って、 おれは、困った顔をして、差し出された手>>453を見て、 また、しばらく、考えこんで、
おれは、おずおずと口を開く。]
(489) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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本当に迷惑ばっかりになりそうなら諦めるから、 ── 一度だけ、挑戦してみてもいい?
[ 結局のところ、 ”ネルと一緒に”って言葉に、おれはとことん弱くて、 少しでもきみの役に立ちたい、ってところは、 今のところ、揺らぐ気配はないんだけれど、
暫定、”おれのやりたいこと”がソレってところで、 どうか、手を打っていただきたい。
── 元通り、まっすぐに立つきみとなら、 探しものは、たぶん、そのうち、続く道のどこかで。*]
(490) nabe 2016/06/22(Wed) 23時半頃
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[ あの、惨めな最期の夜から、数ヶ月が経って、そして。]
.
(537) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
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── After:再度、はじまり ──
……はい。はい。いってきます。
[ 恐ろしく硬い声と態度で、おれは頷いた。
今日は、しとしとと小雨の降る薄暗い日で、 湿っぽい空気が漂っているはずだけれど、 きみの家の温度や湿度は快適に保たれており、 おれはそのことに、いちいち感動する。
未だいろんなものに慣れないおれは、 ものを目的地まで運ぶ、ということにさえ、 ひどく緊張していたりもするし、 そのせいで、きみの朗らかな笑顔とは裏腹に、 おれの顔は引き攣っていたことだろう。]
(538) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
|
|
[ きみがおれに与えてくれた機会は、 なんというか、想像の数倍くらいは大それたもので、
生憎、高校にも通わずしていたことが、 迷子のペット捜索や、ゴミ屋敷の掃除や、 廃品回収や、浮気調査みたいな、 たぶん、きみの想像とは少し違うものであったおれは、
その事実を告げるタイミングを見失ったまま、 雑用とか、おつかいとか、そういうところから、 とにかく、駆けずり回る日々を送っている。]
(539) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
|
|
[ 今回も、きみの新しいお話は、 やわらかくて、あたたかくて、きらきらしてて、 おれはそれを読みながら、
まだ、あのユウガオ>>-1620が咲いていたらいいな。
って、なんとなく、思い出して、 少しだけ、目的地に向かう足取りは軽くなった。
少し前にそれを見たとき、 きみはなんだか、不思議な表情をしていて、 おれはそのことを、よくよく覚えていた。
……さすがに、摘んで帰ったら叱られるだろう、
ということは、察しがつく。 つくようになった。のかもしれない。]
(540) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
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|
[ 雨の日は、荷物が濡れないか不安だけど、 傘が顔やいろんなものを隠してくれるので、 わりかし、嫌いじゃなかったりする。
きみは、気にするなと言ったかもしれないし、 実際、気にしすぎかもしれないけれど、 やっぱり、たぶん、これから一生、 おれの立場は、”ふつう”ではないし。 それは、おれが背負うものなんじゃない?
とかさ、 きみは、そんなことないって言うかもしれないけど、 やっぱりそうなんじゃないかなあ、とか、 思ったりもするわけだ。最近。]
(541) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
|
|
[ とにかく、そんな日常にも、 父さんや母さんが帰ってくるのか、とか、 まだまだ、おれの周りに宙ぶらりんなことはあって、
そんな中、こうして、 なんとも平穏に過ごしている自分が、 少し、怖い瞬間も、ある。けれど、
今のところ、取り戻したはずの”諦め”さえ、 振りかざす必要のない日々を、生きている。*]
(542) nabe 2016/06/23(Thu) 02時頃
|
|
── あ、ねこ。
.
(552) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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── Sequel:ねこの季節はまた巡る ──
[ 今日は、 野良猫がふてぶてしく路上に転がっているくらいの、 気持ちのいい晴れの日で、
おれは、真っ昼間から、ひとり、 注意深く住宅街を歩いていた。
警戒する素振りも見せないその猫に、 おれは、なんだか、吸い寄せられるみたいで、]
…………、
[ きゅうけーい、と、心の中で宣言して、 おれは、道端によいしょと腰を下ろした。
今年も、迷い猫を探していた。]
(553) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ あの、一度迎えた終わりから、数年が経ち、 おれは、まともに食事をとるようになったからか、 5cmくらい背が伸びて、
なんとも、自由気ままなおとなになった。
夢、なんて、大それたものじゃないけれど、 これがしっくりくる、というか、 性に合う、というか、って、 正直、また幼馴染が拳を握りしめそうな、 大雑把な主張を振りかざして、]
(554) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ ── 強いて言うなら、
怪訝そうな顔をした彼に、おれは言った。
── 名探偵然としたおとなが猫を探してる絵面に、 ── 夢を壊されるこどもが、減るように。
畳み掛けるように、おれは言う。
── 得意だったんだ、おれ。猫、探すの。
とまあ、そんな馬鹿げたことを、 いけしゃあしゃあと言えてしまうくらい、 おれは、なんというか、元気に生きている。]
(555) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ 出版社でのオシゴトは、 きみの役に立ててる気がしたり、 きみの作品に関わることができたり、 とても、楽しかったんだけれど、
きっかけがきっかけだから、 ずっと甘えているみたいで、 いつかは離れようと思っていた。
っていうのもあるし、
── 結局のところ、
”ふつう”の暮らしが遠かったおれには、 緩まったままだったり、なくしっぱなしの頭のネジが、 やっぱり、いくらかはあるんだと思う。]
(556) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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……休憩、終わり。
[ 日が暮れちゃうし、って、 おれは、ゆるやかに立ち上がる。 野良猫は、「なあん」って一声鳴いた。
今、なにをして生きてるの、と言われたら、 「なんでもするよ」っていうのが、 たぶん、一番正解に近い。
迷子の猫を探すのが得意だよ。 引っ越しの手伝いでも、ゴミ屋敷の掃除でも、 なにかの列に並ぶとか、送迎とか、 探偵まがいのことでも、何かの助っ人でも、なんでも。
おれの良識と力の範囲内で、 できそうなことなら、なんでも。
っていうと、誰かが笑いそうだけれど。]
(557) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ さてと。おれはまた、慎重に歩き出す。
いつか住んでいた団地の前を通っても、 もう、乱暴な落書きもなにもないし、 おれが脳天気な顔で歩いていても、 視線が気になる、ということもない。
なんだか、ひどく平和で、 やっぱり、たまに、 おれがこんなにのんきに生きてていいのかって、 思うけれど、
とりあえず、今は、これが、 身の丈に合って、しっくりくる、 いつか言われた”おれの幸せ”なのかなあって、 思ったりも、するのだ。]
(558) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ それから少しして、 名入りの首輪を付けた猫を捕まえた。 元気そうな様子に安堵していたら、 ケータイに電話がかかってきて、 明日は引っ越しの手伝いをすることになる。
何もかもにも恵まれている、 というわけではないけれど、 おれの生活は順調だ。おれは幸せだよ。 って、今も、伝えたいと、一番に頭をよぎるのは、 やっぱり、他の誰でもない、きみの顔なのだ。
なんせ、きみは、 おれの自慢の、幼馴染であり、恩人である。**]
(559) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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