255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[フローラが少し様子が変だったこと 美味いけれど山羊とは思えない肉を食したこと 母親の幻覚を見たせいで良い歳こいて 子供のようなことを――子供のような願いを 思わず、口にしてしまった事。
それらは、記憶として曖昧になった。 フローラの手にしていた皿が割れたのと 二階に居る筈の人物の叫び声で―― 何もかも、醒めはしても。 断片しか今のアポロの記憶には、無い。
幻覚と幻聴から立ち直らせた起因の一つが 、、、、、 ブティックで声をかけていた男のものであるとは フローラの呼び止めようとする声を聞いても>>19 構わず出て行ったアポロが察知づく余裕など無かった]
(30) 2018/12/08(Sat) 12時頃
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[消火作業は深夜から早朝にかけて続いた。
崩れた建物の残骸を検証した結果 今のところは店主の遺体は見つからない。 崩壊した天井や柱の下を 全ては確認出来ていない為 確実なことは言えないが――――
留守だったのかもしれないと 自警団員は口にする。] そうか……引き続き検証を頼む。
[もう自警団ではない上 両足がなくて役に立たない男は、 彼らの仕事に加わることは許されない。]
(31) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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頼む、出てこないでくれ……。
[骨や、――生焼けた身体が。 そうでなければこうも考えられる。
今日は店を休んでいて。 パピヨンは写真家の男の家に泊まっており 自分の店が火事になった事を気づいていないと。
けれど。 携帯に何度も着信を残せど留守番電話になるのは 随分と“お楽しみ”が過ぎる。 祈るように拳を握り、パピヨンの無事を祈っていた。]
(32) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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[その時だった。 フローラからのメールが届いたのは。>>25>>26
―――アポロの不安を取り除いてくれる唯一の、 パピヨンからのメールだと思うも フローラの名前が受信メール欄の 受信元に表示されており、落胆の息をつく。]
なんだ………、
[ が。
内容を開いてみてから、ぎょっとする。]
(33) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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[なんだこれは―― なんだこれは。
まさか不法侵入した人物が花屋にまで?]
(34) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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[その場で調査を続ける自警団にでも 協力を依頼しかけて、――出来ない。
今は火事の調査や近隣住人が野次馬して それらの対応に当たっているからだ。]
くっ……。
[せめて屯所に電話をかけながら、 車椅子を動かし、花屋へ向かう最中に 通報を入れたところ。]
(35) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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[ミナモトよりも上の。 現在の団長にあたる人物に電話を取り次がれた。]
あの、……実は、
[しかし、花屋でフローラが何者かに 襲われそうになっていると告げようとして。 遮られてしまった。
公園の像に欠陥があったと。>>25 頑丈な材質だから本来早々壊れるものではなく 製作者のミスではないかと通報があったと。>>26]
(36) 2018/12/08(Sat) 12時半頃
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[此方の伝えたい事>>25>>26は伝えられず 像の損傷について>>28>>29審議にかける為、 話を聞かねばならないと。
任意同行――ではなく。 拘留措置。
キングスの像だからこそデリケートな問題で、 自警団はキングス政府の狗の意味があり 召集に掛かりにくいのは>>0:507 キングスにとって区画を律するのに都合が良いからだ。
だからこそ、調書を取り。 召集の日まで身柄を拘束させて貰うと。]
(37) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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[それは―――――]
嫌、です。
確かに俺ぁ、製作協力のひとりではあるし 若い頃からあんたに、… 自警団に世話になって恩もあるけれど。 [きっと、いくらでも喜んだ。 自警団に拘束されていれば、 出立までフローラの嘆きを聞かなくて済むから]
俺は、せめて最後くらい フローラの傍に居てやりたい――
[彼女の身に危険が迫っている内容のメールもある。 ただ、きっとそれだけじゃない。 家族の“ようなもの”、家族“みたいなもの” そうやって区別していた少女は、]
(38) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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……妹の傍に……
[アポロの望む家族じゃなくても>>18 母親に報告しなければと思ったから。>>4:217
母親を裏切った男ではあるけれど。 父親はどこまでも自分の父親で、 よその女は他人であるしどこまでも他人だが 愛情が結びついて生まれたこどもだから>>1:6
だから、 フローラだけは、
ようなもの、みたいなものではなく、 家族だったのだ。 その答えに辿り着くのが今なんて ――遅すぎるけれど]
(39) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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『それを聞いても、ヌヴィル。 私は部下らを守る為にも 君を手配にかけなければならない』
[分かっていた答えが返ってくる。
もう、自警団を頼ることは出来ない。 それどころか、身を隠さねばいけない。
もしも、捕まってしまったら、 あと数日で到着する“ふね”の召集まで 拘留所に閉じ込められることで ―――此処での余生を潰される。]
(40) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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[通話を切る。 花屋はもう、目の前だ]
ミナモトと飲めなくなっちまったな…。
[メールでやりとりしていた約束の日は 今日の夜であったが、もう連絡は取れない。 後輩は自警団員で、副団長。 団長の決定に逆らうことは出来ないし>>40 会えば、捕縛されてしまうことになるから。]
(41) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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[花屋に到着し、施錠は無かったゆえに中へ入る。]
あれ…? [来たときと何かが違う気がした。 鉢植えの有無の差。 あの鉢に蝶の頭部が沈んでいるなんて、 到底、気が付く事は出来ないまま。
二階とは聞いていたがこの足で上がるのは困難で 一旦台所に向かえば。 床で倒れている夫妻を揺り動かす。>>27]
すみません、起きてください…! っ……いつまで寝てやがる、 とっとと起きろよ……!!
[ううんと唸るばかりで二人は直ぐに目覚めない。 苛立ちを籠めて店主の頬を張った事で 一応は覚醒したようだが動きは鈍く。]
(42) 2018/12/08(Sat) 13時頃
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[―――待っていられない。
二階に続く階段の前まで車椅子で向かい、 腹部と椅子を留めているハーネスベルトを外し、 両腕を伸ばして階段に飛びつく。]
っは……くそ……。
[膝から下が無いのだ。 両腕と上半身の筋力のみで上がるしか方法がない。 絵や造形に没頭する三年間ではあったけれど 上半身はせめて団に居た頃のように 鍛えておこうとダンベルで運動くらいはしていたが。
まさか、こんな所で登攀するのに役立つとは。]
(43) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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[一段一段片腕ずつ伸ばして、階段を掴む。 手の力だけでは困難で。 それに、汗で滑ってしまう。 何度も失敗して上に上がれずに居たが]
落ち着け……しっかりしろ。 [冷静を己の身体に言い聞かせ、 肩や腕の筋力を使うのを試みて 一段、また一段と上り、]
っう……!?
[コツを少しずつ掴んで上階に近くなり あともう少し―――という所で。 下半身から滑ってしまいそうになり。 板に爪を立て、必死にしがみつく 中指の爪が罅割れて激痛が走ったが耐えた。]
(44) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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[汗が伝い、呼吸も乱れる。 ほら、だから足がないと――――。
階段の上り下りさえまともにひとりでは出来ない でも、フローラを助けらるのは、 今は、自分しかいない。 足がなくても>>3:235助けられるのは今は、自分だけで]
はぁっ…はぁ……っふぅ……
[階段を越えて―― 上半身だけの力ではなくて 腰に力を入れて、大腿に力を入れ、 膝から上を這いずらせる。 赤ん坊のハイハイ程度ではあるけれど]
(45) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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どこだ、……どこだフローラ!
[メールにあった男が傍にいるのならば 声を上げるべきでは無いと判断しかけたが 階段を登る物音は既に立ててしまった、意味がない。
物置部屋の付近で、>>27流石に疲れが出る。 腹ばいのままであるのは変わらないが 腕縦伏せのような状態で身体を支え引きずっていたが 床についていた手のひらが、 更に前進しようとした時、汗で滑り。 惨めにうつぶせになってしまった。]
ッう……
[階段の下には車椅子は置き去り。 身体はかなり疲れていて、でも。]
(46) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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フロー…ラ……
[顔が――見たい]
(47) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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[アトリエや自宅には、家宅捜索が入っている。 自警団が手配を掛け、 アポロ=ヌヴィルを探しているのだ。 商店街へ聞き込みに回ることも あるのかもしれない。 閉店している花屋は優先度が後となるも]*
(48) 2018/12/08(Sat) 13時半頃
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[もう一度上体を立てねばと腕に力を入れかけて 疲労した身体は、それ以上動かなかった。 その間――無視をしていたが着信が入っている。 パピヨンからの折り返しであれば良いけれど おそらく、そうではないのだろう。
自警団。 大学。 事情聴取に応じた商店街の住人。
あちらこちらから電話が掛かっているのだ。 煩い――うるさい。 今は、それどころではないのだ。
その時、携帯の着信音に紛れて、 背後から鍵の開く音がして、>>51 妹の声が聞こえ――肘をつき、振り返る。 髪は乱れて>>50けれど無事な姿。>>53]
(55) 2018/12/08(Sat) 16時頃
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ッ、フローラ、無事だったか……!
[何処かに連れ去られては、居なかった。 肉塊に変わり果てては、居なかった。 焼かれても居なかった。 案じた彼女は―――― “何故か彼女だけが無事”
だが、違和感に首を傾げはしない。 無事であったのが奇跡だというのなら 奇跡を呪うことなど、あろうか。]
(56) 2018/12/08(Sat) 16時頃
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良かった……。 [手の爪は罅割れた中指以外も折れかけていて
それに――見えない部分も痛い。]
ぅ、ぐ………。
[階段の段差を乗り越えるのに 何度もぶつけた両脚の太腿も膝も痣だらけ。
安堵を契機に痛みを認識し、 抱擁する彼女をよそに、顔を顰め苦痛に唸る。]
(57) 2018/12/08(Sat) 16時頃
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[泣いている間も携帯は鳴り続けている。>>54 いいや、フローラの携帯も鳴るだろう。 自警団からの情報提供を求める電話が。] フローラ……
その、な…。 自警団に追われていて……、 公園の像に、故意の欠陥をつけられたと 反キングスの容疑が、
[どう話を纏めれば良いものか。 悩みながら、泣いている彼女の手を握り 今、己の置かれている状況を妹に伝えようと。 パピヨンの店が燃えてしまい、 無事であるかも解らないだけに 冷静ではいられず、唇が震える。]
(58) 2018/12/08(Sat) 16時頃
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[肩を捻り、上着のポケットに押し込んだ携帯を見る。
着信は丁度途切れており、着信履歴をみれば 自警団の番号や、 幾つかの商店―― アトリエに近い方から履歴がある。]
此処もおそらく、時間の問題だし。 花屋に入るところを見てる住人が居たら……
[此処の二階で匿って貰うことも考えはした。 けれど、変に助力して 営業停止を食おうとする商売人もおるまい。 それに、悪質行為をしていた何者かが 花屋に妹を預けた事を突き止めているのなら。 長居することを得策とは、思えなくて。]
(59) 2018/12/08(Sat) 16時頃
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でも、何処に隠れたらいいのか分からねえ。 パピヨンなら、力になってくれたかもしれねえが…。
[頼みの彼女の店は焼け落ちてしまった。 それどころか、五体満足かも解らない。 アポロが、呪ってしまったせいで―――、
人道的な仕業であると目を醒ませそうなものだが 怪奇現象に近い出来事の数々が思考力を狂わせる。]
それでもせめて捕まる前に、 こうして無事を確かめられて良かった…。
[恐らくはもう、逃げ道がない。 そう踏んで、達観したように苦く笑った。
しかし、アポロが拘留されてしまったら 誰がフローラの身を守ってくれるのだろうと 自警団に頼れなくなった今、光明は見えず。 顔色は仄暗く、希望が見出せない]*
(60) 2018/12/08(Sat) 16時半頃
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そんな大したもんじゃねえ。 描かなきゃならないもんも…無駄になったしな。
[イアンに届ける意味があれば描いただろう。 だが、モデルであるパピヨンが 今も生きているか分からず イアンも“本物”であれば いつか、帰ってくるかもしれない。
昨日のぞっとする時間を思い出せば 生きているとは思い難くとも。
急いで絵を仕上げるなら治療は施す方がいい。 けれど、どうせ食用になる身体だ。 労働用でも無いし、五体満足である必要は きっと、何処にもないから。 それに――行けない理由がある。>>89]
(144) 2018/12/09(Sun) 03時半頃
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多分……。 誰かが故意に壊したんだろうよ。
完成してから二十年も経っていないし、 定期的な補修作業はしてたんだ。
[欠けたりしないように石膏を塗り固めた。 余程強い衝撃を与えない限り大丈夫だろうが]
けれど、証拠がない。
[勝手に壊れたと証言されてしまっては、 管理不届きや製作時の欠陥を見逃したと レッテルを貼られても仕方がない。 フローラの言うおかしいは、 別の意図を孕むとは気が付けない。>>91]
(145) 2018/12/09(Sun) 04時頃
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現状では、どうにも。 像の状態を見れば外的要因なのか 中から崩れたかの違いは解る。 ただ、確かめるにも公園に行かなきゃなんねぇ
[現在はバリケードが張られており、 立ち入り禁止状態で自警団が見張っているだろう。 指名手配を掛けるくらい大事にするからには]
一時的な拘留と事情聴取になるだろうが 一時的ってのは数日は掛かるって事だ。 [製作者としての検証や見解を述べたところで その間身柄を拘束されるのは間違いない。 まさか、あの冗談が本当になるなんて>>0:575 どれだけ不運が続いているのやら。]
(146) 2018/12/09(Sun) 04時頃
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[自警団に連れて行かれる事を嫌がるのは 身内としては当然だろうけれど。 妹と残された時間を過ごしたいという願望と このまま逃亡を続ければ 一体、どうなるかを天秤に掛ける。] 俺だって行きたくねえし、 出来るならお前の傍に居てやりたい。
だが、拒み続けたら――
[いや、現時点でも既にその可能性はあるが]
(147) 2018/12/09(Sun) 04時頃
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お前が召集に掛かりやすくなる。 反キングス思想の人間は 当人や身内が召集に掛かりやすいって噂はあるんだ。
[アポロは誰かのように研究を重ねたり 統計を取ったりはしていないものの あそこの住民はどうだとか出版物が云々、 事実、一家全員が召集に掛かるケースもある。 ―――ノッカの家のように。]
それは……困る。
お前が、宮廷行きになって くたくたになるまで働かされるのも 母さ、……化物の孕腹にされるのも。
俺ぁ、いやだ。
[妹が義母の血筋により、 迫られている現実を知らず。]
(148) 2018/12/09(Sun) 04時頃
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……?
[だから、自警団に出頭するのが最善かもしれない。 そう考えていると方法があると妹は告げる。 曰く、義母の家筋を頼れると。 富豪の出自だとは聞いていたものの]
お前、知ってたのか……?
[その話題は一切出さないという話だった。 複雑そうな表情を浮かべ、黙り込む。]
(149) 2018/12/09(Sun) 04時頃
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……内容にもよる。 俺を匿うことでお前に関わるなら どんな好条件でも頼れない。
[フローラの置かれている状況を知らないが アポロはのうのうと妹の倍を生きてはいない。
区内で指名手配をかけられた政治犯を 俗縁のよしみといっても 喜んで一時預かりを引き受けるなんて 正直なところ、思えないからだ。
まして、家柄や確執を重んじる名士なら 尚の事普通は嫌がるものだろう。 何のリスクもなく見返りだけ与える――― その様なうまい話はあると思えない。 アポロが義母の実子ではないだけ、余計に。]
(150) 2018/12/09(Sun) 04時半頃
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[壁に凭れさせる介助には肖るも>>95 流石に足二つ無いからといっても 妹とアポロでは体格や体重に差がある。
階段を降りる介助は流石に男でなければ 不可能だろうから、 店主が起き出してから背負って貰う以外 今のところ、考えつかない。]
……大丈夫だ、いいから。 [ハンカチを巻いてくれる事には素直に応じるも>>94 薬が必要だと口にする妹に首を横に振る。 花屋の常備薬で事足りるなら兎も角、 そうでないのなら、足が付く可能性も高く。]
(151) 2018/12/09(Sun) 04時半頃
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フローラ。 行かないでいい! [下手な事をするとフローラまで手配が掛かる。 重要参考人として。 薬屋に行くと言い出す妹を制そうとするも 言葉以外で引き止めることも出来ない。
階段を一人で下るのは困難を窮めて、 結局、呼び止める声よりも 妹の心配や責任感が勝ったか 妹は――行ってしまった。
それに緊張や寝ていない事、 無理な階段上りをした事で 普段使わない筋肉が悲鳴をあげているのか 倦怠感と眠気に襲われ、意識が遠ざかる。]
(152) 2018/12/09(Sun) 04時半頃
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[うつらうつらとしていると、携帯が鳴る。 着信が今後も続きそうだが電源は落とせない。 パピヨンからの連絡があるかも知れないのだから。
―――もう、ないのに。]
……、っん
[届いたメールに気をやれば、妹からで。]
…あれば、いいのにな…
[返信を打つには爪が痛い。 ただ、黙って読むのみに留め。]
(153) 2018/12/09(Sun) 04時半頃
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[そういえば――、 花屋の店主の弟はどうしているのだろう。 昨日の夕食にも姿を現さなかったようだが。
そう思っていた時。
背後でドアが開く物音を聞いた気がした]**
(154) 2018/12/09(Sun) 04時半頃
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[壁に靠れながら――考える。 制止を振り切って出かけた妹が不意に零した話を。
自身が意識不明の間に義母方の親戚が 訪れていたなんて知らなかった。>>163
ただ、何を狙っているかという事は 今一要領を得なかった。
自警団の英雄は副あの時現場指揮を取り その功績で副団長に昇格するミナモトだが 前妻の息子であるアポロが何かを狙われる理由は 正直なところ、何も思い当たらない。 強いて言えば命になるのだろうけれど…… 義母がヌヴィル家に嫁いだ為、 良家の資産相続権は存在しないと言って良い。 フローラは序列が低い権利もあるかもしれないが それでも良家の家名を継ぐ者らが 全員死ぬか召集に掛かる以外に有り得ない。]
(167) 2018/12/09(Sun) 13時頃
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[だから、フローラ自身が狙われた、 と受け取るも、それなら何故今なのだとも思う。
アトリエを持つようになってからは 実家に帰らない事が多かった為に アポロの留守を狙う事は難しくなく フローラを脅かす機会など幾らでもあったろうに その前提がそもそも狂っており 義母が何かしらを零す相手だと>>0:151 ――― 思いつく事が出来ない。]
(168) 2018/12/09(Sun) 13時頃
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[もう一度考えてみる。
それでも相続権の絡む話にアポロの出る幕はなく キングスの酸を浴びて 健常な身体機能の一部を失われたとて。 不幸なことだ、で終わる話だった。
実子でもなければ良家の恥として “親戚”に忌まれることもなく 家督も財産も彼方が遥か上なのだから 唯一価値があるとする命を奪う―― 始末する理由にはならない。
聞いた話だけでは親戚であるのか 従者であるのかすら理解及ばなかった事もある。
そして、やはり手配者を匿う理由が見つけられず。 妹は嫌がっていたが>>162掴みどころの無い話には 乗るべきではないというのがアポロの見解で。]
(169) 2018/12/09(Sun) 13時頃
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[だって、金持ちほど損得に敏感だ。 少し貧乏なくらいが分け合う心をもっている。
だからアポロは金持ちの女が嫁いでくるのは 反発を覚え、警戒心を働かせた。
そして、事実そうだった。>>166 何かしらの利益を求めて人は動く。 単にそれが――
家の名誉や家督と無関係であった、という話。]
(170) 2018/12/09(Sun) 13時頃
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……なっ、
[花屋の店主の弟――にしては年齢が合わない。 まして、服装も家人にそぐわなかった。 そうと思えば侵入者だと思うのが道理。
この男が妹を襲い、 これまで悪質行為をしていたのだろうか そう考えるも、 アポロはこの人物に“会ったことがない”。 清掃業者に変装していた人物と直面はしていないが 少なくとも配達業者に紛していた男とも 生徒らに混じり声を掛けてきた男とも別人だと解る。 年齢、声、雰囲気、どれも一致しない。]
(172) 2018/12/09(Sun) 13時半頃
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なんだあんた……?
見ず知らずの相手に介護される謂れはない。 [フローラが寄越したならメールにそうと添えるだろう。 嫌がらせをして来た男とは別人としても 不審者には変わりなく、背負おうと促す腕を拒む。 この状況で警戒しないほうがおかしい。 それにしたって此方は両足が無い。 まして体力も底を尽きかけてろくな抵抗は出来ないが そうして手酷い“搬送”となろうとも 拒絶の姿勢を変えはしない。]
(173) 2018/12/09(Sun) 13時半頃
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……お嬢様?
[囁かれた事情の説明に首を捻る。 父親にお世話になったお嬢様――となると]
クロリスさんの事か?
[義母を母親と呼べない理由は二つある。 彼女が自身と年齢が5つくらいしか 変わらなかったこと。 そして、心から母親とは認められなかったからだ。]
(174) 2018/12/09(Sun) 13時半頃
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[しかし、次の一声で全ての点が一本に繋がる。 疑心に強ばっていた顔は、 確信に変わり敵意に満ちる。
この男が告げているのは礼ではない。 ――― 少なくとも感謝の意を籠めた礼では。 業者に扮して不法侵入や大掛かりな盗難をするのも 一個人の手筈で出来るものなのかと勘繰っていたが
――――この男が手を回していたのではないか。
義母方の関係者であれば財力もある。 人を雇うのも困りはしないだろう。
そして。]
(175) 2018/12/09(Sun) 13時半頃
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あんただな、倉庫室を開けたのは。 [仮面を持ち出したのは“別の誰か”とは気がつかず、
けれど。 死んでから――なんて勿体ぶった言い回しは “お嬢様”を呪う痕跡を見たからこそだろうと。]
何を疑ってるかしらねえが、 あんたのお嬢様は病死だ。 [そう、ほんとうに―――病死だった。]
(176) 2018/12/09(Sun) 13時半頃
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[“あれ”を見れば――― 日々少量の毒を飲まして殺したのだとされても 弁解できるのはアポロの舌のみだ。
潔白を示す物証は医者の判断しかないが 金を包んで口を封じる事ができないとは“いえない”
真実を知る遺体はとっくに 墓の中で骨だけ残し、分解されているのだから]*
(177) 2018/12/09(Sun) 14時頃
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なんだ、いい歳こいて夢見がちな男だな。 金勘定する方が得意そうな面構えをしているが 案外、空想論主義者か? 冒涜なんて死んだ人間に届く訳がない
そんなに土いじりの得意な男に盗られるのが嫌なら 鎖でも付けておけば良かったんだ。
あんたは“お嬢様”を飼い猫か何かと 勘違いしてるんだろう?
[父親の肩を持つつもりは一切ないけれども、 父親と後妻の間に恋愛感情が強く存在したのは 間違いなく、確かなことだ。
父親が誑かして一方的に連れて行かれた―― シャム猫を盗んだような話にも聞こえ 怒りを顕にした男に油を注ぐよう皮肉を浴びせる。]
(190) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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散々脅かしてくれやがったな。 危うくちびるところだったぜ、糞野郎め。
[呪い―――などでは無かった。 あのアトリエの何処かに盗聴器やカメラでも 仕掛けてあったのかもしれないし。 此方の位置を特定して嫌がらせをしていただけあり 車椅子にも何かが仕掛けてあると想像は出来る。 ただ―― 一つ気がかりで、一つ、不穏がある。
足同然に傍にあった車椅子に仕掛けをする。
、、、、、 そんな機会が全くの他人にあるのだろうか。]
(191) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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[そして。>>183 その違和感は形になる。
デスマスクを所持はしていない――― 部下が保管しているという意図では無かろう。
ならば他に欲するのは想像する限り一人で、 妹の存在をちらつかされ>>184 この男が妹の告げた人物
――オズワルドだと思い至る。]
(192) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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あいつを、……唆したな。
[おかしいと思っていたのだ。 ただ、そのおかしさを考えたく無かっただけ。
花屋の夫妻は怠け者に非ず 翌朝まで泥酔するほどだらしない印象は無い。 酔っ払っていたと告げたのは妹で、 大事な話をするのに、普通に考えれば 妹が共に料理をするほど傍に居たなら―― 深い飲酒は、止めるだろう。
妹がオズワルドというこの男を頼った ――そうかもしれない。 だが、こうも考えられる。 オズワルドが私怨に妹を巻き込んだ ――そうであったら、 この男を赦してはおけない]
(193) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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いったい何を考えてるんだ? 野良いじりの血が半分流れてたって 半分はあんたの可愛がっていた シャム猫の血が流れてんだぞ。
あいつを穢すのは、 あいつを生んだ母親を穢すのも同然だろうが。 [どうして妹を男に襲わせるのかが理解できない。 だが、理解する前に 駆けつける足音が階下から響き、 見覚えのある顔が二人ほど混じっている。]
(200) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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…………。 俺はどうしたっていいんだ。 どうせ最後には、加工工場でミンチになるんだからな。
けれど、あいつだけはもう自由にしてやれ。
社会の裏もしらない無知な小娘が 溝に汚れていくのを見るのは、そんなに楽しいか? 俺ぁ、哀れにしか思わないね。 流れている血が同じ色なら、理解しろ。
[それを合意と取ったか、――― 通気口のある紙袋を被せられ拘束される。 この顔が自警団に見られても問題はあるのだろう。 きっと、妹が駆けつけた際には>>186 黒いワゴン車が一台停留している。]
(202) 2018/12/09(Sun) 15時半頃
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[車椅子も運んで貰えたようではあるが。 紙袋を被せられていたアポロには、見えなかった。
妹の姿も―――
これから何処に運ばれるかも、だ。]*
(203) 2018/12/09(Sun) 16時頃
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[オズワルドという男の目的を聞いても、 恨みつらみはそれ以上出て来ず>>214 何を条件に潜伏場所を提供しようとしているのか、 全容ははっきりしなかった。>>213 この三年間ともに過ごす時間を減らした妹が どうしてこの男の利に動いていたのか 悪質行為の助力をしていたのかも皆目見当がつかない。
ただ、ひとつだけ想像ができる。 父親と義母に悪感情を持っていた事を きっとオズワルドという男に知らされたのだろう。 だとすれば――皮肉なものだ。
漸く妹だと思えるようになって 向こうからは信頼を失っていたなどと。
実際はもっと複雑化した情念が起因とは ――解るはずもない。 娘と父親くらいに歳の差がある“女”の思考など。]
(224) 2018/12/09(Sun) 21時頃
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[外に連行される間、妹の叫ぶ声を聞いていたが>>215 それに応じられる言葉は無かった。 今の妹が何を考えているのか、 ほんとうに――本当にもう、解らなかった。 オズワルドの口車に乗せられていたというのなら 何故、慕うのだろうかという矛盾。 もしかしたら、嫌がらせの一切は知らずに 兄を心配する心を利用されて 行動範囲を監視する手伝いをしただけなのかもしれない。
そう思い立ち紙袋の中で口を開くも――
なんと声を掛ければ良いか解らなかった。 それに、騒ぎを起こして 自警団に特定されるのを避けたというのもある。]
(225) 2018/12/09(Sun) 21時頃
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[担架に乗せられ、白いシーツで上から覆われる。 流石にこの異様な格好でそのまま、とはならない。
紙袋がシーツの端から微かに見えているだろうが>>218 担架で運ばれる先は、様子と話し声を聞く限りでは 治療院であるようだった。
診察室の一つに搬送された後、 紙袋を取り外され、不快を明るみに睨みつける。>>219 医者は何も言わず、爪先の消毒をしたり 爪根まで至った傷は一部を除去し対処にあたる。]
っい゛……!
[鋭く染みる痛みに奥歯をき、っと噛み締め、 目をつぶり、顔を逸らす。 悶絶しそうな両腕を抑えて貰わねばならない。]
(226) 2018/12/09(Sun) 21時頃
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[腫れを防ぐ軟膏の定期塗装、 ガーゼや包帯は雑菌が繁殖しないように 取り替えるよう診断を受け、――それから。
下衣を捲られ、両足の打撲箇所に 湿布薬が張られる。
そうする間、投げかけられた“寄り道”には 替えの衣服は必要だとだけ告げた。
何処に立ち寄るにも自警団の足が付く可能性は有り その可能性は出来る限り排除したい。]
(227) 2018/12/09(Sun) 21時頃
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[大学に連絡を取る事も考えたが―― それも避けておいた。 反キングス思想と容疑がかけられているからには 展示品の絵画も取り外されるのだろう。>>187 発禁になった絵本同様、芸術性は社会性に殺される。]
……大学に、“一家”という絵を寄付した。 そいつは、妹にやることは出来ないか?
[今は何の意味もない絵だ。 ありふれた何処かの家族を描いたもの。
それが押収されることも、破られることもなく ギネス講師が隠してあることは知らないが。]
(228) 2018/12/09(Sun) 21時頃
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[それから、医者の方を一度見て。]
イルマに伝えといてくれよ。 ピスティオに優しくしてやれって。
[あれからピスティオに会えていないので 仲直りが出来たのかどうか、解らないけれど。 そう告げれば孤児院の火事の件や 先程まで治療と指導に当たっていたという 話を聞かされる。>>133 それと――自警団に目を付けられている事も。]
(232) 2018/12/09(Sun) 21時半頃
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孤児院も火事…? 同日の事件だろう それなら、酒場の火事と同一犯じゃねえのか……?
[それとなく口にしたが、 アポロの目はオズワルドに向いていた。
願いは叶ったと伝えた男が部下だったという事は 少なくとも火事の件は何かしら噛んでいると見て。 ただ、孤児院を狙う意図は全く見出せない上、 違うでしょうね、と肩を竦められてしまったが。]
(233) 2018/12/09(Sun) 21時半頃
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[薬屋の件やパン屋の件も聞いてみようとしたが それらもオズワルドのアポロに対する 私怨との関連性がゼロであることに気づいた。
本当に――この街はどうなっているのだろう。 ほんの数日前と違う街になってしまったかのよう。 召集者の周囲で不穏な出来事が起こる。 例年にこのような事は無かった。 アポロが知っている範囲には限られるけれど。]
で、何処に連れて行かれるんだ。
[治療が終わった後に尋ねてみたが、 再びワゴン車に搬送する為に 紙袋を被せられる末路があるのみか]*
(234) 2018/12/09(Sun) 21時半頃
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[治療院を出た後は、少しだけ考えていた。
あの絵が処分されたと聞いた時は>>237 妹の為に描き遺したものであった為 良かったような残念であるような 複雑な感情に陥っていた。
その頃にはもう、紙袋が被せられ>>239 ワゴン車のシートに横たわった状態であったか。]
………?
[口ぶりでは何処かに寄るつもりらしいし、 不本意な寄り道であるようだが 具体的に何が言いたいのか要領を得ず、 車椅子に下ろされ、座らされて>>241 最後に紙袋を取り外された。]
(252) 2018/12/09(Sun) 23時頃
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[懐かしい田園風景―――、 下ろされているのは畦道で、鬱蒼と茂る芝生を見渡せた。 周囲を覗えば、指し示された先に妹の姿>>240。 外で過ごす事が出来なくなってしまうから こうして猶予を与えた、という事だろうか。
そういえば、言っていた。 農園に行かないか>>1:378―――と。
だからこれは、妹の願いだというのが解る。]
(254) 2018/12/09(Sun) 23時頃
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逃げた所であいつのことを どうにかするって言うんだろう? 生理中の女みたいな面して 得意になってるんじゃねえぞ。
[言われなくても、どうする事も出来ない。
レバーで自動運転の車椅子だが、 舗装されていない路を通るのだから 車輪の僅かな蛇行は免れない。 ましてや、衝撃で車輪が少し歪んでいるらしいし。
そうして――
畦道の中程まで至り、フローラの背を見守る。 目を凝らせば、褪せたラベンダー色が見える。 水色のワンピースと店で使っているのであろう 優しい色のエプロンを身につけた妹が其処に居た。]
(255) 2018/12/09(Sun) 23時頃
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なんだ……似合ってるじゃねえか。
[着替えを済ませ、髪も整ってはいた。 既にオズワルドと話はついているのだろう。 兄の所在を必死に探していた、 ――と、いう様には見受けられず。
それ以上の言葉はつっかえて出てこない。]*
(257) 2018/12/09(Sun) 23時頃
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[ラベンダーは咲いていないけれども。 この農園で過ごしたいつかの日と 同じ色のワンピースを身につけた妹が居た。>>259
妹がどんな気持ちで選んで欲しかったのか。 解らない――けれど。 好みの女性、理想の女性を宛てがわないチョイスは 妹にとって、一つの解を提示している。
アポロにとって、彼女は女性ではなく。 少女でしかなくて。
そして、妹でしか無い、という解を。]
(263) 2018/12/10(Mon) 00時半頃
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いいよ、――もう謝るな。
[それは本心だった。 オズワルドに踊らされていただけだとしても。 そうでなく、 彼女自身が選んだ選択であったとしても。>>261 結局のところ、掛ける言葉は変わらない。]
そうだな、言わなかったし 言えなかったからな。
(264) 2018/12/10(Mon) 00時半頃
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正直なところ、憎くて仕方が無かった。 お前の母親も、親父もだ。
お前にとっては他人だが――… 俺にとっては母親が全てだった。
かあさんが一人不幸になって ――不幸をかあさんだけに押し付けて。 そんなことは、あってはならない。
[家族のひとりを生贄にした。
そう言いたいのだ。]
(265) 2018/12/10(Mon) 00時半頃
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俺と親父がかあさんを居ないものとして 別の家族をつくるなんて、耐えられなかった。 事情を知っても親父と所帯を持とうとした お前の母親のことも赦せなかった。
教えはしたが、言い訳じゃない。 理解されたいから伝えてる訳じゃない。
お前が俺を今どう思っていても、 それは仕方のない事だ。 謝る必要はない。
[だから赦してくれという話ではないと。 ただ、事実を有りの侭に伝えているだけ。]
(266) 2018/12/10(Mon) 00時半頃
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………そうか………。
[それでも、好きだからと言い添えるのなら まだ、兄として見てくれているのだろうか。>>262 彼女を妹以上の何かとは感じていないアポロは、 その本質を見抜けてはいない。]
うん? ああ、タツミの所にやっぱり行ったんだな。 あいつが巻き込まれていなければ――良いんだが。
[フローラが立ち寄った事を誰かが見ていたなら、 変な疑いを掛けられても可笑しくはないから。]
(267) 2018/12/10(Mon) 01時頃
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包帯したまま放置していると 黴菌や雑菌が繁殖するから 薬は塗るように言われたし、 包帯は定期的に変えろって。
だから、その薬や包帯を貰えるなら、
[包帯を巻かれた両手の十指を見下ろしてから、 言いかけた言葉をそこで区切る。 喋りすぎて喉が渇いた訳じゃない。
気落ちした薄ら笑顔が、目に入ったから。]
(268) 2018/12/10(Mon) 01時頃
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[困ったように笑う。]
……その、匿われている間。
お前が、やってくれるなら。
[ずっと――三年間何かと理由をつけて遠ざけた。 だが。 それがきっと、妹を傷つけていた。 今のアポロにはそれが――解る。]**
(269) 2018/12/10(Mon) 01時頃
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