270 「 」に至る病
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――このように、帝国の皇帝たちというのは 単なる世襲でもなく僭主でもなく、 信任された代表者として存在した。 今の国家と少し似ているね。
だが当時は暗君に対してもっと辛らつだった。 一切の存在を無かったこととして 遺したあらゆる痕跡を抹消する―― ダムナティオ・メモリアエ、記憶の破壊、と言ってね。 貨幣から銅像まで、 全て壊されたり削り取られた皇帝もいたんだ。
(154) 2019/10/09(Wed) 00時半頃
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――……今日はそうして歴史から葬られた皇帝の ”名前を削られた”硬貨を持ってきました。
前から回していくから、見てみて欲しい。 おっと、それなりに貴重だからなくさないでおくれよ。
[セイルズはそう言って両端の生徒に硬貨を手渡す。 青色の錆びた硬貨は兵士の横顔が刻まれている。 その周囲にあるはずの名前は、削り取られている。]
(155) 2019/10/09(Wed) 00時半頃
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共同統治を行っていた皇帝なんだが 権力に溺れてね。 家族――姉妹、母、娘を娶っただとか 苛烈な信者がいた、だとか 吸血鬼だったという話まである。 現物はないが、当時の彼の家族を描いた肖像画は 彼だけが削り落とされている ――プリントに印刷したようにね。 [授業の始まる前に生徒たちに渡したプリントを示しては、 セイルズは「余談はこれくらいにして」と言葉を続ける。]
(156) 2019/10/09(Wed) 00時半頃
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さて、 決して磐石の地位を築いていたとはいえない彼らだが 歴史に暗君がいるならば名君も必ずいる。 長話で眠くなってきただろうから 初歩的なことに立ち返ろう。
賢帝として有名な五人を当ててもらおうか――
[そう言ってセイルズはちらりと教室内を見渡す。 ミルフィと目が合うことはあったか、なかったか 目が合ったものから答えを言わされていったことだろう**]
(157) 2019/10/09(Wed) 00時半頃
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[歴史の授業というのは眠いものなのだろうか。
随分昔に卒業した吸血鬼も 歴史の授業は少し眠そうに見えた。 そういえば、自分のところに来るのは彼の眷属だったな、と ちら、とそんなことを考えていたら
ぱちぱちと瞬きを繰り返し眠そうなミルフィと目が合った。 彼女に回答を促す。]
(248) 2019/10/09(Wed) 13時半頃
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……よろしい。
[五人の名を聞き届けて頷くと、 セイルズの講義は帝国の華やかな時代へと向かう。 受験勉強の知識だけでなく、 大学らしい知識、知見を伴って。
授業のおしまいにレポート課題を一枚出したところで、 時間をはみ出すことなく、講義は終了する。
参考書を手に質問に来る生徒たちと談笑を交わしながら 現代的な吸血鬼は娘の端末に一言、]
(249) 2019/10/09(Wed) 13時半頃
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『寝ちゃ駄目だぞ』
[とメッセージをよこした。
大学の時間はゆるゆると流れていく。 次の講義の時間が近づけば、吸血鬼教授は教室を後にし、 自分の予定を確認してから研究室に向かうのだ**]
(250) 2019/10/09(Wed) 13時半頃
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―― 内緒の子育て相談会 ――
[世界一可愛い、と愛しそうに語るチトフに 吸血鬼教授は目を細めて頷いた。>>234
聞けば、彼には随分と「アリス」に思いいれがある様子。 そこにどんな思い出が眠っているのかセイルズは知らない。 かつて「アリス」が何であったのか 知らないままに耳を傾ける。]
(281) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[――いきすぎた愛、とも呼ぶべき何かがあったとしても 内緒の子育て相談を交わす今この時には関係の無い事。
幼い吸血鬼社長の内心を知りえぬ教授は 先輩の顔をして、或いは父親の顔をして、 チトフに助言をする。
全く即物的な助言は ただのお説教よりも効いたらしく>>236 ぱあっと表情を明るくしたチトフにつられて、 セイルズはにこりと笑った。]
(282) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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ああ、本当だとも。 なかなか骨が折れるが、やってごらん。
[お堅い吸血鬼教授はロールプレイをしない。 けれども、いつもはどこか大人びたチトフが 子供めいて表情を曇らせたり、楽しそうにするから やはりつられて>>236、父親めいた物言いになる。
――――あいされるべき子供>>231、に手を伸ばして、 その幼く小さな頭を大きな手で撫でた。]
僕はね…… 娘のことも、楽しみだけど 君たちのことも楽しみなんだよ。
[それは独り言にすぎないけれど 子供の将来を楽しみにする親の顔をして、 セイルズはそっとチトフの頭から手を下ろす。]
(283) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[見目がどうあれ年が倍以上違えば>>230、 ”先人”は眩しそうに若い旅人が歩む道を振り返る。>>229
かつて自分が歩んだ道筋に、彼もまたいるのだろうかと。 かつて自分が感じた痛みを、彼も感じてはいないかと。]
(284) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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(まどろむような少しの間でもいい、 飴玉を転がすような心の安寧があればいい。
――僕らはきっと、「 」なしでは生きられない)>>0:495
(285) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[娘と自分の幸せを願われれば、 軽快に笑って、「ああ」と相槌を打った。]
ありがとう。
"Happily Ever After." 願わくば君たちの御伽の国(ワンダーランド)が 長くありますように。
[天使様のような笑みを浮かべる彼と彼の眷属の前途を もう一度だけ祈って――]
(286) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[それから数年の時が経って 彼の会社から「トナカイのほっぺ」以外の菓子が出ても
吸血鬼教授はまだ、かの製菓会社の商品を買っているし 彼に出会えば新作の感想を述べたし 講義の途中でその小さな頭が見えはしないかと考える。
時折”子供”のことを話すこともあっただろうか。
生徒であり、子育て仲間であり、 セイルズから見て子供のようでもあり そんなチトフとの不思議な関係は、 今日現在まで、穏やかに続いているはずだ*]
(290) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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―― 回想:何でもない昼下がりの事 ――
[きっと、それは遠い昔の、何でもない昼下がりの事。]
(320) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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[あらゆる学問の徒に学びの場を与えるリンディン大学は その日は静かな秋晴れの空に包まれていた。
外のカフェテラスで学生達がランチを食んだり 本を捲ったりしている。 石畳からちらちら生えた白い野草を優しい風が撫でている。
現代では完全にカフェとして改装されているその場所で 一人の教授が、一人の医学生の傍に腰掛けた。]
(321) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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[学生の姓は『アルブレヒト』といったかもしれないし そうではないかもしれない。――些細なことだ。
数十年前か数百年前かもわからぬ昔のこと。 あらゆる学問の徒に学びの場を与えるリンディン大学でさえ 珍しいとされる「吸血鬼」の教授が やはり珍しいといわれた「吸血鬼」の学生と相席した。 それだけのことだった。]
(322) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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やあ、 席が空いていないんで 隣、いいかい。
[古い本を片手に、眼鏡をかけた教授は笑みを投げかける。 答えがなんであっても彼は座り、少しの間、 その吸血鬼の生徒と同じ時間を過ごした。
お互いの学問のことを話すこともあったかもしれない。 あるいは、吸血鬼について語ることがあったかもしれない。
それら全ては、 白い花を撫でる秋風のようにささやかに過ぎ去る。 昼休みの時間のお終いに、教授は生徒に対して 興味を持ったかのようにこう問いかけた。]
(323) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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歴史を学び、人に学び、 かくありたい、かく終わりを遂げたい、と思えど なかなか上手くはいかないみたいだ。
僕なんかは、 歴史の中で死んだ彼らよりも ずっと長い時間を生きているのに…… 吸血鬼のくせに、いつも人間のように迷っている。
君はどうだい。 君は、長い時間をかけて、 どんな風に生きてみたいと思う?
[どんな答えが返ったとしても、 教授は「そうか」と頷くことはしただろう。]
(324) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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[白い花が風に揺られている。 リンディンの鐘が鳴れば、 同じ場に憩っていた人々も吸血鬼も別々の道を歩みだす。
それは遠い昔の、秋晴れの昼下がりの事。
”娘”のために手紙の封をあけた教授が、 何年も昔の記憶の扉を開けて その昼下がりの事を思い出したかどうかは――*]
(325) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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―― 静かな夜に ――
[今も昔も、願う――願い続けている。 愛するものの笑顔を。ただそれだけを。]
(341) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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[読みふけっていた文献を閉じた。
ライトを消しても、昔のように絵本を閉じる音も 「おやすみなさい」を言うあどけない声もないことに 慣れてしまって随分時間が経つ。
疲れ目を揉んで伸びをし、ベッドに入り込んだ。 まどろんでいたセイルズの耳に、ノックの音が入り込む。]
……なんだい、ミルフィ。 眠れないのかい?
[やはり、明日のことが不安なのか。 セイルズは少しだけ表情を曇らせ、 ミルフィのほうへ振り向こうとして――
その前に、するり、と入ってくるものがある。 セイルズはぱちぱちと眼鏡をはずした目を瞬きさせて 身を寄せてきた娘のつむじを見下ろした。]
(342) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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[ドライヤーをかけて尚少しだけ濡れた髪から、 ふっと、シャンプーのものではない甘い香がする。
大きくなったなあ、という感慨と、 「女」になった娘への多少の動揺を抱えて セイルズは彷徨わせていた手を、彼女の背に添えた。]
この年になっても添い寝が必要かい? ……仕方のない子だ。
[そう囁くと、額に小さくキスを落とした。 それから、とんとんと彼女の背を叩く。 そして絵本を読み聞かせるように、静かに語りだした。]
(343) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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――……パパの夢を聞いてくれるかい。
僕はね……
(嗚呼。 例えばその白いうなじに深く牙を突きたてて 十年来傷つけなかったその肌を暴いたならば)
……ミルフィが、優しい人を好きになって 互いを深く愛して、
(344) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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(首筋を食み体を食み 他の誰にも触れさせた事のない体に触れて こころゆくまで愛することが叶うならば)
ウェディングドレスは白が似合うだろう。 君が晴れ着をきて、青い空の下で 愛する人と挙式を挙げる……
(――――白い肌を赤く染めて、 ただ、自分のものにできたならば、)
僕は新婦の付き添いとして式に出る。 そうして、幸せそうに泣く君を眩しそうに見て こう、言うんだよ。
(345) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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”幸せにおなり” ……って
(その時はじめて、僕はこう言うだろう。)
(346) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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( ”You are mine, my love." )
(347) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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[見下ろしたミルフィの姿がクラリッサのものと重なる。 めまいと頭痛に襲われ、セイルズは奥歯を噛んだ。
首を横に振る。]
( ――ああ、なんて反吐が出る衝動だ。 それ以上ふざけた事を考えてみろ、殺してやる。 畜生にも劣る思考、欲求。 お前に父親を名乗る権利はない! )
[ミルフィの背を撫でる指先が少し震える。 それを隠すように、 セイルズは彼女の体を軽く抱きしめると、 目を閉じ、昔と同じ言葉を呟いた。]
……明日はちゃんと起きるんだよ。ミルフィ。
(348) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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"I'm so happy to be your daddy, my love."
(349) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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[何よりも娘として愛している。
――本能にきつく蓋をして**]
(350) 2019/10/10(Thu) 00時半頃
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