191 The wonderful world -7 days of MORI-
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――抜け落ちた追憶・3――
[学校のスクールバスの停留所から少し離れた 小さな小さな倉庫の裏に内緒で子犬を飼っていた。
モリ区で生まれて、すぐに外国へやられた俺は うまくその地に馴染めなかったから 寂しさを紛らわすには、その子犬は丁度いい友達だった。
ある日、いつもどおりあの子の餌を、 給食の残りを持って倉庫の裏に行った。
いつもあの子が尻尾を振って待っている場所に、 にやにや笑うクラスメイトが立っていた。
腕にはぐったりしたあの子が抱えられていて、]
(0) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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( ――返して欲しかったら、 奪い取ってみせろよ。 )
[けらけら笑うそいつらに 必死で殴りかかって追いすがって、 そんな俺を面白がったそいつらは、 学校中を駆け回った。]
( じゃあ、これがラストミッションだ )
[嗤って嗤って、あの子が投げられた先は、 学校の裏の小川。
小さな悲鳴が聞こえた。
喉から泣き声のような、 懇願のような、 わけのわからない叫びが迸って たまらず小川へ駆け出していた。]
(1) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[
漸く雑巾のようになったあの子を掬い上げた頃には あいつらはもう姿を消していた。
泣きながらバスにも乗らず、歩いて帰って 驚きながら出迎えた貴方は、 俺の頭を撫でて一緒にあの子を埋めてくれた。
野花を供えた小さい墓の前、]
「 」
[貴方がぽつりと言った言葉は 昏い炎として、小さな胸に宿る。]
(2) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[――一ヵ月後、 あの子を川に沈めた一人が水難事故に逢ったと聞いた時。 俺はそれを、”当然の報いだ”と思った。
学校で祈りも捧げさせられたし、 悲しみに暮れる彼の親族の顔を見たにも関わらず。]
( だって辛い目に遭って当然なんだ、 悪い事の報いには悪い事がやってくるんだ。 ……ざまあみろ )
[そう思い続けてきた。 因果応報、という言葉を知らなかった幼い頃から。]*
(3) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[……暗闇の中で、テープを巻き戻すように ”昨日”の事を見る。
その悪について言及したとき、 一瞬表情を苦々しいものに変えた怒鳴の顔を。>>1:669
それから、小津さんと なんだかんだ仲良さげに背中合わせに戦い、 憎まれ口を叩く姿を。
ころころと笑って、ムキになって、子供くさくて 盗むことが自分の生なのだと言った、卯月の姿が。]
(4) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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( 死んでからわからなくなった。 なあ、役立たずの神様、 彼らは本当に、
………………。)
(5) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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――2nd day/中央区 901前――
[Pi,]
[信号の音が聞こえて目を開ける。] [気づけば、また中央区に立っていた。 訝しげに視線を彷徨わせたのは一瞬の事。]
なん、なんだ……? ――! 朝比奈!
[あれから見えなくなってしまったパートナーの苗字を呼んで 俺は一先ず、彼女を探すことにした。**]
(6) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[端末が鳴る。 送られてきたメールを確認し、 またもや俺は訝しげに 片眉を上げることになった。]
闘技場……コロシアム? ……小さな戦士……?
[一体全体なんのことだ。 とりあえずコロシアムに向かえばいいのか。
訝る俺の耳に届いたのは、 「マスブラの大会が 本日ヴァニタスコロシアムで開催されております」 などという温度が大分高い宣伝。
そういえば俺も遊んだことがあったな、 マスブラ。 おはじきじゃないかと貴方は呆れていたが。]
(35) 2016/06/07(Tue) 13時頃
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[……バッジ。>>1:8
ずきりと頭が痛む。 遠い過去のことが頭をよぎって それ以上を考えないように、 目は白いツインテールを探していた。]**
(36) 2016/06/07(Tue) 13時頃
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──回想:褒めた──
褒めて伸びるタイプなのか?
[背は最早伸びなさそうだが。>>57 冗談交じりにそう返事をして
頭を撫でられた時は、 なんともいえないいたたまれなさが心を鷲掴み うろ、と思わず視線を彷徨わせた。]
……お褒めに預かり光栄だ
[最後に頭を撫でられたのはいつだっただろう。 朝比奈の赤い目を見る。]
(75) 2016/06/07(Tue) 20時半頃
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[……こいつは子供くさいくせに、 俺に足りないものを、ふらりと与えたりして それを自覚していない。
……調子が狂う。 頭を逸らして手から逃れて 朝比奈から離れようとしたその時、
世界が夜に包まれた**]
(77) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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卯月!!
[叫んで、 蛙に襲われる白い小動物>>66を目視してから アスファルトで蛙を串刺しにしてやるまで0.3秒。
正直理科室で哀れに吊られているホルマリン漬けのごとく吊るし上げて内臓をバラしてやろうかと思ったが、 ノイズは形を留めず消えていった。
──時は少し前に遡る。]*
(82) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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─回想─
(は? おい、うづ…朝比奈! 単独行動は慎んだ方が…)
["コロシアムで会おう?" といいたげなパートナーからのテレパシーに 焦りに焦っていた俺は脱力した。 どうやら心配していたのは俺だけらしい。
901前から駆け足でコロシアムへむかう。 外からあの白いツインテールを待てど探せど 一向に姿は見えず、 その上、]
(83) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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(───?! 今すぐ現在位置を教えろ朝比奈!)
[あいつが"助けてごーちゃん"などと のたまうから。 お前は目が離せないハムスターか何かかと。 焦りと怒りとよく解らない感情を耐え 周囲を見渡した。
それは幸運だったのだろう。 引き寄せられていくゴミ箱>>65を発見し]
そ こ か…!!
[自己記録を更新しそうな速度で 路地へ駆けていく。 そして今に至る。]*
(84) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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──現在── [ノイズを一掃した後。 もしも朝比奈が俺に気づくようなら 詰め寄ってこう言っただろう。 凍りつきそうな冷たい声で。]
軽率な行動は慎め 待ち合わせするなら目印のある場所にしろ お前が死ねば俺も死ぬんだ、 それを理解しろ
[一気に吐き捨てて、はあ、とため息を付く]
……心配、するからな、俺も。
[ごく小さな声でそう告げて、踵を返すだろう。]*
ほら、コロシアムに行くんだろ ……行くぞ
(87) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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…………泣くな、馬鹿
[振り向いていなくとも、 しゃくりあげるような息や、押し殺した声から 泣かせた事はわかった。>>93>>94 振り向かないまま、その涙をたしなめる。]
(118) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[多分、もっと、違う言葉をかけられた、筈。 ……筈なんだが、どうしていいかわからない。
振り向いて涙でもぬぐってやるべきなのか。 そもそも何故一人で突っ走ろうとしたのか 聞かなくちゃいけないんじゃないかとか。 もっと違う表情の方が良い、とか。
思っても声に出ないのはどうしたらいい。 テレパシーで伝える訳も無し。
悶々としている間に、マブスラの会場 ――ヴァニタス・コロシアムにたどり着く。]
(119) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[蛙を掃討したり、ああだこうだとモメたこともあって、 きっと少年>>#1から話を聞けたのは 茶髪の青年と赤髪の少女や、 美形二人組>>105>>106の後だっただろう。]
黄金の誇りって……バッジか?
ああもう、泣くな。泣くな、ったら! (どいつもこいつも……!) わかった。探してきてやるから……!
[泣きじゃくる少年に頭を抱えた俺を 朝比奈がどう見たかはわからない。*]
(120) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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………にしても、 死神マンって、ネーミング…。
[尚、俺が少年に声をかけられたのは、 彼>>123が少年に持たせた「助けて!死神マン!」と 書かれたチラシのお陰だったりする。
話を聞けば、 かっこいいお兄ちゃんがたが持たせてくれたとの事で 他の参加者が協力するためにそうしたのだろうか…と まだ顔も見ぬ彼に、内心で感謝した。*]
(128) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[こういう時、冗談の一つでも言えれば―― という後悔は先に立たない。>>147
泣きじゃくる少年を前に、 どうすればいいのか頭を抱えていると、 ひょい、と朝比奈が子供に近寄っていく。
盗られた相手の頭を撫でる泥棒。 警察として失格レベルで人を泣かせている警察。
なんだか変だが、少しは少年も泣き止んだようで ほっと、重い何かで塞がった胸を撫で下ろし 息を吐き出した。>>148]
(155) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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……ああ、もちろん。 ついでにそこのお姉さんは稀代の… ……幸福を運んでくる兎だからな 取り返せるさ。
[ちょっとばかしイースターラビットの解釈が違うが、 まあ許してもらおう。 こくりと頷き、妖艶に笑う朝比奈に向けて、 小さく笑いかえした。*]
(156) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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――コロシアム・外――
とはいえ、……一体誰が盗んだんだろうな 死神、とかか?
[ぼやきを一つ。]
[すぐにその場を離れて、コロシアムを出た俺が見たのは 南西に光る、何か。 それから北区から飛んでいく死神らしきもの>>@27]
……。 朝比奈。 あっちに行ってみないか。
[指差したのはユニシロの方角。 彼女の答えはどうだっただろう。*]
(158) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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…………なんだ、”うさぎ”。
[にひひと笑う卯月からくるりと目を逸らした。 弾みで何度も名前を呼んでいる事がバレてると知りつつも 誤魔化すように兎と呼んだ。>>174]
ああ、未確認飛行物体が建物から建物を跳んでいった。 もしかしたらニンジャかもしれん
[いや、十中八九死神だが。 適当な事を答えつつ、うん、と頷いてくれた彼女の前を歩いて 卯月が少年に声をかけた後、くるり、振り向き 彼へ向けて、ぞんざいに手をふってやった。]
(もう泣くなよ、と 後ろをあるくこいつと、盗まれた少年と、 それから、)
(――記憶の奥底に居る、いじけた黒髪のガキへ そんな事を思った。)*
(182) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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――→南区:ユニシロ前――
[ユニシロは区民に優しいお値段の服を提供する衣料品店だ。 その前にたどり着くと、 ぐるり、先ほど見つけた光る何かと、 さっきニンジャと呼んだ死神の姿を探す。]
……鴉は、お前に似てるとか言ったよなあ
[昨日の会話を思い出し 傍らの朝比奈に語りかけながら 空を舞う鴉を見上げた。
その嘴には――金色に光る、何かがある。*]
(183) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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この前兎だって言ってたじゃねーか
[言質はとっている>>1:595 ぺしぺし叩かれながら、ちょっと笑いがこみあげて からかうような言葉遣いになる。]
……ニンジャに、なあ。 [跳躍はできるのだろうか、この兎に。 彼女とユニシロの方角へ向かい―― 共に鴉を見上げて、]
お前の力の見せ所なんじゃないのか? ……なんだ、届かないのか。 高度を下げるか、ノイズを消すか、足止めするか
[思案、している時だった。]
(209) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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!! 朝比奈、避けろ!
[Zing! 風切音を耳にしてばっと身構える。 銀の流星のように襲い来るナイフを目視すると、 そのうち一本を身を翻し避けた。
視線を外したから、鴉の行き先を見届けることはならず>>@39
ナイフは刺さる事無く、ぼとりと落ちるだろう。 俺はナイフが来た方向を睨む。]
(213) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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お前は……。
[腰まで届く銀髪が揺れている。 細身に黒っぽい服を纏った、 いかにも死神といった風貌の男が立っていた。]
ご挨拶だな。 あれを守っているのか?
[尋ねたところで答が返るかはわからないが。 その死神の出方を窺う]*
(215) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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[何を喋ることもなく駆け抜ける相手を、睨み、 こちらも警棒を構えることはなく
振りかぶられる左足を一瞬見るや、 右足で一歩下がって、深く蹴りが胴を抉らぬように 爪先が腹を掠るのを感じながら――>>@43
俺にとっては左手側から。 死神にとって右手方向から滑るように距離を詰め、
叶うなら、その鳩尾に拳を一つ叩き込もう。 叶わぬなら、と、と軽い身のこなしで一歩また下がろう*]
(223) 2016/06/08(Wed) 00時頃
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[卯月に当たらなかったのをほっとする余裕はなく、 危ないですよ、の言い振りに間抜けだなと笑う事もできず
ただ、パートナーを信じるだけ*>>218>>220]
(231) 2016/06/08(Wed) 00時頃
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[その類稀な聴力、というより、サイキックを知る事はなく 俺は拳を振り出し――相手は避けることもなく、それを受ける。 ダメージが入ったようには思えない。
――”死神”ともなると、外見は人間と変わらずとも 身体能力は格段に違うのかもしれない。
内心で舌打を一つ。 その時、丁度相手の右腕が動くのが見えた。
(微かに動きが鈍ったお陰で>>@51 それに気づけたんだろう。 その死神が怪我をしていなかったなら―― 切れていたのは俺の首かもしれない)
脚の動きは間に合わない、だから、 首を庇うように左腕を差し出した。]
(242) 2016/06/08(Wed) 00時半頃
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[――Zot!]
…………っっっってえなあ!
[呻く。 手首にぶつかる寸前、短剣の先を細い棒に変えて それは俺の手首をしこたま打った。
ビキ、と痛みに顔を顰めながら、 一歩大きく後ろに下がる。] 盗れたか?!
[そう、どこかにいる卯月へ叫んだ。]*
(245) 2016/06/08(Wed) 00時半頃
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[死神の視線を追うと同時、「盗れた」という声が耳に届く。 (どうやら俺を呼ぶ声は聞こえていなかったようで)
そちらを見て、]
よくやっ……
[笑い、褒めきる前に、目の前の銀髪が揺らめいた。 全速力で卯月へ向かう死神を見て、 舞うナイフに息を飲む。>>@56]
――させるかよ!
[死神と卯月の間に出したのは薄い、死神の胸ほどの高さの壁。 鋭い音を立ててナイフが落ちていく。
アスファルトが隆起して執拗に死神の脚に絡もうとするが、 避けられないほどではないだろう。]
(259) 2016/06/08(Wed) 01時頃
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逃げるぞ卯月、 コロシアムへ!!
[この状態で他二箇所を回れるとは思えない。 だから、思いついた最善は、 一つだけでもあの子に返すという事だった。
声をかけながら、俺は卯月とともに駆け出した。**]
(260) 2016/06/08(Wed) 01時頃
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・・・・・・?! [なぜ今ごーちゃんと呼ばれたか解らない俺は>>@57 動揺を密かに抱いては消した。 跳躍し暗器を使いこなす彼を見て>>@59 適宜壁などを出しつつ]
ニンジャめ……!
[恨み言のように呟いた。]
[逃げる道中。 昨日見た茶髪の男や、赤髪の少女と出会う事も もしかしたらあるのかもしれない。**]
(262) 2016/06/08(Wed) 01時頃
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[ああ、ミッション終了時刻に遅刻してしまう。 遅刻したら情け容赦なんかありゃしない、 文字通り女王様に首を刎ねられる。
そんな感じで白兎のように卯月と二人で逃げていた。 ユニシロの傍を抜けて、モリ駅方面へ走る途中だっただろうか
缶バッジが特徴的なナップザックを背負った赤い髪の少女と、 昨日白金の光で狼を一掃していた青年の姿が見えた。 >>286>>280]
お前たちっ……
[その子を――卯月か、卯月の持つバッジを保護してくれ、 と叫ぶ前に、死神を防ぐのに手が一杯になる。
少女が理解した通り、 俺が作り出せる壁は「凌げる」というだけで 大して厚さもない、とりあえずの物だ。>>286]
(290) 2016/06/08(Wed) 10時頃
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[彼女とすれ違う、その背後で。 「アンタが悪役ね」と叫ぶ声、それから、 何か粘性のあるものが湧き上がるような、そんな音がした。
ハッ、と振り向けば、 人の三倍はある壁が少女の前に出現し ナイフを海のように飲み込んでしまっていた。
少女の「いまのうちに」と、 卯月の「とりあえず」で我に返る。]
……ありがとう……!!
[協力するだの、蹴落とすだの、 そういった思考は頭の中から抜けていたけれど ”ミッションをクリアしなければ全員死ぬ” その思考が俺を突き動かしている。
辛うじて感謝を叫ぶと、 走りながら、卯月へ向けて]
(291) 2016/06/08(Wed) 10時頃
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モリ駅前の通りを北へ! 交差点からコロシアムへ!
[経路を軽くナビゲートして、再び疾駆する。
道中襲い来る狼二体を串刺しにして削除すると、 ついにコロシアム前、といったところで]
あれは……?
[そこにいたのは、イタチ、と思しき何かだった。]*
(292) 2016/06/08(Wed) 10時頃
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――ヴァニタス・コロシアム前―― [俺達を視認するや否や、そいつら二頭は腕を振り、]
――!
[咄嗟に張った壁は、風によりガラガラと崩れ去る。 チ、と舌打を一つ。額に汗を浮かべて]
朝比奈。 俺がコロシアム前にトンネルを作ったら そこを通り抜けて、あの子にバッジを
俺がいつまで持つか解らん上に…… お前に任せてしまう形になるが
[少なくともここで足止めを食らっている場合ではない。 いつあの死神が迫ってくるか、わからないからだ。
じりじりと迫ってくるミンクたちの攻撃第二波に身構えながら、 俺は卯月に問いかけた*]
(293) 2016/06/08(Wed) 10時半頃
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、な。
[ヤダ、と小さく聞こえた声に、 視線だけちらりと卯月の方へ。
頼ってよ、と言われて、頼ってるじゃないかと思った ――多分、そういう事じゃないんだろう。]
おい、危ないから……ッ
(いつか、あの日の子犬のように 心無い誰かに殺されてしまわないかが不安で また守れなかったら、 どんなに恐ろしいだろう、とも思うんだ
本当に信頼しているなら 背を任せるべきなのか ……本当に?)
(310) 2016/06/08(Wed) 16時頃
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[駆け出していく卯月は止まらない。 咄嗟にいえたのは、]
死んで約束破るなよ。
[やけくそのような言葉。 撫でてねという要求に是と答えるのを省略した。]
(311) 2016/06/08(Wed) 16時頃
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[残った一匹に向き直ると、 そいつも卯月を追おうとしていたから 即座に壁で阻み、注意をこちらに向けさせる。]
お前の相手は俺だ、Fake
[ダッ、と駆け寄る。 特殊警棒を剣のようにして切りかかる。 が、水の流れを切ることが叶わないように受け流される。 厄介だ、と焦る。 背後で卯月が何かを引き寄せぶつける音が響いている。 ミンクが腕を振りかぶる。 鎌鼬が襲い来ては防ぎきれず腕に切り傷をつくる。]
(312) 2016/06/08(Wed) 16時頃
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[――沸々と、苛立ちと焦りが沸く。]
(ああ、それもこれも こんなところにこいつらがいるから、)
[こうしている間にも、卯月は。]
(……なんでこんなにムキになってるんだ)
[少なくとも最初は、 出会った頃は、もう少し冷静だったはずだと 己を省みるのは一瞬の事。]
(313) 2016/06/08(Wed) 16時頃
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[Pop、と足元に飛んできた三角コーン>>296を 思い切り蹴り上げて、 避けようとしたミンクの真後ろに発現させたのは その首を掴む、アスファルトの手。
身をよじりミンクが逃げ出す、前に。 その胴を腕から突き出た棘が貫く。] ノイズの心臓はどこだろうなあ。
[そうと自覚するほど低い声で言い放つ。 剣をその胸に――
深く深く、突きたてた。]**
(314) 2016/06/08(Wed) 16時頃
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[ず、と突き刺した剣を引き抜けば 血の代わりに雑音が耳を掠め、 その身を明滅させた直後、鼬型ノイズは消滅した。
それはきっと、赤髪の少女がコンテスト会場に行った後の事。
左腕が痛む。 あの死神に殴られたのが原因だろう。 ついでに片手のタイマーを見れば、 時刻は着々と進んでいる。]
……卯月。
[先ほど作った薄い薄い壁も、アスファルトの手も取り崩し 剣も特殊警棒に戻して、彼女を探せば 散らかったコンテスト前の一角、 横たわる自販機の傍に、彼女は背中を預けていて]
(354) 2016/06/08(Wed) 21時頃
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卯月!
[思わず駆け出した。 もしも大怪我でもしていたらと気が気じゃなかった。 頬に、腿に、腕に、擦り傷をこさえた姿は痛々しいけれど ちゃんと彼女は生きていて――]
よかっ、た……!
[ほっとして、たまらず卯月の前にしゃがみこむと、 その頭を血塗れていない右手で何度も撫でるだろう。 「よかった」と、小さな声でしつこいくらい繰り返して 何度も、撫でるだろう。]
約束、守れたな
[ふ、と浮かんだのは安堵の微笑みだ。]
(355) 2016/06/08(Wed) 21時頃
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[けれど、すぐに真顔に戻って]
……急に駆け出すから驚いた
[ほんの少し彼女の行動を咎めてしまうのは ほっとした証だと許してほしい。 一分に満たない休憩の後、 俺はこう声をかける。]
早く行こう。 あの子が待っている。 ……俺達は一個しか持っていないしな、バッジ
[バッジは三つあるといっていた。 間に合わなければ――その後の事を考えて背筋に寒気が走る。
叶うならばその頬の血をハンカチで拭い、 その手をとって 会場に連れて行こうとするが、どうだろうか。]
(356) 2016/06/08(Wed) 21時頃
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[――会場に入った後。]
『お待たせェしましたァァ!Jブロック、第1回戦ンン!!『黄金の英雄』はどうやら深紅の妃殿下を連れての参戦!!兄妹揃って熱き世界の平和を救えるカァ!!?』>>350
[と、いうアナウンスと、実況モニターにうつるあの子、 それから先ほどの、赤髪の姫君の姿を見て、 唖然としたのは、また別の話だ*]
(357) 2016/06/08(Wed) 21時頃
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[力なく笑う様子を見れば、 やっぱり無理させたんじゃ、と心は翳る。 >>393>>394 けれど――認めてくれた?という問いに 何を求められていたのか、理解して]
……ああ。 本当に、よくやった。 お前がいてくれなきゃ、ノイズ相手に死んでいたかもな。
[ぽつぽつと、たどたどしい褒め方ではあったけれど そう云った。]
(408) 2016/06/08(Wed) 22時頃
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…………。 おんぶ?
(409) 2016/06/08(Wed) 22時頃
|
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[思わず振り向くと、 俯きほんのり赤く頬を染める卯月の姿がある。
ゲームが始まって何度目かの居た堪れない気持ちを 視線を彷徨わせて逃がす。
確かに、脚は震えて居るし、 息はあがっているから、 すぐには立てないだろうと気を回した。]
……わかった。
[背を向けてしゃがみ、 背負ってやると、口数少なくコロシアムの中へ。]
(410) 2016/06/08(Wed) 22時頃
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あの女の子、マブスラの選手でもあったのか こんな時じゃなけりゃ、 のんびり実況が見られるのにな…
[どこか違った解釈をしつつ、会場内で少年を探す。 彼を見つけられたとき、そこには茶髪の青年や、 黒髪の男女がいたんだろうか。 ともかくも、俺は卯月を背負って少年の傍へ。
茶髪の青年がいたなら、 「先ほどは世話になりました」と頭を軽く下げただろう。]
待たせたな。 ……まだ一個だけだが
[相変わらず泣きはらした目の黄金の英雄の前で、 卯月、と呼びかければ 彼女はバッジを渡してくれただろうか*]
(413) 2016/06/08(Wed) 22時頃
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|
[……一瞬何をされたのかわからなかった。 ばっと抱きつかれるのは二度目だな、と 頭を撫でてやりながら思う。
ゆるやかに胸の中を滑り落ちていく暖かな感情は 生前には覚えがなかった。
卯月を背負い、少年の前へと至る。]
(438) 2016/06/08(Wed) 23時頃
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|
[黒髪の可憐な少女が笑顔でぺこりと頭を下げた。 彼女と傍に居る彼>>428も参加者なのだろう。 俺は微笑み、会釈を返した。]
[ほっとした顔を見せた茶髪の青年に声を掛けて 礼を言う>>413
彼はサッとポケットから ノートを出し文字を書いて見せてくれた。>>429]
( 声が……? ) いえ、感謝されるようなことは、
[と小さく頭を振ると 漸う、卯月にバッジを渡すよう促した]
(440) 2016/06/08(Wed) 23時頃
|
|
[卯月のよくわからない自慢は耳にくすぐったい。>>415 泣くのをやめた少年の姿を見て、 俺はほっと息を吐き出した。 ――タイマーはいまだ、止まってはいないけれど>>#6]
後二個を俺ら二人では……無理、だろうなあ
[欠伸をする卯月にそう返す>>416 もう二戦、三戦この調子で戦っていたんじゃあ身が持たない。
だから、凛としたパーカーの少年に 「こいつ見といてください。」と言われた時は 少し小首を傾げながらも、]
……わかった
[と返す他なかった。]
(442) 2016/06/08(Wed) 23時頃
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|
[――きらり]
[視界の端。 男の子の真上に何かが落ちただろうか。>>437 見上げた先に、色鮮やかなトリの腹が見えた気がする*]
(445) 2016/06/08(Wed) 23時頃
|
|
――モニターを眺める――
( ……ああ、 )
[少年だった頃嵌まっていたものを見かけると 歳をとったという実感が先に来る。
わあわあと歓声響く会場内で、 モニターを見上げていると、 先ほどの少年に似た選手が映された。 彼は伝説だったようだ。]
(461) 2016/06/08(Wed) 23時頃
|
|
「無銘」との対戦に心躍らせる者たち。 大声で叫びだす黒髪の少女。>>454
色々すげーなあ、とぼんやり思っていたところで
落ちていくバッジと、 微笑を取り戻していく少年の顔を目撃した。 ……いつの間に、誰が?
疑問に思う間もなく、卯月から問いが投げられる。>>448]
あ、ああ。 いや、重くはないからな。
[咄嗟にフォローして、そっと彼女を地に下ろした。]
(462) 2016/06/08(Wed) 23時頃
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……応援してやったらいいんじゃないか? 全力で
[目があったので>>456 保護者(仮)はそんなアドバイスを黒髪の少女へ。*]
(465) 2016/06/08(Wed) 23時頃
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[茶髪の青年と似た事を思ったらしく>>464 ほぼ同時に「応援すればいい」と返すと、 黒髪の少女はぎこちない笑顔を浮かべた。
パートナーの間柄にも色々あるんだろうな、と それだけは察した。
「が」と発される言葉を聞き>>471
>>474
へろへろとしゃがみこむまでを見守った。>>476
耳まで赤くなるとはこのことのようだと しゃがんでしまった少女を見て思う。]
(483) 2016/06/08(Wed) 23時半頃
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(青春というやつだろうか……)
[しみじみとそんな事を思いながら、 降ろしてやった卯月が椅子に座る、 その横でモニターを見続けている。>>473
すぐに寝てしまったから、 何なら背負ったままにしてやればよかった――と 呑気な事を思い
あと一つが無事参加者に届けられるのを、 祈り、待つしかなかった**]
(484) 2016/06/08(Wed) 23時半頃
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