97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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……何もかも事が済んだら。
元の時代、元の場所。 在るべき場所に在るべき魂。
アスランもセシルも、元通りに戻す事、それだけ約束できる?
[指揮存在の導きを振るいかけた鎖は鎮まり。 伏せた表情での言葉は、割切れない様子がまだ浮かんで]
(142) 2013/10/05(Sat) 02時半頃
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――それが出来そうにないなら。 せめて…
[腕の中、抱き抱えた身体を包む力が、その時少しだけ強く]
(143) 2013/10/05(Sat) 02時半頃
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オスカーは、鼠に問いかけたが、その時既に白鼠は眠りついていたろうか
2013/10/05(Sat) 02時半頃
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[会話の一部始終までは、大凡理解出来ていない。 然し、アスランを知らないのだろうか、チェレスタは、"セシル"を案じて問いかけてきて]
……大丈夫、あのネズミが寝たなら。 多分、もうすぐ目を覚ますはずだから……。
[不安を感じてるだろうか、安心させる様にそう教えたが。 釈然としない表情は少年もまた同じで、その身体を抱えたまま]
(144) 2013/10/05(Sat) 02時半頃
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[そして少年は視線を、見守る彼と再び重ねた。
緋い瞳は、云いたい事を幾つも抱えた侭でいる。 だがこれ以上は状況も、そして楽曲の旋律にも赦されないだろうと感じた。 だから今はもうそれ以上、少年は何も云う事は無く。
今、本当に為すべき事は、ひとつ。 皆で奏でる交響の旋律を歌う。毒奏による滅びを包むため。 空に瞳を向ける事だけが、今やるべき事だから]
(145) 2013/10/05(Sat) 02時半頃
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[みんなで居れば、嬉しい、そして歌える。 生を伝える心臓の音色、温かい身体を感じながら]
――うん。お前を調律《なお》すよ。
最後まで、調律《なお》すから。 歌おう。
[調律の半分は済ませた、その音色は、囁く様な小さな夜の瞬き。 手に届かない高さに煌く物に触れる為の、ささやかな旋律。 包んだ腕の中の身体から、微かな身動ぎを感じたと、同じ時]
(165) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[Call your name《なまえをよぼう》…
右手に生まれた、指と指が絡み繋がるぬくもり。 繋がる意志の声、想いとして願い。 身を寄せ、すぐ近くにあるチェレスタと、思いが繋がる]
(166) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[流れ込む、溢れ出す、染み渡る様に共鳴《シンクロ》する]
(167) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[沈み渡る。流れて来る。 深化する意識の奥から流れる、遠い遠い記憶の旋律と柔らかな賛美歌。
勢いは奔流の様に、なのにあたたかくも切ないメロディは漣の様に繊細で。 欠片と断片は、やがて少年に教えた。
一際あたたかな煌きを放つ、老女が唇を動かし吹き込む魂の刻みを]
(168) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[右手を絡み合わせた先には、柔らかくはにかむひとりの"少年"。 まるで、欠片に宿る、"母"の微笑とそっくりだ。
残る左腕で覚醒めたセシルが、そこから離れる。 空いた左腕はそしてゆっくりと断片の想い出を思い起こしながら。
その黒髪を優しく撫でながら]
(169) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[撫でる黒髪に隠れた額に、そっとあたたかな口付けを贈る。
包み込む様に髪撫で、紡がれるのは子守唄の様に柔らかな歌。 最後の《調律》を仕上げる、鼓動と覚醒の歌]
(170) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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" ぽぉん………… "
" 楽しい夢 優しい夢 それとも悲しい夢? "
" 君の夢をどうか歌ってよ "
" 晴れ渡る青 星の煌く夜 それとも灰色の雲? "
" 君は今日の空模様をなんて奏でたい "
" ぽぉん………… "
(171) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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" ぽぉん………… "
" 夢が響いている 月の綺麗な空 "
" 夢が醒めて仰ぐ 陽の眩しい空 "
" ねえおはようの君 どんな至上の歌を聴かせてくれる? "
" 君の歌はきっと 果てない天空にも手が届くよ "
" ぽぉん………… "
(172) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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" …そらの様に 広く美しい名前が心にあるなら 君の心は きっと至上の旋律を 歌えるね "
(173) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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セレスト-至上の天空-
[Call your name《なまえをよぼう》。 君の中で美しく煌く、大切な君の名前を。 太陽にも星々にも負けない、あの人から貰った君だけの名前を*]
(174) 2013/10/05(Sat) 20時頃
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[ 至上の天空――セレスト。それが彼の魂を育む名前の音色。 正しき名前は、違和感無くセレストの心に沁み入り。 チェレスタと云う旋律の器の《調律》を完了させる、最後の音《鍵》となる。
さあ、歌えるか?
やがて重ねた右手を解き、セレストを共に導く。 歌う為、清らかな筈の、純白の翼の暴走を圧し留める為に]
(188) 2013/10/05(Sat) 21時半頃
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[最早、世界の浄化と云う表向きの大命も取りこぼした様に。 世界中へ向けられる破壊の音色は。 凝縮、聖堂に襲い掛かるが。
調律を終えたばかりの天空の音色。 破滅と崩壊と絶望を、天空へ巻き上げるその旋律は。 少年の頬に、ざっくりと緋色の線を刻んだ程度に留まったが。
その時、崩壊するステンドグラスに照らされて舞う、紅い飛沫が視界に映る]
(189) 2013/10/05(Sat) 21時半頃
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イ ――――ッ!!
[声奏でる喉笛をザクリと切断されたに等しい苦痛を感じた。 来る衝撃破、切裂かれる蔦と共に綻ぶ聖堂の壁石が、脇腹を掠める。 叫びそうな衝動を、短くない硬直とほぼ無音の叫びに変えて、数秒]
…… …… …………。
[察するに限界のある激痛を抱えて尚パイプオルガンに這う姿。 助け起す事、逃がそうとする事は少年にも出来る。 然し。
今《楽曲》に求められている旋律のメロディは それではない]
(191) 2013/10/05(Sat) 21時半頃
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[胸部が切裂かれ、皮肉にも取り出し易くされたスータン。 其処から現れた細長い物は。
――――木の枝?
いや、"枝"と表現するのには美しく整いすぎている。 楽曲を奏でる全ての旋律の中。 唯ひとりのみに壮麗なる資格を赦されし物が手に出来る。 そう、それは指揮棒《ワンオン・コールタクト》]
(194) 2013/10/05(Sat) 22時頃
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オスカーは、イアンが聴かせる静寂の1小節と、唇に指揮棒を当てる姿に、唯じっと彼を見守る
2013/10/05(Sat) 22時頃
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『 』
[それは柔らかく訪れた静寂の空白。 眠りを妨げる物無き夜の深さにも似た、思案の時間。 その静寂で、耳を澄ませる事も、瞳を広げる事も]
(197) 2013/10/05(Sat) 22時頃
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[至上の輝きを帯びて視える、聖堂から覗く天空から。 光の粒が、羽の形を模してふわりふわりと落ちてきた。
鼓膜を優しく震わせるのは、世界に満ちる光の音色。 薄い、薄い羽は硝子の様に、世界に広がる景色を映す。
そして、恍惚に酔う様な薔薇色の頬と旋律を奏でる唇で奏でる。 天空から奏でられる天使の声《チェレスタ》の、微笑の音色は。
――――うつくしい!!]
(214) 2013/10/05(Sat) 23時頃
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[滅びの音は、静寂と共に微風の様に弱まる。 前後して奏でられるのは、至高の空。 そこから響く、もうひとりの光の天使が鳴らす、生命の歌。
オルガンの音色、白き天使にも語りかける声。
まるで、新たに生まれた天使の福音の様に音色は響く]
(220) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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[囁く様流れる、ピアニッシモの旋律。 そこにあらゆる旋律を導く《楽人》の黒光は煌きだす。
懐かしい過去、遠くの想い出。
沢山の優しい記憶を思い出すその旋律に重ねる様に。 何処からとも無く響いてくるのは。
硝子を叩く様な駒鳥の翼と囀り。 そして、小鳥を求める、小さな獣の生の歌蓮が、ささやかに]
(224) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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[それは遠い昔巡り逢えた瞬間に溢れた、喜びの狂奏曲]
" きみに、あいたい…… "
[それは彼ら、それらが別たれ嘆いた、悲しみの独唱曲]
" 手を離さないって 伝えたかったのに "
[孤独に蝕まれ歪み捩じれても、誰もほんとうは変えられなかった様に。 アリアの空で、寂しく響き続けていた、狂想の夜想曲]
[最期の時まで、決して変わらずにいた、二人のほんとうが奏でる音色は]
(226) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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" もう いちど " " きみに "
(227) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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―― " अइताकाता《アイタカッタ》 " ――
(228) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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[囁く声に思い出してごらん、懐かしい記憶を。 やさしいほんとうを。
誰の胸にも流れる、確かな旋律。
思い出して、口ずさむだけでいい。 このうつくしい世界へと飛び立てるのだ。 囁く様な、そんな音色を最後に重ねて]
(229) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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[すっ、と掲げ輝きを放つのは。 音と音を結ぶ、キズナの光。 楽曲導く指揮者に並ぶ、《楽人》の光が、少年から煌き。
歌おう 皆で
届く光は、聖堂を突き抜けて空へ。 倫敦の空、世界中の旋律が流れる空の下にまで届いてくれる事を祈りながら。 沢山の《奏者》を導く光と共に、《楽人》の少年は――]
(232) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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フィナーレは…… どんな楽曲にするの?
[優しい記憶の囁きが静かに鎮まるその後に。 少年は導きの緑を確かに握る《指揮者》に問いかけた。 彼が振り上げるタクトを心待ちにしているように]
(233) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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オスカーは、セシルの傍らから、ほぼ同様の責める視線を彼に向けていた
2013/10/06(Sun) 00時頃
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後で、覚えてろよ。不治馬鹿似非神父。
[施し様の無い言い草をぼやく彼に、心底キツい視線を。 額に口付けた時、少し圧力が増したのは気のせいか如何か]
(247) 2013/10/06(Sun) 00時頃
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世界交響詩《ユグドラシルファンタジア》 《世界は光で満ちている》
――――OK、何時でもどうぞ。
[笑う似非神父の…イアンの表情に怒りの視線も控え、呆れた様に笑いながら。 胸に手を当てる。世界に奏で渡る交響詩を導く、旋律の為に]
(251) 2013/10/06(Sun) 00時頃
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