254 【突発R18】クイン・エルヴィニアの宮殿
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[少しばかり一人になりたかったけれども。
給仕に見つかり、歓待室へと戻れば女王からの言葉があったのだろう。 女王が膝をつき頭を下げる、その様子に矢張り深刻な問題なのだろうとは思う。
思うけれども、他者と視線を交わそうとはしなかった。 ……スリ、と首を指先で撫でて、芍薬の花を握りしめて。
芍薬の花と共に暫し、壁の花になるしかなかった。
戻るつもりは、あまり無い。 無いのだけれど。
あの子があの子であるのを確認するのも怖い気がして。 あの子はどうするのだろうと知りたい気もして。
でも、何よりも。]
(1) 2018/11/27(Tue) 21時頃
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(私で本当に、役に立てるのかな。)
[必要とされることを渇望する気持ちは、拭いきれていなかった。]*
(2) 2018/11/27(Tue) 21時頃
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[そう言えば。と、壁の花になりながら顔を上げる。
視線で探したのは友の姿ではなく、兄の知人の姿でも無い。
探したのは、芍薬の花をくれた人だ。 最初、驚いて声を上げてしまったけれど。 花のお礼は言えていても、服のお礼は言えていない。 何より、あの非礼を詫びていない事に気付いて、その人を視線で探す。
彼を、トレイルを見つけることができたなら、その場にそっと近づいて声をかけようとするはず。]*
(6) 2018/11/27(Tue) 22時頃
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[壁の花になりながら、あの魔法を見せてくれた男性を探していた。
だが、先に見かけたのは先ほど言葉を交わした三人。>>9>>12>>14
成る程、あの中にいても蓮ならばなんとかなりそうだとも思える。 整った顔立ちだと思うし、彼らならきっと蓮に無体なことをしないと思うし、逆も然りだ。 結ばれるか、子を成すかどうかは別として。
しかしあの中に自分がいたならどうだろう。 ……実際、他にも沢山人間はいた。 その彼らがこれから、ここの世界の住人とどう関わっていくかはわからない。 それでも、きっとその中で、一番自分が……。]
………。
[ああよそう、気持ちが滅入る。 視線をそっと彼らから外して、見ないようにした。
あの輪に入る勇気は自分には無いから。]*
(15) 2018/11/27(Tue) 23時頃
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[ぼんやりと辺りを見渡していれば、自分が見つけるよりも先に彼の方が見つけてくれたようだった。>>35
声をかけられ、振り返れば顔には大きな傷。 ぎょろりと見開かれた目。 その恐ろしい顔立ちも、一度真正面から見たなら驚いてしまうことはない。 それでも、先ほどよりだいぶ近い距離に驚きはあったが。]
ああ、やっぱりあなただったんですね。 あの、さっきはすいませんでした。驚いて声をあげてしまって。 いろんな姿や種族の人がいるって、頭で分かっていても、その……。
………驚いて、しまったんです。
[見た目で判断されるなど、自分だって嫌なことなのについしてしまった。 だからこそ謝罪を述べ、頭を下げる。]
(38) 2018/11/28(Wed) 00時半頃
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それに、ドレスも有難う御座いました。 馬子にも衣装……になれば、良いのですけど。 私にはもったいないくらいのステキなドレスです。
[そこまでいって、会話に困る。 謝罪したくて、お礼も言いたくて探していたが、それ以上はどうしようか。
………しかし、彼がここにいるということは。 そして、自分が今、声をかけられているということは?
その考えの帰結に思わず視線を伏せ、どう言おうかと迷いながら。]
………その、私、カナエ、と言います。 ファミリーネームはニト。
(39) 2018/11/28(Wed) 00時半頃
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[声はか細い。頬が徐々に赤く染まり熟れていく。 視線はじっと、彼の姿を捉えていた。
見目は恐ろしくとも、気遣いしてくれる優しい人だった。 それならばさして、怖くない。 むしろ、その優しさが万人に向けたものであったとしてもなかったとしても。
その優しさが、嬉しかったから。]**
(40) 2018/11/28(Wed) 00時半頃
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あ、いえ、いえ! 私、そもそも人と接することが得意では無いので……!
す、すいません……。
[また謝ってしまう。 驚いたとはいえ、目を見開いた程度だったしそれも一瞬だと思ったが、表情の変化に聡い分、彼はこの見た目で苦い思いをしてきたのかも知れない。
自分と、同じ?
けれど、その口ぶりは。 誉めることに慣れているそれに、やはり気遣いやなのだろうと彼の人物像を推測してしまう。 似合っている、だなんて。 喜んでもらえた方が嬉しいだなんて。>>63
……いけない、頬が緩んでしまう。 気恥かしさに、彼の心を否定しかけてやめる。
もし本当にそう思ってくれているなら、それを否定するのは酷いことだと思うから。]
(67) 2018/11/28(Wed) 17時半頃
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お、お上手ですね……? はい、とても嬉しかったです。 元の世界ではドレスなんて縁がなかったですし、制服ばかりで。
……綺麗なもの、好き、ですから。
[例えばビーズの細工物。 ふわふわきらきら、柔らかだったり煌めいていたり。 そんなものが好きだった。 色も、モノクロよりパステルカラー。
似合わないけれど。 似合わないと、言われ続けていたけれど。
自分を肯定しきれない自分は、その言葉を思い出して眉尻を下げてしまうけれど。]
(68) 2018/11/28(Wed) 17時半頃
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………はい。 花の苗と書いて、花苗と。 二つの都と書いて二都と。 それが私の名前です。
……トレイルさん。>>64 エルフ……だから、魔法が上手だったんですね?
[エルフにも様々な種族がいるらしい事には微かに驚いた。 彼の見た目の事もある。 だが、だからこそ魔法を気軽に使えるのかと合点もいった。
さて、彼の耳は尖っていたか? チラと確認してしまったのはそのくらい。]
(69) 2018/11/28(Wed) 17時半頃
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[背に彼の手の温もりが伝わってくる。 眼差しに眼差しを返して、差し出された手にはおずおずと手を重ねた。
近い距離に頬の赤みは消えることはない。 手を重ね、外に向けてともに歩き出す。
嗚呼、やはり優しい人なのだと、そう思えた。]
[歩いている最中、何か言葉は交わしただろうか。 二人で歩いている様を見て、何やらヒソヒソと囁かれてもいた。 いや。もっと良くない反応を示す輩すらいたかも知れない。
けれど繋いだ手をこちらから離すことはしない。 彼とともに歩いて、どれくらいだろう。]
(70) 2018/11/28(Wed) 18時頃
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………私と一緒で、ご迷惑では、ありませんか?
[ポツリ、そんな事を問いかけた。 彼は例えば、あの銀の髪の美しい女性が好ましかったのではないかと。]*
(71) 2018/11/28(Wed) 18時頃
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……ありがとうございます。
[素直に礼を言うことが出来たのは、それが名前に対してのものだからだ。 名前負けしてる、とは言われたことはあるけれど、その名前を気に入って居たからこそ穏やかに微笑むことができる。 それでもそれが恥ずかしげなものだったのは、これから成すことをほのめかすような言葉があったからだ。
自分たちの子供達が。 ……呼ばれた人間と、彼らもの子供達。]
(90) 2018/11/29(Thu) 00時頃
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[それにしても、驚いたか>>87と問われれば首を横に振る。 そんなに驚いたわけではないのだ。ただ、自分の中にあった情報との不一致があっただけ。 実際、自分の知ることなど真実からではないし、真実からだったとしてもそれがこの世界の彼らに完全に当てはまるわけでもないのだから。]
魔法の存在自体、驚きました。 自分の知ることが全てではないとは知って居ますが、それでもまだ知らないことばかりで、ただそれだけなんです。
……沢山、知らないことを知っていければ楽しいと思います。
[それは、この世界の様々なこと、大きなことから小さなことまで知っていくことが出来たらと思えたからこそ。
それにしても、彼らの種族は全体的に見目が劣っているのだろうか。 種族として貶められるような言葉に>>88胸が痛んだけれど。
何やらものが割れる音や、様々な悲鳴。>>89 振り返ることはなかったが悲鳴に肩を揺らして彼を見れば、悪戯っぽい顔で笑うものだから。
ふふっと笑い、彼とともに中庭まで。]*
(91) 2018/11/29(Thu) 00時頃
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