171 獣[せんせい]と少女
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― 去年 ―
[ ハムと、夜用の酒をひとつミィに抱えてもらって 帰る頃にはユージンとブローリンの作る夕餉の匂いと すっかり乾いた洗濯物。
ふよりふよりと風に繰られて畳まれるソレを 爛々と見る瞳の数は幾つあったか。
留守にしていたミィの分のタルトタタンはあったかな。
夜の酒の席に姿を見せた獣は何匹だったか。 翌日の屋根の上での朝ごはん、 大部屋でのミィの話にわくわく、眠れなくなって ねぼうした子はいなかった?
どれもこれも、まるで昨日のことのようなのに 目の前で揺れるのは あの日と違う、真白の髪。*]
(23) 2015/10/08(Thu) 01時頃
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― 再訪の少し前 ―
「おまもり」作るんでしょう?
[ がっこうの裾野の街よりも、もっと小さな近郊の村。 原石になりそうな塊を6つ 宿のまるい木の机の上に、コロコロと並べた。
”とくべつ”>>0:548なのは、石に刻んだ細かな紋様。 選んだ少女を表すような花を ひとつひとつ ただひとりのために選んで、刻む。
白くなりゆく肌の上で、いまも変わらない瑠璃の碧は 石の上で見事な青薔薇を咲かせ続けている。]
丸くするだけなら、きっとミィでも出来ますよ。 ……どうしますか?
[ いままで、彼女がこの「力」を使ったことはない。 伺うように躰を向け、是ならば膝の上に座るようにと*]
(30) 2015/10/08(Thu) 01時半頃
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[膝の上に乗ってきた小さなからだを愛おしげに迎えて もう全部が白くなってしまった髪に こっそりと頬を寄せる。
いつも、自分の腕の中ではどこかふにゃりと 空気を緩ませる彼女の肩が どこか強張っていて。 握りこまれた小さなゲンコツ>>69のパズルは 己が包んで解く前に、膝に張り付く。
彼女の手の中で、白い塵と消えた花は 己の目に映る前に風に流されてしまっていたから 「何か」に揺れたサファイアの瞳しか記憶にはないけれど]
…大丈夫、ミィなら だいじょうぶですよ。
[向けられたちょっと無理した笑顔ごと、背中から包み 膝の上で開いた指間に己のそれを重ねて 裏返した左手のまんなかに、鈍い色の原石を乗せた。]
(121) 2015/10/08(Thu) 23時頃
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[生命に使えば、たちまちその火を吹き消し 「死」があった事実すらなくしてしまう風化のちから。 なにひとつ生み出しやしないそのちからを 唯一輝かせることができるのが、これだった。]
石の声を聞いて…、どんなかたちになりたいのか。 見ていたらきっと浮かんでくる。
そうしたら、子猫を撫でるみたいに ゆっくり……ゆっくり ………。
[まだ角もあるし、罅がいっている場所もある石は 風を纏って、ふわりと彼女の手のひらを離れて浮かぶ。
ちいさな白い手と、己の無骨な手。 重ねたそれは 離れずに 石は彼女が願ったとおりに、煙のような塵を上げ 何が触れることもなく唯風に包まれて 形を変える。**]
(122) 2015/10/08(Thu) 23時頃
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全部いまやらなくても…
[ ――よかったのに。 そう、言いかけて 微かに上がった息>>212を感じながら 「旅立ちの日」までの日数と 「彼女」に残された日数を想う。
旅立ちを待たずに途絶えてしまうほどではないにしろ、 元気だった彼女も自覚しているだろう衰えは 小さな身体の中に焦りのようなものを生んでいるのかと
衰えを知らぬ己には推し量ることしかできず どれだけ永く生きても決して理解できぬことが恨めしい。
瑪瑙、翡翠、孔雀に紅玉、玻璃に月長。 雫をかたどった綺麗な色たちが、 机の上で 薄布に包まれて眠っている。 ――そのひとつが、己が遠い昔にかの幼狼に贈った石と 同じとは気付かずに。]
(260) 2015/10/09(Fri) 22時半頃
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[ ( ミィならできる。 あなたは、いま…風を従えているんですから。 )
己の腕の中で不安がっていた彼女>>210にかけた声。 ふわ、と彼女と自分を包む風を起こし 身体だけでなく”ちから”でも 支え、寄り添って。
( 上出来だ、ミィも宝石商人になれるぞ。)
向けられた誇らしげな笑顔>>212に 少女を護っていない間に己が気紛れに名乗る ”職業”を口にする。
彼女たちと共に居る間は、”仕事”をすることはないから ミィの青い瞳が、風のちからで石が液体のように 形を変えてゆく様子を見たことは 盟約を交わした「あの日」以降は無いはずだけれど
――――もう、6年。 6年、経ってしまった。]
(261) 2015/10/09(Fri) 22時半頃
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………今日はもう休みましょう。 紐と合わせるのは またあした。
明日の朝はスコーンを焼いてもらえるよう 宿のおかみさんに頼んでおくよ。
[ 柔らかなベッドに彼女を促して、
がんばりました、の抱擁をその身に 無理をさせてすまない、の詫びを明日の約束に
おやすみのキスを額に。
月のない真っ暗な夜が宿屋の窓に切り取られ 星の河が、流れるように彩って
つう、と流れた星は どこへ堕ちたか。*]
(262) 2015/10/09(Fri) 22時半頃
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[ ミィは、昔からそう。 ひたむきで 一生懸命で、責任感がつよくて 優しいけれど、甘やかしすぎない凛とした面もあって。 だから同世代の子たちのなかでも、とりわけ「妹」達に ”おねえちゃん” と慕われていたように思う。
期待に応えようと、がんばって ちょっとくらいつらくたって わらっていて
覚えたての文字を己に褒めて!と見せに来た子は いつの間にか 文字を書けた妹たちの頭を撫でる側になっていて
私は 彼女が己に「Oswaldo」と書いて見せに来た日>>293も 彼女が名前を書けた妹たちを褒めたその後も
「 ――よくできました。」
そう言って、まだ色濃かった頭を包むように撫でた。]
(319) 2015/10/10(Sat) 02時半頃
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だいじなだいじなミィを大切にしているだけなのに 心配性とは心外だ。
[ くすり。ちいさな笑いをこぼして 頬に受けた暖かさ>>294を反芻しながら ベッドに座り、瞼を彩る白い睫毛を見つめる。
触れるか触れないか、額にかかる前髪を指で流して ゆっくりと ゆっくりと 結われていない長い髪に沿うように 頭を撫でる。]
………おやすみ、 またあした。
[ 蒼の目が明日も同じ色でありますようにと 叶わぬことを願い、焦がれ 夜の間の変化すら覚えておきたくて、惜しくて 己が殆ど眠らなくなったのは ここ半年のこと。]
(320) 2015/10/10(Sat) 02時半頃
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[ その影は 明け方にこっそりと立ち上がり、 宿のおかみさんへ朝餉の手伝いを申し出る。
薪で焚いたオーブンの脇で 手製のスコーンを焼かせて貰うかわりに 作ることを快諾したパンは 宿のひとと、宿泊客に朝食として振る舞われるもの。
どこか不思議なフワフワ感につつまれたライ麦パンは きっとミィも味見をしたいと言うだろうから
朝の彼女を迎えるのは、まろやかなミルクティーと パンとスコーン、ソーセージとふんわりオムレツ そして忘れちゃいけない、甘さひかえめのクリーム。
ベッドまで運ぶ朝食の余りは、 随分と大きな雛鳥が口をあけて 待つだろう。**]
(321) 2015/10/10(Sat) 02時半頃
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― 来訪の日 ―
[ 裾野の街に並ぶ、おまつりの出店。 小さいだけでなく ゆっくりにもなった彼女の歩幅に合わせて 人垣から背中で守りながら隙間を縫う。
「旅立ちのとし」の街は、ひときわ賑やかだ。]
……ホットココア、買いましょうか。
[ 傍らのちいさな存在に首を傾げ、問う。 他にもホットレモネードや紅茶もコーヒーも 勿論アルコールもあるけれど 遠くから、僅かに冷えた風の匂いがするものだから 何か温かいものを、と 思って。 彼女が選んだのは何だろう。]
(338) 2015/10/10(Sat) 17時半頃
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[ ゆらり、地上に降り立った足が震えれば>>7 抱き寄せるように支えて。
此処に吹く風は、いつの時も変わらない。 神木と獣に守られた土地は、自然災害すらも起きず 豊かな秋に包まれて色づいている。]
私が初めて来た時からも、此処は変わりません。
[ すっかりまっしろになってしまった髪には 私が彼女に付けたくて買った、小さな髪留め。 どんぐりとドライフラワーが一輪 咲いている。 ずっと、変わらない景色のなか 変わっていってしまう命を見下ろした。]
(339) 2015/10/10(Sat) 17時半頃
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[ 今日が妹たちの10回目になる誕生日。 あの子達が選ばれ旅立つ、とくべつな月。
私が彼女の手を取った「あの日」が 変わらぬ景色の中で蘇って
視界に収めた薄水の瞳が、過去を映す鏡のように 己の視線を吸い込んでいくような。]
………あの子達に会う前に
私の我儘にほんの少しだけ つきあってくれませんか。
[ 下がった眉に寂寥がにじむのは隠しきれず。 差し出す手は、いつもと同じように。**]
(340) 2015/10/10(Sat) 17時半頃
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[ 眠った彼女>>329が身をよじって、ごくまれに ちらりと青い瞳をのぞかせて笑うときがある。 そのたび優しく頭を撫でて 時折、遠い異国の歌さえ口ずさむことも。
恐れを薄める子守唄。 彼女が「恐怖」を口にすることはなかったけれど どんな獣も抱える大きな恐怖は
( 貴女をもし何かに奪われてしまったら、なんて 考えただけで …怖い。 )
己が寄り添う夜は、平和で穏やかなものだけれど そうでない国や時が何処にでも転がっていることを 知っているから。
彼女の寝顔がある静かな夜は 常に輝いている宝石よりも、見つめる価値がある。]
(431) 2015/10/10(Sat) 23時半頃
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