97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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全
オスカーは、よし、ツッコミおーわりっ!(やりきった顔
十六夜 2013/10/06(Sun) 03時頃
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― 晴れ渡る至上の空《セレスト》で ―
[天空《セレスト》に 虹がかかった]
[晴空《セレスト》は 嘆きを赦しそして晴らす]
[翅が降る。祈りと、幸福と、喜びを幾重にも重ね合わせた。 天使の様な、奇跡色の翅がふんわり、ふんわりと]
[沢山の夢と命と光を世界に与えた天使は そして]
(31) 十六夜 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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[翼を失い、ひゅう、と落ちる旋律の器。
それは魂の抜けた楽器、綿の無い人形、舞い散る翅の様に軽くて。 天使を《調律》した楽人は、静かに落ちたそれを腕元へと引き寄せた。 晴れ渡る朝の演奏会《コンサート》は終り、眠りの詩が響いていた]
(32) 十六夜 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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[それは"死"では無く、"眠り"。 再び訪れる朝までの、微かな別れの間奏曲に過ぎない]
――――……おやすみ。
何時か君が、また目を覚ましたとき。 必ず君を探して、また君の声を聴くだろうね。
[何十年、何百年先の歴史かは解らないけど、それは必然。 楽人は、そんな天空の天使の眠りを見守る様に囁いた]
(33) 十六夜 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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[謝る、謝られる]
[天使の慈悲に溢れた音色、響く祝福の羽音。 世界ごと包んだ光の中で、ﺳﻮﻳﻮﺭﺍﻧﻮ/ソプラノの鈴鳴りが歌われる]
[世界は月と星々の銀河に包まれた様に、やがて静まり返る。 平凡で安穏とした世界に似つかわしくない、光と闇の違和感。 そう、鏡写しの様に響く、ゴートリンゲンの存在は静まり返り。 あるべき物があるべき場所へ。 去るべき物は去るべき場所へ]
(34) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時頃
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[光が甦る。空には虹が架かり星が煌く。
滅びの曲律に耳を傾けた《大衆》はやがて誰ともなく起き上がる。 終りの焉葬に恐れ戦く民はやがて空を見上げる。 巨大な、あまりに強大な天使は、まるで夢の様に。
そう、昼に夢見た、夜の記憶の様にどこにも見当たらず。
あの白い光の翼はどうしたのだろう。 最後に聴こえた、心の洗われる様な音楽は何だったのだろう]
(35) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時頃
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[世界は嵐の予兆を感じ。
やがて森のざわめきと湖の波紋。 あらぶる風に太陽を覆う曇天は心を暗くし。
光り輝く、破滅の象徴。 この冬は終りを告げず、世界は嘆きの雪に閉ざされてしまうかの様な錯覚
―― そこに射し込む 光の翅
夢が、喜びが、祈りが。 次々と《大衆》の心には旋律と共に流れ込み。 長い長い、冬と悪夢の終りを告げる様に。
気がつけば、世界には、《春》が訪れていた]
(36) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時頃
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まるで、至上の天空から舞い降りた天使が授けてくれた様な
世界への 音楽《ギフト》
それを聴いた《大衆》は神に祈りを捧げていた
(37) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時頃
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― 大英帝国倫敦闇史書より 『天使のギフト』事件詳細 ―
--- 倫敦大聖堂に謎の集団昏睡事件が起こる。 発生時大聖堂付近にいた、聖職者や参拝者を主にする大衆が意識不明の昏睡状態に陥り続けた。
--- 倫敦大聖堂、聖職者と共に消失。 上記、集団昏睡事件直後から、付近の大衆が、同聖堂が消失したかの様な、不可思議な集団幻覚が発生した。 一部市民の中には、蔦や茨に囲まれる聖堂を見たと云う一致した証言が存在したが、論証は無く、集団幻覚の一部と王立捜査局により判断が降された。 また極秘証言だが、市民の中に数名、『何も無い空間から出てきた』と証言する子供を見たとの報告があるが、その子供が実在したかの確証は存在しない。
--- 時計塔に黒い化物が出現。 同時刻、倫敦時計塔頂点に、化物の様な影を視たとの報告が多数の大衆から寄せられた。 参考資料1(写真が貼られてある)にある様、大きな狼の様な獣が突然変異した姿であるとが、同捜査局の予測であるが、究明には至らない 尚、当写真のみが唯一、本事件の現実性を辛うじて証明する物であり、全ての物的資料の民間開放は禁じられている
(38) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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--- 倫敦橋に謎の化物が出現。 上記事件より数時間後、倫敦橋に、巨大な蛇の様な化物を視たとの報告あり。 上記事件よりも危険性の高い化物とされ、大衆の全員が避難したが故に、映像資料は存在しない。 大衆によれば、川の水が大蛇と化したとも、黒曜石の様なドラゴンだとも証言されており、究明には至らない。
--- 倫敦空に謎の白い天使が出現。 本項目最大の事件。大聖堂が存在すると思しき座標上空に、天使が出現した。 大衆達の証言は一致して、『白く光る翼を広げた天使』と証言された。 当初、天使の福音を受けた大衆は、集団幻覚を引き起こしたかの様に自殺行為に走る者すら現れたとされるが、事件解決後の調査によれば死傷者は存在しないとされ、大衆は愚か、倫敦中が困惑する中、事件は謎の幕引きを気付いた時には遂げていた。
また、同事件時、異なる天使の祝福が聴こえたと主張する大衆も少なくなく。 天空から降り注ぐ福音から、天使は二人存在したのでは無いかと云う見解が、一時実しやかに囁かれていた。
(39) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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--- 事後調査
本項目に置ける事件は、論拠性、因果性、物証性、全てが希薄な事件とされ。
ほぼ全ての事件が、原因不明の集団幻覚である以上の説明が大英帝国王室からも為す意外なかった。
水面下では、王室の陰謀、テロリストによる薬物実験、倫敦の地下に存在する謎の組織の暗躍、果ては天使の降臨など、様々な論説が展開されたが、その何れも現実性に乏しい為。
以上の理由を以って、本件は大英帝国闇史書へと目録登録されたのである。
(40) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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... ... ... ... ... ... ...
(41) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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--- --- --- Secret Code 333666 --- --- ---
(42) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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本事件後、王立捜査局とは極秘別動、ハワード・グウェンドリン総長率いる、響界機関『コンデンススコア』諜報部『トリル・ディアボロス』の活動記録より。 事件当時、崩落したと王立捜査局に調べられていた、倫敦大聖堂地下大霊廟。 崩落に際し、消失されたと看做されていた、『聖遺体』の纏われていたと視られる繊維物が、聖堂近辺にて発見された。 極秘情報として、事件当時、偶然難を逃れた聖堂の聖職者から、当事件の際、上空に現れた天使を、『聖遺体』の様な容姿をしていた、と云う証言を得られている。
以上の情報を統合した結果、響界機関『コンデンススコア』は 倫敦大聖堂に安置された、古の『聖遺体』こそが、天使の正体では無いかという推論を当局へ提出した。
尚、以上の情報は、大英帝国民に無用の混乱を広げるばかりか、世界の宗教観を根底から覆しかねない論証であると危惧した、当時女帝の最終英断こそが 本件、真の闇史書目録登録であり
本項目の情報は、特S級以上の、英国帝直属の、バロン・ラウンズ構成員にのみ開示を赦される情報とする。
(43) 十六夜 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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― op.0 夜空へ捧げたノクターン ―
[死んだ様に眠り、長い夜の夢に沈んだ。 役目を終え、眠るセレストの軽い軽い身体を抱えながら。
楽人の少年は、指揮存在の青年に歩を近づけた。
その彼の傍には、子供の様、背を撫であやされる様に泣き寝入る姿。 奏者の身体に存在した魂は、誰なのだろう。 目尻には雫の軌跡を残し、朝を待つ様に眠る。
背を撫でられる姿で、覚えてしまう羨望のやり場に少しだけ困りながら]
(44) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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[こちらに気付けば、彼も気付くろう。 奇跡の色した翅を散らし、深い、深い眠りに着いた、天使の姿に]
……おやすみ。だとさ。
九時にはまだ早いと思うけど。 良い子はもう寝る時間みたいだな。
[近くの椅子を探り当て、眠る天使を安らかに座らせた。 奏者も同じ様に座らせるつもりなら、再び椅子を引いて]
(45) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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俺は悪い子だから、夜更かし位別にいいんだよ。
それより……覚えてる?
『後で覚えてろよ。不治馬鹿似非神父』
[パキ、コキ。肉弾戦の柔軟体操、と少年は拳の骨を鳴らして。 近くに良い段差は存在しただろうか?手頃な立ち居地で。 少年はにこりと満面にも相応しい笑顔をひとつだけ展開して。
―――― 青年の額へ結構全力で、手刀を振り下ろした。
当たるか否かは至極どうでも良かった]
(46) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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――…バカヤロウ ッ。
結局泣かせたままなんだな。 そいつの事だけじゃ無いぞ。
自分を犠牲にする奏で方とか。 俺が云ってもそいつが、誰が云っても。 お前は最後には結局自分の考えを通すんだし。
人泣かせとか、罪作りとか言われた事あるだろ。
(47) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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お前が、そいつの事とか自分の事とか。 どう考えてるのか。
……俺は、聴かないでいいけど。
もう子供なんかじゃない。 けど大人だとも云えないよ?俺。
(48) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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…………覚悟してろ。
俺には、この鎖があるお陰で。 お前の云う通り。 これから、先も見えない 悠久の時間がまだまだあるんだ。
だからお前の悪癖とか。 時間を掛けても俺が絶対に強制してやるからなッ。
(49) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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俺は――ワガママで欲張り、なんだから。
[共にいれる。なら次には、を求めてしまう、その位には]
(50) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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[手刀を打ち込んだ後、その手で指を突きつけて。 緋色の瞳は、じい、と変わる事の無い強い意志で彼を見詰めていた]
――それじゃあ…イアン。
そろそろ、おやすみの時間だ。 どうしよう、か。
[未だ理解していない。お互いが《指揮存在》故に、求められる楽曲のフィナーレを迎えた後には、楽曲の指揮者はやがて退場のカーテンコールを迎える。 お互い共、残された時間、これからの自分達は。 窺う様に、楽人の少年は、イアンの双眸を見上げていた*]
(51) 十六夜 2013/10/08(Tue) 01時頃
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―― 20XX年 ――
[過去の未来と、未来の未来。 ふたつの未来を別つは、運命の変奏曲。
気分屋さんのステップの様に≪Rondo Capriccioso≫......
様々に足を踏み変えられた、楽曲の旋律はやがて。 誰も知らない、新しい交響の詩を引き連れてきた]
(95) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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ロバート・グウェンドリン様
世界総譜の導きに従い、今
ようやく、貴方をお迎えにあがりました
(96) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[その少年は、ある日、霧の濃い夜空の中現れた。
黒衣を身に纏う、燃える様な緋色の眼が柔らかく微笑む。
夜風の唄に紛れて、黒い天使の羽が辺りに散ばり。
世界の祝福を受けている様な、音無き幻想曲が響き渡るなかで。
黒く輝く緋色の鎖を左腕に巻きつけた少年は、その右手を差し伸べた]
(97) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[その狂気の境界を走る音色は、決して雑音《ノイズ》ではない。 逢いたくて寂しい、その純粋な想いは、音色を遥か高き次元の旋律へと導く]
[今度こそは、きっと大丈夫。 その硝子の音色は、何かを必ず覚えているはずだから]
[世界へ導かれる硝子の駒鳥。彼に少年はこう名乗った]
[ ―――― "旧約" の アルト ]
(98) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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―― 20XX年/帝国機密某所/??? ――
[五体に並ぶ天使像が囲う広間の中心。
高まる音《力》は後少しこの世界に解き放たれるべきでない旋律。 緻密な紋様、古の旋律を記す楽譜を布に刻み付けた様な、その長衣。
大英帝国響議会を――機関を指揮する若き総長。
最近は少し、総長の貫禄が、見え隠れする様になってきた。 最も彼は、"自分よりもまだ若いから"、成長はこれからだろう]
(99) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[――"調律指揮"。楽曲を破綻に導きかねない危険音律の、調律。
漸く、響界機関も、重い腰を現代になりあげてくれたか。 実は少年に、その権限は無い。 飽くまで、今の旋律を導く者は今に生きる《奏者》達であるべきが故に。
高まり続けていた、音《力》の鎮まり。
響界機関総長、ロバート・グウェンドリンの指揮――――みごとだ。
繊細に誂えられた金冠…古より続く、響議会議長の証。 だが少年には少し堅苦しそうに視えるのが、少年の苦笑を誘う]
(100) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[少年は始終を上座で監督させて戴いていた。 霊廟の祭壇。奥まりに位置する天使像の傍らから歩み出]
お役目なんて、ロバート様。 俺は唯の"監督役"だよ。
[嘗て叶えられずにいた旋律を奏で、今"この世界"の中心に立つ少年。 それを視るのが不思議な感覚で、彼が首を傾けた方向と、逆に首を傾けた]
[『アルト』…機関が祭りし天使像に刻まれし天使の一柱。 その名を奏でて、運命と共に現れた、歌の天使はひとつの特徴。
――音域天使《メロディ・レンジェル》は謳わない]
(101) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[そう云えば――先程の"調律指揮"で何かが聴こえた様な…。 ふと、気掛りな音が存在した、何だったのだろう、ぼんやり考えようとした時]
……あ、うん。 どうか、したの?
[耳を貸せと、何かありげな様子に、素直にその首を傾けた。 彼が担うのは英國全域、或いは世界にも及ぶ、旋律の指揮。 今や機関の内情は彼を中心に廻る。何か知らない情報でもあるのかと――…]
(102) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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≪ इ इ शु ≫ 『 テノール 』 が 覚醒める ?
[待ち望み続けていた囁きに、心が弾みの音色を鳴らした]
(103) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[死した魂は廻り、やがて新たな旋律を芽吹かせる。
"新約"の天使達の――目覚める日が近い。
嘗ては天空に誇り、五翼の天使が旋律を奏で。 総譜と云う楽曲を、旋律の導きを指揮する者がいた。 創世記から奏でられし旋律達。 "旧約"の天使達はこの世を去り、そして"新約"の天使達が目覚める]
(104) 十六夜 2013/10/09(Wed) 19時半頃
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[重なる音域の予感を感じつつ、楽人の指揮存在は笑いながら告げた]
それじゃあ。 早く、"新約"のアルトを探さないとね。
[彼をこの世界に導いたその時、彼へ説明したのだ。
我は緋き鎖を誇りし"旧約"の天使。 人が統べし旋律の約定を違え、夜の翼を棄てし"古の天使"――と]
(105) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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[20世紀、響界機関には、過去最高のグウェンドリンと謳われし総長が居た。 然し、その頃の機関には――"音域天使は存在しなかった"]
[機関を導きし、詩の聖者、天使の末裔、そう今は謳われし者。 然し、何れ"新約の扉"が開かれし時、"誰も自分を覚えていないだろう"]
[罪が誇りしキズナの鎖は、指揮存在の証へと百年余りで昇華された。 "指揮"の共有――それはつまり、"抹消"の共有を意味する事を楽人の少年は気づいて]
[《総譜》の自浄作用は、何れ新たなる"新約"のアルトを送り出す。 高次の存在へシフトした楽人は、『アルト』としての役割を失くしている故。 それを理解したのは、過去に"前例"が存在した事に少年が気づいたから]
(106) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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新しい『アルト』が目覚めた時、五人目の天使が漸く現れる。
[意味深な笑みを浮かべ、楽人は、総長の少年の傍ら、天使像を撫でていた。 その古めかしい天使像、それの名前は、擦れて読む事が出来ない]
アルトと"テナー"はふたつでひとつ。 ふたつが合わさり最強にして最高の旋律がひとつ生まれる。
"前の俺達"はお互い、やがてそんな事関係無くなったけどね。
アルとテナが、今再び重なる時。 響界へと導く旋律の天使が生まれ、世界は新たに動きだす。
(107) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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最終天使《ラスト・レンジェル》 『アルテナ』
君は、どんな音律を奏でてこの世界を導きたいんだい…?
[少年は眠り仔に対する様に、名の擦れた天使像を眺めていた]
(108) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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…… …… …… …… …… ……
(109) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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[数刻も経ち、やがて人の途絶える厳かな霊廟。 総長の少年が、調律の指揮を施した、広間の中心で。
楽人の少年は、小さな白刃を片手に立ち尽くしていた]
(110) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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[新たなる世界の扉は、やがて開かれる時が来るだろう。
本来の指揮存在は、楽曲の破綻、旋律の乱れに際して現れる存在。 今生まれ変わる、新たなる響界機関を導く、旋律指揮を助ける。 それこそが、今少年が100年後の世界に訪れた理由。
やがて役目を終え"抹消"を辿る未来だが。 覚悟はしている。嘗て存在した夜色の翼を棄てて、少年は今この世界に…在る。
世界に広がる旋律達を導く為に 世界に溢れる音楽達を繋ぐ為に]
(111) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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――この俺、オスカー=アルト・ヴィルヘニアの。
[少年の腕に、青い蝋燭の炎を淡く照り返す刃が走る]
(112) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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"旧約"のアルト、『指揮楽人』の血に於いて。
[腕を走る紅い線から、じわりと溢れた雫が、床面に零れる]
(113) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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やがて啓かれし、新約の扉にこの詩この一節を請う。
[零れ落ちた少年の血に、霊廟は緋色と蒼色の幻想的な光輝を放つ]
(114) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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封印りし 始原響界音律≪ローゼスコール≫ の元に――
(115) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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世界交響詩《ユグドラシルファンタジア》よ
どうか うつくしい 光で満ちていますように――
[皆さんに、天使の贈り物《ギフト》が"聴こえ"ます様に......**]
(116) 十六夜 2013/10/09(Wed) 20時頃
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