158 Anotherday for "wolves"
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─ →集会所(教会) ─
[滅多に来ない、 集会所のある方。
独特の渦巻く空気に、 徐々に眉は下がりだす。
そんなところに、 神への賛美の歌>>0:432が うつくしくも囀りはじめたのだから 猫には、たまったものではなかった。]
(1) 2015/05/11(Mon) 04時頃
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[猫は、 ひときわ、この歌が嫌いだった。
学も、知識もない。 けれど、この村の誰かか。 傭兵仲間か。
教えてもらって知ってるのは、 歌詞を作ったのが売り買いなんかに かかわったやつが作ったこと。]
[治っているはずの左足が、ずきり。 記憶に、痛んだ。]
(2) 2015/05/11(Mon) 04時頃
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[ろくでもないやつが 都合よく縋り、そんなの輩の祈りを 叶える神のうたなんて。
信じもしないし。 聞きたくもない。
一文字に口を結び、 スティの後を追う。
>>0:449その首がうごけば、 猫もまた きょろり。
>>0:407緩やかな足取りの、 学者先生を見つけて。 硬い口が、すこうしだけ、解けた。]
(3) 2015/05/11(Mon) 04時頃
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レオせんせー
[彼らと、 今はあまり行かないけれど、 傭兵時代お世話になった宿の主人。
八年前に何があったのかは 聞いていなければ特に知る筈も無く。
それもそうだ。 当時なんて、戦場を駆け巡る 真最中だったのだから。 まあ、知っていたところで猫の態度は 変わるはずもあるまいが。 ]
(4) 2015/05/11(Mon) 04時頃
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[ひらり]
[声を掛けるだけかけて、 挨拶代わりに手を振るえば、 またたきをする彼を 不思議そうに見つめたあと。
そのまま、門を潜りて。
大嫌いな香りに、 ひん曲がりそうな鼻を堪え。
中へ辿れば、 仄暗い厳かな空間の中で。 >>#0鬱蒼とした黒銀が揺らめいた。]
(5) 2015/05/11(Mon) 04時頃
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[しん と。
静やかのなかに、よく通る声。 教会の白壁に、黒をそっと触れさせて。
どこか重厚な響きを帯びる 族長の聲に耳を向けていた。]
( …… 。
時の風化?
そんなんで。 ――― 落ち着くのかしら。 )
(9) 2015/05/11(Mon) 04時半頃
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[一度。 天秤が傾けば、並行に戻すのは容易じゃない。 猫でもわかる。カンタンなこと。
疑惑は、 確かに抱いた不信は、不安は。 わだかまりとなって、残るもの。
石でも投げられた日にゃ。 喧嘩っ早い猫は、決して見逃す気にはならない。 …… 昨日、酒場で瓶を叩きつけられたみたいに。]
…… やだやだ。
小難しいことは、 性にあわないのに ねえ。
( 『起きては、ならないこと』 )
(10) 2015/05/11(Mon) 04時半頃
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[ひどく。
胸が騒ぐよな。 それは、研ぎ澄まされた 野生のごとき『勘』に近い。
>>#6族長が奥に消えたあと。 まだ余韻残る世界で、ぽつり。
呟きながら、 重々しいことば 雰囲気 、
そして 『予感』を。 振るうように、毛並みを震わせた。]
(11) 2015/05/11(Mon) 04時半頃
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[ 飲んで 酔っぱらって。 争いの種になる、猫だが。
決して、 このちいさな村が。 人間が。 ひとが。 母さんの生まれた村が。
嫌いなわけでも、憎いわけではない。
厳寒な貧村でも奴隷の主の居る邸宅でも、 そして 戦場とも、また違う。
温かな世界は、こんな猫にも。 欠片でも、居場所を与えてくれる、
――― 貴重な、場所だった。]
(12) 2015/05/11(Mon) 04時半頃
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[だから。
もし。『ルール』を破る人狼が居れば。 猫は、
―――― 平気で、狗の貌を見せる。 ]
なんであれ。
隣の話しさ。
…… ここには、きっとね 関係ない、だろーねえ
[はふり。
息詰まる世界で、 自然と顰めていた呼吸を 一気に、吐き出した。 * ]
(13) 2015/05/11(Mon) 04時半頃
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[まるで それは。 自らに 言い聞かせるような響き。
自分のことでさえ、 箱の中にあるような、不確かな猫には。
『よく当たる』ざわついた勘といい。 この物騒の前触れのような、 そんな気持ち悪い空気といい。
断言しきることは 決して。 できなかった。
――― それに、 いつだってヒトの形をするものは、 どんな身近なものにだって。 時に皮を被り、騙す事があると。
ようく、知っていた。 ** ]
(14) 2015/05/11(Mon) 05時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 05時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 05時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 12時半頃
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― 集会所 ―
[ぐるうり。]
[猫の瞳が ゆっくりと、回る。 >>47スティは、 >>23何処ぞ不安を差した色のレグへ。
レオ先生も、>>31ラディとお話中。 あとで本屋に寄ろうかと思っていたから、 ベネの方も見たけれど。
眉顰めた彼に近寄る、 >>53渡鴉の姿に目を細めた。
(万が一 億が一にも。 ワタシのことなんて、思いはしていない。)]
(54) 2015/05/11(Mon) 14時半頃
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[>>27涙さえ滴る。 艶やかな黒髪の持ち主を横目、 人とは離れた隅に位置したいた猫には 誰にともない呟きは聞こえない。
声を掛けようかとも思ったけど。 >>50彼女が振り向いたし。 何より、マーゴには騎士様が居るだろうから。
けれど。
どんよりした、重い渦は 更に ヒトの涙で、確かに澱みを増して。 暗いのはね。 好きじゃないからね。]
…… 教会は、 (ここは、)
やっぱり。 居づらいよ。
(55) 2015/05/11(Mon) 14時半頃
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[村でいちばん、嫌いな場所でもあって。 自分に構ってくれるヒトが居ないなら。
そ。 と。
かつん。
硬質を鳴らそうか。]
( 後で何かあれば。 スティに聞こう。 )
[抜け出るよに、 教会の外へ。
足を、向けようとする。 *]
(56) 2015/05/11(Mon) 14時半頃
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― 幕間03-2/半年前 ―
[いつも、ちょっぴり、 開かれた窓の隙間。>>0:389
これが、いつもの『通路』、なんて。 本当にワタシは猫にでもなった気分だけれど。も。
せんせーのところは居心地がいいので。 なかなか、どうして。悪くは感じない。]
[ 窓枠から流れる、 緩やかな時風。
心地よさそうに浴びながら、 脆く揺れる 紙の塔よりも さらに とおくを見ていた猫が一匹。]
(73) 2015/05/11(Mon) 17時頃
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[濡れ羽の毛並みを撫ぜられたならば。 すこし擽ったそうに 空色を細めながらも。 振り払うことなく、 のんたり、穏やかな ことばを、聞く。]
[みゃあ。 とも。 わん。 とも。
黒いいきものは、鳴かない。が。 問いからは随分外れた、的外れ。 それでも、猫からしたら。
やさしいことばに聞こえたから。 ふ。 と。
口許を、綻ばせて、自然とわらう。]
(74) 2015/05/11(Mon) 17時頃
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…… ふふふ、 そーかあ。 皆が言うよに、せんせーが『変わってる』なら。 そこに通うワタシは、たしかに『変』だねえ。
でも。 そういう 『変』なら。
――― … 悪くないねえ。
[ 争いと無縁の、 こんな平和な時間を過ごせるなら。 他人と、『変わっていても』 甘んじて 猫は受け入れよう、と。]
(75) 2015/05/11(Mon) 17時頃
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[ 根本的な、 不安の解決にはなっていない。 けれども。 そんな想いに、 日々変わる『ワタシたち』への恐怖を 逃避させて。
尻尾の代わりに、 ストールを。 ]
[ ゆらり。 ]
[ 踊らせるのだった。 * ]
(76) 2015/05/11(Mon) 17時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 21時頃
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― 幕間02-3/出会いの噺 ―
( …… 何がおかしい。 )
[力無い躰が背負われれば、 ここに来るまでで使い果たした力は 指一本 ろくすっぽ動かす事も させてくれなかった。
儘。 揺られるだけ。
>>0:425嘲笑する音に、 気を手離していないのが不思議なくらいの狗は。 それを背景に、気難しい顔を浮かべるだけ。]
[過る、‟今”と同じような空は。
酷く、明るく。 迎えの星は 未だ耀いていなかった。]
(122) 2015/05/11(Mon) 22時頃
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[――― その、一月後。
( 『好きにするがいいさ』 )
嘲笑された時とおなじ。 惑いや重みがちっとも感じられない言葉に。 狗は、 今度はこう返した。 ]
噫。
じゃあ、好きにするさ。 *
(123) 2015/05/11(Mon) 22時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 22時頃
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― 現在 ―
[暮れの、涼の風を求め。
鼻の良い猫は、 酒やゴミの匂いより、ずうっと苦手な 漂う香炉の薫を振り払うよう。
開かれた門から、外に出ようとして。 >>109同じ方向へ向かう影の音、 その気配に 濡れ羽が揺れた。]
[スティのところで厄介になってから。 自然とあまり、寄ることも なくなってしまったけれど。
――― 酒場も、 なあんとなく。 事情の深くは知らない。 知らないし、普段は見て見ぬフリ。]
(135) 2015/05/11(Mon) 22時頃
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[けれど。
さっきの>>0:414スティのことば。 そのわだかまりくらい、 片鱗くらいは、掠め取っていたから。 足は 遠退いていた。 ]
[が。]
あ。 ルーおじさん、 [笑みを浮かべて、 猫は 振り返る。
すこうし。
頭のなか、 言い澱むスティの様子と 逡巡したけれど。 ]
(138) 2015/05/11(Mon) 22時半頃
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[変わらぬまま。知らぬまま。装って。 澱みなんて映さぬように、朗らかを湛え。]
おじさんのとこって、酒場あったよねえ。 久しぶりに今晩、飲みに行ってもいいかしら。
いつも行ってる酒場、
『今回』ので、 行きづらくなっちゃったからさあ。 [あ。]
[ついでに、 レグの惑う顔を思い出した。]
迷惑は、かけないようにするから。ね。
[そう なんてことはなく。 さらり、声を掛けた。 * ]
(141) 2015/05/11(Mon) 22時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/11(Mon) 22時半頃
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― 幕間04/宿屋の主人と会った時の噺 ―
[ ――― 戦場からの帰り。 死衣とも成り得そうな、 死神の如き 黒を纏う狗が一匹。]
[ 時折。 ]
[血と、砂。 荒くれの臭気を身に纏い。 人には分からぬように外から。
鳥の囀りと、 森の気。 そんな中に 紛れられぬ『異』を浮かべ 様々な村を、蒼天に浮かべ。
そのまま 去ることが幾度かあった。 ]
(189) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[その時もまた。
ふらり、
『姉さんが訪れてやしないかと』 瞳をくぐらせ 鼻を慣らせど、 あの、朝露の。
勿忘草の、甘い香りは無かった。]
[闇雲に捜したって、どうしようもない。] [どれだけ村があると思っているのか。
そう笑われそうだけれども。 でも。これは、そう『癖』のようなもの。]
(190) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[それに。] [ 本当は知っている。 ] [ 当時は。
『ワタシ』も。 『アタシ』も。
憶えていた。 ]
[もう、あの香は。]
[ この世に存在しないのだと。 ]
(191) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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(「…… いいえ。」)
(「アル。ボクは。(わたしは。) あなたを置いて、死んだりしないわ」)
( ……。
そうだ。 アタシが、信じないで。どうするんだ。)
(ずっと。一緒。 その約束は違えちゃ、いけない)
(192) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[闇を宿した青年と。 光で包む、乙女と。
代わる変わる、瞳が揺れて。 裾が破れた衣が、戦いだ。
十分程、そうして ――。 金具同士が鳴る音を耳に掠めながら、 森を下がろうとしたその時。
>>111足音。 肩に担いだ銀のハルバード、 その柄を握り込んだ。
殺気ともつかぬ、細くも鋭い鋼糸のように 澄まされた警戒心を、蒼は宿して。]
(193) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[>>111声に向く。
響いた、間抜けな聲。 睨めつけるように見たが、 狗は直ぐに、ピンと張った糸を緩めた。]
…… どうもこうもしないよ。 ただの、戦帰りさ。
[その時はストールこそしていなかったが。
肩を、首を覆うように、 包帯が撒いてあった。 血臭の原因、赤を染み込ませていたが。 涼しい顔をして、そう答えながら。 普段、人をつるむ事はあまりしないが。
『そうだ』と、その日は気紛れに。]
(195) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[茜の空を見て、視線を引き戻した。]
……あんたは、この近くの村の人? 宿を探しているんだけど、知らない?
[だから。 すこし、沈黙のあと。 そう、宿探しのために声掛けた。 この近くで無いならば。
たまには人を伴って話をするのも悪くないし。 宿を知ってるなら、重畳。
そのまま、連れられて宿に向かい。 手当を申し付けられてども 『唾つけときゃ、治るんじゃない?』と。
まだ少年の顔をした男は、 年にそぐわぬ顔で、さらり、流し。 代わりに、話を乞うよう。]
(196) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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あんたの住んでるとこは、どんななの。
[と。 不意に、問うた。
単純な興味と。 結果は知ってるのに、姉さんがいれば。と。 そんな素朴さで聞いた気がする。 ]
…… 。
そこは、 …… ―――。
もしかして。
[呵]
[狗は、目を丸めてから。 驚愕に開いた猫目を綻ばせた。]
(197) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[一度だけ。 こちらに来て、 最初に訪れたことのある村の名を出して。 ああ。 やっぱり。
と、分かれば、 たぶん。 『母さんの村だ。』と、ぽつり。 譫言のように、答えたかもしれない。 母 ―― モニカを、知っていたかは。 知らないけれど。
他にもすこうし、話しこんでから。 その内、時間というものは早いもので。]
…… また。 ――― 泊まりにでも行かせてもらうよ。
(198) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[普段は、そのまま二度と会わないのだが。 思う。闇雲に探すよりも。
(永遠に見つからぬも) 姉さんを探すならば。 母さんの遺言の先。
あの小さな村に居た方が、 きっと見つかるのではないか、と。]
[だから。
宿の主人を尋ねるついでに、 姉を捜すために。
幾度となく、 時には多めに代金だけ置いて 風のよに 現れては、消える。
そんなことを、繰り返した。]
(199) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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[――― そうして。
一年前。 この村に住み付く事になっても。 縁が近くなることは無く。 逆に遠くなった気さえするが。
それでも。
時折。 ごく、稀に。 風のように現れ。
その時は、意識を飛ばす程飲むことも。 荒れることもなく。 かつてのように去っていくことが多かった。*]
(200) 2015/05/12(Tue) 00時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 00時半頃
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─ 現在/集会場出口 ─
[スティと、ルーおじさん。 ふたりの、短い因果の邂逅。>>171
その奥の棘を覆うように 浮かべられた 『平常』。 その仮面のような、優しげな笑みを。
猫は、ただ。 茨を避けるよう、 触れずに、そっと。見ている。]
……ふふっ、
嬉しいなあ、そう言ってくれるのは ルーおじさんだけだもの。
『他のやつは』 みいんな、 ケチ臭いことを言うからねえ。
(230) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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[軽い愚痴を含んだ響きを 空に零す。
腕を広げて 緩い瞬きを残しながら 含めた その『皆』には、 紛うこともなく、琥珀色も入っている。
けれど、目に見えた罠を踏まぬように、 そっと遠い暗喩に、無意識は変えた。]
…… うん。
[狗の少年の時よりも。 一見 遥かに、 猫は、大人びた色を失くしていたが。
それでも 見つめる天の蒼に帯びる やっと年が追いついてきた目は、そのままだった。]
(231) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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[不気味な程 不吉な程に 紅を醸した空の下。
帰路につく 母と年近い彼を追いながらも。 どこか 本当の父(…ワタシたちを棄てた。) よりも、父のよに影を重ねた折。 ]
酒が?
[笑みを含めた彼が話す耳の痛いハナシ。>>220
猫は、心当たりに 苦味を帯びた笑みを浮かべた。]
(232) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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…… こころを、ねえ。
… なら。 ワタシはまだ、楽しいユメを見る機会を みすみす見逃してるのかなあ。
[はは、 っ
いつものようで、すこし自嘲に乾いた。 ちいさな笑声を漏らして。
血溜まりのように、 いやあな夕焼けを見上げる。]
お。 いつ振りだろう、ルーおじさんと飲めるのは。
(233) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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それじゃあ、 …面白い噺なんかじゃあないかもしれないけれど。
…… ある、極東の貧村の 御噺でよければ、御聞かせしましょーかねえ? [まだ、たぶん。 彼にも話していなかったはずの、 遠い遠い 雪降る故郷を思い出して。 (母さんが死んだ夜の夕も、こんな空だった)
猫は、渦巻く今の村より 遥かの距離を抱いた場所の噺を と。 芝居がかった調で一歩。
大股で 彼の前へ、跳ねながら。 くるっと 首だけ向け。
微かに角度をつけて、問うた。]
(234) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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[どろり、と朱の染めいろを そのまま落としたような空。
まだ 夜が深まるまでは早い。
――― 酒は、良い夢を見るために。 今日は控えめにして。
今宵は、自警団として まともに働くとしようか。 ]
[そんなことを、こころに思った。 *]
(235) 2015/05/12(Tue) 01時頃
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[中程まで、来たあたりだろうか。
宿が近くに見えれば、 猫は 『あ』 と。
短く、声をあげる。 ]
それじゃあ、 ワタシは夜の見回りの準備を 先にしてくるから。
後で、寄らせてもらうねえ。
[『こんな時だから、 偶には働かないと』 なんて。
のたまわっては、ひとつ。 準備なんて、ランタンや念の為の武具を 取ってくるくらいのものだけれど。]
(243) 2015/05/12(Tue) 01時半頃
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[それだけを告げると、ひらり。
手を振るうと、 一旦診療所の方 ―― の近くに拵えた、 裏手の小屋へと向かった。 *]
(246) 2015/05/12(Tue) 01時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 01時半頃
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― → 診療所/裏手近くの小屋 ―
[あかい あかい、
戦場の臭気がしそうな空の下。 道のりを辿る歩調は、緩やかに。]
[でも。
もうすぐ、大好きな夜の帳が落ちる。 海の底を煮詰めたような群青が、 深淵の闇を覗いたような漆黒が。
赤に連なるように、 グラデーション・カラーになっていた。
けれど、どこか。 差し始めた夜の色さえも 不気味な奈落に 吸い込まれそうに思う。]
(296) 2015/05/12(Tue) 15時半頃
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…… 今日は、
月の出る日だっけねえ。
[薄い月は、 水で薄められていない原色に隠れて。 天の蒼が追う限り、みつけられなかった。]
いやあな、色。
星くらいは、 綺麗に見えるといいんだけどねえ。
(297) 2015/05/12(Tue) 15時半頃
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[嫌なことのあった日は。 いつも、北の天を見る。 北極星と柄杓の娘たちが昇るには早いし ワタシたちの星は、未だない。
――― (『アル』)(「カイド」)
呼び合うふたごの聲が 聞こえて、
(…『ワタシ』じゃない、)]
[ 猫は目を細めた。 ]
(298) 2015/05/12(Tue) 15時半頃
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[ ―――『アル』でも。 『アルカイド』でも無い。
昔からの愛称である『アル』では無い、 『 』と呼ぶひとは。
きっと、もうこの世にはみんないない。 あの貧村の住民も。
どれだけ、飢饉から生き延びただろうか。 そもそも『捨てられた』存在には、 関係のないことだろうけれど。
――― いつか。 ベネの本屋で気紛れにとった、 兄妹のものがたりが。
なんとなく、 近く感じたのを思い出した。]
(299) 2015/05/12(Tue) 15時半頃
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[星のものがたりではない。 そう ほんの、手を触れた場所にあった本。]
…… なんて、名前だったっけなあ。
(…お菓子の家も。 わるい魔女を殺す手段も、 帰れるような家も、
待っててくれる父も。 …… ワタシたちには、なかったけれど)
[たしか、星の本に紛れさせて。 こっそり。本棚に置いておいたはずだ。 あとでまた、見てみようか。
なんて思いながら、 粗雑に拵えた小屋の戸を きい と、 押し開ける。 すこし、埃っぽい。]
(300) 2015/05/12(Tue) 15時半頃
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|
[小屋に放っていた黒い革の鞄に、 ランタンをはじめ、
夜警の道具を放り入れる。
…… こんな時だから、 人間の自警団の当番は、 仕事を疎かにするかもしれないけれど。
昨夜も、『明日は変わってくれ』と
押し付けられたのを、 おもいだした。 ]
『ルール』を守らないひとはやだよねえ。 まったく、さあ。
(318) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
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|
[――― …… また。 隣村の話を思い出しながら、 嫌悪に身を焦がすよう。
独りごちり、 は。 誰も居ない世界で、息を吐く。
肩から鞄を下げれば、 ちいさな ちいさな ワタシのセカイの端。
花屋で買った、 紫苑の花が枯れているのが見えた。]
(319) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
|
|
……。
[それに、黒い睫毛は緩慢に揺れ。
無言のまま、 戸を閉めると。
そのまま、はずれから宿の方へと歩き出す。*]
(320) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
|
|
― → 宿 ―
[道中、誰かに会う事はあっただろうか。 会えば、すこうし噺をしたかもしれない。]
[黒い、鞄を揺らす。] [最中、不意に鼻がくすぐったく感じて。] [くしゅんっ]
…… っは、 誰か噂でもしてんのかい?
なあんて、
[へら。
鼻を撫で。 わらい、思い出す。 >>314『変われば』ということば。]
(331) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
|
|
…… 変わる、か。
( …… 変わる。 ) ( 変わってしまうことは、。 )
[宿の主人にことばを返した時は 変哲なく 『そうだね』と。
ふ と 普段と変わらない 笑みを返しただけだった。が。]
[猫は。変わることが、怖かった。] [譫言のように、呟くいろに。 普段はみせない、怯えすら孕んでいた。]
[変わって、変わって。] [ワタシではない。 別人になったら。どうしよう、と。]
(332) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
|
|
[噫。]
[でも。]
――― いい夢をみられるなら。
悪いゆめを見なくて済むなら、 …… 変われた方が
変わった方が、いいのかもね。
(「……本当に?」) (『……ボクとの(わたしとの) 思い出よりも。それは、いいこと?』)
(それは本当に。 『わたしたち』?)
(333) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
|
|
…… っ、
[眩む。
ひびいた聲に、頭がふらり。 揺れる感覚をして、眉間に皺寄せ。 頭を抑えるも、 ひとつまたたきの間。]
[何か、大事なことを思い出しそうで。 ――― 忘れたまま。 ]
…… わからないよ。
(いいも。) (悪いも。)
(334) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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|
…… 変わってみなきゃ、ねえ。
[呵。]
[普段はカレイドに返さぬ声を、 気紛れに吐き。
そのまま、宿に辿り着けば、 久々に 戸を押す。]
[カウンターに陣取って。 猫は主人が居たならば、
変わらぬ薄い笑みで、 手を ひらり 泳がせ。 ]
(340) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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|
来たよー、ルーおじさん とりあえず、そーだねえ。
まずは、エールを一杯。
[前に来た覚えがある時よりも。 人の姿が少ないのは、そりゃあそうか。
それでも特段気にすることなく、 革の鞄を足許に、乱雑に置いた。
それから、 中を見回す。]
(341) 2015/05/12(Tue) 18時頃
|
|
[見渡して、一点。] [>>322赤毛が見えた。]
[猫は、目を細める。] [嫌いなわけじゃあない。
ただ。すこうし、 (いや。…それなり、にかもねえ) 纏う気が苦手なだけだ。]
[幾度か、酒場でも見た事がある。 武勇を。武功を。
冗談めかしく、幾分大仰な肴にして。 語っていた時に、ちらり。見掛けて。
その度に視線は泳げど、 声はちいさくなっていたのを覚えている。]
(342) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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[渡鴉が猫を知らぬように。 猫もまた、渡鴉を良く知らない。
傍に居るベネにも ちら と、蒼を添わせながら。
まさか、さっきのくしゃみの原因が 偶々か必然か。
本当にワタシのことが話されてるとは (よもや、渡鴉に)思わないから。
椅子に腰かけたまま、 ちらり。 見つめていれば。 二人に、気付かれることはあっただろうか。 *]
(343) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 18時頃
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[ぱちり。]
[アクアマリンと、 オブシディアンの二色が衝する。>>353
噂に導かれたか 否か 猫には その言の葉の風は、 届かなかったが。
『あ』 と 短い音をあげて、 柔らかい色にブルーを和らげた。]
やあ、ベネ。さっきぶり〜。
きみも、
…きみたちも、飲みにきてたんだねえ。 寄り道かい?
(358) 2015/05/12(Tue) 21時頃
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[一度、小屋へ戻っていた ワタシよりも早いから。
そんなことを、なんとなく推測しながら 集会所の この村の 今取巻く空気を吹き飛ばすように、 軽快にわらって。
ちら。 赤毛を一瞬みてから、 息を吸う間のあと。 『きみたち』と、言い直して。
告げられた入荷情報に、耳を傾ける。]
(359) 2015/05/12(Tue) 21時頃
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[常と、なんら変わらぬ。 ちょっとしたおはなしだ。
ここだけの頁を切り抜けば、 まるで。ざわつきなんて、嘘かのように。]
[覚えのある題が、頭のなかで結びつくまでしばし。 ぴこん。頭の上に感嘆符があがるように、 すこし、目がおおきくなり。
宝石の輝きが、すこしばかり増した。]
おっ、ほんと?
じゃあ、どうしようかなあ〜。 明日にでも、早速買いにいこうかしら。 つづき、気になってたんだよねえ。
(360) 2015/05/12(Tue) 21時半頃
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[へへ。 ちょっと嬉しそうにしながら、もう一度。 心持ち、赤に意識を傾けながら観察する。
やっぱり、猫は渡鴉のことを 詳しくしらないけれども。 まじまじ。 見つめて ]
なんだか、 ちょっと不思議な組み合わせだねえ。
[なあんて。 それを覆い隠すように、 けれど、思ったとおりをそのまま述べる。 なんとなく親しそうではあるのは 偶に見掛けたりして、感じていたけれど。
ふたりが友達なんてことまでは、 そう詳しいわけじゃあないから、 笑みに撒いて、ぽつり落とす。]
(361) 2015/05/12(Tue) 21時半頃
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[表面では、 とくに苦手を顔に出さないけれど。 誰にでも馴れ馴れしい普段の猫とは違い。
よく、構ってもらっているべネから見れば
渡鴉に対しては、 未知や外敵に警戒する猫のよな。
すこし、線を引いたような余所余所しさが 感じ取ることが出来たかもしれない。 *]
(362) 2015/05/12(Tue) 21時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 21時半頃
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ここの料理はおいしいものねえ。
他ん酒場に入り浸ってはいるけどさ、 ワタシからすりゃあここのが一番だ。
[>>369縦に振られる首。 ベネの頷きに、ちょっと知った顔をしてみたりして。
椅子の背凭れに腕を添わせたまま、 腰を捻らせた格好で、そんな軽口を。 でも ウソじゃあない。
――― それでも、普段ここに居つかないのは。
スティのことと、 ルーおじさんに迷惑をかけないように。 なあんて、柄にもないことだけれど。]
(392) 2015/05/12(Tue) 23時頃
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やったあ! いつも、助かるよ。
[ひとりで選ぼうにも、 ワタシじゃあ、うまくどれがどんな本だ、とか。 そもそもそこから始まるから。
すこしずつ すこしずつ。 文字を覚えてきたから、 最初よりは、マシになってはきたのだけれど。
>>370締まらない彼の笑みに、 猫はまた。面白そうに、猫目に張る緊張を緩める。 けれど、渡鴉への距離感は、そのままで、]
(393) 2015/05/12(Tue) 23時頃
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[きょとり。
黒曜がみつめる不思議そうないろには は。 と、慌てて、 細めた猫目の周囲の筋の力を抜く。
>>370『気のせいじゃないかな』と ベネが言うのを聞けば、
今度は逆に。 こちらが、目をぱちぱち。
『なんのことだ』とばかりに、 濡れ羽色を斜に流し、首を傾げたけれど。]
(395) 2015/05/12(Tue) 23時頃
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[そこで、丁度。
ジョッキに注がれ、 >>391泡立つ、黄金色を湛えた エールが置かれる音が、聞こえた。
一度、ルーおじさんの方に首が戻る。]
ありがとうねえ。
[『謝謝』と。 また口をつきかけて、 たまには、こちらの言葉で。
皿に置かれた肴―― ポテトと肉の皿は、 喉を鳴らすよう、鼻腔へと良い薫りを届ける。
すきっ腹にそのまま酒を流すことが多々ある猫は、 まったく気にしていなかったのだけれど。 こういう、気遣いがまた。ここの、有り難さでもある。]
(401) 2015/05/12(Tue) 23時頃
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[そういう優しさに、 口許は綻んで。]
そーいえば、昼なにも食べてなかったよ。 美味しそうだし、いただくねえ。
……ふふ、ルーおじさんのそういうところ 昔から、うれしいよ。
[説教や、お節介。
そういうものが、 ちいさな頃に喪われたワタシには。 どこか遠く、けれど、懐かしくって。
この優しさが、 スティとも共有できればなあ。だとか。 ぼう。と、今度は珍しく、 猫がお節介を浮かべかけて。]
(406) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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[ルーおじさんの方をちらり見、
ひとり。 静かに、首を振るったあと。
>>371『へえ』と、 渡鴉が読書家と聞けば。 なんとなく、ちょっと意外そうに瞬きながら、 間延びした音。ひとつ。]
…… え、
折角だけど、 でも今日は。
[そこで。ようやっと零れる、 化け猫の皮が剥がれた、躊躇い。 ちら。と助け船混じりにおじさんの方を見かけて、]
[浮かべかけた蒼の迷いは、 >>403親切心からだろう、一声に隠す]
(408) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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……うん。ありがとう。 お話は…、またあとで、しようねえ。
[背を押されたことばは、 崖に突き落とされた気分も反面。 そう、苦手。苦手な、だけなのだけれど。 (それも、彼自身のものではないけれど)
――― ジョッキと、肉とポテトの皿を持ち。 ぴょん、っと椅子を飛び下りる。
その顔は、うまく笑ったつもりだったけれど。 すこうし、引き攣っていたかもしれない。
ベネたちの横のテーブルへ、 ことり。皿とグラスを置いて。 >>386笑顔で差し出された、手。 ]
(413) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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…… ――― 。
[強張る。
猫の刃のような本能が、告げていた。 その笑顔が、悪戯心のようなものだって。 ――― 苦手心を、見透かれてるんだって。
なら。 それに素直な感情を見せるのも癪で。 猫が尻尾を左右に振るうように ぴん。 と。
気を張り詰めさせて、猫目はわらう。 まるで力量を見定められているかのような、 そんな気が、ちょっとおもしろくない。]
(423) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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へえ、あんた自身でもそう思うのかい?
[呵々。とわらい。
>>414納得いかなさそうな ベネットの呟きを耳に受ければ 『おっと、 よくない事を言ったならごめんね。』と。
ドナルドに対する、ちょっとした敵愾心とは別に。 素直に、謝罪ひとつ。
天の蒼は、そのまま。 手の方に、視線が落ちる。
ここで、さっさと手のひとつふたつ。 取ればいいのだろうけれど。 ]
(424) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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[渡鴉の『気』が苦手な理由が。 ぞわり、と背筋を震わせる。
――― 墓場に近い住処故の。 どこか、残る、あの霊気。
それに、血脈が。 人狼族の血の中の、 『黒妖犬』の、異端の狗の血が。騒いで。
…… 顰めかける顔は、 笑顔の面に覆われたまま。 その手を、取ろう。 ]
(425) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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そうだねえ。 どうやら、気が合いそうだ。
…… アタシたち。
[ 一瞬、変わる一人称。 一音の変化に、気付いた者は居るだろうか。 まだ、酒は一口たりとも含んでいない。
けれど。 どこか、猫目は昏い色を、 (戦場を駆けたあのころの色を、) 宿して 陰鬱ながらも刃のような気を纏った。
まるで。似て非なる、狗のように。]
(426) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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― ほんのちょっと前 ―
へえ! それも美味しそうだねえ。
[>>411『おすすめ』だと聞けば、 椅子から乗り出すように、覗き込む。
肉の香ばしいの中に、 ミートソースの、あまぁい匂い。 それを包む、さくさくとした食感が 頭の情報だけで再現されそうだ。
口内に、唾液の水気が心なしか、 増えたような。 ] [元々酒飲みではあるが小食だけれど。 やっぱり、食欲をそそられるもので。 あとで頼もうか悩んでいる間に、 好意を貰ったのだけれど。 ]
(445) 2015/05/13(Wed) 00時頃
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まあねえ。 特に、この村に来るまでは いろんなところに行ってたもの。
それに、一か所に留まらない方が、 お気に入りの場所にいつ来ても 飽きずに、新鮮に留め置けるってもんだしねえ。
[上機嫌を示すベネに、 うまく、綻びを付かれない理由をぽんぽん繕う。 嘘でもないし、核心に触れていないだけ。
そういう話を『作る』のが、 猫は長年の戦場巡りの旅の中で得意になっていた。
……そんなことしか出来ない自分に。 『ほんとう』を隠し続ける自分に。
その『真実』さえも、わからない自分に。 思うところが、ないでもなかったけれど。]
(446) 2015/05/13(Wed) 00時頃
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[ ――― 閑話休題。 ]
ふふっ、
ベネのとこは、たのしいしねえ。 スティに構ってもらおうにも、 あのひとはいつも 一言二言多いし、
[肩を竦め。 やれやれ。
息を吐きながら、 偏屈で皮肉ばかり言うスティを想い。 名を零してしまったことに一瞬気付く。
――― 細まった瞳は、 >>410ルーおじさんを捉え掛けて。 不自然にならないよう、やめた。]
(447) 2015/05/13(Wed) 00時頃
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[ワタシの存在が、既に やっぱり、負担を掛けているかもしれない なんてことには 気付いているけれど、 好意には甘えたままで。]
[深くを、見通すことは。猫にも出来ない。]
[とおくを、見掛けた瞳が。 また。黒曜の、綺麗な石へ引き戻されて。
少し、仄かな重みを帯びかけた猫は、 次の瞬間 まあるく、蒼石を象り。]
邪魔しにいってもいいなら、 ふふっ、 行かせてもらうよ
[酔いに浮かされた青年の言葉に、 素面の猫は。うれしそうに、ほほえんだ。]
(448) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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[――― そんなことを面と言われるのは。 あまり無かったものだから、余計に。だ。 それが、酒の席であっても、変わる事はない。 ]
[未だ、口はつけていないものの。
『酒はねえ、人を見るんだよ。』 ルーおじさんのことばを思い出して。
猫は、自棄のように、 溺れるように酒を飲んでいる時より。 気分軽やかに、舞い上がるよな気持ちを覚えた。 ……といっても、直ぐに 渡鴉との対面で、羽根を削がれるのだが。]
(450) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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…… じゃあ、また今度。ぜったい。
ルーおじさんとも、 飲むの、楽しみにしてたんだから。
[>>421『今度』と。
気を遣ってくれたのだろう、 おじさんに、惑いを見せないよう、 逆に にっと笑い。
それを、無碍にする気もなくって、 猫は、その『今度』が来る事に 迷う事も無く、 反復して。
『ぜったい』、と 強い言葉で 約束を。 ]
(453) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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[ ぴょん ] [ ――― と、椅子から飛び降り。]
[>>433ベネが引いてくれた空席へ、 てとり。
その合間に戸が押される音が耳を掠める。 共に、そろそろ涼やかに落ち着いた夜風が、 藍色の空が、開き覗く闇から、やってきた。
見えたのはふたつの金と、 けものが、一匹。 ]
や。 さっきぶり〜
[テーブルにジョッキを置いたところで 手を振るい。ジョスランと目があえば、>>452 渡鴉のことを言えない、悪戯っぽい笑みを にたっと。三日月に浮かべたかもしれない。 *]
(454) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 00時半頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 01時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 01時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 02時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 02時半頃
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じゃ、折角だし
オススメってんなら、頂こうかなあ。
[>>469ミートパイを薦められれば、 差し出された皿からひときれ。
綺麗な焦げ目のついたパイを手に取れば、 まだ温かさの残ったそれを、ひとくち。
広がる、トマトの甘味と肉汁は やっぱり絶品で。
『うん、おいしい』なんて、花咲かせて。]
(511) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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はは、そーいうものかい?
拗ねるってのも、随分可愛らしいねえ
[>>433瞠目したべネに、 すこし。茶化しながら、ゆるり 黒を流す。
――― 友と呼べる存在。 どこか、人と一線を画してきて、 人に懐けど、 それは所詮
人から言われるように、 野良猫が人間に懐くようなもの。 友人と言える存在は、ワタシには居るのだろうか。 すこし、寂しそうないろを無意識に浮かべて。 それは、すぐに ぱちりと閉じる。 ]
(512) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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[ ――― …… そうして、
渡鴉は 猫の、『狗』の気を纏う 様子に何か返しただろうか。
その鋭利な牙のような気配も 手を離したなら。
すぐに 掻き消えて。
酒に手を伸ばす。 …… いつものよに、 浴びるように ―― では無く。
一杯を、惜しむように。 ]
(516) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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[>>476ベネが熱気のある、 酒の香を吐き出せば、更に酔いが回ったよな。
そんな様子に ちら、と 蜂蜜色を見るが。 普段、酔っぱらうまで呑めど 常人からすれば蟒蛇のような猫にすれば、 まだまだ果実のよう。
疲れているのか、それとも元から弱いのか。]
大丈夫? それくらいにしといた方がいーんじゃないの? ワタシみたいに、強くはなさそーだしねえ
[なんて、からからと笑って。人を制すには いつも説得力のない猫が言葉を掛けながらも。 散会となるより、一歩早く。 席を立つ。]
(517) 2015/05/13(Wed) 03時頃
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[ルーおじさんが戻ってきていたならば。 『また、近い内に来るねえ』と、声を掛け。
いつものよに、 すこし多い目に代金を置いて。 黒革の鞄を持って、夜に出向く。]
[ほんのり、あたたかい。 酒の気が、体を廻る。
一杯しか飲んでいないから、 それも ごく薄い、仄やかなものだけれど。 けれど。 偶には、悪くない。
――― 夜の気を感じ。 北の天を見ながら、 ランタンを取り出す。 ]
(518) 2015/05/13(Wed) 03時頃
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