266 冷たい校舎村7
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いいや。俺もいま笑ったから、おあいこ。
[京輔の問い>>155に、ひらりと手を振る。 首を傾げる京輔の図太い態度に、また笑った。 そうして近付いてきた京輔に、 俺は笑みを引っ込めて、真面目な表情になる]
(192) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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嬉しかったよなんて言ってやらない。 俺は京輔よりも、ずっとずっと性格の悪い奴だから。
やっぱり、俺は文句を言ってやろう思ってるよ。 面倒くさいことに巻き込みやがってって。 ふざけんなって。
(193) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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[でも、方向性は正反対で]
(194) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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何に後悔するんだろうな。 分からない。その全部かもしれない。
ただ、我儘に傲慢に高飛車に いつもみたいに「馬鹿どもに興味ねえから」って 澄ました顔でいたら、痛い目に遭う気がするんだ。
……いや。 俺としてはもう十分に 痛い目に遭っているんだけど。
[珍しく凹んでるし、と付け足して。 こういう嫌な予感は昔からよく当たるんだ]
(195) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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[可哀相な家族を見捨てられない俺たちは、 きっとこれからも もがき苦しんでゆくのだろう]
(196) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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違いない。
[その囁き>>167に、肯定を返す。 心の底から、笑った。 それから去り際にひらりと手を振る京輔に対して]
「仲間が多い方がいい」なんて 生易しいことは言うなよ。 せっかくの地獄なら、道連れにしてやれ。
[その一言を告げて、 やはり俺も体育館を後にするのだろう]**
(197) 2019/06/15(Sat) 13時頃
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―― 保健室 ――
[ノックをしても、返事はなかった。 俺は遠慮なく保健室の扉を開けると ベッドに大の字に寝転ぶ。
ふと、横を見る。 保健室には、先客がいた。>>189 タオルケットの中で 呼吸をして上下するその背は 寝ている人の特有の規則正しい間隔ではなく、 息を押し殺しているように、不規則だ]
(198) 2019/06/15(Sat) 13時半頃
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……葉子。 起きてるんだろ。
[目を合わせずに、保健室の天井を見つめながら 俺はそう言ってやったんだ。 努めて、穏やかな口調で。
静謐に包まれた保健室に その声は存外に大きく響いた]
(199) 2019/06/15(Sat) 13時半頃
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[返事は、葉子から返ってきただろうか。
もしもなくても、きっと俺は 勝手に話し始めるのだろうけれど]**
(200) 2019/06/15(Sat) 13時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 13時半頃
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―― 体育館へ ――
……そうかな。そうかも、な。
[田所の言葉>>206は 存外に俺の胸に大きく突き刺さった。
そうだ。葉子は相談する友人が多くいる。 俺がいてもいなくても、なにも変わらない。
――今更彼氏面したところで何になる。
自分で言った言葉が、自分に跳ね返ってくる。 田所に自分の己惚れを指摘されたようで、 小さく息を吐き出した]
(222) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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「責任、とれよ」>>3:274
(223) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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[誰かさんに言われたことが頭に、リフレインする。
どうすりゃいいんだよ、とか。 責任ってなんだよ、とか。 俺が何しようと結局変わらないだろ、とか。
言いたいことは色々とあったけれど、 目の前にいたのは何の罪もない田所であったので、 努めて穏やかな態度を心がけた。
体育館へ、足を踏み入れる。 そうしてマネキンを横たえた]
(224) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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[いつもサバサバとした田所に珍しく、 踵を返す際の「それじゃあ」>>208のひと言は なんだか本人も自信がなさそうに聞こえて。
「さよなら」でも「またね」でもなく、 「それじゃあ」という別れの挨拶。
俺はくすりと笑って、田所にこう返したんだ]
(225) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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それじゃあ。
(226) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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[きっと俺はいつもの委員長面と違って、 少しだけ意地悪な表情をしていたと思う。
そう言って、田所を見送っただろう]**
(227) 2019/06/15(Sat) 19時半頃
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―― 保健室 ――
……そーですか。 マネキンさんには俺の声は届かないでしょうから これは全部俺の独り言です。
[葉子の返し>>210に、俺は拗ねた声を返した。 委員長としての仮面は脱ぎ捨てて、 餓鬼みたいに捻くれた声音で。
完璧だった恋人なんて、もういない。 素の俺は、こんな人間だ]
(232) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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「見えてる高本くんが全部だって思うほど 私は馬鹿じゃないよ」>>2:359
(233) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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[そう言ってくれたお前に、 自分勝手な俺の姿を見せてやりましょう]
(235) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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あるところに、とても自分勝手な男がいました。
昔の恋人に「好き」という言葉を伝えてもらって その男は内心で喜びました。 まっすぐな気持ちが嬉しかったからです。
けれどその男には 誰かを幸せにすることなんて出来ません。
好きも愛してるも分からない、 自分勝手なその男は みんなに隠し事をしていたからです。
(236) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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その男は悩みを持っていました。
つらくてつらくて仕方がなくって、 誰かに八つ当たりをすることにしました。 手始めにクラスメイトの教科書を盗みました。 困っている級友を見ると、気分が晴れてきました。
男は次々に盗みを重ねていきました。 けれど、その悩み自体が なくなるわけじゃあ、ありません。
(237) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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[そこで、ひと呼吸を置く。 天井を見つめたまま、俺は唇を噛み締めた]
本当に最悪な男だ。
あのメールの送り主が、 最後に過ごす相手を俺に選んで ここに呼んだのなら、相当に見る目がない。
[勢いをつけて、ベッドから立ち上がる]
(238) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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……なあ、葉子。
今更、俺に好きって伝えて お前はどうしたかったんだよ。
(239) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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きっとお前が見ていた高本悟なんて きらきらした幻影だよ。 最初からいなかった。
そんな俺に、何を望む?
(240) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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[逃げるな。責任を問え。 葉子の死を背負えるのか。
拓海に言われた台詞が、何度も何度も 頭の中にリフレインする。
なら、どうすればいいのだ。 俺は葉子が何を望んでいるかが分からない。
――人でなしだからな。
まあその問いも、独り言なんですけど]**
(242) 2019/06/15(Sat) 20時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 20時半頃
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 21時半頃
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―― 保健室 ――
そうだよ。性格悪いんだ。 気付くのが本当に遅かったな。
[ふん、と鼻を鳴らす。 付き合っているときは こんな言い争いすらしたことがなかった。
感情を剥き出しにして、本心を語る]
(335) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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分からない、そんなの。俺にだって。
[眉を寄せて、胸を押さえる。 苦しげに息を吐き出した]
ただお前が傷付いていると、 俺も苦しいんだ。 どうにかしてやりたいって思うんだ。 俺が傷つけたのにな。 おかしいだろ。
(336) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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そんなに傷付いてるっていうのに 俺にはなにも望まないって言われて。
お前も、性格悪いよ葉子。
俺の逃げ道、どこにもねえよ。
[くしゃり、と顔を崩した。 もう余裕など、どこにもない]
(337) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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あっさり別れて。 でも委員長と副委員長として 普通に上手くやっていけていて。
お前の俺に対する思いも、 そんなもんだったんだなって。
そう思うじゃないか。 聞いてない。今さらになって、好きだって。
そんなこと言われたら――……
(338) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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俺だって、お前のこと気になっちまうだろ!
(339) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[顔を真っ赤にして、叫んだ。 きっと俺の瞳は潤んでいたように思う。 しばらく、荒い息を吐き出していた俺は]
……ばかばっか。
[小さく、独り言ちた。
周りを馬鹿と蔑んでいた俺自身も、 馬鹿だったのだろう。 そのことに、ようやく気付いた。 踵を返す。葉子に引き留められなければ そのまま保健室を後にしただろう]*
(340) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 23時半頃
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