212 冷たい校舎村(突)
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[ ……俺にとっての 確かな記憶だけど。 あいつ、このこと、まだ覚えてるんだろうか* ]
(82) 2017/03/16(Thu) 21時半頃
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― → 屋上 ー
[ ふらふら うろうろ。 自分で言ったことを 守らないタイプの生徒 って 結構たちが悪いと思う。
何時かの光景と違って、 耳に飛び込んでくる音は 冷たい。 屋上への道、階段を上っているけれど、 気を抜いたら落ちてしまいそうな。 そんな 感覚で、いた。 ]
(83) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ ―― 誰かいたらいいな って、 そんな 淡い期待。
吹きすさぶ風の音は、 淡い期待毎何処かへ飛ばしてしまいそうだけど、 何かしら あるかも、って …思いたい じゃあ ないか。 此処ってホストの精神世界なんだろ? 笑い声も、泣き声も、囁き声も、 この風の音も、何かあるって言うなら 手がかりぐらい、思ったって、… ]
(84) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ ……見つけたところで、 いつか たったひとりのかみさまに 死ねと祈り続けた俺が、 何が出来るか分かったもんじゃあ ない、けど、 ]
(85) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ 上履きの音は、風鳴りの中小さく響いて。 踊り場の その更に上、 屋上の扉があっけなく開いたら、 閉めるのも忘れて 開けっ放しで、
その向こうに、歩んで、―― ]
(86) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ よく似た、風の音。 ]
(87) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ ―― 気のせい だろうか。 冷たいそれが、飛び込んできた。 教室で窓を開けたときとはまるで違って、 全身に来るものだから、 ちょっと、…いや結構 寒い。 視界の端、風に煽られる前髪を捉えつつ はっきりしているんだかそうでないんだか、 よく分からない視界で 屋上の端 まで、行って。 ]
(88) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ …飛び降りたら、死ねそうだな と。 そう思ったのは 本能 って やつで ]
(89) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ ―― 一瞬だけ、意識が逸れかけた。 目的の 誰かか 何か を探せども やっぱり 誰も居ないし、何も無い。 ……景色だって、真っ白で。 ]
…… 何も無いか…、
[ なんだ、寒い思いをしただけかもしれない。 大人しく、…行きづらいけれど、 家庭科室に戻った方が色々平和だった、かも。 まあ怒られても仕方ないか って、 のろのろ、また とって返そうと 上履きは校舎の中へ。
…マネキン、また あるのかな と そんなことを 思いながら* ]
(90) 2017/03/16(Thu) 22時頃
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[ 例えばさ。 お前の目の前に居る 前髪の鬱陶しい男が、 実は親を事故で亡くして、 九つ上の姉と二人暮らししていて、 そこから更に一線越えたあげく、 姉もつい最近自殺しました。
……とか 言ったら、どうよ。 ]
(119) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ ああ、やだなあ ひみつでじょーだんだって。 ]
(120) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ ざわめき。ひそひそ。囁き声。 俺は笑顔を崩さないまま、いつかの光景の中にいた。 クラスメートに聞いたあの質問だけどさ、 たとえば、 それを聞いてどうするんだろうな? 無価値な数字に当てはめたとして、 それで どうしたっていうんだろう? ]
(121) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ …何人に一人だったんだろう。 確かに興味本位だよ。 でも別に、面白がって聞いていた訳じゃあなくて、 もし こんな俺みたいな奴がいたらさ、 …どこかに ひとりでもいたらさ?
希望的観測だよ 先生。 ]
(122) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 俺が "異常じゃない" って、 少しでも思いたいと そう願うことに 罪なんてないですよね?* ]
(123) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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― →3F廊下 ―
[ 静かに、静かに。 大和と来たときが、すっかり昔のようだ。 験担ぎ、"落ちないように"階段を降りて、 ふと 教室のひとつを覗き込めば ―― 数多の 瞳。
前髪の向こうから 俺を刺してくる。 ]
(124) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 絵都さんが。 姉さんが 死んだ理由は 知らない。 ただ俺に分かっていたのは、 絵都さんがだんだん痩せていったこと、 俺に抱いて欲しいと願ってきたこと、 時折 長い前髪の奥、暗い瞳を宿して、 ぼうと俺を見つめていたこと。
甘い声色から掠れた声色に変わっていって、 俺にかけてくる言葉が 呪いのようだったこと。 ]
(125) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 断ればよかったのに。 俺は 段々窮屈に感じてきた環境から 確かに絵都さんに ―― 死んで、欲しいと思っていたのに どうしてそれが出来なかったんだろう。 それも よく分からなくて、 なし崩し的に 結局 …、さあ
あれって 合ってたのかな それとも、…間違っていたのか、な。 もう絵都さん 死んじゃったし、分からないままだ。 ]
(126) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 絵都さんの 死にかけの眼差し。 あれに力なんて無いはずなのに、 俺を刺す様な あの瞳は、 何時までもそこにいそうな それ は、
…黒板の瞳に ようく 似ていた* ]
(127) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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[ 遅れたお返事。
拝啓 ホストさんへ。 人という定義に当てはまるものは分かりませんが、 俺を俺たらしめるものがあれば、 それはきっと、古辺絵都の呪いです** ]
(128) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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[ 笑えないんだよなあ。 ]
(147) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ たとえば、 今 目の前にいるクラスメートが
20人にひとり だったとして、
それを知ってしまったとして、そうしたら俺は、 ]
(148) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ ………流石に、一瞬黙って、言葉もでなくて、 スマートなんてどこぞに行ったような そんな反応、するんじゃないの。
ふうん、で 片付けられるような そんな話題でも無いだろ。
ここまで全て俺の想像。 ……だから、実際は分からない。どうなるか。 ]
(149) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ だからどうしたの、とか それでもお前、クラスメートじゃないの、とか
"お前はお前じゃん えーごが得意で、教師よりちょっと厳しくて、 だけど分かりやすくて 勉強会だって楽しそうで、 …そういうところに 変わりはないだろ" とか そういうことを言えたら良いのかも知れないけど、 言葉を探しそうな俺に、 そう言う資格 あると思うか? ]
(150) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ ……誰にだって秘密の上に成り立っているって、 それだけの話なのに。 ]
(151) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ 結局 普通から逸れすぎていた俺も、 普通に縛られていたんだと、思う。
普通だと思っている世界のなかで、普通じゃない奴を探して、 …そもそも 普通って、なんだろうな。 誰かにとっての普通が俺にとっての普通じゃなくて、 俺にとっての普通が誰かにとっての普通じゃなくて、 ……世の中やっぱりそういうもので、だから ]
(152) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ …だから 似たような誰かを探しても、 どうしようもないことは、本当は分かってるんだよ。 俺の気持ちも体験も、 どっかの数字に押し込めたとこで どーしようもないんだって。 結局やっちまったことは変わらなくて、 それは俺だけが背負うものなんだって。
…だけどそれでも、 探しちゃうんだよ、たったひとりでも 誰でも。 少しでも一般定義に収まりたい自分が いるみたいで。
多分、誰かさんの想像する感覚と、似てるんじゃない?
……なあ 俺 笑えるだろ? ]
(153) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ …違うところがあるなら 俺が死にたいか ってところ? 俺はどっちかっていうと、 死ぬタイミングを逃したんだよ ね。 あの時、親と一緒に世界からさよならしてれば、 こんなどうしようもない今までにならなくて こんなどうしようもない野郎にならなかったのかなあ
…って …それだけ** ]
(154) 2017/03/17(Fri) 12時半頃
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[ 教室のひとつ、 瞳が 何時かのあのひとが みている…から、 チョークで上塗りしようとしたけど、 "普通" に考えて 駄目なんじゃない?意味無いんじゃない? って
過ってしまえば、手を 下ろした** ]
(155) 2017/03/17(Fri) 13時頃
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― 3-3教室 ―
[ "私達は、帰る方法を探します。 居なくなっても、心配しないでください。"
ふらり、ふら。 きっともう、夜も更けている頃だ。 家…とは、違うけれど きっと誰より最初に戻るべき場所に戻ってきて、 先ず見たのは それ>>212。
大和先生の文字。 保田のやつを参考にしたプリント、 …懐かしいよな とか、 日常を思い起こさせる書き置きに、 ]
(219) 2017/03/17(Fri) 23時半頃
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"了解" [ さら と、 筆圧の弱い文字で 傍にお返事。 届くかどうかは、分からない けど、
…ちゃんと見ましたよ って、 そういう印 大事だろう。 欠伸をひとつ。 ちらと振り返るのは、 異世界限定 自分の寝床* ]
(220) 2017/03/17(Fri) 23時半頃
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