158 Anotherday for "wolves"
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[表の扉を開けるといくつかの人影、>>165>>169 サイラスとスティーブン、それからスティーブンに 抱かれた幼馴染の姿に息を詰めるようにして。]
…待って、今開ける…。
……ルパート! ……ルパート!! こっち、手伝いに来て…!!
[スティーブンの姿を一瞥して少し悩む素振りは見せたけど 裏手に残る叔父の名前を大きな声で中から呼ぶ。 ベッドへと。 彼女を運ぶ作業は抱いているスティーブンと 叔父の2人に頼むことにして、]
(172) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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……何があったんだ?
[男はサイラスへと向き直ると、小さな声で訊いた。]
(173) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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―花畑―
[村のはずれに位置する原っぱ。 一面濃いオレンジのタンポポ。 先端に花束のように何輪も咲いて 一本が小さな花束のような花。
周りには紫の花もちらほらある。 昨日クラリッサが言っていた>>1:461花はあるのだろうか。]
[少女にとって幸いなことには教会から遠く 村の騒ぎが伝わってくるには まだ時間が掛かるだろうこと。]
(174) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 回想 ─
『お前は私と母さんの大切な宝物だよ。』
[小さい頃から、娘にはそう言い聞かせてきた。 小さな、大切な大切な宝物。 キャサリンが居た頃は彼女と二人で、 そうしてやがては一人で娘の寝付けぬ夜に背を撫でながら。
いつものその言葉が口をついたのは、 だからとても自然なことだった。 少しでも娘を安堵させてやりたいと。 その心の奥底>>39にまで、気付くことなく]
(175) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 早朝・宿の裏手で ─
メアリー?
[井戸で血を洗い流す。 手を流しきるより早く、小さな足音>>47が聞こえてきた。 少し、しまったなという顔になる。
メアリーには、そしてかつてのグレッグにも出来るだけ こうした場は見せないように気遣ってきた。 未だ明けきらぬ早朝を作業に選ぶのは、その為だ。
もっとも甥はすっかり成長して、 今では代わりに捌いてくれることすらある程だけれど]
(176) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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おしっこが血になった……?
[慌てた様子の娘の話を聞いて、ああと頷く。 娘もそんな年頃になったかと思えば感慨深いが、 今それを言っても仕方あるまい]
(177) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[>>172顔を覗かせたグレッグが、こちらの状況を確認して息を呑む。 グレッグが悩む素振りに一瞬首を傾げたが、姿見せたルパートを視界に捉えれば、彼に挨拶をすることでその疑問は霧散する。
ルパートとスティーブンに、意識のないラディスラヴァを任せたグレッグに、問われる>>173]
(178) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[大丈夫だから、病気ではないと娘へと言い聞かせ。 こんな時に母親が居てくれればと、詮無いことをちらりと思う。
オーレリアかマーゴットかクラリッサか。 彼女らが居れば、もう少し上手くやれるだろうか。 花屋の娘に相談するかと、頭の片隅にちらりと置いて]
(179) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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おはよう、グレッグ。
[やがて甥が起き出して来る>>98 それへ挨拶を返して、背筋を伸ばした。 結局、この場で二人とも迎えることになってしまった。 やれやれ、これはどうやらもう少し早起きすべきだったか]
(180) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 回想:昨夜・宿屋で ─
[───ホットミルクでも。
そう言ってしまったのは、つい、 教会で見た顔>>1:116が、かつての少年の姿を思わせた所為。 もう成人して後、いい年なのだ。 酒を勧めても別段、良かっただろう。 けれどホットミルクを勧めてしまったのは、 この目に甥が、どうしても昔の姿を映させるが為で]
そうかね。
[ただ。首を横に振られれば、それ以上を口にすることはなく>>66 残りのミルクを口にする甥っ子へと視線を注いで]
(181) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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うん?オーレリアが?
うん…、そうか。 そうだね、あんな話の後じゃ怖かっただろうからなあ。
[甥の言葉>>69に、うんともう一度頷いて。 苦笑に僅か、苦みを溶かした笑みを返した。 仕方ないのだ。同じく思う…寂しくも思う]
明日、彼女が来たら…いや。 少し休ませてあげた方がいいのかも知れないね。 良く働いてくれるから。
[考えるように口にして、またうんと頷き。 なんとはなしに、ジャムを見た。 恐らくは彼女の忘れ物だろう、花桃のジャムを]
(182) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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ああ、おやすみ。
[そうして甥を見送り>>70、ドナルドと少し酒を重ねて。 問いに返る応え>>124に、小さく笑った]
そうか──…そうさなあ。 考えることもないか、そうだなあ。
[自分とて、どれだけ真剣に考えてきたことか。 このような事態に陥るまで。村が不穏にざわめくまで。 人と人狼の共存する、稀なる村を当然として]
(183) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[その上の問いを重ねることは、しなかった。 物思いの淵に沈んだドナルドと、同じく静かに杯を重ねる。
その日の酒に、色はなかった。 ただ、酔わず頭の芯だけが冴え渡るかのような酒だった]
(184) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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あってはならん事が、起きたそうだ。
教会の中で、族長と人間の女性が死んでいたんだと。
俺も詳しくは知らねぇが、先生が八つ裂きっつってた。 中は見ないほうがいいってのも言ってたぜ。
あの子は、ラディスラヴァはそれを見て、気ぃ失ったんだ。
[男が知る限りのことを、声を潜めて、グレッグに伝える]
八つ裂きってことは、隣村の噂通り……喰い殺されたんじゃないか、多分、だけど。
[最後には、自分の見解も交えて]
(185) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 現在:宿屋 ─
[朝食を済ませ、娘のおねだり>>48に応じて 簡単な弁当をこしらえてやり。
マーゴットの、弾むような誘いの声と、 明るい娘の行ってきますを見送った。 傍らのグレッグの感慨>>100に少し笑う。
まったくだと同意を零して、食事の後を片付けた]
[仄かに血の匂いが取れずある。 人間の鼻には捉えきれなくとも、人狼の鼻には匂いほど。 もっとも大したことではないと慣れた調子で考えながら]
(186) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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教会の方が?…そうかね。
[ざわざわと、村の中の気配がおかしい。 玄関先に様子を見に行った甥が、不安げな視線を向けてくる。 それに、男は顔も上げずにそう応えた。 手は動かしたまま、今日の仕込みと出掛けの準備に]
様子を見てきてくれるかね。 私は、…墓に行かねばならんのでな。
[教会に行くつもりはない。 そう告げて、そのまま自分は花屋に向かうつもりだったのに]
(187) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[自分が村を離れた理由ときっかけが 両親の死と、自分の出自であり それを知る者はほぼ居ない
多分、知ってるとするなら族長と それから、親方くらいだろう
それを親しいとはいえ まだ、事情を飲み込めないだろうこどもに 伝えるのも憚られ
結果的に黙って出て行くのと同義のことに]
(188) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 23時頃
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― 宿屋にて ―
[ラディスラヴァに気遣いの言葉をかけるサイラス。 彼は優しい青年だと、そんな事を思いながら 共に宿屋へと向かった。>>168]
[一度足を止め、それからぱたぱたと駆けてくる>>167 グレッグの姿を見て、昨日の事が頭を過ぎるものの それはそれとして、事情の説明をサイラスに委ねる。 >>169]
――、部屋の場所だけ教えてもらえれば
[グレッグがそれを受けて一拍、 悩むもののルパートを呼ぶ。>>172
己も一度呼びはしたものの、 ルパートはきっと――、と思えば 彼に対する後ろめたさも手伝って、 そんな言葉が出た。]
(189) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[慌しい音、そして声。 久しぶりに、聞き覚えある声>>165が自分の名を呼ぶ。 グレッグが駆け出して行く>>167
甥の呼び声>>172が、彼の声に重なった。 それに呼ばれて、男もまた、表へと向かう]
サイラス、 …… スティーブン。 それにラディスラヴァ…?
[医師の腕の中、意識を失った様子の娘に目を見開く。 どうしたんだと、向けた視線は娘を抱いた男へと。 ひとまずベッドにとの言葉には、黙ってひとつ頷いた]
(190) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 23時頃
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― 広場 ―
…… ?
[ざわり] [ざわり]
[昨日、ベネに約束したように 本屋にでも、寄っていこう。
そう思った矢先のこと。 ざわめきが 噂が、 風が届けるより、うんと騒がしく聞こえる。
一度広がれば、 ちいさな村には 波紋が広がるように 輪をかけて、伝っていき、
それは、猫の耳にも届いた。 ]
[ ―――あってはならないことが、起きた。と。]
(191) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[漸く意識がはっきりして来て そういえば、グレッグの配達がまだなのに はたと気がついて、耳を澄ませば
村の中のあちこちで 嘆き、悲しみ、疑心に苛まれた様な 不穏な声が風に紛れて聴こえて来る
まるで、よくない病の如く この村でも、忌まわしいことが起きたのだと 知るのは外に出てすぐだろう
オーレリアに贈った銀の薔薇は 一体、何処へいったかの行方について 知るのはいつのことかは、まだ分からない*]
(192) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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―― 自室→店先へ ――
[ふあ。 とあくびを一つ。
睡魔とお別れしたはずなのに、身体はまだ休息を要求していて。 夢見るほどしっかりと眠ったはずなのに、 意識はまだ、少しぼうっとしていた。
洗い立てのエプロンを被り、腰の後ろで蝶々のように結んだなら、 先に店の支度を始めていた祖父と、おはようの挨拶を交わす。]
『よく、眠れたかい?』
[そう問われたなら、うん。と反射的に首を縦に振った。 だが、昨日とは様子が違うことは、 祖父には一目で分かったことだろう。]
(193) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[そう問われたなら、うん。と反射的に首を縦に振った。 だが、昨日とは様子が違うことは、 祖父には一目で分かったことだろう。
[朝早く、仕入れに行った母と入れ替わり、花の水揚げを始める。
カーネーション
カルミア アカツメクサ
ベゴニア……
一つ一つ、花の種類毎に、丁寧に裁く。 切り花だって、息をしているのだから。 この子達の、呼吸を感じるように。 大事に、大事に。]
(194) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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……………、…。 …一人じゃ、無理だろう。
[部屋の場所だけ。と、言葉が聞こえた>>189 いかに娘一人とて、抱いたまま階段を登り、 扉を開いてどう寝かしつけられるというのか。
かつての愛称を呼ばぬまま久しぶりに名を呼んだ男へ向け、 低く息を吐くようにして言葉を紡ぎ]
……。私も行こう。
[手を貸そうと申し出た]
(195) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[>>185サイラスが教えてくれる教会で、 この村で起こっている事態に 男はその現場を未だ見てもいないのに 顔の血色を徐々に失いながら聞いて]
…族長と…、……人間って?…誰?
[その人間が誰なのかはサイラスはわかるだろうか。 噂の話通り、隣村で人間を襲った人狼の話。]
(196) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[出てきた昨日ぶりの姿に、眉根の皺が深くなる。>>190 呼ばれるのは酷く久しぶりだ。 ――それも、愛称でない方を。
どうしたんだと言いたげな視線を受けた。 それよりも彼女をベッドに、と申し出て 部屋の場所だけ教えてくれれば、と言えば、 向けられた言葉に、二、三度瞬きをする。>>195
――苦渋の滲む表情を浮べた。]
……すまない。忙しいだろうに。
(197) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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……宿には新しい旅人は来てない。
[それから、 スティーブンとルパートの方を一瞥して 見送ってからゆっくりと息を吐いてぽつぽつ喋り出す。]
……用事で他の村から来ている人狼もいない。 人狼族がこの村に短期で滞在する時は、 ここか族長に連絡が行く筈だから…。
[サイラスへとそう呟いてから、俯いた。]
……族長が野犬なんかにやられるはずはない。
[つまり――…この村の中の誰かが、やったのだ。]
(198) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[申し出に短く返して、手伝ってもらいながら 宿屋のベッドの一つに、彼女を運ぶ。
そっとラディスラヴァを横たえれば 駱駝色の下に隠された瞼が見えただろうか。 彼女の容態を気遣いながら、]
……教会で気を喪ったんだ。 安静にしていればじきに目を覚ますだろう。 それまではここに置いてやってくれ。
[そうルパートに頼もうとしたが、どうだっただろう。 ここにいると亡きひとの俤がちらついて 酷く口内が乾く心地がする。]
(199) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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大丈夫?ならいいんだけど。
[いくら丈夫で健康だといえ成人男性とは別の生き物、 丁寧に扱うのに理由はいらないだろう。]
だってさ、兄さん。いいね今日はモテモテだ。
[返事をするように獣は二人の少女の間をぐるぐる回る、 その毛皮はマーゴットの足元にもちらちらと当たり 存在を確かに確認出来るだろう。
花畑に到着すれば、その光景に少しだけため息を漏らす。]
すごいな、一面にタンポポだ。 これなら立派な花束作れそうだ。
マーゴも、これなら手を伸ばせば取り放題だと思うぞ。
[サイラスに言われていたように、 見えるものは言葉にして伝えようと努力中。]
(200) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[彼といると、ひどく息が苦しくなる錯覚がある。 手の先が冷える。言葉が喉の奥につかえる]
─── いや。
[忙しいだろうと、そんな気遣い>>197にはごく短く返した。 墓参りに行くつもりだったと、口にすることもなく]
(201) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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