278 冷たい校舎村8
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……俺、さ、みんなのこと大好きだよ。 紫織ちゃんも、他の皆のことも、本当に大好き。
一緒にいるだけでスゲー楽しい。 だからさ、誰一人、失いたくねえんだよ。
一人でもいなくなっちゃったら、 めちゃくちゃ悲しいし。
楽しかった文化祭だって、 悲しい思い出になっちゃいそうで。
俺、そんなの嫌だよ。
(142) 2020/06/22(Mon) 22時頃
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だから……だから、さあ。 一緒に帰って、また楽しく騒いで、 勉強会でもして受験とか乗り越えて、 そんで、一緒に笑って、卒業、しようよ。
[ すぐ傍まで言って、まっすぐ見て、語り掛ける。 幸俊や怜の言葉も相まって、胸が痛くて、 なんだか泣きたくなってきて、顔を歪ませる。
分かってほしかった。 俺達が、どれだけ君を大切に思っているか*]
(143) 2020/06/22(Mon) 22時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2020/06/22(Mon) 22時頃
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[>>130肩を掴んでくる。 強引にそちらを向かせられる。 ほんと、そういうの、ずるいよ。 正しい言葉はいつだって、正しくないものや不誠実なものを叩き潰してくる。]
離してよ。 それ、威圧感あって、怖いんだよ。
[>>4:519昨日は否定した言葉をあえて投げつける。 男の力で強引に振り向かせようとするなら、こっちだって逃げるために遠慮しない。 傷付けることをお構いなしで吐き出した嘘。
無理矢理合わせられたわたしの目には、きっと怯えの色がある。]
(144) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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……嘘を吐く才能なんてものがあったら、 こんなに、生きるの、苦しくないよ……。
[やめたかったのに、どれだけ時間が経っても矯正できなかったわたしの虚言癖。 やめろ、やめろ、って何度言われたかもわからない。 だからこんなの、理解されるはずがない。]
(145) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[氷室くんから逃れられても、 >>134>>135>>138辰美くんの言葉からは逃れられない。
わたしが帰らないことで、みんなの思い出が壊れる。 楽しかった思い出が、楽しくなくなってしまう。 なんだよ、それ。 そんなこと言われたら、さあ。 せっかく証明できたと思ったのに、どうして上手くいかないんだろうな……。]
(146) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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嘘だよそんなの。 そんなわけない。 楽しかった思い出が無くなるわけじゃない。 思い出は、そんなに弱いものじゃない。 1人くらいさ、いなくたって、いいじゃん。
[何をどう取り繕おうとしていたんだっけ。 声はガタガタになって、呼吸が上手くできない。 やめてよ、わたしのせいじゃない。 わたしを責めるな。わたしを責めるな。
>>142>>143更に突き刺さる颯真くんの言葉。 無意識に胸元をぎゅっと押さえていた。]
(147) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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……みんなで一緒に卒業できたら楽しいだろうなぁって思うよ。 でも、……卒業したら、それで終わるから。
消えてなくなるなら、 わたしは、思い出を永遠にするほうがいい。
(148) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[なんでそんな目でこっちを見るかなぁ、 辰美くんも氷室くんも颯真くんも。
嫌だ、もうこれ以上顔を見られたくない。
数歩後ずさって、こちらに伸ばされた手を強引に振り切って、 振り返り、もたつきながら、走って——逃げる。]
(149) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[紫色のインクで彩られた通路を、走る。走る。 運動は得意じゃないから、きっと追いつかれてしまう。 その前に廊下の行き止まりに到達して、扉を開けた。
その中は、夕陽が射すあの日の部室だった。]
……はぁ、はぁ、はぁ、
[肩で息をしながら、後ろ手に扉に鍵をかける。 例え追いつかれても、顔を見られないように。*]
(150) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[氷室から逃れた葉野が、嘘をつく才能について零す。 嘘をつくのが下手な嘘つき少女。 自分がついた嘘に苦しんでいるのかと、 ふと辰美は思ったけれど
嘘だよ、と震える声に思わず言い返しそうになる。 言いたいことなどいくらでもあった。 けれども先に、葉野の様子が気にかかった。
……そうする間に、颯真の言葉が聞こえて――]
(151) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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[ふざけんな、ってつぶやきだけ、小さく落ちた。>>148]
(152) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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[数歩後ずさった葉野が勢いよく駆け出す。 辰美は思わず追いかけていた。]
葉野、
葉野…………っ!
[追いかけて、追いかけて、 けれど追い付く寸前で、 葉野が廊下の行き止まりに到着し その向こうへと逃げていった。
鍵のかかる音がする。>>150]
(153) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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……逃げんなよ。おまえ。そうやって逃げるなよ。
[こんな距離、息を切らすことだってない。 なのに少しだけ呼吸を乱した辰美は、 扉の向こうにそう投げかけた。]
俺はさ、 お前の嘘に振り回されて、友達困惑させて そりゃ思う事だって色々あった。あったよ。
でも、それでも、「お前」といった文化祭楽しかったよ すげえ楽しかった。
(154) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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……お前と一緒だったから楽しかった!
だから嘘つかれたっていいや、って、許せたよ。 だけどさあ、葉野? お前さっきなんて言った? 1人くらいいなくてもいいじゃん? 思い出を永遠にする?
馬鹿いってんじゃねえぞ!
[辰美は扉を殴りかけて、 その左手をきつくきつく握りしめて叫んだ。]
(155) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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お前が死ねば、 俺に残るのは死んだ奴と 文化祭をまわった悲しい思い出、それだけだ。
お前ともう会えなくなったら、 俺はそのうちお前のこと忘れるよ。
みんなだって悲しい文化祭の事忘れて、 お前ごと忘れんだよ。 つらいこと思い出したくねえもん。
永遠なんかならない。 絶対ならない。してやらねえよ。 永遠になるってんなら、 残していこうとするやつの気持ちに向き合え。
(156) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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葉野。葉野紫織。
お前、ちゃんと向き合えよ ……ちゃんと、人のきもちにむきあえよ。
お前が今更何したって みんなお前を殺しやしないんだよ
怯えてんじゃねえよ……
[消え入りそうな声でつぶやく。 ぼたぼたと落ちてくる涙を拭って、 辰美は夕暮れの射す部室を、にらみつけた。*]
(157) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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…………っ、
[怖い、という言葉に怯んだ。>>144 思わずパッと手を離してしまう。
――誰かに怖がられてまで 本当の自分を見せる必要ってある?
弱音がむくりと顔を上げて、 走り出した葉野に、一瞬反応が遅れた]
(158) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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待てよ、葉野!
[追いかける、追いかける、追いかける。 どこまでも続くかと思われたまっすぐな廊下、 その終わりには、ひとつの扉。
開け放たれたその先に見えたのは、 夕陽の差す茜色の部室だった>>150]
(159) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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[その光景が見えたのは、一瞬。
扉が閉まる。続いて響く鍵のかかる音。 俺はその扉を叩いて、声を張り上げた]
……開けろよ! なあ!
[それから、ぼろぼろ泣いてる辰美と>>157 きっと追いついてきたであろう颯真を見た]
(160) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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俺にハンカチ貸すから拭くもの なくなるんだろーが。ばか。
[俺はポケットの中に入っていた 自分のハンカチを辰美に差し出した。 それから、辰美と颯真に視線を向ける]
強情娘がいつまでも心を開かねえ気なら。 ……蹴破るか。
[1人じゃ無理でも、3人なら]
(161) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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[それから、扉の向こうの葉野に 声が張り上げた]
なんで、後ろばっか見てんだよ。
卒業したって、またみんな会えるだろ。 終わりじゃない。続いてくんだ。
新しい思い出を作ってけばいいじゃないか。
(162) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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嘘つくの下手だったら、素直になれよ。 ……きっとそっちの方が何倍も、生きやすい。
心を閉ざそうたって、 そうはいかねえからな。
無理矢理にでもこじ開けてやる!
[扉を蹴破る準備はできているとばかりに、 鼻を鳴らした]*
(163) 2020/06/22(Mon) 23時頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/06/22(Mon) 23時頃
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[ 俺達の言葉が、少しずつ、届いているのかな。 「こんなに生きるの苦しくないよ」>>145ってことは、 今、生きるのに苦しんでいる、ってことだろうし。 「1人くらいいなくたって」>>147ってことは、 やっぱり、1人で、居なくなろうとしてるってこと。
少しずつ、彼女の本音が見えてくる。 声が震えてて、苦しそうで。 でもさ、さっきみたいに笑って誤魔化すよりも。 今の方が、いいと思った。 そうじゃないとさ、馬鹿な俺は、 いつまでも君のことが分からないままだから。]
(164) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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……違う、よ。
[ でもね、本音を言ってくれるのは、嬉しいけど。 申し訳ないけど、同意できるわけじゃない。 だから、彼女の言葉>>148を否定して、説得したくて、 ぽつりと零したけど。
彼女は、後退り、走って逃げていってしまう>>149。]
(165) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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っ待って……!なあ、紫織ちゃん!
[ その後を、必死で追いかけた。 でも、彼女はもたつきながらも、止まってくれなくて。 投下の行き止まりの、扉の向こうに行き、 鍵をかけてしまう>>150。
それが、まるで心を閉ざすかのように見えて。 更に胸が苦しくなった。]
(166) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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……蹴破る、とか。 その発想はなかったわ……流石怜ちゃん。おっとこまえ。
[ 怜の提案に>>161一瞬虚を突かれ、 こんな状況なのに、ちょっとだけ笑ってしまう。 最終手段としてはアリだな、と、頷きを返した。 こちらだって、譲る気は無い。 蹴破ってでも、引きずってでも、連れて帰る。]
(167) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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なあ、開けてよ、紫織ちゃん。 ここ、きっと君にとって大事な場所だろ。 このままだとここ、蹴破ってさ、 土足で踏み込むことになるよ。
[ ここは紫織の頭の中で。 こんなところにある部屋なら、きっと大事な、 思い出の場所のはずだ。 出来ることなら、 無理矢理押し入るようなことはしたくない。]
(168) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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怜ちゃんの言う通りだよ。 卒業したって終わらない。
俺は、卒業したってみんな友達だと思ってるし。 何度でも集まって馬鹿騒ぎしたいって思うよ。
紫織ちゃんはさ、違う? 卒業したらもう、俺達には会いたくない?
[ そんなわけないよね? 君だってさ、俺達が大切だから。 あんなメモ残したり、後から行くなんて嘘を重ねてまで、 俺達を帰そうとしてくれたんだよね。]
(169) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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紫織ちゃんがいなくなったら……死んじゃったら、さ。 それこそ、ここで悲しい思い出として終わっちゃうだろ。 楽しい思い出としてさ、ずっと、繋げていこうぜ。 俺達と一緒に、さ。
[ 扉の向こうにいる彼女に、語りかける。 どうか、俺達の気持ちが届け、って、願いながら*]
(170) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2020/06/22(Mon) 23時半頃
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―― 泣いて、ねぇよ、 だいじょーぶだ こんなの、
……くそ ありがとよ [悪態をつくように言いながら、>>161 氷室からハンカチを受け取って拭った。
辰美自身も怒っているのか悲しいのかわからない。
ただ一つ言えるのはこのまま扉に閉じこもられて じゃあさようならはありえない、 …………という事だけだった。]
(171) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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