35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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[...が思い当たる場所は一つしかなかった。 既に禁を侵して侵入していても不思議じゃない]
もしかして星降る海岸か?
[けれど、その発想は ただの子供らしくない、あるいは一度そこに行ったことがあるからのものと目の前の人物には気付かれただろうか]
(147) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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未来からは、何人も来てる人がいるのかな。 皆。ううん。ええっと。 たいていの人は、帰りたいんだよね。きっと。
お祭りの満月の日の海岸からしか、行ったり来たりできないんだよね。
朝ちゃんが帰りたくないなら、帰らなければいいと思ったの。 ここでは誰も、朝ちゃんが帰らなくても、いなくならなくても、困らないし。 あたしは朝ちゃんがいてくれたほうが。嬉しいから。
(148) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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それでもし、今年帰らなきゃいけないんだとしたら。 どうしてもうまく帰れない言い訳があればいいんじゃないかと思ったの。 例えば、お祭りの『役』があるでしょ。 あの、お燈火運びの子とかは、お祭りの夜までずっとお篭もりして『潔斎』しなきゃいけないよね。 もしそういう役に選ばれたら、どうしても抜け出せませんでしたって。 帰れなかった理由になるでしょう。
そうじゃなければ、うんと大勢の人が星を見に海岸に行くように誘ったら。 きおくそーさがうまくできないくらい、大勢ね。 そしたら、やっぱり帰れないよね。
(149) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……ほう。
[眼鏡の奥の瞳が、かすかに細まる]
面白い意見だね。どうしてそう思った。
[日頃私塾で子供らに意見を促すのと、さほど変わらぬ口調のままで]
(150) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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あっはっはっは…。
[急に声を張り上げて笑い出す。 しかしその声質は、どこか固い]
(151) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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―海岸― [どれ程の間、そうしてぼんやりと佇んでいただろう]
…えっ?
[掛かる声>>137にはっとして振り返ったが、急に体勢を変えたのが良くなかった]
わ、わわっ、ッ!
[ぐらりとよろめいて、海の方へ、一歩、二歩と後ずさり]
――――――――――ばしゃあん。
[大きな水しぶきを上げて、海の浅瀬に尻もちを付いた。 張り子の円盤を濡らさないように、慌てて頭上に掲げたので、何とも不格好な対面となってしまった]
……………………。 え、ええと。少し涼しくなりました。
[真顔のまま、しかし何処か転んだことへ照れ隠しするように小首を傾げた]
(152) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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お騒がせしまして、すみません。 こんにちは、団十郎様。
[水から、ゆっくりと立ち上がる]
そういえば、源蔵様の所にまたいらっしゃったそうですね。 お志乃様の傘、上手く完成しそうですか?
(153) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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源蔵は、急に勝丸が笑い出したのを見て、ぎょっと目を見開いた。
2011/08/17(Wed) 22時半頃
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いやー、そんな変なものが落ちてるなんて この村じゃあ、行ったことの無い星降る海岸くらいしかないと思ったんですよ。
行ったことの無い星降る海岸には、村人は入ったりしないから、いっぱい何かが落ちてたりするのかなー
……って。 [急に立て直そうとしてパッとここまで出たのは我ながらあっぱれだ。 だが、行ったことの無いを二回言ってくどいのは、気付いていない]
(154) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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勝丸は、ごまかすためもあって、大ぶりでなぜそう思ったかを説明した。
2011/08/17(Wed) 22時半頃
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[眼鏡の鼻あてをくいと押し上げて、ずれた眼鏡を戻す。ぱちぱちと瞬きしつつ、勝丸の演説に耳を傾けて]
そうか。うん。
ではここで問題だ。「行ったことのない」「村人は入ったりしない」海岸で、「設計図」や「いっぱい何か」を落としたのは、いったい「誰」だろう。
[いつもの私塾と変わらぬ、淡々と穏やかな声で問いかけた]
(155) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[さて、返事をどうしようか、と。 そんな事を考えながら文机に向かおうとして。 気づかぬ相手からの呼びかけは余りにも唐突で。>>145]
……え?
[知らず、上がったのは、惚けきった声。 振り返った先にいたのは]
……ゆう? どうしたんですか、いきなり……。
[唐突な内容が頭に浸透するまで、少し時間がかかるが。 朝顔が、夕顔に事情を話していた事には、理解が追いついた]
……なるほど。 ゆうがいるのに、あんな話ができたのは、それでですか。
[小さく息を吐いて、連ねられる言葉を聞く]
(156) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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え、あ、おおい!?
[急に声を掛けたのがいけなかったか、一平太はよろけて浅瀬で尻餅をついてしまったようだ]
大丈夫かよ、おい。
[駆け寄るよりも、一平太が自分で立ち上がる方が早く]
……あいかわらずだなあ。
[いつも通りの真顔へ、苦笑を見せた]
お騒がせってこたあねえが…… ま、この陽気なら、着物の方はすぐに乾くだろ。
(157) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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ああ、傘はあらかた仕上がったよ。 源蔵先生のおかげだな。 ちょっと見ただけで、こう、図面へさらさらーっと。
[書き込みをする源蔵の手つきと、真面目な顔つきを真似てみせ]
ところで、ずいぶん大事そうなもんだな、そりゃ何だい。
[転ぶ自分の身よりも庇っていた、張り子らしきものへ視線をやった]
(158) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……何人来ているのかは、私にもわかりませんね。 元々、私は九年前に『帰る』のを拒絶してから……向こうとの関わりは、断っていましたから。 ですから、今、ここにいる他の『彼ら』がどうしたいのかは、全くわかりません。
[探そうとも思わなかったし、余計な詮索をされたくもないから、記憶操作も甘んじて受け入れていた。 もしかしたら、向こうは違和感を覚えていたかも知れないが]
ん……あさがそれを望むなら、この村の皆は、そのまま受け入れてくれるでしょうね。 私の時と、同じように。
……問題は、どのように、『その時』をやり過ごすか……ですか。 確かに、『役』につくか、それとも『戻る事』自体を叶わぬものにするか、の二択ですが……。 他の『彼ら』が、戻りたいと願っている場合、後者は難しいでしょうね……。
(159) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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うん。 帰りたい人が、もし――いるなら。 そういう人の邪魔は、しないほうがいいよね。
でもね――。
[ほんとうに悩んでいること。 それは――。]
朝ちゃんは、ほんとに帰りたくないのかな――?
ほんとにほんとうに、どうしても帰りたくないなら。 あたしに言わないで、ずっとあたしの妹のままで。 ここにいてもよかったんだもの。
(160) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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それは俺もわかんねえよ…。
うーん。 [その設計図を見てみない事には、なんとも言えねえ。 いや見たって子供にはわからない事だらけだろう。]
そうだなあ。 星の住人とか?
星は降りてくるけれど 戻っていくそぶりはねーだろ。
[流星の事を表すように 右手の人差し指をめいっぱい高く上げて 海岸のほうへと流れるように指先を動かす]
だから、帰るために そういう星まで届く船を作ろうとしたんじゃないかなあ。
[ぐぅ。と真面目に考えた事もあって、腹の虫が鳴く]
(161) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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……ええ。
[自分の時も、帰るのを是とする者と色々と揉めて。 結局、最後は『こちらで死んだ事にしろ』と叩きつけた。 その方が都合のいい者が多かった事を知っていたから。
そんな事を考えていた所に、零された疑問。>>160 緩く首を傾いで、一つ瞬いた]
ん……確かに、そうですね。 何も言わずに、そのままでい続ける、という事もできたはずです。
でも……ね、ゆう。
本当は帰りたい、というなら、それこそ何も言わなければいい。 そうは、思いませんか? 何も言わず、記憶を書き換えて、消えてしまえばいい……わざわざ、禁を犯す必要はない……と、私は思いますけれど。
(162) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[明之進の言葉に、こくりと頷いて。]
うん。 朝ちゃん。あたしのほんとうの妹になりたいんだって。 だからあたしに話したんだって。 そう言ったの。 それで、あたしが許すなら、帰りたくないって。
でも、朝ちゃんも、帰りたくないだけじゃないんだと。思うの。
未来の人にも、きっと父様とか、母様とか、きょうだいとか。 友達とか。 いるんだよね。 それともお話の天人みたいに、そういう人たちがいなくて生まれてくるのかな。
それでも。きっと。 やりたいこととか。 いろいろあるよね。
(163) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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鍛錬が足りませんね。 こんなことでは、勝丸様に笑われてしまいます。
[大丈夫かとの問いにこくりと頷きながら、少しだけ楽しげに呟いて。 着物の裾を絞りつつ、一度だけ太陽を見上げた]
ええ。今回ばかりは、お日様に感謝しなくては。
―――…転んで着物を濡らしたなんて、まるで子供みたいなこと。 ふふ、源蔵様や兄様には内緒ですよ?
[そっと人差し指を口元にあてる]
(164) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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朝ちゃんは、未来のこと。 何だかあんまり好きじゃないみたいな言いかたするんだけど――。
朝ちゃんは、自分のこと。 すごく駄目な子だと思っているみたいだけど――。 そんなことないと思うの。
未来にいたら、駄目な子だから。 だからここにいたいっていうのは。 何だか――つまらないと思うの。
(165) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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源蔵様の頭の中は、 どうしてあんなに沢山の知識と知恵が詰まっているのでしょう。 それを形にできる団十郎様の腕も揃えば、鬼に金棒ですね。
お志乃様の傘が仕上がりそうで良かったです。 役員さんをするにしても、この暑さの中では大変そうですから。
[源蔵のまねをする様子には数度瞬いた後、「似ている」と言うかのように小さく肩を揺らした]
――――――…嗚呼、これですか?
[問われ、張り子の円盤を相手へと掲げて見せる]
源蔵様が作ってくださった、宇宙船の模型です。
仁右衛門様が持って来た「設計図」を元にした、 『星まで届く空を飛ぶ船』だそうですよ。
(166) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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双子 朝顔は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時頃
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―定吉の店―
スイカ、 …おもい、なぁ。
………おも い な あ
[スイカの包みを片手では支えきれなくなって、 ついには、真っ赤な顔して両手で抱える格好となって、息も絶え絶え、辿りついたのだった。
定吉へスイカをあずけ、肩で大きく大きく息をする。]
(167) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[勝丸の言う説に、ふむと顎に手を当てて唸る]
それは僕も気になる。降りて来た「御先祖」たちがどのように帰るのか、伝承には記述がない。
[だんだん勝丸そっちのけで、頭の中が考えで埋まりそうになって。 聞こえた腹の虫に、それは遮られた]
……ふふ。上がっていくか?貰い物のせんべいがあるぞ。 興味があるなら、設計図も見せてやろう。見せずにおいて、拾いにいかれてもかなわんしなぁ。
[そう言って、小さく笑った]
(168) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時頃
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子供みたい、かあ。 いいんだよ、俺らに比べりゃあ、まだまだ子供だ。 だあれも、馬鹿にしたりはしねえよ。
[指を立てた、内緒、の仕草に目を細める]
源蔵先生も、朧も、おめえのこと本当に可愛がってる。 ずっと前から、そりゃあもう……
[ずっと前から、自分はそれを、確かに見てきた筈なのだ。 弱くなる語尾を、咳払いでごまかした]
ほんとにな、先生は凄いお人だよ。 俺もだいぶ助けてもらったし、面白い仕事、たくさんさせて貰った。
[一平太の肩が僅かに揺れる。源蔵の真似は、どうやら伝わったらしい]
(169) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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本当の妹……ですか。
[小さく、呟いて。 続いた言葉には、ええ、と頷く]
時を隔てている以外は、何も変わりませんよ。 ……人である事に、変わりない。 ですから、向こうに待つ人がいるのは自然な事です。
[いない者もたまにいる、と続けるのは自重して。 続く話に、少しだけ、苦く笑んだ]
確かに、その理由は……寂しいかも知れません、ね。
実際の所どうなのかは、あさ自身に問わねばわかりませんが……でも。 もしそうだとしたら、ゆうは。 あさは、どうするべきなのだと思いますか?
(170) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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―― お買いもの ――
…――――?
[ふと、声をかけられて振り返る そこには、団十郎さんがいて ?マークつきで、私の名前を呼んだから]
うん、朝顔 スイカ探してるの、売ってる所知らない?
[そう、聞いてみた どうやら、向こうの方で売っているらしい]
ありがと、助かったよ 甘いかな、そのスイカ?
[どうやら、甘いかどうかは知らないらしい]
(171) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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んで、そりゃあ……うちゅう、せん……? 星まで届く、船え?
[あからさまに怪訝な表情で、張り子をじろじろ眺める]
これが、船だって? ……この中に人が乗るんだとすりゃあ、牛車だとか、駕籠に近いのか。 空を飛ぶってなあ、どうやって飛ぶんだ。 俺あ仁右衛門から空飛ぶ船って話を聞いたときにゃあ、羽でもついてて、羽ばたかせるのかと思ってたぜ。 ……いや、まあ、詳しいこたあ、後で先生に聞くかね。図面もそっちにあるんだし。
[ついつい構造を解明しようとして、我に返る。 それから一平太をじっと見つめて、尋ねた]
一平太、おめえは……先生に習って、学者になる気はねえのかい。
(172) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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ああ。かっちゃんには。 やわいカラダだなんて、言われちゃったっけ ね。 …スイカひとつ運ぶだけで、こんなに疲れちゃうなんて…。
[やっぱり やわこい せいなのかな、 自分の身体を見下ろしてみる。]
……ぜぇ ぜぇ。
……はい。 どうぞ、あとは おねがい しま すね。 定吉さん。
ええ、ご苦労様です と。 役員の方々にも、お伝え下さい。
[自宅の井戸水へ念入りに浸していたスイカは まだ冷えた状態である、 はず。]
(173) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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そっか、わかんないか…―――
[どうしよう、甘くなかったら夕ちゃん喜ばないかな? うんと、あれだ、コンコンって叩いて、中身の音を聞く奴 あれで、甘いかどうか・・・わかんないか 私には、そんな凄い技ないもんね]
まぁ、いってみたらいいんだよね ありがとう
ん…―――― 良い事? あったよ、うん、あった だから、皆にお礼でスイカなの
団十郎さんも、後で食べに来てね スイカの売り場、教えてくれたお礼なの
[そう言って、手を振りながら、スイカ売り場へ歩いて行った]
(174) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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―― スイカを売っているお店 ――
一番大きくて、一番甘い、スイカが欲しいの
[お店のおばさんに、そう声をかけた うちのは皆甘いよ、って言うけれど この時代のスイカが、皆甘いはずがない 私だって、そのくらいは知っている]
皆甘い中で、一番甘くて大きいのがいいの
[持って帰る苦労を忘れて、皆で食べるから大きいのがいい そう、単純に想っているだけなのだけれど それでも、おばさんは大きなスイカを渡してくれた 甘いかな、これ]
ありがと、おばさん また、買いに来るからね
[受け取ったスイカは、私の頭より大きかった]
(175) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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[そうして。店を出ようとした矢先、 店先でたむろする子供たちの話声が耳に入り。 おもわず。足を止めた。]
――ひろしさんと、…志乃先生、が?
急な、はなしね。
[その子供たちが言うには、仁右衛門に加え、 博志と志乃も祭りの役員に就任したとのこと。
役員となれば、二人とも暫くの間は忙殺されることだろう。]
………。
(176) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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