35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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[おじさんが、大きな声で笑うから 私は、すっごく悔しくて 顔が変わらないまま、泣きそうになっていた
そうしたら、おじさんは急に優しくなって 大きな鯒を、いっぱいくれた さっき取って来た奴だから刺身にも出来るよ、って言って いくらか聞いたら、随分と安くしてくれて 嬉しかったから、おじさんをよしよししてあげた]
ありがと、おじさん また、買いに来るね
(117) 2011/08/17(Wed) 04時半頃
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次は、お野菜ー
[夏のお野菜、と書いたメモを見たら、また泣きたくなった 母さん、せめて量くらい書いてよ]
夏のお野菜、と言ったら 南瓜にトマト、茄子に胡瓜、ねばねばオクラ 枝豆なんかも、美味しいね
明様、何が好きなのかな 今日はお刺身が食べられるから、あっさりしたのがいいね きゅうりにしよう、味噌きゅうりが食べたい
[勝君のお母さんから、胡瓜を買った おまけだよって、トマトを一つ、貰ったから 夕ちゃんと二人で、半分こしよう]
(118) 2011/08/17(Wed) 04時半頃
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えーっと、一汁三菜だからっと お刺身で一品、味噌胡瓜で二品 鯒はお吸い物にも出来るから、後一つだね
お豆腐だ、お豆腐 冷ややっこ、食べたい
[お豆腐を買う、とは思っていなかったから 私、桶持ってくるの忘れちゃった いいや、豆腐屋のおじさんにお願いしよう]
おじさん、桶頂戴
[なんだか間違った気がするけど、気にしない]
(119) 2011/08/17(Wed) 05時頃
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[うちは桶屋じゃないぞ、と怒られちゃった これが、しょくにんかたぎ、って奴なのかな すぐ怒る人は、怖いからいやだ]
おじさん、あんまり怒ると茹でダコになっちゃうよ
[更に怒られちゃったけど、気にしない事にした とっても大きな桶に、豆腐を沢山入れて貰ったけれど 持てないから、神楽邸に運んで貰うように頼んだ
なんだかんだ言いながら、もって来てくれるらしい 珍しくちゃんと話をするから、御褒美だそうだ]
あ…――――
[言われて、気が付いた 私、今日は沢山話をした気がする]
(120) 2011/08/17(Wed) 05時頃
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[夕ちゃんに、本当の事を話して 明様に、お話を聞いて貰えるかもしれなくて 心が、随分と軽くなったからかもしれない]
えへへ…――――
[いい事でもあったか、とおじさんが言うから 小さく頷いたら、頭を撫でてくれた この時代の人は、怖いけど、優しいから好きだ 未来にだって、優しい人はいるのだろうけれど この時代の人は、皆が優しい気がした 村中が、家族のような気がした]
またね、おじさん
[手を振りながら、お魚とお野菜を持って歩く メモには、最後に「お土産」と書いてあった]
(121) 2011/08/17(Wed) 05時頃
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自分の村のお土産って、なんだろう
[甘い物でも、買っていこうか いや、それよりも]
えへへ…――――
[夏だものね、スイカにしよう どうせなら、皆誘って、スイカ食べよう お祭りの役員になった人にも、差し入れしてあげよう そうだ、それがきっといい]
スイカ、何処で手に入るのかな…―――
[私は、スイカを探して*暫く歩きまわった*]
(122) 2011/08/17(Wed) 05時頃
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─ 神楽邸・縁側 ─
……わかりました。 多分、時間の余裕はありますから、いつでもいらっしゃい。
[帰りたくない、という朝顔。>>106 その理由は、自分と同じではなかろう、とは思うものの、その場ではそれだけ言って]
……ありがとう。 でも、私は今でも十分、助けられていますから、ね?
[ちゃんとするから、という言葉に、また、笑って。 頭を下げるのに、こちらこそ、と返して夕顔の所に行くのを見送った]
(123) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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[その後はしばし、双子の仕事を見守って。 可哀相な紫蘇の量産で叱られている時には、ついつい口を挟んで自分が諌められる事にもなったけれど。
ともあれ、それらが一段落して、周囲に人の気配が絶えた頃、下駄を突っ掛けて抜け道の近くまでふらりと歩いた]
……そろそろかな、と思っていたら、案の定ですね。
[小さく呟いて組み紐で括られた包みを手に取り、それらは一先ず懐に入れる。 あまり出歩かない自分と、外を繋ぐ鮮やかな組み紐。
こんなやり取りは、以前にいた場所では考えもしなかった。 そも手紙を書く、という習慣自体が寂れて久しく、また、親しく文を交わすような相手もいなかったから]
今日はこれで、潰れてしまうかな?
[これじゃあ出られないかな、と思いながら、空を仰ぐ。 高く澄んだ、空。 以前は小さく切り取られたものしか見れなかったその色に、目を細めた後。 私室へ戻るべく、ゆっくりと踵を返した。**]
(124) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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[すりすりすりすり。]
んー。どしたー?
[撥ね回っていた白兎が不意に戻って来て、女に頭を寄せた。]
―――…なんていうか、お前は本当に優しいね…
(125) 2011/08/17(Wed) 18時頃
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おみつは、真昼を抱くと、その丸い身体に顔を埋めた。
2011/08/17(Wed) 18時頃
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―村の通り―
[鳩渓堂から出て、自宅へ向かう途中。 籠を手に、何やら書き付けを見ながら歩いている少女を見かけた]
ありゃあ、神楽の、ええっと。
[見える姿はひとり。もうひとりは店の中にでもいるのか、そもそも一緒では無いのか]
ええっと……朝顔?
[いかにも当てずっぽうな調子で声を掛ける]
買い物か。おつかれさん。……何だ、スイカ探してんのか? そうだなあ……。最近、あそこの角に売りに来てるぜ。
[少し先の四つ辻を指さした]
ああ悪い、甘いかどうかはわかんねえんだ。 ひとりじゃ、そうそうスイカも買って食わねえしな。
(126) 2011/08/17(Wed) 20時半頃
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何か、楽しそうだな。 いいことあったか?
[少女へと、にこり笑いかけ]
ああ、気をつけてな。坊ちゃんにも、よろしく伝えといてくれ。
[手を振って、店の前で別れた]
…………。
[少女の明るい表情に、自分の記憶にまつわるもやもやが、少しだけ晴れるような気がした。 理由が同じところにあるだなんて、思いもしない]
(127) 2011/08/17(Wed) 21時頃
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餓鬼大将 勝丸は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 21時頃
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―海岸―
おお、誰か泳いでんのか。
[自宅へと戻る途中。陽光に光る波の眩しさに目を細めながら、 傘と図面の入った風呂敷包みを抱え、ざくざくと砂を踏んで歩いていく。 と、泳いでいた人影が、丁度海から上がってきた]
おう、勝じゃねえか。涼しくなったかい。 ああ、俺か?ちょいと、源蔵先生んとこへな。
[傘の柄がはみ出した風呂敷包みを、持ち上げて見せる]
はは、日傘がねえと大変だろうからな、早めに仕上げてやるつもりだぜ。 ……っと、お志乃が役員になった話、もう知ってんのか。さすが耳ざといな。 ん、他にもネタが?……へえ、博史も選ばれたのか。 ああ、あの人は真面目にやってくれそうだ。いや、お志乃が真面目じゃねえってわけじゃねえぞ。けっして。
(128) 2011/08/17(Wed) 21時頃
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んじゃあ、お志乃を連れて行く長のじいさんの目が、 何かに取り憑かれてるみてえに虚ろだったって話は知ってるか?
[最新情報に対抗するように、冗談のようなネタを切り出す]
あー、そうだよなあ。やっぱ単なる人手不足だよなあ。 勝丸も、小回りが利いて、いい役員になりそうなんだが……ダメか? 遊ぶのと畑仕事で忙しい、か。は、勝らしいや。
[楽しげに笑った後、ふと首を傾げ]
ああ、そうだ。情報通の勝を見込んで聞くんだが、おめえ、「伊綱」って人を知ってるかい。 ……何?おみつの?本名?
うお、何でえ、知らなかったのは俺くれえなのかよ。そうかよ。 じゃあついでに、「真昼」が兎の名前だっつーのも、みんな知って……そうかよそうかよ。
[軽く頭を抱える仕草]
(129) 2011/08/17(Wed) 21時頃
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ああいや、お志乃がな、傘は伊綱にも直してもらおうか、なんて言ってたのを思い出したもんでな。 なるほど、おみつに頼んで、頭んとこへ綺麗な布でも縫い付けてもらやあ、確かに上等な傘んなるなあ。
[傘の「頭」の部分を、ちょいちょいとつつく]
伊綱、真昼……知ってたのに忘れてた、わけじゃねえよな、うん。 真昼は昨日、伊綱は今日、初めて聞いた。
[確かめるように頷いていると、勝丸の訝しげな視線が刺さる]
いや……そのな、こないだふと、一平太の子供の頃どんなだったっけ、って思い出そうとしたんだが、はっきりしなくてな。 酔ってねえよ、祭りの当日じゃあるめえし、朝から飲むかよ。 やっぱ歳か……ってジジイとか言うなコラ、この悪ガキめ!
[わざと怒った振りをして、拳を振り上げる。 逃げていく勝丸へ向けるのは、苦いもの混じりの笑顔]
(130) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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―ちょっと前・海岸―
団十郎、まさか真昼を人だと思ってたのか。 おいおい、今までそんな人がこの村に住んでるなんて聞いた事ないだろ。
[思わず失笑]
ああ、旅館関係の呼び名だと思ったんだろうな、うん。
(131) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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わわっ、逃げるが勝ちだ! ってな事でまたなー。
[砂浜で足は取られるが 条件は一緒。 ほんとに追いかけてくる前に海岸から逃げ出した]
(132) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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さて……。
[まさか本当に追いかけるつもりなどありはしない。 勝丸の姿が見えなくなると、自分もまた歩き出し、自宅へ入る。 図面を広げて確かめると、日傘を一度丁寧に分解する。
源蔵の書き足した文字も、線も、筆で書かれたのとは異なる細いもの。 『万年筆』その名の通り、墨をつけずとも書き続けられる西洋の筆だと、以前教えられた。 実際には、細い筆の中に墨液のようなものが入っていて、それを時折足してやらねばならないのだそうだが]
……妖術みてえな不思議な筆かと思ってたが、仕掛けが違うだけで同じもん、だ。 どっかで墨をつけてやらなきゃ、字は書けねえ。
未来人、ってのもきっと…… もしかしたら船で空飛んでやがるのかも知れねえが、俺らとそう変わりゃしねえだろ。
[手の中にあるのは、自分が知っているのとは違う『洋傘』。 図面を見ながら分解し、寸法を測って部品を切りそろえれば、また同じ仕組みのものができあがっていく]
(133) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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[傘の修繕に集中するうち、雑念も消えていく。 正確に、軽く、丈夫に、見栄え良く仕上げる。思うのは、そんなこと。 時間が経つのも忘れ、作業に打ち込む]
これで……よし、っと。 後は、ちょっと乾かさねえとな。
[いつもの仕事の後のように、大きく伸びをする。 作業場の隅に日傘を広げて置き、自分はぶらりと外へ出た。 額の汗を拭いながら、座りっぱなしだった体をほぐすために、海岸へ出る]
……お。
[視線の先には、何かを空へ翳しながら、佇む人影]
(134) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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――神楽邸・回想――
[朝顔と明之進は、なんだか他の人に聞こえないくらい小さな声で話をしていて。 朝顔の、真剣な表情。 ときどき、聞こえてくる会話の断片。
『元居た場所に、帰りたい?』
もしかして、この人は――。]
(135) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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[それから。 朝顔は買い物に行かされてしまって。 二人で行きたかったのだけれど。
母親の言うには 「二人で行ったらそのまま遊んでしまうでしょ」
それで一人、縁側に残されてたのだった。]
『朝ちゃんのほかにも、未来から来た人がいるのかな』 『みんなと一緒に帰らないと、朝ちゃんは後で罰を受けたり、するのかな』
『でも、明さまは――』
(136) 2011/08/17(Wed) 21時半頃
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……一平太。
[何となく気まずいような気がして、口にする名は呼びかけではなく、呟き。 まだ距離がある相手には、まず聞こえないであろうもの]
いや、何も避けるこたあねえんだ、俺がちっとばかり物忘れしちまってるだけで。
[それでも、なぜか、自分が『探ろうとした』という、後ろめたい感覚がある]
……別に。やましいこたあねえじゃねえかよ、お互い。
[がしがしと頭を掻いて、ざくざくと砂を踏んで歩み寄る]
おうい、一平太。 今日も暑いなあ。
[少年の周りに広がる、空の青、海の青が、やけに眩しかった**]
(137) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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―鳩渓堂・書斎―
[戸を叩く音>>112に、ゆっくりとそちらを振り返る]
うん、入っておいで。
[一平太の声に応え、開いたままだった手記を閉じて文机の上に置く]
そうか、あの子も律儀な子だ。もう少し、肩の力を抜けるといいのだがなぁ。次に会った時、僕からも礼を言っておくよ。
[彼の留守中に、団十郎が訪ねてきたことも伝えて。そこで少し、迷う。あの「装置」は、それが必要な人物だろうが、要らぬ人物であろうが、持つ者に等しく効力を発する。今の「持ち主」である彼に、なんと説明したものか]
……傘のね、修理を相談された。それから、少し、ぺーたの思い出話を。
[何故、自分は迷うのだろう。「装置」が彼を守った、そのこと自体は、何の証明にも理由にもならぬというのに。……何を、懼れているのだろう。 よほど考え詰めた顔をしていたのだろうか。一服を勧められればそれに従い、淹れてもらった茶を口に含む]
そう、か。それなら、完成したら一番に見せてやろう。僕が精魂込めた力作だ。
[待ち遠しい。そう言って頷く一平太に、そっと微笑んで頷き返した]
(138) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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[いつものように夕飯の希望を尋ねられ、ふむと思い巡らす]
そうだなぁ、南瓜が食べたいかな。昨日の話を聞いていたら、とても美味しそうだったから。
[今までと同じ、変わらぬ遣り取り。そのことに、酷く安心している自分。いつもと同じように、その場で見送ろうとして。振り返った彼の言葉に、目を瞬く]
うん、……そう、だな。知られて困る相手でなければ、記憶を操る必要もなかろうし。 それならきっと、この家もこの村も、あの海岸も、今までの全てを知っているのだろうなぁ。
[悲しくないですから。そう言った一平太の瞳をじっと見返して。口許だけ、淡く、笑った]
(139) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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[ひとりに戻った部屋で、文机の前に座ったまま、障子戸の隙間から青空を眺める]
どうして、そういうことを言うんだ。
[ぽつりと、零す音。眼鏡を外し、瞼をこする]
その方が悲しくない、なんて。「忘れられる側」の想いじゃないか。
[わななく唇を噛んで、じっと片手を握りしめる]
僕は……、僕は、
[部屋の片隅に置かれたからくり細工。羽衣を持つ青年が、じっと源蔵の背を見詰める]
いっそ、海の魚になってしまいたい。
[零れた声は、あまりにか細く。息を詰まらせ、途切れて、消えた]
(140) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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船大工 団十郎は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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[どれくらいの時間、座り込んでいたのだろうか。ふと、空き地の方から声が聞こえ、意識を引きもどされた]
――…おしの?
[思い浮かぶは昨日の講義と、その時彼女が見せた笑顔。 縁側に出て下駄をつっかけると、中庭に出て裏木戸を開ける]
……おや、勝丸だったか。こんにちは。 おしの先生なら今日はたぶん来られんぞ。怖いお偉方から、役員にされてしまったからな。
[それから今朝団十郎にしたのと同じように、長老の様子をおどろげたっぷりに話してみたのだが。多少の抑えにでもなるかと思ったが、さっぱり効き目はないらしい。あっさり話を変えられてしまい]
ん、あぁ、何か奇妙な設計図であったよ。研究のうちに拾ったのかなんなのか、ああいう図面は彼の専門ではなかろうし、僕に見解を求めにきたようだった。
[自分が直接応対したわけではないので、一平太からの報告を思い出しながら]
あぁ、なんでも、「星まで届く、空飛ぶ船」だそうだよ。
(141) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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――神楽邸・縁側――
[明之進の部屋を、そっと覗き込む。
塀際の木に結わえ付けた、いつもの包み。 それは明之進と日向の、きっと大切な習慣で。 邪魔をしたくはないのだけれど。]
(142) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時頃
明之進は、私室で書簡を開いている。浮かんでいるのは、どこか、困ったような笑み。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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―鳩渓堂の空き地―
ほ、星へ!?
[とてつもない言葉が出てきて ...は大声を出して驚く]
つーか、どんなところでそんなもん拾ってきたんだよあいつは…。
あ。
(143) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[小鳥は止まり木に残したまま、私室へと戻り、開いた書簡。 綴られた文字を追ううち、自分でも気づかぬ内に浮かんだのは、どことなく苦いものを帯びた、困ったような笑み。 けれど、それは不愉快さを感じているようなものではなく。 純粋に、どうしたものか、と考えてしまっているような、そんな表情だった]
……星にかける願い……ですか。 今はこれ以上、何も望めぬというのに。
[零れ落ちるのは、こんな呟き]
星に望めば……もし赦されるなら、治るかも知れませんけれど、ね。
[小さく息を吐いて、僅かに目を伏せる。 部屋を覗き込む気配には、気づいていない。>>142 縁側の止まり木の小鳥は、『なにしてるの?』と言わんばかりに首を傾げているのだが]
(144) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時半頃
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あの。 朝ちゃんは、未来のことは聞かないで、っていったの。 だから聞けないの。
明さまも、答えられないことは、答えないでいいです。
ほんとは、あたしが朝ちゃんのことを知ってるのも、内緒にしなきゃいけないんだろうけど。 明さまは、きっと怒らないでくれそうだから。
[明之進の背中に、突然そう話しかけた。]
(145) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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―空き地―
本当になぁ。そこらに落ちているもんでもあるまいに……。
あ?
[勝丸の漏らした声を、首を傾げて反復する]
どうした勝丸。何か心当たりでもあるんじゃないだろな。
[首傾げたまま、真顔で、笑っているようなそうでもないような声で問いかけた]
(146) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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