278 冷たい校舎村8
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[お互い意外と知らないことも多いし 濁った思考では何が正解かもわからない。 さっきから何見てんだろ、とくるり振り向き薄い月を仰ぐ。 ふうん、悪くないんじゃないの。] ………………なんつうかさ。 俺は家族嫌いな方だけど好きなとこもあったから、 どーにもなんなかったのかね。って今の状況思うけど
どーにかなってたらこうなってねえし そろそろちゃんと諦めもつけなきゃなって
……だいじょーぶじゃねえけど、へーきだよ。だから。 少なくとも今すぐどうこうなりゃしねえ
[思う事。辰美としては語らなくても 大丈夫なように生きているつもりだけれども 多分はた目からはそう見えていないのだろう。]
(555) さねきち 2020/06/27(Sat) 10時頃
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つうか…………ついこないだだって お前に生きろって言われたの思い出して、 生きなきゃなって思ったとこだしだいじょーぶだよ。
すぐ迎えにきてくれるとか、普通に心強すぎ。 安心しちゃうだろ。 れーは俺を甘やかしすぎ。 ……ちゃんとその分俺返せてるか? なんか奢る?
[先ほどの話を思い返して、 甘やかしすぎ、と辰美はぽつり愚痴のような感想を零した。
擽ったそうにくすくすと笑いながら、 零れそうな涙だけそっと袖で拭った。
薄い月と夕暮れに照らされて、 形のゆがんだ影が屋上に落ちていた**]
(556) さねきち 2020/06/27(Sat) 10時頃
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――ゲームの話/ふくずみ――
……すっげぇ荷物。
[当日、そこそこのお菓子と ほどほどの飲み物を用意していた辰美は>>559 やってきた福住のエコバッグを見てそう言った。
少しだけ嬉しそうに目を細めると、]
よく来たな。どーぞ。あがって。
[玄関から和風の居間へ、彼女を案内したことだろう。]
(574) さねきち 2020/06/27(Sat) 13時頃
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ちょうど空いてますよお客さん。
[福住(とおそらく氷室)に差し出すのは もちろんコントローラー。
見る専? なんのことやら。 ここでは一回は楽しんでもらいますよ。 そんなつもりで、辰美はゲームを勧めただろう。**]
(577) さねきち 2020/06/27(Sat) 13時頃
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――ある日の放課後――
なら、良い。
[いびつな影を見下ろしたり、夕暮れを見たりしながら ただそれだけを返した。>>576 少なくなった言葉を追求するのはやめておいた。]
(588) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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あー? バカバカうっせえ。 そら悪いって気持ちも……多少……なくはねぇけどさ……
[さっき>>576よりもすらすらと怒られるので、 辰美はほんの少し自分の非を認めはする。
受験は礼一郎なら大丈夫だと思っているが 本人のプレッシャーが大変そうだ。 それ以上触れるのを止した。]
(589) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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あいつ俺が笑っただけで写真撮るからな……
[きらい、とか、いや、ではないけれど まろやかになった辰美は普通に喜多仲に喜ばれそうだ。
そんなことを思いながら、 多少不機嫌そうな友人をちらりと見る。 進んでこうさせたいというわけでもないのだけれど、 こういう空気の礼一郎は実は嫌いじゃなかった。 まろやかじゃない礼一郎。]
(590) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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[仕方ないよな。って、 辰美はさっき礼一郎に対して思ったように、 自分の現状についても思っているわけで
うまくいかねえな、>>580には、 ホントにな。と相槌を打つし、 複雑そうな隣の友人を見て、 どうしたもんかな、と思ったりもするのだけれど]
男前かよ。 ……いや茶化してねえけど。
[だいじょーぶだよ。と伝えているはずが 安心しとけ、とぶっきらぼうに言われてしまったので 辰美はおかしそうに肩を震わせた。]
(591) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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……おっかしいな 俺はお前の心配をしに来たんだけど。 なんでこうなったかなあ……
[そう思いながらも、こうして屋上に二人でいて 安心してろ、と言われてしまったので それに従うことにする。]
(592) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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[何かが近づいてくる気配に瞬いた。 日に焼けた指先が視界の端で見えて、 ――ああ、撫でてくれたのか、と遅れて思う。
子供の頃みたいだなと思うけれど ついてしまった身長差は仕方がない。
辰美は少し沈黙して、 とん、と指先に軽く、軽く頭を預けた。 それから身じろぎ、マフラーをかけてもらった時のように 軽く首を垂れる。]
(593) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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……足んねえ。
[そうじゃなくてこうすんだよ、と 茶化して礼一郎の頭を撫で返した方が まだマシだったかもしれない。 ……割と恥ずかしかった。
辰美は少しだけ後悔しながら、 目を閉じておとなしくその手を待っていた。**]
(594) さねきち 2020/06/27(Sat) 14時半頃
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――ある日の放課後――
[ぎこちない動きで髪に指が通っていく。
――こういうのってさ、 上からぽんぽんとかぐしゃぐしゃとか そういうもんだと思うんだけど。
辰美も撫でられるより撫でる事の方が多くなったから 正解もわからないまま、 くすぐったそうに撫でられていた。]
(610) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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[……撫でられたかったんだか、 傍にいてほしかったんだか、 ……………………わかりやしねえなあ。]
(611) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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…………。
[思ったよりも心地よかったので、 ざわざわする心を抑えて少し、呼吸する間目を閉じていて 聞こえた「ありがとな」にぱちっと目を開いた。
何を言われたのか分からなそうに小首を傾げて]
(612) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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[だって、友達の隣にいるなんて当たり前のことだろう? そいつが過去に何をしていようがさ。]
(613) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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こっちこそ。 ……ありがと。もうだいじょーぶ。
[悪くなかった。と添えて、 照れて微かに赤い頬と泣いた目尻を隠すように 大きな手を夜空のように伸ばしては、 ぽんっ、と礼一郎の頭を撫でた。
くすくすと笑いながら 礼一郎の頭を男の手でわしゃわしゃ撫でると お願いでなく命令形で自分の願いを通す、偉そうな辰美は やっぱり偉そうにこうささやいた。]
(614) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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[俺じゃタイプじゃねーか、と冗談を吐く 夕暮れの中辰美幸俊は明るくわらっている。]
(615) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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……あー、もうこんな時間か。 邪魔したな。
[夕日はもう地平線の向こうで潰れかけていた。 青く染まった空を見上げて、ため息をつく。
さすがに拘束しすぎるのはよくない。 柵から離れて、辰美はゆっくりと屋上の扉へ歩き出す。]
(616) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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れー。 俺、お前とダチでよかったよ。
[去り際、辰美は礼一郎を見てそんなことを言う。
嘘のかけらも混ざらないこの一言で 長い旅路を歩く、 ほんの少しの力にでもなればいいんだけどね。]
(617) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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[それを君がどう受け取ろうが、
辰美幸俊は君のこと 必要なときに寄り添うべきで、 必要なときに頼っていい存在と思ってる。
――そういうわけで、これからもよろしく。**]
(618) さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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大太刀源流 タツミは、メモを貼った。
さねきち 2020/06/27(Sat) 17時半頃
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――お見舞い――
[なんだか見ないうちに小さくなった気がする。 ……体形、というよりも、全体的な印象の話。
ばつの悪そうな葉野に割引券を差し出せば 案の定「はい?」と言われてしまったので 辰美は説明に困って咳ばらいをする。>>624]
興味があったっつうか…… まあ、興味はあるけど……
[退院したらいつでもいいよ、と言われたので そうか、ありがとよ、と頷いたところで、 偽装デートの続きかと問われたので 「ちーがーう」とそれには口を尖らせた。]
(648) さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
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偽装デートじゃねえし。何を偽装すんだ。
…向こうで、またクレープ食おうとか色々言ったろ。 約束ってわけじゃねえけど。
俺がお前と一緒に そうしたいって思ったから誘いに来た。
[肩を竦める。沈痛な面持ちで片手で頭を押さえた。]
(649) さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
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…………あと………… 女子が好きそうな店、 これしか思いつかなかったんだよ……
[もっと水族館とか動物園とか、遊園地とか、 そういう方面で想像が働けばよかったよね。 けれど辰美は知らない、そういうものは知らないので。]
(650) さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
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てなわけで。 約束したんだから逃げんなよ。 あと次いでにお前の好きなもんも教えてくれ。
……おやこーこーしてくれんだろ? よろしくな。
[そういうと、顔のコワイ狼は話もそこそこに 葉野の病室を去っていくだろう。
無茶ぶりかな、とは辰美も思うのだけれど もしも病院で小さくなる日々に飽きたら、 どうか遊んでやってくれると嬉しい。
退院した後はきっと、 辰美幸俊は葉野の事を待っている*]
(651) さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
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大太刀源流 タツミは、メモを貼った。
さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
大太刀源流 タツミは、メモを貼った。
さねきち 2020/06/27(Sat) 20時半頃
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『ゆー、ろーず。』
(661) さねきち 2020/06/27(Sat) 21時頃
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――ゲーム大会――
[ゲーム大会で友人たちが遊ぶ様を辰美は見ている。
先ほどは福住が派手に散った様を見ては 激辛お菓子に撃沈する様子に 『お前なんでこんなやべーモンを……』といいながら 清涼飲料水を差し出し、>>657
或る意味「ゲームなんてやってないよ」詐欺な男>>597に 負けたおんなが、長い髪を垂らす様を見ていた。>>562]
(662) さねきち 2020/06/27(Sat) 21時頃
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お前が食えよ、その激辛お菓子
[と、綿津見を人身御供にしようとする礼一郎に 辰美はあきれながら茶々をいれていたのだけれど 綿津見がさらに高みに昇りたそうなら、 「やる?」って聞いたと思う。
あ、ゲームですか。得意です。]
(663) さねきち 2020/06/27(Sat) 21時頃
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[それから、七星も来ていたようで コントローラーが空いた時に「やりたーい」というので 辰美は「いいよ」って言いながら受け取った。
そうだな、いいよ。あそぼっか。]
(664) さねきち 2020/06/27(Sat) 21時頃
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積年の恨みじゃくたばれ七星―――!
「ふざけんなああああああ!!」
[七星夏美のキャラクターが 多数のぷよに圧殺されるまであと5秒。
辰美幸俊がゲーム外から暴力を受け悶絶するまであと6秒*]
(665) さねきち 2020/06/27(Sat) 21時頃
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―― 一歩、の話 ――
[それがやってきたのは夜、 風呂上がりに少しだけ本を読んでいた時の事。
スマホが震えて、誰からだろうと 辰美はおもむろにメールアプリを立ち上げる。
そこに認められていた文面に、 辰美はぱちぱちと瞬いて、 あの校舎での出来事を思い出していた。
――あの事、覚えてくれていたんだな。 ……それだけで少しだけ 息はしやすくはなるのだけれど>>719]
(742) さねきち 2020/06/27(Sat) 23時頃
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