15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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>>79 [そうか、と静かに相槌を打った。]
……けど あんま、嫌な感じ……ないな
[どちらかと言えば逆の感覚がある。]
一応、気、付けろよ
[……ラルフの事をいきなり告げるのは、少ししんどい。 曖昧に注意を促して、その場を離れる。
遺体の所に戻って、流れた血と砂を清めて行った。 それが済んだら、チャールズ達の様子を遠目に確かめて。 最後、ヨナの塒に向かうつもり**]
(80) 2010/07/22(Thu) 09時半頃
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[>>59自分に向けられた眼の奥には恐怖が宿っているように見えた。何かではなく、自分に向けられているのだろう。
そんな自分に縋り付くのは、死にたくない懇願だろうか。相棒を掴む手は、それだけ力がこもっていた。]
ころす…?
[彼女を屠る理由が、あるのだろうか。もし、あるとしたら―――くらいだろう。]
(81) 2010/07/22(Thu) 10時半頃
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[>>60相棒を未だ掴んでいる手に、自分の手をそっと添えた。頭を下げ前傾気味に体を寄せれば、マーゴにより接近しただろうか。]
―ころさないよ。 君は殺させない。 [おびえる子供―動物を諭すように、ゆっくりと語りかけた。]
(82) 2010/07/22(Thu) 11時頃
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―回廊―
[神の教えのまま、全ての人を同様に愛することができるのならば こんな風に心は痛まないのだろうか。
もし、神が作りたもうた“人間《キカイ》”が 全てを平等に愛することが正常とするのならば
(>>32)ガストンが語りかけてきた言葉に気がつかぬほど (>>52)壊れたオルゴールのように言葉を繰り返す少女より 手差し伸べた青年を気にかける男は
――……とうの昔に壊れている。]
このようなもの、口に含んでは……―――
[(>>55)紅に穢れに口を寄せる青年に驚いて、手を退けた。 代わりに伸ばした左手は、彼の唇の端を拭う。]
(83) 2010/07/22(Thu) 11時半頃
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―――…ころさ、ないの…?
[ガストンは事情を知らないのだろうか。 不思議そうに見上げた瞳は哀しげに伏せられる。]
なら、どうして…?
[ざんばらに切れた髪は首元の直ぐ傍まで。 誰かの制止がなければ、確実に薙がれていた。 聞こうにも彼から遠ざけられてしまっては、 その答えを聞くことができず]
(84) 2010/07/22(Thu) 11時半頃
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…生きることを許されないって… 言われたのだと…思ったの…
[毛皮を握っていた力が緩む。 距離の近づく影を見上げる顔は今にも泣きそうなのに、 紺の瞳が涙で潤むことはもうなかった。]
何もできなかった… ううん…何もしてこなかった…
歌うこともできない…ものを書くことも… 誰かを思うことだって…、……
ただ…生きるためだけに生きている… ――…私に与えられた…報いだろうと…
(85) 2010/07/22(Thu) 11時半頃
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生を望む言葉に、良い返事が来ないことは判っていた。 慰めようとして、慰められるのも“あの時”と重なる。
だから、よほど、僅かでも彼の生を望むのだ。 心を寄せてしまったのは 彼の過去の切片を聞いてしまっただけだというのに。
“あの時”と同じく、同じ罪を重ねようと。 少し違うことも、ありはすれども……―――。
全てを背負えないと知っていても 知らぬ彼の裡と同じくチャールズもまたそう想い。 そう想うがこそ、一度は儚いと恐れた人に 己からは触れた手を放せないまま。
その様子は、ラルフを清めた後 遠目に此方を見やるフィルにも*見えるのだろう*]
(86) 2010/07/22(Thu) 11時半頃
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[殺させないと語るガストンを見つめる瞳から 不安の色が消えることはない。 人を信じてもいい…頼ってもいいのかもしれない、と ここに来て、少しずつ解け始めていた心は 薙ぐ音と共に壊されて閉ざされてしまった。]
どうして…あなたは…私を生かすの…?
[諭すような口調にも安堵の様子を見せることはできず ガストンへと浮かべるのは不思議そうな表情、 互いに名乗った、それだけの関係なのに。]
…彼は… また私をころしに…くるのかしら…
[殺されかけたのに、ベネットを恨むことはできず 尚、彼に生きて欲しいと願うこの心は何なのか。 答えが見えずに、またさわりと騒ぐ胸元に 少し苦しげにその箇所を押さえた。**]
(87) 2010/07/22(Thu) 12時頃
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[うわ言を言い続けたベネット、倒れるマーゴ。ベネットを看取るチャールズ。見まわしても居ない異形。ベネットの横には山刀。頻りに言うころさないの、ごめんなさい。
>>84思考を外していた―何かをようやく感じ取った。]
ああ、君は…。 人間に襲われたのか…。
[襲ったのは外部の人間か、はたまたベネットかチャールズか。どちらかと言えば、後者だろうと―。]
(88) 2010/07/22(Thu) 12時頃
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>>85そんなことはない。君は生きている。この世界では、それだけで、価値はあると思う。
俺も同じだ、生き延びるためだけに生きるための努力をしている以上のことはしていない。
ただそれが、死に逝く人間への、消え逝く異形への上に生きる者として、やるべきことだと思っている。
[それが彼にとっての、今の生きる理由だった。]
(89) 2010/07/22(Thu) 12時半頃
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>>87―単に、目の前で人が殺されていくのは夢見が悪いんだ。 [生きるために、人を見捨てたこともあった。とは言わなかった。]
理不尽に命を落とすことになった人間も、自ら死に走っていく人間を幾らも見てきたからな。 出来れば、そういうのは見たくない。
[そう口は動く中、心のどこかで、"今すぐに、簡単に死なれては困る"と心に籠っている。その理由が蠢いている。
それは相棒が、俺が、お互いに何故共に旅をしていたのか、その最期の理由と同じで―。]
(90) 2010/07/22(Thu) 12時半頃
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[>>72強く睨まれて。 色のない瞳が瞬く]
セシルの“いもうと”……?
[>>77不思議そうに呟き。 生きていると、繰り返す姿に。 壊れたことを、認めない姿に。
色のない瞳を細めた]
そこまでして。 生きたいの?
[壊れてなお。 生きようとするのが不思議で。
セシルの“いもうと”に。 たずねた]
(91) 2010/07/22(Thu) 12時半頃
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生きていたい。 それは、あたしも同じ。
でも……壊れてるのに。 どうして、生きるの?
[けれど、声は。 倒れたセシルには。 届かなくて]
(92) 2010/07/22(Thu) 12時半頃
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[>>74倒れたセシルを。 シイラが支えて、横たえて。
シイラが窓から出ていくのを。 何も言わずに見送り。
横たわるセシルの傍らで。 ぼんやり、座りこんでいる**]
(93) 2010/07/22(Thu) 12時半頃
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コリーンは、そのうち、気を失うように眠りに落ちた**
2010/07/22(Thu) 12時半頃
コリーンは、フィリップが戻ったときもまだ目覚めていないだろう**
2010/07/22(Thu) 13時頃
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…悪いものではないさ。 俺に害をなす異形は、殆ど居らぬからな。
[すこし、それとも違う気はしていたけれど。
去って行くフィリップに手を振って、また虚空を。 そこに居るのは、誰?]
(94) 2010/07/22(Thu) 13時半頃
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>>86 [回廊の方から、チャールズとベネットの姿が見えた。 一人足りない事に気付いて、とと、と近付く。]
……マーゴは?
[ガストンが介抱に連れて行った事が解れば頷く。 二人の様子を見て。 ……深くを問う事はせずに、また離れる。]
(95) 2010/07/22(Thu) 13時半頃
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[唇拭うその指に、ひくりと瞳の奥を揺らして。 咎める言葉に、ゆっくりと首を横に振る。]
僕の裡の方が、よほど罪に穢れているから…。
[体の奥が軋む、軋む。 無数の声なき声達が、産まれてきたいと呻くから。
胎を裂かれて殺された、産声上げぬ子のように。]
(96) 2010/07/22(Thu) 13時半頃
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…ねぇ、フィル。 血の匂いが、するよ。
[ぽつりと呟いて、彼を見上げる。]
だれか、死んだの?
僕も、あの子も、まだ生きてるのに。
(97) 2010/07/22(Thu) 13時半頃
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>>97
――……
[自分の身に移った血の匂いは、多分亡骸に触れた時の。
問われたら。 隠し通す事も出来ない。]
ラルフが襲われた
[苦味走った砂の声は、尋ねられれば遺体の場所も告げるが。 経緯が解らない以上、理由は説明出来そうにない。]
(98) 2010/07/22(Thu) 14時頃
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そんな 死ななきゃ…けないみたいな
言い方、止せ
[去り際、ベネットを振り返った。]
(99) 2010/07/22(Thu) 14時頃
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…ラルフ…… [目を伏せる。]
彼も、痛くて苦しい人だから、せめて楽になっていてくれれば…いいね。 [何処か近しいものを感じていたから。
フィルにかけられた言葉に、どんな顔をすればいいのか…わからなかった。 だから、ほんの少しだけ笑顔を作る。]
(100) 2010/07/22(Thu) 14時頃
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[いくら呼び掛けても、 返るのはざわめきだけ]
…むう。
[少し残念そうに。]
姿を見せてはくれぬか。
[その気配が異形ではなく亡霊であることに、気付かぬまま]
(101) 2010/07/22(Thu) 15時頃
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[>>90何を考えている!?人にそれはしたことないし、するつもり無いだろう?
なあ、そうだろ?]
[自分の考えを、必死に頭の中で否定した。そして思考を、理由をマーゴに話した内容へとにすり替えていく。]
>>87彼が…何故君を襲ったのかは、わからない。 俺は、顛末を見ているわけではないので言いようはない。だが可能性はあると見ている。**
(102) 2010/07/22(Thu) 15時半頃
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―ヨナの塒―
[戻った時、シィラはいなくなっていた。 セシルとコリーンが、並ぶように目を閉じているのを見て。 紅い砂の流れた床に眉を寄せた。
去り際のベネットの言葉、言いようのない微笑を思い出し。
部屋の戸口に肩をもたれて、吐いた溜息は酷く長い**]
(103) 2010/07/22(Thu) 16時半頃
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― ヨナの塒 ―
[眠っている。 いや、本当は眠っていないのかもしれない。
いずれにせよ。悲しいことを感じたくなくて…。 目を開けたくなくて……。
でも、目を閉じたまま、涙はまた溢れてしまう。]
(104) 2010/07/22(Thu) 16時半頃
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[ふと見上げた、窓の外。]
…きみが、シィラ? [異様な、一つ目の瞳。
鉱石の瞳の奥、ぴしりと割れる音がした。 凍りついたように、動けない。*]
(105) 2010/07/22(Thu) 16時半頃
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― 城の外(シィラside) ―
[シィラは紅の眼を光らせながら、城の外に出る。 視線を感じ、城の窓を向く。>>105]
ギィ……
[その先に見える、異形…。
そう、シィラはベネットを異形とみなし始めている。]
(106) 2010/07/22(Thu) 17時頃
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[喉が渇いた。 水を飲もうと、屈めば]
………、ラルフ?
[泉に映る“ひと”の姿。 臭いはないのに。
後ろを振り返り、 けれどあるのは、ざわめきと、気配]
(107) 2010/07/22(Thu) 17時頃
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え………
[再び泉を見るもその姿は既に見えず。
気配のみの存在と、 先程の違和感――彼が人の体であったのを]
まさか、
[城の騒ぎの正体は、 嫌な心当たり]
(108) 2010/07/22(Thu) 17時頃
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[セシルとコリーン、二人に適当な布を見繕って掛ける。 窓から外を見た。 ここからはシィラは見えない。
……まだ泣いてんのか。 ベッドで頬を伝う雫に気付き、それを拭った。 足元に水の入った手桶を下ろす。
一つ、考えた事はあって。 でも口にはしない**]
(109) 2010/07/22(Thu) 18時頃
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