184 【RP】Septimo Oves Errantes【R18】
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[また、響く声(>>*0) そうね、御機嫌ようと笑みを浮かべよう。 次に出会ったならばその姿引き摺り出し、お前を罪人と示してやると。 それを言葉にすることはないが、不敵に笑いながら赤い扉────鍵の開いた音がした方へと向かうのだ。
其れから、誰がその扉を開けたか。 自分であったかもしれぬし、他の者だったのかもしれぬ。 意識が途切れるその前後を、娘は明確には覚えておらず────]
(24) yumeneko16 2016/03/06(Sun) 21時半頃
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[目覚めたのは、見知らぬ部屋。 見知らぬ天井。 着ている衣服は着替えさせられ、清潔な木綿の入院着となっていた。 清潔さの中に薬品の匂いが混じった空気が流れている。 ここは何処だろう、と目を瞬かせて体を起こした。 如何やら、病院の個室のよう。 古ぼけたカーテンの隙間から、暫く見る事が無かった陽の光が射し込んでくる。
────あれは、夢?]
あ、あ……………。 私……………っ!
[話せる。舌がある。目を見開き両手で口元を押さえてはその事に歓喜して涙が滲む。 あれは悪夢だったのだ。 なんて酷い────悪夢。 長く細く息を吐き出すと、娘はそっと誰かを呼ぼうと辺りを見渡し────そして気付いた。 微かに混じる血の臭い。 見覚えのある"資料" その資料に手を伸ばし捲ってみれば]
(25) yumeneko16 2016/03/06(Sun) 21時半頃
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きゃあああああああああ!!!!!
[思い切り叫び、そのまま"倒れこむ事にした" 目を閉じ気絶した振りをしていれば、バタバタと辺りが慌ただしくなる。 「櫻子お嬢様?!」「うわっ?!誰がこんな事……」「ひっ?!異人の首?!」「お嬢様、気を確かに!!」 そんな風に幾人か、医者やら使用人やらが駆け付けてくる気配に────全てを下賤な彼らに任せて、娘は臆病な小鳥のように演じてみせよう。 目を覚まして、再び虚ろな男と目と空洞が合えばふらりと倒れて見せ、いやいやと魘されてみせるのだ。 きっと、きっと。 ────この首は"誰かの悪戯"で無かった事にできるだろうと]*
(26) yumeneko16 2016/03/06(Sun) 21時半頃
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ふふ……わかりました。
[何も知らない彼に、少女は本当のことを打ち明けるつもりはなかった>>14。彼のぬくもりを抱きしめたまま、秘密の誓いを立てる。 彼にとってはこの扉を出ればすぐの事。 少女にとっては、何百年も先の事。 それでも少女は約束したのだ。『必ず』と]
はい。いきましょう。
[そして少女は彼と手を繋いだまま、盲目の少女は扉まで導かれたのだろう。 最後まで彼の指先を強く握りしめたまま。*]
(27) もるもっと 2016/03/06(Sun) 22時頃
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[男の体は、始め人形部屋で作りかけの人形の前で倒れている姿で発見された。 突然のことに驚きながらも、声を上げることの叶わない侍女は顔色を変えて 執事の元へと報告をしに行く。
それから…彼の妻のいる寝室ではなく、簡易的な応接室に備え付けられたベッドへ。 それから執事は、掛かりつけの医師へと文を取った。
それからのことは流れるように早い。
未だ"病院"というものは普及しておらず、医者が屋敷に留まり容態を見る。だからこそ、彼が死んだ時もすぐに発見されたのだ。
────そう、少し目を離した隙に。
その間に、当主はすっかりその姿を変えていたのだ。
部屋に漂う鉄の香り。赤く染まったベッド。首が無い、左足が無い、両腕がない、臓器に至ってはごっそりと抜けている。身体中は血だらけで、寝間着を着せていたはずがその服は倒れた初日のスーツに似ている。 背中から足にかけての皮膚は爛れ、腹はぐちゃぐちゃに裂かれ、それから幾つかの銃創。
────きっと、すぐに警察に連絡したはずだ。容疑者も無くなった部位も見つかることはなく。ただ、この男が犯した罪は警察の介入で全て明るみに出るのだろう。]*
(28) purin3 2016/03/06(Sun) 22時半頃
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── 強欲を襲う ──
[彼は僕らが帰るための鍵だ。 彼は殺されても当然の罪を犯した。 彼は今僕にでも襲える。 彼を今僕が襲う必要がある。
だから彼に手を下すのは、 僕らにとって当然の、 ──僕らに認められた権利だ。
背中を向いて這っていく彼に謎の液体をかける青年(>>4:182>4:*47 リツ)。 彼に液体がかかり彼が叫んだ(>>0 ニコラ)のを見て今がチャンスだとばかりに飛びかかった。 飛び跳ねる気味の悪い身体(>>1 ニコラ)も、 自分が液体まみれになる事も気にせず。
無理やり馬乗りになれば苦しソうにもがく彼の顔がよく見えた。 勿論、そんな事はどうだって良かったけど。 僕の服は他の人達に比べて乱れてはいなかったから、すぐに液体が皮膚に触れる事は無かっただろう。]
(29) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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[けれど僕の服が液体を吸い込んでじきに皮膚を濡らしていったなら、 その液体──フッ化水素の毒が皮膚から浸透し、骨が侵されていったんだろう。 勿論彼とはその度合いが天と地ほど違ったのかもしレないけど、 全く薄められていない純粋なフッ化水素は体の組織を崩壊し痛みを感じさせる。
気持ち悪い。 お腹が痛い。 身体が痺れる。 血が口から零れ落ちる。]
アっ!?ヒ、ヒぎ、ぁぱ!ァヒャギゃぱァアアァハアハイァアげぽッ…クハァア!!!!!!!
[早く彼を黙らせて、その身体を思いのままに操りたいのにどうも上手くいかない。 彼に頭を掴まれて(>>2 ニコラ)ぐらりと視界が揺れる。 一体どこからこんな力が湧いてくるのだろう。 もうとっくに死んでしまってもおかしくないのに。 けれどそれは僕も同じ。 いつもなら辞めてしまう──いや、そもそもやらないであろうその行為を止める術を知らなかった。]
(30) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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[彼を殺そうと思えば思うほど、 その刃を彼に突き立てれば突き立てるほど、 僕には彼が彼女≪瑠花≫に見えて来るんダ。]
(殺さなきゃ。殺さなきゃ。 早くここから出るんだ。 他の人の物にしてはいけない。 瑠花に早く会いたい。 瑠花、愛してる。愛してるよ。 これは瑠花? そうか瑠花なんだ。 早く僕だケを見て。 僕の名前を呼んで。 その瞳に僕だけを写して。)
[簡単に砕けてしまう骨は僕の物になっていく実感が無くて、 もっとガリガリと、ゴリゴリと削りたい。 削りたいんだ。 瑠花の骨は真っ白で綺麗だったなぁ。 骨を見たい、見たいよ。]
(31) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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[愛を何度もうなされる様に呟いて、口から血を零して神経も侵されて、 それでも自分の目的が果たされるまデ、 意識を保っていただろう。
彼の叫びが聞こえなくなれば──もっとも僕には聞こえていなかったけれど、また奇妙な笑い声が聞こえた(>*0 カリュクス)。 途端響く大きな金属音(>>#0)。 何を確かめるでも無く、その扉へあの強欲の男性がシていた様に(>>4:181 ニック)這って向かおう。 既に誰かが開けた扉にずるずると進む形になっただろうか。 意識は途切れ、次に戻った時には大学の近くの大きな病院にいた。]
(32) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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── 元の世界へと戻る ──
[真っ白な天井は今迄見ていた景色より余程偽りの世界の様に彼には見えた。 あれ程痛んだ筈の身体はもうどこも痛くない。 何が夢で、何が本当なのか。 彼はは何時の間にか気を失ってもう7日も眠ってしまっていたらしい事を知らされる。 其れは本当に起こった事。 では先程まで見ていたアの悪夢の様な世界は? 其の名の通り、悪夢だったとでも言うのだろうか。
ふと視線を辺りに写すと赤黒く染まった文字で書かれた紙が目に入った。 ──彼の心臓がどくり、と音を立てる。 其の隣にあったのは見覚えのある資料。 あの場所で見た物と同じもの。 そして其れを開けば見飽きた彼自身の顔。 そう此れは、彼の資料。 罪歴は天井と同じ様、白で塗り潰されていた。 もう其処には何も書かれていない。
──否、其れだけではない。]
(33) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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[真っ白な天井。 真っ白な罪歴。 真っ赤な血文字。 真っ赤な肉片。
僕が殺した瑠花は何処へ行ってしまったの? 僕が彼女を愛した証は何処に放られてしまったの? 違う、違うんだ。 僕はアレを罪だなんて思ってない。 消して欲しかった訳じゃない。 この世界に戻って来たかった、それだけなんだ。 どうして? どうして僕をひとりにするの? 僕はどうしたらいいの? 瑠花、瑠花──…。 愛しい僕の瑠花。 君はこの世界にはもういないのに、 僕の身体の中にももういないの? 僕の身体の糧となっているんでしょう? ねぇ、そうでしょう?]
(34) rity52 2016/03/07(Mon) 01時頃
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[お願い、いなくならないで。 瑠花、君の事を僕はワすれれたくない。 生きている限り君と一緒にいたいんだ。 君と永遠でありたいんだ。 あの日の君は本当に素敵だった≪美味しかった≫よ。
嗚呼、君が見た景色を僕は共有したかった。 君の瞳を口にしたらきっと君の見た景色が頭に広がるんじゃないかって。 馬鹿みたいな話だけど僕はそんな世界を夢見てたんだよ。
なのに、あれ…あれ? "僕 は 瑠 花 を 殺 し た"? 違う、嘘だ。そんな筈はない。 僕は殺してない。殺したのは彼奴だ。 僕の形をした彼奴だ。 他の誰が分からなくても僕は分かる。 僕は殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない殺してない。]
(35) rity52 2016/03/07(Mon) 01時半頃
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[この罪歴は何?これも彼奴がやった事だろう? 僕じゃない、僕は悪くない、悪くないんだ。 僕は殺してない。 アレ?ジャアナンデ僕ガ彼ヲ殺シタ時ノ事ヲ覚エテイル?]
…っ!ぅく、ぁ゛ぁ゛ぁぁああ゛ぁぁぁあぁあ!!! イヤダァ、イヤダァ………何デ……僕ハ悪ク……ナイ、 僕ガ殺シタノハ彼奴ジャナイ、瑠花ダ…瑠花ダヨ…違ウ…コンナ罪認メナイ認メナイ認メナ゛イ゛ッッ!!!!!
[僕は殺してない。 いや、僕が殺した? 全部全部僕のセい? そんなのは嘘だ。嘘に決まってる。 ダって、だって────……。
力任せに肉片を投げ入れたのは病室のゴミ箱。 けれどこんな場所に置いておいたら見つかッてしまうだろう。 僕はその時なんと言えばいい? あぁ、そうだ山奥にでも棄てれば良いんだ。]
(36) rity52 2016/03/07(Mon) 01時半頃
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[煩い脳内は酷い頭痛を寄越してくる。 僕は病室のシーツを力任せに破って叫んだ。
"二重人格ノ次ハ狂ッタ振リ!!" 頭に響く声は自分の声そのもの。 心の奥底では自分で自分を嗤っている。 けれどそれだって仕方ないだろう? 僕があれだけの想いを詰め込んだ行為≪犯罪≫が僕の手による物だっタと、もう誰も、何も証明してくれないのだから。 僕がその行為をしたのはそう……正に夢の中の出来事であったカの様。 家に戻ってももう彼女に会う事は出来ないんだろうか、 あの美しく白い骨を見る事は叶わないのだろうか。 そのかラだを思い出す事しか赦されないのだろうか。 それを考えて男はまたより一層狂うのだ。 ──演技などではなく、本当の意味で。]
(37) rity52 2016/03/07(Mon) 01時半頃
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──傲慢な娘は──
[あの後、娘はその罪を問われはしなかったものの、妙な難癖をつけられる娘だと火浦の厄介者扱いされていた。 確かに、あれが娘の罪とはされなかったとしても、それだけの事をされる何か、恨まれる何かがあるのでは無いか────と、勘繰られての事である。
とんでもない!と突っ撥ねた所で、所詮娘は女だ。 その時代の女はまだまだ社会的に弱い。 どんなに気が強くても、どんなに家柄が良くても、どんなに美しくても。 天刑病にて子を作らずとする娘に貰い手は無く、嫁にも行けず子を成す事もない女は無価値だ。 それでも火浦の娘だからと、女一人でも生きていけるような環境を整えてやろうとしていたのに、このような厄介ごとを抱え込んで。
娘は主張する。「私のせいではありませんわ!?」 だが、厄介者の娘の言うことなど、男たちは聞き入れる筈もない。 どんなに娘が家族を愛し、兄を愛し、その血筋を護らんと必死であったのか。それこそ、己の手を汚してまでしていたのに。 それを男たちは理解もせぬ。知りもせぬ。そして娘は、それを伝える術もなかったのだ]
(38) yumeneko16 2016/03/07(Mon) 02時半頃
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[娘は追い払われるように、ある家の妾にされた。 嫁ぐのではなく妾、である。それも大層娘には不服であったが、子供を産まないと決められた娘には抵抗できなかった。 妾になった相手は余命幾ばくも無いよぼよぼの老人だ。父親より余程年が上であるのに、娘を見初めたのだと言う。呆れたものだ。
では夜は、と言えば────節くれだった乾いた指先が、娘の艶やかな肢体を撫で擽っていく。 悍ましい。悍ましい、穢らわしい!! まるで娘の若いエキスを吸い取りたいかのように、乳房を揉み赤子のように乳首を吸い、全身を臭い舌でねっとりと味わい、秘められた谷底も其処から湧き出る泉も小さな果実も、全てが暴かれていく]
(39) yumeneko16 2016/03/07(Mon) 02時半頃
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[娘には抵抗する術もない。 ────枯れ木のような体をして、相手はそれでも男だった。力では、敵いようがない。 屈辱に涙しながら、反応してしまう体を恨んで────毎晩、そうして体を嬲られていたのだ。 時に、無理やり男根を口に捩込まれる。噛み切ってやろうかと思ったが、そんな事をして────火浦の家名に泥を塗ってはならない。妾ですら出もどりかと言われてはならない、言われたくはない。 だから必死に奉仕して、そして不浄の孔を暴かれるのだ。 暴かれ貫かれ揺らされ注ぎ込まれ。 こんな屈辱に耐えてまで、正妻の妬む視線をはねのけてまで、変態的行為を甘んじて受け入れてまで、娘はそれでも護ろうとした。 自身の大切な家族を、家を。然し────]
(40) yumeneko16 2016/03/07(Mon) 02時半頃
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[震災で、火浦の家は火に巻かれた。 家族は皆、行方が知れぬと聞かされて、止めるのも聞かずに駆け出した。 焼け崩れた火浦の屋敷を見て、膝から崩れ落ちる。 そうして放心している娘を、3人の暴漢が襲ったそうだ。
あゝ。 あの時、死ねば良かったのは自分ではないか。 どんなに薬を得ても、治らぬ。 自分の価値は、元には戻らぬ。 子を成してはならぬとされて時から自分は無価値だ。 それに火浦の血を残してはならないとはあんまりだ]
(41) yumeneko16 2016/03/07(Mon) 02時半頃
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[火浦の家は途絶えた。 家は焼け、皆死んだ。娘に至っては嬲られた後のその死体はどこに消えたか。 娘の護ってきた大切なものは皆消えた。
────遠く、遠く。 ケラケラと笑う狂った女は、あの娘であったのか。 それすらもう、定かでは無い]*
(42) yumeneko16 2016/03/07(Mon) 02時半頃
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[ 愛おしい少女が漏らす反応は酷く男を煽る。喘ぎ、震える身体、溢れる涙。苦痛も快楽ももっと与えて、色んな彼女が見たくなる。
優しくて、何でも許して、受け入れてくれる。 怒りのまま壊しても、興味のまま壊しても。 これ迄そんな存在、誰ひとりいなかったから。 いるわけなかった。普通は気分を損ねたらそこで関係はお終い。壊したら二度なんてない。
そう、それが普通のこと。
目覚めた少女の綺麗な手が、薬指だけ不恰好に長い。それでも彼女が喜んでくれれば、男も笑みを浮かべる。
女の子なら指輪の方が普通は嬉しいだろうに。]
………………。
[ 普通なら切断した指はくっついたりしない。ましてや他人の指がまるで生えたかのようにぴったりと。
そも、人は何度も生き返らない。この幸せが長く続かないこと、きっと理解していた。賢い少女ならば、自身よりもっと深く、とは推測の域を出ないけれど。
でもまだ気付かないフリをして。彼女と手を繋いで白い部屋へのんびりむかう(>>23)。束の間の幸福を噛み締める。それは赤い扉を潜る時も(>>27)。不恰好な指同士を絡めて。*]
(43) nagaren 2016/03/07(Mon) 13時半頃
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[ ──2160年2月29日(土)、意識を取り戻す。 広い病院の個室。幾本もの管に繋がれて。テーブルの上には仕事関係者からの見舞いの品。]
……ヨー、ランダ……?
[ 真っ先に漏れたのはその名。目覚めた事を機器が知らせ、すぐに医者が入ってくる。頭がやけにぼーっとする。七日間眠り続けていた事を聞かされ(>>#1)れば、狼狽える。赤い扉を潜ってからの記憶がない、そこから一週間?
つい先刻まで、手を繋いでいたじゃないか。そっと掌を持ち上げる。筋肉が衰えていて、少し億劫ながらも。]
……あッ!? 指は……!?
[ 切断した筈の薬指が当然の様にあった。医者に訊ねるも、首を傾げられる。元に戻した訳ではなく、怪我は最初からしていなかったそう。]
嘘だ……、俺は指を、指を、
[ 彼女の指の方は? ……当然、病院着に着替えさせられていて、ポケットには何も入っていない。嘘だ。あの胸糞悪い誘拐事件も、彼女との出会いも、すべて夢の中の出来事?]
(44) nagaren 2016/03/07(Mon) 18時頃
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[ 訝しんでいた医者が消えてから、サイドテーブルに資料を見つける。その装丁には数え切れないほど触れた記憶があった。……夢の中で。
開けば、その中身(>>#2)、切断された腕らしき物を認め──勢いよく閉じた。]
……ッなんだよ、コレ……!!
[ 振りかぶり、部屋の隅に向けて投げ捨てようとして。しかし、やめる。はー、と息を吐き、再びゆっくりと開く。この腕は、殺した男の腕だ。離さぬよう確り握り締めていたのだから、見間違える筈もない。]
あれは……夢じゃねー……、
[ ブチブチと繋がれた管を引き抜き、病室を出た。見舞いで訪れた同僚に資料を押し付け、鑑識に回させる。他の入院患者について訊ね、ヨーランダがここに居ないと確認出来れば、その足で職場へ向かう。]
あークソ女? そーだよ俺様だよ 調査を頼みてーんだが
[ 通信機は再び動作するようになっていた。]**
(45) nagaren 2016/03/07(Mon) 18時頃
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[ 自身の犯罪の証拠を鑑識にかけるとは酔狂な事だろう。しかし本人に罪の意識はまるで無かった。そう、これ迄と同じ様に。
ニコラの腕にはくっきり男のものと良く似た手形が残っており、当然疑いは向けられる事になる。──が、それをつけた者には薬指の欠損がある筈だとも鑑識によって示される。
元の時代に帰った男の指に欠けは無い。あの時の少女との絆が疑いの目を背けてくれたのだ。
だが男はそんなので満足しない。]
早く見つけろクソ女……!
[ 捜査の裏では情報処理に長けた同僚に"ヨーランダ・パトリック・シルトン"の捜索をさせる。当然職権乱用であり、機密データベースの私的利用である。
2160年現在、少女との同姓同名は存在し、一人一人確認するが──当然、時代が違うのだから見つかる訳がなかった。]
(46) nagaren 2016/03/07(Mon) 21時頃
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[ ──2160年3月3日、調査対象発見できず。 対象を現代生ける者に絞ったままでは当然少女を探し出す事は叶わない。] ……クソ……、
[ 望みを失いかけた時、過去に目を向けさせてくれたのは、皮肉にも、少女を傷付けたあの男。
──ニコラ・ド・フォンブリューヌ。 発見された腕は三百年前の伝説の猟奇事件、数多の人形作りを行い怪死を遂げた容疑者の物ではないかと、DNA鑑定の結果が示していた。
なぜ近日切り取られたかのような状態で発見されたのか、物議が醸されることになる。
それ自体には興味はなかったが、もしやと、少女の捜索は過去にも及ばせる。
強制退院後、一度も家に帰っていない。仕事は有給の消費にあて、泊まり込み同僚のケツを叩く日が続く。
──もう、一歩。あと少しで手が届くか。]
(47) nagaren 2016/03/07(Mon) 21時頃
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[ ────因みに。 ニコラの腕はその後長らく日本国内で調査されたのち、フランス警察へと引き渡される事になるようだ。
けれど謎は謎の儘。解決することはない。 元の人形事件、怪死事件と同じく、コールドケースとされ。
その腕はフォンブリューヌ家の遺体が埋葬された墓か、その近くに納められることとなったのかも知れない。
いずれにせよ、数年か、数十年先のことで。 男には、知らぬことだろうが。]
(48) nagaren 2016/03/07(Mon) 21時頃
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[ ──2160年3月9日、少女を発見。 男に向けられた疑いは完全に晴れた訳ではない。少女を捜すという個人的な捜索は、事情聴取される傍で行っていた。
そして漸く。漸く、彼女を見つけた。 あんなに超常的な現象を受け入れられなかったのに、その生きた証を見つけたら、驚くほどすんなり認められたのだ。
当時の住所を控えて、自宅の社員寮に戻る。伸び切った髭を剃り、喪服を纏って。
倒れた日に持っていたナイフを持って行きたかったが、流石に空港で引っかかる。現地で調達しよう、と。
"必ず届ける"と言われたことは、忘れてはいないが。何のことだかさっぱりだった。
そうして日本を発ったか。]
(49) nagaren 2016/03/07(Mon) 21時半頃
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学園特警 ケイイチは、メモを貼った。
nagaren 2016/03/08(Tue) 00時頃
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[男の断末魔、消えゆく灯火の存在。 笑いが響く音、奇妙な犯人らしき存在。 がちゃんと響く音、赤い扉の存在。 君は誘われるままに、 手をかけて扉を抜け─── 。
……其処で、君の意識は途絶えた。]
(50) ゆら 2016/03/08(Tue) 03時半頃
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[暗い。世界が、真っ暗だ。 君は、何をしている…? ごそり、君が動く。 僕を覆い隠していた布が、動く。 差し込む光が眩しくて、 僕は光を反射して、揺れる。]
此処は、……?
[君は、ベッドの上へ横たわっていたのだ。 見慣れたパリ医院のひとつの。
先ほどまでの出来事は、夢だったのか? これまでのことは、君の妄想だったのか? 頭が、ずきりと傷む。………]
(51) ゆら 2016/03/08(Tue) 03時半頃
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[動く腕が、一枚の紙に触れる。 拾い上げて、文字を追う君の瞳は、 酷く憔悴しきっている。嗚呼、]
夢では、なかったのか……
[君の罪は全て白紙へと戻された。 君の家には、大切に保存された、 《 愛すべきものたち 》はあるはずなのに。 君の大切な母親のそれを手に入れたあの、 幸せなひと時さえも、史実の中では、 なかったことにされてしまうのか。 君のこころの中には、残されている。 あの光景も、なにもかも、すべて。]
(52) ゆら 2016/03/08(Tue) 03時半頃
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[けれど、新たに記された、罪は。 ……ニコラ。 不運にも選ばれてしまった男。 撃ち抜いた左大腿が共に添えられていて。 君は、小さな笑みを零していた。]
私は、罪人になってしまった、 私は、この罪を背負って生きねばならぬ あの、悪魔に嵌められたのか。
[そう、これまで罪人ではなかった君は、 罪人であることを自覚してしまったのだ。 それも、望まぬ形、罪で。]
(53) ゆら 2016/03/08(Tue) 03時半頃
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