24 ロスト・バタフライ
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[緩く手を絡めた、侭 妹の眸を見つめ返す。 淡い、色合いの瞳に、吸い込まれそうな錯覚を抱く]
私だって。 ヨーランダが片羽じゃなきゃ――きっと。
[触れる、伝う、指先の感触。緩く目を伏せて]
それは綺麗なものかもしれない、強さ、祈り、命。 それは醜いものかもしれない、弱さ、蔑み、命。 よくは分からない。
けれど――私は生きたいと願うことを肯定するわ。
[妹の悲しげな声を拭うように、はっきりと、言って。 そっと片手を妹の頬に触れさせ、撫ぜ、顎を緩く掴む]
生きているから残る欲も、……ね。
(27) 2011/01/27(Thu) 03時半頃
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願いは一つじゃ、無い。 姉さんが悪霊、と呼んだものにも。
私達にも。
[姉の言葉に一つ、頷いた。 触れる指先が滑り、顎を掴んでも抵抗はしない。 眸をそっと、閉じるだけ。]
綺麗なもの、醜いもの。 人の前に沢山の物が映れば、 どれが本当か、分からなくなってしまいそう。
この、 ―――――、場所のように。
(28) 2011/01/27(Thu) 04時頃
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……そう、ね。
私が感じている物が偽りかもしれなくて、 それは決して"悪"とは言い切れないのかもしれない。
眼に見えるものが全てじゃない。
[この場処の様に、と、見失う風の色合いに、 絡めた手を離して妹を強く抱き寄せた]
―――私という存在は、 醜くても綺麗でも、 何であろうと貴女の姉で、片羽よ。 それだけは見失わないで。
[言い切って、触れさせる唇。 この温度だけは、感覚だけは確かなのだ、と]
(29) 2011/01/27(Thu) 04時頃
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ん。
[触れ合う唇。 鼻から漏れた小さな呼吸。 やがて唇が離れれば小さな声で囁いた。]
眸を閉じても、此れだもの。 見失う方が、難しいものもあるのね。
[くすくす、と小さく笑うが]
―――
[矢張り、言葉に詰まり垣間見せる面は芳しく*無かった*]
(30) 2011/01/27(Thu) 04時頃
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だって、 …欲しいんだもの。
[唇を離しては弱く笑って、 続く言葉を待ってはみるが、]
……ヨーランダ。
[その表情に差す陰りのようなものが魂を震わせる。 その場で、求めるではなく包みこむ様に、 ゆるく抱き寄せ、髪を撫ぜる。
魂を分かち合った二人は時にこうして共振する。 それを少しでも、和らげようと**]
(31) 2011/01/27(Thu) 04時頃
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>>19私も頂きますぞ。空腹の感覚がないのは怖いことなのですよ、必要なものを必要というサインを失っている状態ですからね。
[受け取った食事をいただく。]
これはなかなか…。未知の材料でこれだけのをよく作りましたな。流石と申しましょうか。
(32) 2011/01/27(Thu) 09時頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2011/01/27(Thu) 09時半頃
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― 湖畔の小屋 ―
[皆が食事を始めた頃、わたくしはひっそりと小屋を出ました。 足は自然とあの墓地へと向かいます。 まるでお前の居場所はここだと、謂わんばかりに。
そして、最初に座っていた墓の前まで来て。 わたくしは眼を見開くのでした]
……この、名前。
[墓石に刻まれた死者の名前は………のもの]
どうし、て……?
[震える声が唇をついてでます]
(33) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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[自分とレティで釣り上げた魚に、更に果物が加えられ。 食卓を彩る鮮やかな料理に、目を見張る。]
うわぁ、すごいなぁ。 僕たちが釣ってきた魚が、こんなに美味しそうなものに変化した。 ねぇ?レティ。
[共に連れ立った金髪の少女にふいに目をやれば、彼女はどういった反応を示すだろうか。 しばらく緩やかな時間を過ごしていると、ふぁ、と漏れた大きなあくび。 散々歩いたせいもあり、疲れが出てきたらしい。]
雑魚寝、平気平気。 じゃぁ僕もおやすみなさい。
[ソファーに横たわり寝息を立てる少年の髪をくしゃりと撫でると、 フィリップが用意してくれた>>22毛布を一枚いただき、部屋の隅でごろんと横になった。 でかい図体が横になる様は、割と邪魔かもしれない。]
(34) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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[おそるおそる、手を伸ばします。 墓石に触れて、そして刻まれた文字をなぞって]
――…嗚呼。
[わたくしは深く深く、嘆きの溜息を吐くのでした]
(35) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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―深夜―
[明かりが落とされた部屋で、ひらひらと舞う蝶の姿。 それは一度自分の肩に触れて、また離れる。]
…?
[ふと目を覚まし、それを目で追っていると。 蝶は寝室の奥にふらりと消えていった。 あそこには女性が眠っているはずだ。入るのはためらわれたけれど。 導かれるように、ふらふらとした足取りで蝶を追いかける。]
(36) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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―寝室―
[音も立てず、声も立てず、静かに寝室に入る。 蝶はひらひらと弧を描き。 やがてレティーシャの傍に留まると、すぐに興味もなさそうに離れていった**]
(37) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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わたくしはただ……あの人に逢いたかっただけ、なのに。 これは罰だと言うの?
[墓石を何度も撫でます。 その文字が消えてなくなればいいというように。
いまだ記憶は霞がかって、その霧の向こうに浮かぶどうしても逢いたかったあの人の姿ははっきりと見えません。 でも、判ってしまったのです。
なぜ自分が此処に居るのか。ここで何を為すべきなのか]
(38) 2011/01/27(Thu) 10時頃
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[だけど――
それは神の意思に背く事。 たとえ、わたくしの魂がすでに穢れていたとしても。 他のみなさんを――ロバートやフィリップを、同じ闇へと落としていい訳ではないのです]
どうすれば、良いの……?
[うなだれ、崩れ落ちる身体。 聞こえるはずのない聲へと、わたくしは問わずにはいられなくて呟きます。 返って来るはずのない答えを望んで――]
(39) 2011/01/27(Thu) 10時半頃
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…――――
私は、一足先に毒見を致しましたから 一応、私はまだ大丈夫なようだし、死にはしないかと
[真顔で事を言いながら、私は皆様の食事が終わるのを待ち。食事が終わったのなら、食器を洗います。こうしていないと、私は]
…――――
(40) 2011/01/27(Thu) 11時頃
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―― 深夜・台所 ――
ああ…――――
[胸が熱い]
イライラする…――――
[大事な物を]
それもこれも…――――
[取り戻すために]
貴様達が悪い
(41) 2011/01/27(Thu) 11時頃
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[誰もいない墓地に、啜り泣く女の鳴き声が響きます]
――……やるしか、ないのね。 この穢れた魂は、あの方たちのために捧げるために此処にあるのだから。
[眦に浮かぶ涙を拭います。 心を決めなければなりません。
わたくしを導いて下さるあの方たちへと殉じるか。 それとも、神の子として抗うのかを]
嗚呼……。
[それでも、唇からは震える声が洩れ出るばかりで]
(42) 2011/01/27(Thu) 11時頃
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[ヒラリ、私の肩に蝶が止まる。そう、私は蝶が好きだ。私の世界に必要な物、それは静寂。静かな眠りを、静かな日々を、何もない日常を、求むる事が悪だろうか。あるべき物を、あるべき姿で、あるべき場所に。そう思うのが悪だろうか。いいや、悪なのかもしれない。行動も、行動理由も、正義とは言い辛い。それでも構わない、何の問題もない。他者から悪逆と罵りを受けようと。残虐非道をさげすまれようと。私は一向に構わない。静かな夜を、再び我が手に。]
君達が悪いのだ 死者に会いたいなどと、夢を追うから 会いたいとすら思ってもらえない魂は、どうしたらいい
静かに眠っていた魂は、君達が歩く度に起こされて 代償だ、代償だと何かを支払う度に 悲しみを纏った蝶達が、その数を増やしていく
死者の世界は、死者の物 生者がそこに踏み込む代償は、本来たった一つしかないのだ そいつを支払って頂こう
(43) 2011/01/27(Thu) 11時半頃
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[ひらり、と。 黄金の蝶が舞います。
金の鱗ぷんの軌跡を靡かせて、ひらりひらりと]
……ま、って。
[わたくしは慌てて立ち上がると、その蝶を追いかけます。
蝶は道標。 わたくしの歩むべきを示す、みちしるべ]
(44) 2011/01/27(Thu) 11時半頃
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[黄金の蝶は小屋の中へと入ると、 真っ暗な台所の中に立つ人物の肩へ、ふわりと舞い降りました。
それと同時に、わたくしは理解します。
霧がかった記憶の中、逢いたいと願っていた人の姿が誰のものであったのかを]
(45) 2011/01/27(Thu) 11時半頃
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…――――?
[どうやら、まだお休みになってない方がいらっしゃったよう]
コリーンお嬢様、如何致しました? こんな夜遅く、危のう御座いますよ
(46) 2011/01/27(Thu) 11時半頃
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…………。
[ロバートの言葉に、銀の髪を揺らして。 ふるりと首を振ります。
この身に危険が及ぼうとも、構わないと言う様に]
ロバート……。 良いのです、もう。
わたくしは決めたのです。 あなたに、この魂を捧げると。
(47) 2011/01/27(Thu) 11時半頃
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お嬢様…――――
私に捧ぐと言う事が、どう言う事か 理解出来ているのですか
もしそうなら、こちらにどうぞ 私の心を、私のする事を教えて差し上げます
[彼女の方に、右手を差し出し。もし手を取るのならば、私の中にある「怒りの炎」の一端を、彼女に語ろうと思う。]
私は、恐ろしいですよ
(48) 2011/01/27(Thu) 12時頃
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ええ、全てを理解してわたくしは、今ここに居るのです。
[差し出された右手に、そっと自らの手を重ねます。 見る者がいたならば、それは甘やかな仕種に見えるやもしれません。
わたくしは恭しくその手を取り、そっと頬へ寄せました。 どのような恐ろしい事で合っても構わぬと言うように]
(49) 2011/01/27(Thu) 12時頃
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ならば、構わない…――――
共にいらっしゃい、静かな夜を取り戻すために
私はIra…イーラ… 憤怒の炎に身を焦がし、自らを焼き、友を焼き、他者を焼く
この先貴女に、幸福などない あるのは苦しみと悲しみ そして、その後に来る長く静かな夜
身勝手な夢を見る生者に、正しい報いと代償を
[微笑み、と言う器。静かな眠りを壊す者に対する憤怒の魂。きっと私が、最たる破壊的悪。そんな私の右手が、彼女の頬に寄せられていく。そっとなでる私の手には、熱などないと言うのに。]
いらっしゃい、今から一人、正しい代償をもらいに行く
(50) 2011/01/27(Thu) 12時頃
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幸福など、要りません。 わたくしの望みはあなたに逢えた事で、今就実したのですから。
[頬寄せたロバートの右手。 それはとても冷たく、それでいてとても熱く感じるものでした。 憤怒の炎と彼が口にする通り、 まるで氷のような冷たさの中に青い炎が燃え盛っているかのよう]
代償……。
[ごくり、と思わず喉が鳴ります。 けれどもわたくしはもう決めたのです。この魂に殉じると謂う事を]
どこへなりとも……連れて行って下さい。 わたくしはあなたの魂のしもべ。わたくしの魂は、あなたの望むままに。
(51) 2011/01/27(Thu) 12時半頃
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…――――
望み、か
[小さく、微笑みがもれる。そうだ、生者にも望みがある。生きる事すら、その一つだろう。私にも、望みがある。だから殺す、だから壊す、怒りのままに、破壊するのだ。]
そこに、片足を失った男が眠っている 外に出したい、手伝っておくれ
目立つところに、転がしたらいい ああ、小屋の目の前に、樹があったろう そこに座らせよう
しっかり見るんだよ 実体化するほどの魂が、どのような力を持つのか
その後に、チャンスをあげよう 真に私の物になるか、選ぶ機会を
(52) 2011/01/27(Thu) 12時半頃
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[こくり、と頷きます。
命ぜられればそのままに。 わたくしはロバートと二人、示されたその人を運ぶために身体を支えるのでしょう。
二人がかりとはいえ、男の人の身体を運ぶのは大変です。 額に汗の玉を浮かべながら、辿りついた大樹の下。 謂われたとおりに眠る男の人を座らせました。
そして瞠目します。かの怒りが齎す力を]
(53) 2011/01/27(Thu) 12時半頃
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ありがとう、助かった 正直、今日は疲労したんだ
皆をここに集合させたのも、この時のために 死者の怒りを買った生者に、反省の機会を与えるために
[片足のない男は、深く眠る。永久の眠りだとは知らず。明日にはまた目が開くのだと信じ。そうさ、大きな声を出されると意味がないんだ。だから食事を振る舞い、寛ぎをあたえ、ゆっくり眠ってもらったんだから。]
おやすみ 今日から君も、この墓地の住人だ
[座った男に、そっと唇を寄せて。右手は、声を出さぬように喉を掴み。唇が重なりあった時、じりじりと音がした。何かを焼く、嫌な臭いがする。男は目を見開いたが、最早遅く。体内に宿った熱さは、次第に彼を動かなくした。断末魔すら、私の唇に阻まれたままで。完全に動きが止まった頃、私は彼から唇を離し。ほぅ、と、深い息を吐いた。]
臓腑を焼く、と言うのは痛いんだ 生涯感じる必要のない痛みだから
[ああ、感じる、私の怒りが和らぐのを。これできっと、暫くは大丈夫。破壊衝動も、随分と我慢出来るだろう。]
コリーン こんな私の口付けを、受ける気が御座いますか?
[本当は、私の怒りの炎は暫く外に出る事はないのだが]
(54) 2011/01/27(Thu) 13時頃
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[名前も知らない男の命が、今終わる。 薄紅色の眸は瞠目したまま、 その儀式にも似た口接けが終わるその時まで、わたくしは瞬き一つせず見詰めていました]
臓腑を……。
[焼く、と呟いて。 昔聞いたことのある話を思い出します。
この世界で一番苦しみを伴う死に方は焼死であると。 生きながらに焼かれ、己の肉が焦げる匂いを嗅ぎながら死んでいくと言うのはどのような心地なのでしょう。
ちらり、と。生終えた男へ視線を投げます。 見開いた目が何を思うのか、わたくしには最早判らぬまま。
ロバートの方を再び見やり]
(55) 2011/01/27(Thu) 13時半頃
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――あなたがそれを望むのなら。
[わたくしは、嬉しさから。 ふわりと、子供の稚さで微笑むのでした]
(56) 2011/01/27(Thu) 13時半頃
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