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こんな感じかなあ。
[はのんはいつもはナチュラルメイク。 お化粧してないっぽくばっちりお化粧する主義なの。 だけど、劇ってなったらいつもとお化粧も変わるから、 いつもよりくっきりはっきり、 お化粧してます! って感じにしたの。
鏡に映るはのんの顔は、いつもより華やかで、 ふっ、ってはのんは、時々廊下ですれ違う 下級生の女の子のことを思い出したの。
綺麗な顔してるのに、お化粧が下手でもったいない子]
(26) 2018/10/15(Mon) 01時半頃
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[お友達だったらお化粧やってあげたのになあ、なんて、 いつもより色々持ってきたお化粧道具を見下ろして、 はのんはそんなことを考えたの]
あ、黒江ちゃんネイルしてるー。
[黒江ちゃんの爪が真っ赤に彩られてるのを見て、 はのんは珍しいなって思って、思わず声をかけてたの。 黒江ちゃんでも文化祭なら気合が入るっていうか、 テンション上がるのかなあ?**]
(27) 2018/10/15(Mon) 01時半頃
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―― キャンプファイヤー ――
[潮田瑠璃が俺と話して離れる頃合になって、だろうか。 ふっと視線を感じて顔をあげる。
昼頃すれ違った辰巳がまた、こちらに視線を投げかけていた……ように思う。>>819
見るなよ。と思うが、何もいわずに見返し、視線を逸らした。 どうして俺も俺で気にしてしまうのだろうか。 そう考える前に、思い出されるのはやはりサッカーをしていた頃のことだ。]
(28) 2018/10/15(Mon) 05時頃
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[背後から飛ぶ声。ディフェンスにかけられる言葉。その指示次第で、戦況は大きく変化する。
ある時はそれに信頼を置き、ある時はその穴を見つけて話し、そうして「勝ちに行く」試合が好きだった。
ゴールキーパーから出されるパスをどう繋げてゴールまでもっていくかは、いつだって試合の中での大きな課題だった。
あれだけ背があれば広く守れる。 それに、遠くまで見渡せるだろう。 有望だとかつての仲間が言っていたのを知っている。 ああ、戻りてぇな。サッカーをやってみたい。
二年の大会、最後まで出て、 俺が一年のときの三年がそうしてくれたような、人並みなことをしてみたかった。]
(29) 2018/10/15(Mon) 05時頃
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[……ぎり、と歯噛みする。
駄目だ。そういう考えが既に苦しい。 どうやったって俺は、今の俺がそれを望むことを許せねえ。望んでしまう未練がましさに苛立った。
――努力が、「楽しい」というわけではないけれど。 ――俺が求めたのは、精一杯努力してようやく追いつけるものだ。>>0:488
――怪我のせいで中途半端。 「使えない」なんて、俺が一番許せない。納得できない。]
(30) 2018/10/15(Mon) 05時頃
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[まるで恋だ。 楽しそうにサッカーをして、これからの未来があるあいつを見るたび、俺は「サッカー」への愛を思い出してしまう。
生きるには長すぎて苦しすぎるくせに、たった一瞬しかない命。 その命の中で、心を情熱を、傾けるに値したもの。傾けられると思ったもの。
もう手が届かない。 「俺も昔はああやって走ってたんだけどな、」なんてコートを懐かしげに見る自分が未来にいたら、俺はそいつの首を絞め殺してやる。
楽しげにまだボールを追いかけられる姿に焦がれる事があっても]
(……羨ましいなんて死んでも言うか、クソ)
(31) 2018/10/15(Mon) 05時頃
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[落とされた呟き>>0:820は知らず、俺は立ち上がり校門から外へ出て行く。
まだいたのか、校舎に紛れ込んだ野良犬の黒い双眸がこちらを見ていたので、「ガウ」と吠えてやった。びくりと震えどこかに走っていってしまう。 犬に憐憫が備わっているとは思わないが、うざったいので死ねばいいと思った。
校門を出て暫く歩けば、そこに箱庭はない。 病的な何かを渦巻かせながら、表面上はやわらかくある世界はそこで途切れていて、ただただ夜が俺を見下ろしている。
……今日も走りたくなった。 家に戻りながら、端末の返信を確認する。 安住からの返信はない。
そういえば、随分と安住を乗せていない。 勝手に話しやがる愚痴や世間話を聞いていない。
まあ、そんなもんなんだろう。 俺は「大丈夫か」と声をかけることもなく、夜闇を行く。]
(32) 2018/10/15(Mon) 05時頃
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[家に戻れば、珍しく親父が帰っていた。仕事と孤独しかないような男は、つかれきった顔でネクタイを解いている。まだローンが残っていた一戸建てではなく、アパートの一室。「おかえり」も「ただいま」もなく、母の姿もなく、俺はただかけられているライダージャケットに手をかける。]
「九十九」
[呼びかけられて顔をあげる。とうに縁を切りたいと思って止まない疲れた顔が、めずらしくこちらを見ていた。]
「考え直す気はないのか。 受験もしないなんて――……」
[受験、も、何も。 やりたいこともない場所に行って金だけ浪費する人生になんの意味があるんだ。 冷笑。]
(33) 2018/10/15(Mon) 05時半頃
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しねえよ。母さんとの裁判の事だけ気にしてれば
「……。 またバイクに乗って外に出るのか。 友達はどうした。勉強はどうした」
勝手だろそんなの。ダチだってちゃんといるわ。
[走り屋の連中はオトモダチではないが、その時の俺は洋次郎のふやけた笑い顔を思い出している。 一瞬浮かんだ四十崎の顔は、そっと見ないふりをした。
俺は別につっかかりたいわけじゃない。 家庭が崩壊しても稼いでくれる親父には多少感謝している。しているつもりだから、静かに走りたいだけなのに、子供に「正しく」あってほしい親父がそうさせてはくれない。そんなの、多分、自覚ないんだろうな。]
「ろくでなしばかりとつるんで 父さんはお前をそんな風に育てたわけじゃないぞ」
[だから、今日もこの男は、地雷を踏んでいく。 俺はそこにあったハンガーを投げた。畳に跳ねる。威嚇にもなりゃしない。]
(34) 2018/10/15(Mon) 05時半頃
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一体誰のせいでこうなったんだ、ええ?! 好き好んで生まれたわけじゃねえんだ
あの女の浮気さえ止められねえくせに大口たたくな、クソ
[怒鳴り返した。怒鳴り返して、やめて、表情もないままに右手を差し出す。いつものように。]
……
[険しい顔をした親父は、けれど何も言い返せなくて、肩をいからせながら財布をとりだした。握らされた金を奪うようにしてその手を弾き、睨んであざわらって、俺は部屋から出て行く。
こうして心に傷を負った親から金をむしる子供を、一般的にクズというと思う。 そんなことはわかっている。ほとほと嫌気はさしている。
それでも、そうじゃなきゃもう息なんてできそうもなかった。ああ。いやな笑いが浮かぶのが分かる。人間として腐っていく。]
[駐車場の片隅に止められた蒼い機体は、今日も静かに俺を待っていた。天使のステッカーをざらりと撫で、またがって、そのエンジン音を子守唄のように聞く。見上げた夜空は真っ暗で、何にも俺を責めはしない。
今日もまた満たされない心で走る。走っている間だけは、夜の間だけは、この心の隙間もなくなるような気がして。]
(35) 2018/10/15(Mon) 05時半頃
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[万に一つも満ちやしない「9999」のあがき。
腐り落ちてなくなるだけの首輪がまだあるなら、さっさと朽ちてくれやしないか。>>0:345 朽ちさせてくれやしないかと、今日も思いながら、中途半端な境界線をゆく。*]
(36) 2018/10/15(Mon) 06時頃
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―― 文化祭/3年A組教室→廊下 ――
[結局、何を期待しているのかといえば、まともであれること、だろう。 とうに逸脱して戻りようがないけれど。]
(37) 2018/10/15(Mon) 06時頃
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[文化祭当日。 遅刻するでもなくきちんと道具係の手伝いをしにいったのは、「友村と四十崎が不穏だ」とか運搬時に零されたからに他ならないが、別にそんなことをいちいち説明する俺でもないので、周囲からの反応は「なんでこいつここにいんの」の一点であったことを添えておこう。
劇で使う道具がきちんと揃っているか、欠けがないか、それを見て回り リハで壊れたらしい小道具をバイクのメンテをするような器用さで直しておいた。]
女ってホント化粧で化けるんだな
[いつもと違うカオ>>26をした友村に、ただの感想を零した。そういえば黒江の爪も赤かったか。 へえ。という感想を抱いた後、俺は教室を後にする。 本番の舞台にあがることはない。 だから、ふらふらと浮かれた空気を吸いにいくだけ。
……喫茶店やら吹奏楽の公演は、ヒマがあれば顔はのぞかせただろうけれど。ヒマがあればな**]
(38) 2018/10/15(Mon) 06時頃
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独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2018/10/15(Mon) 06時頃
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―― 前夜祭 ――
[応援してる、という>>0:704 葛くんの言葉に、わたしは目を瞬かせます。
素行が悪いなどと おかしな噂を学校で立てられている彼の、 素の一面を垣間見た気がしたのです。
……らしくない、などと形容したら 葛くんに怒られてしまうでしょうか。 きっと本来の彼は、いつぞやの手紙のように 心根のやさしい人なのでしょう。
ふ、と わたしは笑みを浮かべて彼に振り返ります]
(39) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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応援ありがと。 高校で最後の演奏になると思うから、 よろしく。
[発した台詞が、自分に跳ね返ってきました。
そう、さいごなのです。 わたしが、ホルンと共にあれるのは。 明日で終わりなのです]
(40) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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じゃあね。また明日。
[なんだか泣きそうになってしまったので、 わたしは前を向いて 足早に葛くんから離れます。
こんな顔をしているのを 葛くんには見られたくない、と 思ったからです]
(41) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[不幸な事故で、 サッカー部をやめることになった。
そう噂で聞いていました。 それからずいぶんと荒れてしまった、とも。
わたしが、何らかの理由で 吹奏楽をやめることになっていたら。 想像したことはありますが、 きっと耐えられません]
(42) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[葛くんは、どちら側の人間だったのでしょう。
仄日ちゃんのように「興味ない」>>0:342と はっきり言い切れる側の人間だったのでしょうか。
それとも、わたしのように――……]
(43) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[後者だとすれば、それは悲劇です。
ああ、でもきっと安住英子は 前者の人間だったのでしょう。
そうでなければ、なんで]
(44) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[ばち、ばち。
乾いた音を立てながら、 キャンプファイヤーの炎が爆ぜています。
ふと、各務くんが仄日ちゃんの手を取って フォークダンスの輪の中に>>0:807>>0:817 エスコートしてゆくのが見えました。 変わった組み合わせだな、と思いました。 同時に、その光景は青春の輝きに満ちていました]
(45) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[わたしには、ホルンしかありません。 ホルンだけが、青春でした。
踊る各務くんの表情は 明日の演奏への緊張など微塵も見えませんでした。
うらやましいな、という感情が芽生えます。
わたしは、とてもちっぽけな人間です。 いちごみるくの飴玉に、縋ってしまうくらいに。
耐え切れず、わたしはその場を後にしました]*
(46) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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―― 文化祭当日朝 / 体育倉庫の裏 ――
[朝早くからわたしは ホルンの自主練に励んでいました。 いつもの朝練の定位置は 3-Aの教室のベランダでした。
けれど文化祭の今日ばかりは クラスのみんなの邪魔をしてはいけないと思い、 早朝から体育倉庫の裏を陣取っていたのです]
(47) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[ふと、ホルンの音色が止まります]
……英子ちゃん。
[名前を呼ばれ、わたしは振り返りました。 そこにいたのは、安住英子でした。
掛けられた言葉に、わたしは顔面蒼白になります]
(48) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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「酷いよ」
(49) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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「――――――――」
(50) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[絞り出すように、そのふたことを囁きました。
安住英子は、そのまま くるりと踵を返して、そこから去ってゆきます。
あとには、ぽつんと ホルンを抱えたわたしひとりが残されました]
……………っ、
[どれだけ、そうして立ち尽くしていたでしょう]
(51) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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大丈夫、……大丈夫。
[ポケットから取り出した いちごみるくの飴玉を、ぎゅうと握りしめます]
ホルン、吹かなきゃ。
[震える唇を、無理やりに マウスピースに押し当てました。
きっとそのときのわたしは、 泣きそうな顔をしていたことでしょう。 心臓を掴まれるような感覚に、眩暈を覚えます]
(52) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[物悲しいホルンの旋律が、 体育倉庫の裏からグラウンドへと響いてゆきました]**
(53) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[はのんと四十崎くんが揉めたって、 噂になってることなんか知らなかったの。>>38
昨日、四十崎くんが教室を出て行った後、 その場にいた人たちに はのんは気にすることないとか、 四十崎君言いすぎだよねとか、 慰め? られたけど、それも意味がよくわかんなかった。
はのん、慰められるような目にあったっけ?]
(54) 2018/10/15(Mon) 14時頃
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[四十崎君は言いたいこと言って、 はのんも言いたいこと言っただけだよねえ?
でも、四十崎君は謝ってたから、 やっぱり悪いのは四十崎君なのかなあ?
はのんは謝られるようなことされたと思ってないし、 謝った四十崎君の方が、 なんだか傷ついてるみたいに見えたんだけど、 よくわかんない]
(55) 2018/10/15(Mon) 14時頃
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