241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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── 西エリア:盟海珈琲店前 ──
[ "楽園"へたどり着くために通らねばならない場所。 其れがこの盟海珈琲店だった。
珈琲は好きでも嫌いでも無いし、 目的地は別の場所にあるのだからスルーすべき。 ── と、思っていたし、 思っている、…のだけれど、 氷の道が途切れたところで、翼の人影>>152。 ]
(163) 2018/05/13(Sun) 22時頃
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ヒイロ。
[ ほら、彼処。って。
白い指先は彼の指名手配犯サマと、 それから それから、狼四つを指して。 だけどすこぅしストップ。と言いたげに手を動かした。
( 聞こえただろうけど、 あいつ、偉い奴以前に指名手配犯 )
こっそり呟いた言葉は、つまり、 一般人とは"色々"違うんだよなって、 恐れの意味を含めている。 ]
(165) 2018/05/13(Sun) 22時頃
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── ねえ、黒牧さん、通してくれない?
[ 黒牧ことゲームマスターが聞こえないとか、 興味が無かった以前に知らないので。 ( …そもそも世の中、 だいたい"聞こえる"前提なのだ。 ) これも、フツウに、 聞いてしまうわけである。
お返事はあったかどうか。 代わりに狼が飛んできてもおかしくないので、 眼鏡と狼の瞳を、碧は行ったり来たりしていた。 ]
(166) 2018/05/13(Sun) 22時頃
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[ 返事があった>>171。 自分の声と噛み合っていない…訳では、無いけれど。 後ろからかかるヒイロの声>>173は、 言う通り届いていない様で。
── だから、ある意味予想通り、 狼たちとご対面ときた!>>172 ]
(182) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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…紙と鉛筆ぐらい用意してくれてもいいのにな。
[ 割と此方の返事も呑気だった気がするけれど。
慣れたのか、慣れてしまったのか、 或いはまだ、境界が曖昧なまま此処に立っているのか。 ( ─── 答えは未だ、 )
考えもつかの間、 口元に手のひらを添え、 先程道を凍らせたみたいに、
── ふッ と 氷の一息。 ]
(183) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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[ 冷気は辺りを包み、 形となって飛び掛かる狼たちに纏いゆく。
蛙のようにそのものを凍らせるには 触るのが手っ取り早そうだけれど、 …身体的なスペックとリスクを考えると厳しい。 体力と器用さはあれど、戦闘と運動とはまた別だ。
なので、 ]
(185) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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ヒイロ。 ── 今のうちに、殴れる?
[ 君、きっと後ろで拳を構えているのだろう。 ── そういう予想か、何故か確信があった。 ]
(187) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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[ だって ─── がそうだったから! ]
(188) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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危なかったら凍らせるから 言いなよ。 ── 君、諦めないんだろう。
[ 脚に氷の重石が張り付いた狼が、 冷たさか、そのまま重さ故か、リズムを乱す。
その隙に、やってくれ、と。 真白の世界を作り上げながら、 拳に灯るだろう焔を、緋色を、 ヒーローに憧れる少年のように、待っていた。 ]
(189) 2018/05/13(Sun) 23時頃
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[ ヒュウ!── 今度こそ口笛。 こればかりは"外人"らしかったかもしれない。
灯った"緋色"は 狼の鼻っ柱にぶつかって>>198>>199、 それはひとつだけに留まらなかった。 次々に氷で足元を捉えていけば、 同じようにすべて殴られるのも、時間の問題。
白の世界に、緋色が舞う。 都会では見られない光景を、 このセカイの主たる男がどう思ったかは、知らないが。
白いおとこは極悪スマイルの後ろで、 ── きっと、にっこり。碧を細めて、… 自分で言ってしまおうか、 王子様の笑顔を浮かべていた。 ]
(203) 2018/05/13(Sun) 23時半頃
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[ 楽しい、と思える僕が居る。 ]
(204) 2018/05/13(Sun) 23時半頃
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── 撫でるにはちょっと焦げすぎてない? でも上々。…もうちょっと凍らせても良かったか。 あと、ヒーロー、 顔。優しい笑顔でいきなよ。 …こどもが泣いちゃうよ?
[ 優しすぎる笑顔で言いながら、 一歩、二歩、進んで。
冷気の中、珈琲よりずぅっと強い、 焦げた臭いが鼻へと届く。
倒し切ったことを確認して、 再びヒイロの前に立ち。 威嚇もかねて地面から氷柱を生やそう。 ( …効くとも思っていないけれど。 ) ]
(206) 2018/05/13(Sun) 23時半頃
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『ねえ、行っていい?』
『あと、楽園を脅かす獣、って、 まさかこの狼たちじゃあないんでしょう。 特徴とか教えてくれない?』
[ 紙も鉛筆もないけれど、 思い出した。文明の利器があった。
携帯のメモ帳、冷えた指先を器用に滑らせて、 男に画面を見せ、再び問いかける。
笑顔の消えた碧は、眼鏡の向こうを、睨んで。 ]
(209) 2018/05/13(Sun) 23時半頃
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[ 倒したんだから、 其れくらい教えてくれても良いものを。
写真を見たら直ぐに分かるものなのか。 ── なんてことすら聞きたくなるけれど、 今は辿り着く方が先決か。時間も、あるのだし。
氷柱を放置して、 ……悪役よろしく笑っていた>>239おとこと、 さて行こうかと思った瞬間、 ( ── 向こうは、警戒していたようだけれど、 こちとら全く予測していなかった。 ) ]
(262) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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[ がくん、!
肩を引っ張られる感覚と、それと、同時、 名前を叫ばれた、そう 音。
…耳に届いたのか、届いたんだ な。 そう自覚するのは結構遅かった、と 思う。
鼻先に届いた鋭い冷気>>232、も、 碧で捉えて、白い肌で感じて、 ── 嗚呼僕のものだ、と"分かってしまった"。 ]
(263) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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[ 僕の世界を盗っていくなよ。 ]
[ ……一瞬 碧に反抗が灯ったのは内緒の話さ。 ]
[ こういう、ところは、 ほんとうのちちおやに、にたのだろう か、 ]
(264) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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…… 、吃驚した。
[ 貴方、そういうことなんですね。 そういう力、ということか。
手を振る男を、 まぁるく、…だけれど、 確かに焦りの含んだ碧で、追い。 ]
(265) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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…ヒイロ、有難う、…平気。 多分、もう何もないから。
[ 肩を一時貸してもらい、バランスを取り直す。 碧の瞳は、もう、 目的地の方角へと向いていた。
然し、去り際、冷たい息を吐く。 …威嚇じゃあないさ、きっと、これは。 指先を躍らせ、記憶を手繰り、形作って、
白の世界に、花を咲かせよう。 たった其れだけ。 ]
(266) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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[ 母の墓石に花を添えるのと、同じことだ。
── 氷の、ミヤコワスレ。 暫しの慰めと別れを、雑音の狼へ* ]
(267) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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── 西エリア:スタジオエデン ──
[ 氷の世界から、灰色の街並みへと景色は戻り、 そうしてふたり並んで辿り着く。
何時かの忘れた、 ── 忘れたことすら曖昧な、"楽園"。
写真、とは、なんだろうか。 取り敢えずは其れを探そうと、足を踏み入れた** ]
(268) 2018/05/14(Mon) 01時頃
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[ 花が好きだと、貴女は言った。 ]
(361) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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「 はじめての人は、 花よりお酒が好きだったの。 」
[ 出会ったのも白い地方の酒場だったという。 "わるいおとな"に憧れたかつての母さん、 ……否、真白な少女。
男を見る目は"だまされたおとな"になって 漸く養われたのだと思う。 或るこどもの感想だ。
酷い話で、花を立派に贈れる頃には、 もう貴女は骨になっていた。 墓石に添える花は、どれも、僕の選んだもので、 そんなちぃさなプライドを、 貴女が知ったらどう思うのだろう。
── 実父の面影など、要らなかった。 ]
(362) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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[ 僕は花が好きで、酒が一等嫌いだ。 ]
(363) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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── 西エリア:スタジオエデン ──
[ …気をつけていた>>317、と、思う。
見た目から既に力強さ、頼りがいなんてものとは、 真逆の道を歩んでいたので。 気をつけていないように見えていても、 それはもう、仕方の無いことだろう。
並んでいたヒイロが今度は先導>>331。 冷気を纏って、その背を追う。 一歩踏み出した周りに、 花のよう、ちぃさな氷を咲かせて。 ]
(364) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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[ 楽園ことスタジオエデンの入り口には、 サンプルだろう、写真が数点飾られている。
成程、写真とは此だろう。 すこぅし不思議な動きをするパートナー>>331に、 ── 見つかった?とか、 探しながらも軽口を叩く余裕はあったのだ。
このときまでは>>332。 ]
(365) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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[ ── 獣とばっちり、眼が合った。
神様、非日常とやらは、 こうしてあっさりと、 僕らの境界を飛び越えるのかも知れない! ]
(366) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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[ パートナーと、おんなじだ。 多分、此方も咄嗟の行動だった。 叫び声と同時、転がるヒイロの襟を引っ張って、 ─── 開きっぱなしの扉の向こう、 外の世界に放り投げた、! ]
(367) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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……こいつだけじゃない?
[ 熊と出会ったらまず死を覚悟しろとか、 そもそも戦おうと思うなとか、逃げられるのかとか、
ネットの海に数多転がる情報を浚おうとしてやめた。 恐らく此処だと当てにならない。
…しかも合致したところで、ほら、またその奥から、 招かれるみたいにもうふたつ、 おおきなお仲間が出てきたものだから。 只でさえ低い体温が 冷や汗で更に低くなるという話である。 ]
(368) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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[ 床の氷を踏まれる音に、 …壊されちゃあ堪らないな、と、 早鐘を打つ心臓を感じながら、ある種冷静な感想。
そのまま熊と向き合いながら、 生まれて初めて飛び退いた。
写真館なる密室で、 熊に囲まれでもしたら逃げ場が無い。 それ故に外、放り投げたパートナーの隣に再び立ち、 ( …我ながらよく投げられたと思う。 ) ]
(369) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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……ヒイロ、熊って刺せる? あと熊取り囲むぐらいなら出来るけれど、
[ 大きな氷柱を作りながら、問う。
── これ、 下っ腹から刺すとか、串刺しみたいにしたら、 どうにかいけないかな。って、 両手で支えるみたいに持ち、示した。
氷柱の先は、そりゃあもう、鋭く光る。
残念、熊と出会わないおとこにとって、 頭の良い方法など思い浮かばなかったのだ。
猟銃でもあればなァと思ってしまうが、 持てる能力が此である以上、 氷か、あるいは炎でどうにかするしか無い。 ]
(370) 2018/05/14(Mon) 21時半頃
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