253 緋桜奇譚・滅
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[妖怪が明らかに禍々しいの姿のまま 常に存在するのは珍しいことだ。
妖怪の常連がつきやすいへいも屋>>0:56は兎も角 京の町人――或いは、物を装うのが 人の世に隠れて生きる術であろう。 逢魔が過ぎて夜となれば早寝の人間達の目も少なくなり 妖怪変化も姿を別のものに真似ず彷徨っているが。
化け提灯だが木の上や人為的な提灯と 並べられていれば違和感もないものだが 娘がこうして人を真似て過ごせるのなら 血縁である母親も同じ力を持っている筈>>148
……何故、様式美をこうまで重んじておるのか。
じゃこうなんちゃらはめりけん蒙れで気に食わないが 人妻という響きはいつの世も色っぽいものである。 なぜじゃ!――と茶釜の狸爺と嘆いておったそうな。]
(152) 2018/11/09(Fri) 13時頃
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[妖怪老人会の寄り合いの話は横に置いて……。
天狗爺は感づかれていないのをいい事に>>151 にたにた見回しては、やれ腰が良いだの 得意(?)の妄想に明け暮れていたが 母親にしては…… 様子が可笑しい遣り取りに首を傾げる>>150]
うむぅ……? [提灯である時と人真似をしている時で 声調子が違っても何ら奇妙では無いにせよ。 掛け合いが食い違っているのは違和感だった。 今の所害意が感じられない為>>151 暫し見守ってから他所を見てまわろうと石段で一休み]*
(153) 2018/11/09(Fri) 13時半頃
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[どうやらこの一帯に妖は何人か集っている様子。
京広し――であるからして。 他所が無事かどうかを見て回ろうと 多少も休憩を果たしたところで石段から腰を上げる。]
うむ?あれは……。
[按摩の石妖と>>35>>36伽耶>>139が 眺めていた方角へ近寄っていくのが伺える。 もくもくと広がっていた黒い雲は 彼女らの合流を境にし、 ゆっくりと晴れきっていくだろう。
今あの場に混ざればはぁれむでは? かわいいおじいちゃまとチヤやホヤを貰えるのでは 根拠が一寸もない想像と京の治安を案じる心が 釣り合うべきではなくとも、天秤に揺れる]
(165) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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…………………いやいや。
[そもそもはぁれむってなんじゃろう。 欧米文化を嫌う自己同一性が崩壊しかけている。 だが、丸薬を持ち寄っていたことを思い出し 外出をした本来の目的を果たすべく 女衆の輪へと歩み寄ろうと。]
雁首揃えておるな。 この場は落ち着いたようじゃが おんしらは見た限りは、無事かのう。
[あー、こほんこほん。 今きましたと言わんばかりに咳払いをして。]
(170) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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伽耶よ、いつもの薬を届けに参ったぞ。 [袖の中から丸薬の包みがいくつか入った巾着を出し 彼女に預けようとするだろう。]
さて、 おんしら、今しがたの騒動。 何か知ってはおらんか?
白昼堂々あちこちで死人も出る揉め事なんぞ 今の京では滅多にないことじゃ。 …作法を知らぬ余所者の仕業かのう…
(174) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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ところでそちらのべっぴんは新顔じゃな
[本題らしく異変についてを尋ねたが 天狗爺の興味は提灯娘の連れにある。 さりーげなくを装いはしたけれど。
『そちらの』と称した謎の美女。 妖の気は感じるが、その本性までは解らない>>151 ただ、鳥の類の匂いは感じていない。]*
(176) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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おんしは相変わらず目上への挨拶が雑すぎるのう。 どんな教育を受けておるんじゃまったく……。
[提灯娘とつい昨日も似た問答をした気もするが>>178 それは仕方のないこと。 年寄りは同じ話を何度もしてしまう生き物だから――]
両親は無事か? 此処に来るまでは見かけておらなんだが。 [へいも屋で油…ではなく羊羹を食っている時に 母親(提灯)に袖を振られて面識はあるが>>156 この提灯娘ら家族が何処で暮らしているかは知らない]*
(181) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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[ずいずいと近寄っていく提灯娘に対し>>186 まるで避けているかのように 距離を近づけたがらない伽耶>>179は対照的であった 女三人揃えば姦しくなり四人も集えば花のよう… と呼ぶには、妙な温度差があるなと朧な実感。]
廃寺から此処まで渡り翔んで いくらか見た限りでは―――
人間が集う場所をとくに あの火鳥は狙っていたとみえる。 外れの方なら心配もなさそうじゃの
なんじゃ、おんしら初顔合わせか。 まあ甘いもんが置かれておらんところに 出入りせんとみえるがのう。
[心配の種はひとつ消える。>>187 意外なのは二人が名も存ぜぬ間柄という事だが>>187 酒屋に提灯娘の所望する用事は無いだろうと納得。]
(194) 2018/11/09(Fri) 21時半頃
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いや、儂も薬の売上を貰っておるしのう。 置いてくれて助かっておるよ。
親切だけでは茶も飲めん世の中とは…やれやれ
[顔を曇らせていたような気もするが 和らいだ様子で差し出された手に巾着を乗せる。 ――かと思えば、陶器のとっくりを預けられた。] ほほう、これは良いわい この時期じゃから温めていただくのもいい。 芯まであたたまりそうじゃ。
[住職への土産で持参した…とあらば 遠慮をすべきかもしれないが その様な気遣いなど口には出すまい。 歳を取るとがめつくなる。]
(201) 2018/11/09(Fri) 22時頃
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[酒をあたためる時の湯気で煙々羅のやつが 釣られてくるかもしれない―― 酔うのか?あやつは。]
住職には結界を張らせておるからのう。 見たところ、桜も井戸も無事のようじゃ。
寺一帯まで退魔の呪を広げられれば それがいちばん良いに越したことはないが ……被害も落ち着いたし 此処は引き上げても良さそうじゃな
[――陽も傾いてきた。 そろそろ夜がやってくる。
何から手をつければと思案する娘の言葉を聞き>>190 今日が終わらぬうちに廃寺に篭もり 火傷薬の処方をしようかと思う。]
(205) 2018/11/09(Fri) 22時頃
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火を操る鳥、となると絞れはせんのう。 余所者なら尚更――じゃが。
おんし、練り物は得意か? 火傷の薬膏を多くつくるなら 人手は欲しゅうてな。
[伽耶に手伝う余力はあるかと問うてみたところ。 うつくしい女には不釣り合いな異形の手を>>200 傍から目に留め、目を丸くする。]
鬼の類か……? かさぎ屋が繁盛しそうじゃのう
[少なくとも火鳥と縁ある類ではない。 鬼が酒を好むとは安直なこじつけではあるが (美女ということもあり)警戒は抱かずに。]*
(213) 2018/11/09(Fri) 22時頃
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[外見は一応のところ童子に整えてはいるが 鼻垂れ小僧にしては年寄りじみた物言いに曲がった腰。 鬼におちた女が『もどす』べき存在として>>0:45 並ぶ存在ではないのが目に見えているだろう>>215]
おう、遥々物見遊山か? 帝都や港町が賑やかな時期に珍しいのう。
[10日前から滞在しているらしい新たな顔。 観光目当てかと思いきやそうではなく 話を聞くところ、根っからの鬼でも無いらしい。 そして、子を成したとなれば、やはり人妻…! 騒動とまったく別の興味欲求が満たされた。]
(220) 2018/11/09(Fri) 22時半頃
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そうであったか…子を。 はぐれてもうたんかのぅ
池の底におって鬼になったというのは 儂も長く生きておるが見当もつかん話よの。
それにしたって、 身内探しの旅とは気の毒よな。
[事情を深く察した訳ではないけれども 信仰が途絶えれば自然に消滅する身の上は同じ>>0:71 魑魅魍魎であっても女の一人旅を不憫に思い]
(222) 2018/11/09(Fri) 22時半頃
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もし母とはぐれた子を見かけたら おんしにも報せることにするか。 この京で無事再会を果たせればよいのう。
困ることがあれば ここから西にある廃寺を訪ねよ。
[どんな特徴の子であるか、名は。 問うておきたいことはあるけれども 事情が深いものであるならと気を遣い この場において確かめようとはせず]*
(225) 2018/11/09(Fri) 22時半頃
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と言って、楽しいことでもありゃせぬが。 忝ない。 [伽耶に頼む理由は単純明快。>>223
提灯娘は手伝うどころかはしゃぎまわって すり鉢をひっくり返しそうで 石妖の按摩はこの後の時分からが稼ぎ時であるだろうし 子を探して町に身をおいている鬼の人妻に ここで初めて互いに挨拶を交わしたばかりで 頼みごとをするのは折角の古風な人妻と出会えた 良縁の可能性をうんたらかんたら。
それにしても――。 新顔の人妻を見る目に違和を感じる。>>226 よくは解らないが鼻血が垂れた。]
(230) 2018/11/09(Fri) 23時頃
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随分懐いて?おるようじゃのう。 積もる話があるのなら、 後で寄ってくれればそれで構わんからのう。 [とっくりがこぼれぬよう握り締めたまま 手ぬぐいで鼻を伝う血を拭う。 このまま間近で見ていたいような 障子の隙間から見守りたいような。
後者であれば再び姿を天狗へと戻し、 翔んで廃寺を目指すことにするし 直ぐに向かうのならば抱えて翔んで向かうつもりだ。 何にせよ、この場はもう心配はないと判断し ―――結界を張った術師である、 住職の住まう六道珍皇寺を後にしようと]*
(231) 2018/11/09(Fri) 23時頃
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龍神……!?
[人妻とは話の流れから理解はしていたが まさかそこで神が夫とは思わなんだ。
池というからに海神ではなく水神の筋で 火鳥騒動の直後でもなければ ただならぬ背景を根掘り葉掘り聞いていただろう いつの間にか周辺の集落が廃れていたのなら 尚更気の毒だが、それより何よりも]
(241) 2018/11/09(Fri) 23時半頃
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うっひょひょーい!! まかせよ! 天狗の目をもって探せぬものはないわ!
[(たとえ右腕が鬼のそれであったとして>>200) 美人に感謝されただけではなく、 皺を隠せぬ手を握られて>>235 思わず奇声を上げ、 老いた千里眼は老眼が進み大したものでもないというに 調子の乗ったことを口走り飛び跳ねてしまった。
くっ…反動で、腰が痛い……。 歳を考えねば本当に出歩けなくなりそうだ。]
(242) 2018/11/09(Fri) 23時半頃
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儂は八手天狗と申す者。 [鼻血で天狗の手ぬぐいは真っ赤になってしまった。 もうこれは洗ってもどうにもならないが… 寺にぽいすてをする訳にもゆかず持ち帰ろう。]
……さて、それならば。 遅ぅなる前にゆくとしよう。 [差し出された伽耶の手を取り>>238 しゃがんでもらえれば小脇から抱えるようにし 黒い翼を広げ、陽が落ちかけている天へと舞う。]
心得ておるわい。
[ついよからぬところを触りたい欲求に駆られるも こそばゆいところを揉んだり触れたりすると 若いおなごの匂いを存分に楽しみながらの 空中散歩ができなくなるのは辛すぎるので耐え忍ぶ。]
(246) 2018/11/09(Fri) 23時半頃
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時に伽耶よ。 記憶が戻ったりはしておらぬか?
[水神の妻―― 集落の話まで聞けば 人身御供の類が関与を想起した。 神に近づいた人間の果てから察するに、の話だが。 水妖ではないかと>>28 仮定を口にしたことを思い立って 風を切りながら廃寺を目指す道中で問いかける。
少なくとも先日共に出向いた際>>0:223までは この娘にとり憑く以前の身の上話は漫ろなままであった。 あの人妻と出会って何か変わりはなかろうか――と。]
(251) 2018/11/10(Sat) 00時頃
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[廃寺が見えて来れば高度を下げて 大穴が空いた石壁から中へと入る。
台所は意外にも掃除が行き届いており すり鉢やすりこぎ棒、 薬草が種類ごとに分けられ束になっている。
必要なものを作業台へと乗せ、 包丁で細かく切ってから潰すのだと 薬の製法を伝えもするだろう。]*
(253) 2018/11/10(Sat) 00時頃
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[薬膏作りの合間にとっくりの酒を 燗鍋に移し替え、長火鉢にかけて温める。 作業の合間に頂こうというやつだ。
ゆっくりと穏やかな温度で熱する事が おいしい熱燗をいただける 秘訣であるのはいうまでもない。 団扇で灯した火を仰ぎながら調節する。
米の香りから酒の香りに変わるひとときは至福。 微かに蒸気が漏れ出るかもしれない。
夜更けに起こることなど露知らず 廃寺の厨房は平穏であった。]**
(276) 2018/11/10(Sat) 01時頃
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