141 サトーん家。 3
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[佐波の「なんかいる?」に甘えて]
あっケイさんお茶僕にも下さい。
[とお願いをした。 映画は農作業とナレーションから始まった。 どうでもよさげな設定の説明と 安心安全の不動のカメラワーク。 農夫が納屋にとことこ歩いて戻るだけの 要るのかわからない映像を眺めつつ 期待出来る、との佐波の評価を聞いて頷いた。]
いいねぇ…
[期待通りの最初から最後までのくだらなさと、 突っ込みどころや、突っ込みようもなさに笑いながら 映画を見終えるまでに、まだもう暫しかかる。**]
(79) gekonra 2014/12/13(Sat) 10時半頃
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伏線なんてなかったんだ…… 自分でぶっ壊してりゃ世話ないよ… そうそう……鍬も結局よくわかんないし。
[DVDを見終えた後、長々感想を言い合うでもなく しみじみとそう言った。]
またいい映画を見つけてしまったね…
[けれど森部は何故か満足した様子だった。 代わる代わるに風呂を使う間、 洗い物を同時に行って水の出が悪くなっても この寒波がどうのと言われている気温の中では哀れだ。 全員使い終わってからにしようと決める。 佐波と入れ替わりに佐藤が風呂場へ向かうのには]
いってらっしゃい
[と声をかけ、佐波は佐波で寝部屋に去るのを見送った。]
(127) gekonra 2014/12/14(Sun) 00時頃
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おやすみー
[と佐波に声をかけて、部屋が一度、しんと静かになる。 床に寝転んでDVDを見ていた森部は、鈴倉を見上げる。 DVDを切って、テレビに切り替えられた今、 この部屋に存在する音は若手お笑い芸人の深夜らしい 彼らなりに仕事に一生懸命取り組んでいるのであろうトーク。 遠くから聞こえるお湯の音。佐波が布団を触る音。 その程度だ。 鈴倉はといえば、じっとテレビを見ている。]
……
[部屋にはふと二人で置かれてしまった。 見ていても、鈴倉の視線がテレビから離れないので、 話題を揃えるために、森部もテレビへ顔を向ける。]
(132) gekonra 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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[転がったまま芸人のトークに耳を傾けていた森部が 鈴倉から声を掛けられるまで、長い時間は必要なかった。]
ん?
[差し出されていたのはポッキーだ。 冬限定の、鈴倉が買ってこいといっていたもの。 森部は寝返りをうつようにして一度うつ伏せになると、 肘をついて半身起こした。 森部の視線は、いちど、鈴倉の指先へ注がれて、 鈴倉の差し出すポッキーへ顔を近づけて、口にいれる。 軽く歯で挟んで、鈴倉の指から持っていこうとするも 鈴倉が指を離さなければ、一口齧っておしまいだ。]
(133) gekonra 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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[口の中に食べ物をいれたままだが、感想を求められたので、 ポッキーの礼とともに、少しばかり、笑ってみせた。 なんでもない質問とともに。]
ふまいよ。ごちそうさま。
[ポッキーを鈴倉の指から引き抜く際に、 ふわ、とシャンプーやリンスの匂いがまた香る。 起き上がって、座り直す際に、もう少しだけ、側に寄る。 もう少しだけ。けれど、そこまで。]
…… …
[じっと鈴倉の視線がこちらを向いている。 だから視線を返すが、それがなんとはなしに、テレビへそれた。]
凛は。もうちょっと居るの?
[佐波も一度出かけるようだ。 川端も姉の用で居なければ、根来も風邪で居ない。]
(148) gekonra 2014/12/14(Sun) 01時頃
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[鈴倉が思い切り笑い、目尻が下がる。>>150 そんな鈴倉の顔を見ていたのも、 貰ったポッキーを一本食べてしまう間のこと。]
へえ? ケイとか戻ってくると思うけど。
[チラリと向けられた視線に気づいて、 ポッキーをもう一本、鈴倉の持つ箱から引き抜いた。]
も一本ちょうだい。
僕はコタツを満喫してから。明後日とか。 凛もう一泊してけばいいよ。
[勿論この時には、佐波のみやげ話が聞けるだなんて知らないし りんごが届くだなんて知らないし 雪が本当に降るかどうかもしらなかった。 いつもどおり無責任に鈴倉の宿泊を引き伸ばす提案をして、 森部はまたのんびりとテレビへ視線を向けて、 漸く笑えそうな事を言ってくれた若手芸人に、軽く笑った。]
(164) gekonra 2014/12/14(Sun) 01時半頃
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[風呂場から戻ってきた佐藤には、 勝手に一本とったポッキーをくわえて]
おかえり
[と言った。 佐藤が風呂場から出てきたことで、 森部はポッキーを食べつつ、さっさと居間を去って、 洗い物をしにいった。 寝る前に「居間は翌朝きっと寒いから」と 佐藤から忠告を受けたことで、今夜もきちんと寝部屋で寝た。]
(168) gekonra 2014/12/14(Sun) 02時頃
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[結局翌日も朝ねぼうをしたのは勿論。 佐波が出かけたことも、雪が積もっていることも、 眠ったままでは知る由はない。
花火や掃除に佐藤が励む間。 特に起こされることのなかった森部は、 近場に鈴倉が居れば、だが この時ばかりは半分起きたままでも、寝たふりをして、 鈴倉の肩に腕をのせて、束の間幸せを満喫する。
佐藤に起こされ、必要な手伝いををした後は きままに雪遊びをしにいった後、佐波に画像を送ってやった。 夜になって、新品の炬燵を囲み、佐波の面白い話を聞くまで まだまだ、まだ暫くの、時間がある。 佐藤家に戻ってきた者には、なにもかも、知らんぷりで、 てんでいつもどおり、のんびりと言うのだ]
おかえりー
[と。**]
(175) gekonra 2014/12/14(Sun) 02時頃
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