151 宇宙船は旅浪者の夢を見るか?
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ん?どうした?
[クリスの不思議な様子に尻尾が水平にピンと突き出された。 若干の警戒心を示したようだ。 しかし、触りたいと言われれば、その緊張も収まったように垂れる。]
ん…ほら…。
[大人しく屈んで頭を突き出した。耳が少し緊張気味にピクピクっと動いた。]
(157) りおん 2015/03/14(Sat) 23時半頃
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んっ……くすぐったいわん…。
[顔を顰めつつも、尻尾は感情表現豊かなもので、全力で横に振っている。 クリスに触れられているのがおそらくその影響なのだろうが…。 暫くはクリスの思うままにさせていたが、漸く溜息を漏らす。]
ところでクリス、この薬の効果はどうやったら解けるんだ?
[クリスが夢中になっている様子に、世間話をするような軽い口調で問い掛けた。]
(160) りおん 2015/03/14(Sat) 23時半頃
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そうか、やはりお前か。
[口調はいつもと同じ。 表情も変わる様子はない。 ただ、残念な事に、尻尾はピンと立ち、毛先も同様に立っている姿から、ピリピリとした空気は感じられたかもしれない。]
まさかあのバナナもお前の仕業じゃなかろうな?
[空気が変わって少しばかりクリスから離れる。 さっきのクリスの言葉を聞く限り、もうあと5分程でこの姿は元に戻るだろうが…。]
モフモフは禁止だ。 ここの薬の効果をきちんと無くしておけよ。
[最後にバウッと一つ威嚇する。 怒ったような声を上げていたが、最後は尻尾を振りながらその場を後にした様子を見る限り、クリスとの会話が余程嬉しかったようだった**]
(165) りおん 2015/03/15(Sun) 00時頃
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― 人狼になった後のお話 ― [帰り際、不服そうなクリスの声はしっかり耳に届いてた>>167 もっともそうなった要因は別にありそうだ。 というかあるだろう。 あの場にいた人間の匂いはなぜか判別が出来たのはきっと気のせいじゃない。 だから、クリスもまた被害者なのだろう。]
ま、怒ってはいないんだがな…。
[呟きはするものの、クリスのあの態度的には間違いなく自分の姿を楽しんで見ていたのだろう。 それなりに嬉しそうな声色になっていたのは(理由はわからないが)なんとなく察していた。 だから、もう一度振り返る事もなかったけど、代わりに尻尾が大きく横に振って喜びを表現していたのであった。**]
(168) りおん 2015/03/15(Sun) 00時半頃
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これ以上は、学校の風紀を本格的に乱しそうだ。
[軽く手遅れではあるが、まだそういう行為には至っていない。 かろうじて、ギリギリ、なんとか綱渡り状態で。]
いつまでも我慢できない…から、ちょっと冷静になる。
[クリスから視線を外して遠くを見つめる。 頬の熱はまだ冷めそうにない。]
(185) りおん 2015/03/15(Sun) 11時頃
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無理は…出来る限りしない…。
[しない。とは言い切らない。 言い切れるわけがない。クリスに会えるなら多少の無理は乗り越える。]
冗談ではなく、本気なんだが……。
[本当に、よく自分は我慢したと褒め称えたい所だ。 ここでなすがままになったら、自分が嫌いな親父と同じ道を辿りそうで、少しばかりホッとした。]
あぁ、ありが…
[お茶を入れる。そう言ったクリスの顔も熱くなっているようだ。 自分が付けたい印を見て余計に顔が熱くなった。 静かに立ち上がると、もう一度クリスに近付いて、背後から抱きついた。]
ありがとう。だけど、俺の分は大丈夫だ。 そろそろ俺も研究室に戻る…じゃないと……
[最後にもう一度耳元で囁いた。]
(189) りおん 2015/03/15(Sun) 11時半頃
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……ま、まあ…そういう事だ…。 ちょっと研究室で頭を冷やしてくる…。
[そう言って杖を片手に出口に向かって歩みを進める。 扉に手を掛けて、思い出したように振り返る。]
ありがとう。クリス…。 俺は君に出会えたこと、君といれた全ての時間に深く感謝をしている。 だから…お互い幸せになろう…な…。
[最後は少しばかり照れ臭そうに笑って。 理科室の外に出た。]
……恋愛とはまことに恐ろしいものだ…。
[軽い溜息と共に研究室に向かって歩き出した**]
(193) りおん 2015/03/15(Sun) 12時半頃
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― 時間移動実験から数日後 ― 『先輩、やっぱりこの図案じゃ起動しないみたいです。』
[量子学研究室でペンを片手に図案の修正をしていた所に、技術部の後輩が失敗作を持って入ってくる。]
やはりそうか…。 参ったな、前と全く同じ物を作ってもダメ、いくらか修正をかけてもダメとなると、まだしばらくは元に戻れないな。
[溜息混じりに肩を落とす少年が一人。 子ども化してしまったケイイチである。 あの後、意識や記憶の混濁はなんとか収まりをみせたものの、元に戻る事は未だできていなかった。]
『先輩、慌てなくても留年して後もう一年あるんですから、時間かけて元に戻ればいいじゃないですか。 大丈夫、可愛いですよ。その格好。』
バカ、アイリスやクリスに知られたら何て言われるか…。 少なくともあの2人に知られる前には元に戻らなくては…。 何度か言い訳をして顔を合わせずに済んでいるが、いつまでも下手な言い訳は通じないだろう。
[こんな姿で2人に会えば何を言われるかわかったもんじゃない。
(199) りおん 2015/03/15(Sun) 15時半頃
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[特に、クリス辺りはあの動物化の時のことから予測するに、絶対玩具にしそうだと、溜息を漏らす。 小さな姿のお陰で隠れる所はいくらでもある。 教師には事情を話しているお陰で在籍も許されているのが不幸中の幸いだ。 なにより、二度目の3年ということもあり、出席についても問題が無い。]
まあ、あまりクリスに余計な心配をさせたくないと言うのも理由の一つではあるが…。
[あれから数日、直接の会話は愚か、電話すら避けている。 声が幼少期のそれのせいで、声からバレることだってあり得なくない。 メールは毎日しているが…。]
『先輩、ちょっと休憩して、おやつでも食べませんか? ほら、さっきバナナプリン貰ってきましたから。』
おやつ!?食べるーバナナー……って、ヤメろ、ニヤニヤするな気持ち悪い…。
[何より問題は気を抜くと幼少期の態度に戻ってしまうことにある。 お陰で完全に子ども化することも少なくない。 その自分の態度にまた、肩を落とす事になるのだ。]
(200) りおん 2015/03/15(Sun) 15時半頃
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はぁ…早く元に戻ってクリスとアイリス成分を補給したい…。
[慌てれば慌てる程うまくいかないもので、仕方無しに休憩を挟むことにする。 せめてクリスがこの船にいる間に元に戻りたいものだが…。]
せめて…皆の卒業くらいは…見送りたいものだな…。 とりあえず、いい加減諦めて、今のままの姿でもいいから謝礼をしに行かなければならない相手がいるな…。
[そう言って再び端末を取り出して、メールを起動させる。]
(201) りおん 2015/03/15(Sun) 15時半頃
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[そんな近況でメールが一通届いたのを確認する。 アイリスとはここ数日会ってはいないが、怪しまれている様子はない。]
『To:アイリス Message: 差し入れの心配はしなくても大丈夫だよ。 留年とはいえ、単位が足りなかったわけではない。 受講するものはほとんどないから、学費は大幅に削れて、その分食費に回せる。 最近は3食食べているし、今日はバナナプリンとおやつまで食べている。 会える時間はそのうち作るが、皆が卒業する前に、終わらせておきたいものがあるからな。 それが完成するまではちょっと難しいかもしれん。 近いうちに俺から会いに行くから、今は課題を頑張りなさい。』
[食費にかけられる割合は増えている。 その上、食事の量も減ったおかげで、大分ポイントには余裕ができた。 だから何一つ嘘は言っていない。大丈夫だ。]
とは言え、会いたいのは俺も同じだよ。
[溜息混じりにメールを配信して、また一口、バナナプリンをくちにした。]
(203) りおん 2015/03/15(Sun) 16時半頃
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― 卒業式の後・2度目の最終学年 ― [大きな白衣を翻しながら廊下を駆け抜ける。 時間を見ながら短い足でかいてんを上げる。 『廊下を走るな。』そう告げられる教授の声を耳にする。]
申し訳ない、先生。 少しばかり急ぎの要件がありまして…戻りましたらまた検査でもなんでも受けますので!
[教授が諦め気味の声を上げながら早足程度にしろと告げられる。]
『あ、ソノダ先輩だ。今日も可愛いですね。あとでおやつ持って行っていいですか?』 おやつ!?…って、それで釣るのはやめろといつも言っているだろう! 今日はこれから彼女に会いに行くからまた今度なっ!
[そう言って止めていた足を再び動かす。 あの後、結局アイリスにもクリスにもバレてひどく説教を受けた。 とは言え、戻る余地はあることを伝えていた。 それを納得したかどうかは怪しかったが…。]
(216) りおん 2015/03/15(Sun) 23時頃
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[結局、皆が卒業するまでに姿は元に戻らなかった。 幸か不幸か、お陰で移動時の言語障害や肉体障害の回復に至った。 細かい時間設定で元に戻れば、元の姿に戻りながら、元の健康状態で戻る事も簡単だろう。 その上、学内の検査を受ける事で学費の一部も免除。 金銭面も正直楽になっている。]
その上、この状況になったおかげで例の研究所も1年待ってくれるという話も出ているからな。 しかも、空間移動をしてしまえば…。
[そう呟いて腕輪を起動する。 空間移動で使っているサンプルはデータは自分が大人の時のデータだ。 空間移動をする時、つまりクリスに会いに行く時だけは大人の姿に戻れるのだ。 最も、修正を掛けたお陰で1時間程度で子どもの姿に戻るのは厄介だ。]
さて、クリスに会いに行くのも久々だな。
[クリスに会いに行く旨を伝えてメールを送る。 それでも今日もクリスに会いに行くつもりだ。 2人が卒業して、あの頃の約束通り籍を入れるその時まで**]
(219) りおん 2015/03/15(Sun) 23時頃
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― 卒業式前・量子学研究室 ― [研究室の扉がノックされる。 いつもは誰かしらが一緒に研究の手伝いをしてくれるが、今日は珍しく誰もいない。 とは言え、そろそろ人が来る時間でもあるのだから、おかしなことは何もない。]
ん?誰か来てくれたのか? 今鍵を開けるからちょっと待ってろ。
[椅子からピョコンと飛び降りて、扉まで向かう。 少しだけ背伸びをして扉の鍵を開けながら]
アイリスにもクリスにも会ってないよな? ばれたらまた面倒な……あ……。
[扉を開けたら、そこには見覚えのある顔が並んでいた。]
(221) りおん 2015/03/15(Sun) 23時頃
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………あ、ソノダ先輩ならさっきそこの扉から物凄い速さで出て行きましたよ?
[物凄いタイミングが悪かった。 今更ながらに演技をしてにっこり微笑んでみたが……自分の幼少期を知るアイリスがそこにいる。 完全に手遅れだろう。]
いや、ちょっとな…実験をしていて…その結果……ちっちゃくなった。
[思い切り目を逸らして呟いた。 アイリスに抱きしめられても恥ずかしそうに体を動かすだけで解かれることはない。]
あ、アイリス、とりあえず離れろ。頼むから…。
[居留守を使うべきだったという後悔は多分言わなくても伝わるだろう。]
(226) りおん 2015/03/15(Sun) 23時半頃
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戻れることは戻れるはずだ。 ぶっ壊れたベルトさえ正しく修理出来れば……。
[そう言って研究室内の机の上に広がっているベルトや図案に視線を送る。 元の図案は何故か焦げているし、ベルトも完全に分解されている。]
一部の記憶が幼少期の記憶と混濁してしまってな…。 色々試している段階だ…。 卒業後に行く予定だった研究所に行けば、その研究はさらに進むと思うんだが…。
まあ一番知られたくなかった2人に知られてしまった以上、焦って取り返しのつかない失敗をする前に、のんびり確実に修理をする。
[そう言って頭を抱えてみせる。]
心配しなくてもちゃんと会いに行くと言ったのだから2人とも大人しく待っていてくれ…。
(228) りおん 2015/03/15(Sun) 23時半頃
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アイリス…頼むからそのぷにぷにしたいですって顔をやめてくれ。 頬なんかそんなに柔らかくないだろう。
子どもの頃のうちの食事情を考えれば…あ、甘いの食べたい…。
[ぼそり、たまに出る子どもの本音に慌てて口を塞ぐ。]
と、とにかく、ちゃんと戻れるから心配いらない。 あと、可愛い言うな…。
(229) りおん 2015/03/15(Sun) 23時半頃
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いや、すまないな。 ちょーっと教授と喧嘩したせいでついつい熱くなってしまったからな。
[言えない…もし一歩間違えていたら時空間の狭間に取り込まれた可能性もあったなんて。]
まあ大丈夫だ。時間がかかると言っても長くて1年かからないだろう。 そのくらいの時間で理論から作り上げたものだからな。
[そこは大丈夫、心配ないと加えて説明しつつ。 アイリスの買い物という言葉に目を一瞬開いた。]
デパート!?パフェとか食べ……ごほん。 別に元に戻ったら使わなくなるのだから無駄な出費は避けるべきだろう。 今ある服を折り曲げて着ていれば、この通りなんとかなる。
クリス、心配しないでも籍を入れるまでには元に戻る…だから、その…離れないで…?
[思わず子ども言葉になってしまいながらも少し潤目でクリスを見上げる羽目になった。 たまにこういう事が起こる。これだけは本当に早く治さなくては…。 まだまだドタバタは続きそうだと、心の中でため息を漏らした。]
(234) りおん 2015/03/16(Mon) 00時頃
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そっか…よかった。
[離れない。そう言ってくれたクリスの言葉に嬉しそうに笑みを浮かべた。 きっと大丈夫だ。そんな風に思えるのは今だけじゃなくて、きっとこれからも…ずっと。 クリスなら本当に最後まで、自分の事を受け入れてくれるんだろうと。 だから、小さくなった少年は幸せそうに今を笑って受け入れられるのだから**]
(240) りおん 2015/03/16(Mon) 00時頃
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