158 Anotherday for "wolves"
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…… よいしょ、 っとぉ、
[寝台の枕元に放っておいた、 外套と、ストールを巻いてから。 診療所の戸を、内側から締める。
それから 窓を一人分、 なんとか通り抜けられそうな程度に 開ければ。
軽やかに、それでいて猫のよに。 ぴょん、っと飛び降りて、
鍵は掛けられないけれど 外から隙間だけ、がらりと閉じた。]
(129) 2015/05/13(Wed) 20時半頃
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― → 広場 ―
[尻尾を揺らすように、 ストールを ぶらり ぶらりん、
遊ばせて。]
[空気と 不安な風以外は なあんにも変わらないんだ。
胸騒ぎさえ(杞憂さ)と、嘲笑うよな、 透き通った蒼穹の空を ブルーに吸い込ませて、
じぃ、と 主人の帰りを待つよに ひとつどころに収まっているのも 性にあわないのが猫だから。
ぶらり、と広場に向けて 歩き出した。 * ]
(137) 2015/05/13(Wed) 21時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 21時頃
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― 広場 ―
…… ?
[ざわり] [ざわり]
[昨日、ベネに約束したように 本屋にでも、寄っていこう。
そう思った矢先のこと。 ざわめきが 噂が、 風が届けるより、うんと騒がしく聞こえる。
一度広がれば、 ちいさな村には 波紋が広がるように 輪をかけて、伝っていき、
それは、猫の耳にも届いた。 ]
[ ―――あってはならないことが、起きた。と。]
(191) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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……――― え?
[教会で、族長と。
人間の娘と。
ふたり。 人狼に襲われて死んでいた と。]
[そう、ひとの耳が捉えて。]
[三秒程、息を、忘れた。] [すぐに、は 、と勢いよく空を吸い込んだけれど。]
[きのう。 いつものように避けて、回らなかった場所。] [逃避するように見あげた空は、 清々しい蒼を そこに湛え続けるまま。]
(210) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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( …… ワタシのせいじゃ、 )
はは、 …… うそだ。
[唇を一文字に結ぶ。
力無く笑う、ただそれも。 単なる虚勢だ。
――― ひとの、死。 そんなもので、揺らぎはしない。
これでも、元傭兵だ。 見るに堪えない死体を、 『作った』ことさえある。 けれど。これは、そういうのじゃなくて、 ……。 ]
[さっき、撫でてもらえた手がすこし恋しくなった。]
(217) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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[ふる、と首を振るう。
そんなことに弱きになっていれば まーた、あの偏屈な飼い主に馬鹿にされそうで。 早まる鼓動を抑え。
昨夜の、ざわめきのようなものを ようやく理解したころには、あとのまつり。]
[『“過ち”は一族の手で、正さねばなるまい。』]
[あの荘厳な声を思い出して、 顔を顰めた。 ]
…… 悪い夢なら、いいのにねえ
[ …『朝』みたいに。 頬を抓れど、目は醒めない。]
(221) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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[ ――― ふつうに考えれば、 余所からの来客者が居れば、 誰か気付かないはずがないし。
第一、みすみす、 そこらの野良に 族長が殺されるとも思わない。]
は …… 。 やだやだ。
[零れた三日月から。
平常を取り戻すよに、 ふるり 漆黒を揺らす。 ]
…… この村でまで、 戦場みたいなことは したくないんだけどねえ。
(225) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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[まるで、異端審問のような真似は。 『ルール』を護らない輩を見つけだして、 『処分』する。
…… 規律を、正すために。
――― いままで、やってきたことを。 もしかすると、この村でも。]
…… … 。
[平気で、やってきたことなのに。] [躊躇い、
今なお。 避けられないのか、と思う。]
(234) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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[この村のみんなが。
どこか 遠巻きに ぼうと、 見つめる存在だったとは言え――、 それでも、 充分たのしかったから。
ワタシが、村の仲間と言えるかは。 ……呼んでもらえるかは、わからないけれど。]
…… なんて。
夢物語じゃ、終わんないのかい、ねえ。
[呟かずとも、薄々きづいていた] [ひとの、め。]
(235) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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[『悪い意味』で、 知られている酔いどれの猫は。 少なくとも、人間たちから白い目で見られる。
広場の対岸、 見えた老人から浮かべられた 石さえ投げられそうな、疑惑のいろ。
苦笑を浮かべて、猫はふらり。 広場のちかく、本屋へ向かう。
精一杯の『いつも通り』を装って。*]
(236) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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― → 本屋 ―
…… や、ベネ。
[いつもと変わらないようで、 ようくみれば、少しぎこちない。
そんな程度の笑顔を浮かべて、 ひらり。手を振るった。
硬質を鳴らして、 >>240珍しく本では無く、 花に視線をやり、表をなぞる彼を見て。
普段なら物珍しそうにするのだろうけれど、 今日は揶揄することもなく。
レオせんせーのところとはまた違う 真新しい紙の、本の匂いを鼻先に掠めながら 彼のほうへ。 ]
(244) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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[入る際に、>>206出ていく影と擦れ違って すこし、蒼がそれを追いながらも。
視線を戻しながら、ひとつ。]
……ね。 『聞いた』?
[昨日言った、本を求めにきた。 つもりだったけれど。
今はそれより、と。 世間話よりも、嫌気に重々しく。 それよりも曖昧なことばで、尋ねかける。]
(245) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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[ちら と泳いだのは、 未だ喧噪の続く窓の外。
不意に切り出したのは、 普段見せないような得も知れぬ不安を、 誰かに共有したかったから、なのかもしれない。
猫自身も分からないまま。 ちいさな息を吸いこんでから、 つづきの 『喧騒の原因』を吐き出す。]
…… 族長と、 人間の女の子が殺されたらしいよ。
――― 人狼に、さあ。 *
(247) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/14(Thu) 00時半頃
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― 本屋 ―
… おはよーう、
[>>259応じるように、掲げられた手。
猫は それ見て 思い出したように、挨拶を告げ返す。
花と戯れる微笑ましい図に、 猫目が捉えたことを 普段目敏い猫も また それに気付くことは叶わなかった。 ]
[かつり こつり]
[硬質に鳴らされる音は、確かな間と。 ――― 重さを、膨らませてゆく。]
(287) 2015/05/14(Thu) 04時頃
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[ゆるゆる 振るわれた首には。 口を開くも、数秒の間。
そして ―――― 、]
[綴る。]
[揺れた肩に、 >>261言い切られることのない、音。
( 噫。 まっすぐ否定してくれたら、 …… よかったのにね。 )
すこし。自分勝手な事を思いながら、 睫毛を中程まで伏せ、 ]
(288) 2015/05/14(Thu) 04時頃
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(でも。これが『真実』なら。 …… それも、単なる気休めだもの)
[ ふるる と、 振るった。 ]
…… ワタシも、そう思うけど ―――…。
[ 輪にかけたよに、爆ぜた話。
夜天の下に感じた、 身震いするよな
どろどろした、悪寒。 ]
[それが、どうしても、 たちの悪い『嘘』と思えなくって。
くぐもる声に、 ワタシは、ただ。声を落とすだけ。 ]
(289) 2015/05/14(Thu) 04時頃
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…… さあ、ね。 ……でも、ほんとなら…、
[息を吸う。 躊躇うよな。 平和ボケした猫の声が。 取って代わるように、]
よーっぽど、
この 『平和』が、 気に要らないひとが、居るんだろうなあ。
(290) 2015/05/14(Thu) 04時頃
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[一瞬。 真冬に放り出した鉄塊のように。 『違反者』を処す『狗』のように。
ひどく、つめたいこえになって。 猫自身、(ワタシも、)吃驚した。]
(292) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[噫。
こころのなかの、 片割れが『見当たらない』せいか。
…… ―― ぐらり、 不安定な人格の天秤は揺ら 揺ら。
狗も気付かないうちに、
猫の人格も、 『狗』の影響をおおきく、 受け始めていて。
猫も、取り戻したくないと思った。 一年前までの冷徹な兵の貌が、 ちらり、と覗いては沈む。 ]
(293) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[その自ずの変化に、 蒼をまあんまる。
宝石を見開くが。 直ぐに閉ざして、なんでもなかったように。
逆に>>261ガタ、と勢いよく鳴る 椅子の床擦れ音に瞬いた。]
…… ――― 、
…… 確かめる、って、 ――― 教会に?
(294) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[顔を顰める。
本当に、あの偏屈家が言うほどに。 アレルギーのよに、 教会も神も嫌いなものだったから。
すこうし、悩みながらも ――、]
[ …… 。 ]
スティが、教会に行ってるはずだから… 行かなくても、聞けば教えてくれるだろうけどねえ。
… ベネが、どうしてもっていうなら ワタシも、ついてくよ。
(295) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[さっきの、 スティと会った朝ならいざ知らず。]
[こういう時に。
… 信じもしない、神から。運命から。 逃げてばかりいては、腰抜けで ……
( ――― そうだ。馬鹿らしい。 あんなの、ただの建物じゃあないか。) 渋々、は声に出てしまったかもしれないけれど。 こくり。頷いたところで、
>>284新しく、 ぎい、と。戸の開く音。 ]
(296) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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――― やあ、鴉の。
[昨日見たばかりの赤毛が、 外気を連れ立って、入ってくれば 睨めつけるように、目が細まる。]
[名を、愛称を、呼ばないのは、 親しみを覚えていないが故のこと。
更に その気に引き摺られて、 狗の貌が 表に出だす。
声音が、すこしばかり下がった。 ]
…… そりゃあ、これだけ噂になってれば、ねえ? ベネには、今教えたところだけどな。
(297) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[は。と、歪な口許を作れば、
『昨日のこと』を想い出しながら、 猫から、鴉の『気』に 引き摺られるように出てきた『狗』は。
鼻を鳴らした。 ]
…… で。
――― あんたも、 不安になって噂を確かめに来たクチかい?
[まったく、渡鴉がそんな風に見えないのを 分かった上で、炯々と狗は蒼を輝かせ。]
(298) 2015/05/14(Thu) 04時半頃
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[ ――― その奥の、 『味方』か『敵』か。
まるで探るみたいに見える その問い掛けを引きだすよう、 顎先をちょい、と上げ。 煽るようにして、 促した。 *]
(299) 2015/05/14(Thu) 05時頃
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― 本屋 ―
……さあねえ。
わからない。 わからないけれど…、
[ 人と、狼。 ふたつの、絆を断つよな輩の仕業なんか。]
… 族長が殺されるってことは、 …‟そういうこと”もあるんじゃあないのかしら?
[>>307『まさか』と。 影に威圧されるように、肩を震わす彼に、 まあるくした瞳を、元に戻してから。
流すよに、けれど ふざけた猫とは違って、どこぞ真剣な面持ちを。 携えて、本屋の壁に凭れた。 ]
(363) 2015/05/14(Thu) 16時頃
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[教会に拒絶を、距離を ―――
そうどうしても、 嫌気がさしてしまう猫に >>309向けられた怪訝。
それに気付けど、 いま、繕うことでもないから。 特に言い訳を示すことなく、 代替案を置かれると すこし、ほ、と。 不謹慎ながらも、安堵を零してしまう。]
…… そうだねえ。 もし、確かめようにも …… 綺麗にされちゃってる可能性もあるし。
(364) 2015/05/14(Thu) 16時頃
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[それがいつごろ起きたのか。
いつごろ発見されたのか。
いろいろな思考がごった煮になりながら。 言葉を濁しながらも、頷く。]
そろそろ戻ってると、いいんだけどねえ。 どうだろう、きっと騒ぎになってそうだし。
[簡単に戻ってこれたかどうか。
まさか、宿に居たなんてことは 思いもしなかったけれど。]
[そして、戸の軋む音。 尻尾逆立てた狗は、>>305赤毛を怪訝に見る。]
さあ。
(365) 2015/05/14(Thu) 16時頃
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余所でおこっても、 この村に関係あるか、なあんて。 …… 起こるまでは、わからないことだろ。
[『やっぱり』。 その、予感めいた響きに、 すこし。 鋭さを帯びる。] …… 『やっぱり』、って。
あんたはどこか、 起きるとでも思ってたみたいだね?
[音はなけれど、鼻を鳴らすように。
じい と、見て。 その答えはどうだったろうか。]
(366) 2015/05/14(Thu) 16時頃
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[>>315赤毛の唐突な問いと、 >>335ベネの問答には、 ようく遺伝だとかはわかってないものだから。
尻尾代わりの、 漆黒のストール揺らして、見ていた。]
[>>352種明かしも無く、 なあにか急に聞いたものだから きっと 意味はあり気だけれど。
言い含む様子をまた、じい。と。]
[凝らしながらも、 >>350ベネの提案の方へと目を逸らせて。]
そーだな。
茶なら、アタシが、
(367) 2015/05/14(Thu) 16時半頃
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