人狼議事


268 オリュース・ロマンスは顔が良い

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視点: 人


【人】 山師 グスタフ

[記憶というのはいつだって断片的だ。
あの時の、表情、声、匂い、柔らかさ。
全部覚えていたいと思うのに、叶わない。
一番に強い記憶に引きずられる。

絵具を混ぜるサイラスの手を見ていた。
自分でひいた線より、笑顔をきっと覚えている。
何よりずっと、「待ってる」と、
その声が、代え難い記憶になる]

(279) 茄子 2019/08/11(Sun) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[この家は、様々な記憶が積み重なる家は、
有能な執事のおかげもあって、いつ帰っても記憶と相違ない姿を見せてくれた。
去年より屋根の色が褪せたか、なんて思っても、大抵は気のせいだ。最初からあんなもんだ、ですませてしまう。
その程度の記憶だ。

でも、次からはきっと違う]

 いっそ、此処に住んでもいいけど。
 ……冗談。  でも、家賃はいらない。

[もう長らく、仮住まいのようだった空っぽの家は、
誰かが、――サイラスが、通うようになれば、
また家としての思い出を積み重ね始めるだろう]

(280) 茄子 2019/08/11(Sun) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

 掃除してくれるだけで十分だ、
 いつもは、帰るときだけ人呼んでさ、

[金額はさすがに言わないまでも、スイート・スチュワードで指名して、なんて言えばある程度は伝わるだろうか]

 誰かがいてくれたほうが、
 本当は一番いいんだ。 わかってて、そのままにしてた

[柱に刻まれた成長の記録を指でなぞり、
2階へ続く階段を見上げた]

(281) 茄子 2019/08/11(Sun) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[寂しかった、というのとは少し違う。
………違う、と思っていた。
海に出ればしゃんと伸びる背も、
この家では少しばかり丸くなる。
たったそれだけのこと。

誰も見ていない家の中は自由で、
でも、誰かに見守って欲しかったのかもしれない。
星に、海に、そしてその全てといってもいい、
ただ、一人に*]

(282) 茄子 2019/08/11(Sun) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

 来年、 ……ん。
 次帰ってきたら、
 見違える家になってるかもな、

 好きにしてくれ、 は、違うか。
 自分の家、って思ってくれ

[いい大人が、なんて笑いながらもつけた柱の傷は、その第一歩にもなるだろう。
新しい記憶、は俺にとってもそうだ。
止まっていた、いやあえて止めていた時間が動き出す。
またこの家は、息を吹き返すのだ]

(291) 茄子 2019/08/12(Mon) 01時頃

【人】 山師 グスタフ

[のぼせたように真っ赤な顔での告白には、それ以上は言わなくていい、とキスで返事をした。
はじめて、とかそういうのに拘ったことは今までなかったが、サイラスの、最初で最後の男になる、と考えるのは
随分と気分が良かった。
出会えてよかった。
まっすぐに視界を横切る流れ星を、見逃さないよう目を凝らしていてよかった。幸せを、この手に掴む事ができて本当によかった]

 もっと、  もっと幸せにする

[星も朝日も、あの丘でのように
サイラスばかり見ていることになりそうだ。
共に迎える朝日を見るのは初めてになるのに、
どちらを見逃したくないか、って言ったら
そんなの答えは決まっている]

(292) 茄子 2019/08/12(Mon) 01時頃

【人】 山師 グスタフ

[どちらが早く目覚めるか。
勝者は勿論―――、
船乗りの朝は、太陽よりなお早いってことだ。

天窓は夏の日差しを浴びるには良くない。
サイラスが日焼けする前に起こさなきゃ、と想いながらも
星の光よりもその髪を輝かせる朝日に、
感謝しながら嫉妬して、
光が触れる箇所全部にキスを落とした]

 おはよ、  ……かわいいな

[共に夜を超えたこと。
朝を迎えたこと。
幸せってだけで目の奥が熱くなるのは、
もしかして年のせいか。

思ったことを堪えることも出来ず、
かわいい、好きだ、って繰り返しながら
量は少なくなってきているとはいえ、種類豊富な冷蔵庫の中身から、朝食を一緒にとって、それから、]

(395) 茄子 2019/08/12(Mon) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[それからはずっと、思い出を積み重ねた。
どれだけ積み重ねても、足りなくなるってわかってるけれど、会えない間の心の燃料、その火種だ。
想えば、名を呼べば、火種はごうと燃え盛る。
会いたい、会いたいと唱えれば、
その声は風となって空気を、愛を吹き込むんだ。

出発前の船には勿論、乗組員以外は乗り込めないから、
港であれだよ、と指をさした。
初めての船に乗る時は、まずは船底から甲板まで一気に駆け上がれるか試すんだ、それが難しくなった時が引退だと思ってる、だとか。
早起きしかいない船乗りの中でも、たまに本当にいつ寝ているかわからない奴がいて、だとか。

色んな話をした。
嵐の時は毎回不安で泣きそうになることも。
翌日の快晴、皆で笑いながら半裸で服を乾かすことも。
たくさん、たくさん話をした]

(396) 茄子 2019/08/12(Mon) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

 ― 出発の日 ―

[星が最も多く流れた週末。
オリュースは少しずつ、いつもの生活に戻っていく。
沢山の観光客を受け入れた港から、
ひとつ、またひとつと船が旅立つ。

遠くへと行く船ほどその体は大きく、
沢山の積み荷と人を蓄え、
多くの別れを背に、出発する。

どの船でも、別れを知らない乗組員はいる。
彼らはその瞬間だけ、専門とは違くとも仕事を請け負って、「さよなら」「また」「いつか」そんな言葉を叫ぶ仲間の背中を押すのだ。
今までは俺もそうだった。
故郷だろ、と顔見知りの奴は言う。
あのオレンジ色はもう見飽きたから、なんて笑ったものだ。
なあ、でも今までは海を見据えるばかりだったから、
今回ばかりは、いいだろう?]

(402) 茄子 2019/08/12(Mon) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[飛び跳ねる姿に、腕に抱えた軽さを思い出した。
陽光を反射する髪は、海よりずっと綺麗だ。
周囲には、同じように別れを惜しむ人が沢山いるのだろう。
みな、大事な人しか見えていない。

愛してる、と叫びたかった。
けれどこの街を離れるのは自分だ。
そこまで若くないから、ただ、頷いて、]

(409) 茄子 2019/08/12(Mon) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[大声で叫ぶ時みたいに、右手をらっぱの形にそえて、
伝わったから、伝わるだろう?
そのまま右手で唇に触れ、額の生え際あたり、前髪に触れてから、手を振った。
唇へのキスはどうしても離れられなくて、港で最後にしたキス。
もう触りすぎか、ってくらい何度も触れた、あの髪へ。
朝日に輝く海に似た金髪に、
忘れないで。
覚えていて、と。
声が届かなくとも、願いを込める。

なあ、サイラス。
船乗りは早起きなだけじゃない。目だっていいんだ。
ぼろぼろに零れた涙で、俺の顔が見えなくなっていたとしても、大丈夫。俺は、その青を見ていたよ。
海より空より、世界の何より好きな青を、
別れを終えた周囲が帰っていく中でも、
見送ってくれたことを、知っているよ]

(410) 茄子 2019/08/12(Mon) 23時半頃

【人】 山師 グスタフ

[海での生活は過酷だ。
寂しがる暇なんて、………いくらでも、あるに決まってる。
あの日、サイラスを抱きしめながら、
きっと俺は自分でも知らない寂しさを知るんだろう、なんてことを考えていた。のんきな話だ。本当の寂しさを知らない。
会いたくて、夜一人で泣く日が来るなんて、誰が思った?

話したいことがどんどん増える。
聞いて欲しいことが増えて、
今何してるんだろう、ってずっと、考えた。

他に考えることがないのか、って?その通りだ。
それまでの俺は、何もなかった。
だから、未知の何かに焦がれていたんだ。
勿論今も焦がれている。海と結びついた錨はもう誰にも外せやしない。でも、サイラスとの愛の錨だってそうなんだ。
もう、それなしじゃあ、……生きられない、とかじゃない。
俺じゃ、なくなるんだ]

(414) 茄子 2019/08/13(Tue) 00時頃

【人】 山師 グスタフ

『会いたい』
『愛している』
『元気にしてるか』

[そんな平凡な言葉しか並ばない絵葉書。
寄港するたびに送って、
返事が貰えるはずもないのに、
(仕方ない、それが船乗りの定めだ)
それが、痛くて。痛くて、いたくて、
気が付いたら、また次の流星の季節が近づいていた]

(415) 茄子 2019/08/13(Tue) 00時頃

【人】 山師 グスタフ

[そんな情けないことになってるなんて、言えるはずもないし、言うはずもないし、……もしかしたら、冗談に紛らわせて言えるかもしれないけれど。
――そう、思っていたんだけどな。

年をとると、涙もろくなるんだよ。

一年前のことを。
最初に見た運命の絵を。
あの日、天窓から見た星の光を、]

 ………ただいま、

 会いたかった

[絵葉書に勝るとも劣らない、一言。
なあ、今ならちょっとくらい、泣いたって、いいだろ]

(422) 茄子 2019/08/13(Tue) 00時頃

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