278 冷たい校舎村8
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――昇降口――
[氷室が一気に階段を下りていく。 辰美はそれを目を細めて見つめた。
光が漏れる昇降口は、 確かにここからの脱出口。>>257 つぎはぎだらけの虚構の城の終焉だ。 帰るのは嘘じゃないと葉野が言う。>>256]
ならいいんだ。 そら、みんなで出ようぜ。並んでさ。
[一人だけ先に帰るなんてずるいだろう? 辰美は言いながら、葉野に歩調を合わせて 光さす方へと歩き出す。]
(262) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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[ふと、光に飲み込まれる一瞬、 葉野の声が聞こえた気がして、
辰美はそれに――――、目を閉じた。]
(263) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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[楽しかった。笑えるくらい楽しかった。
……そんな感想は、どうにも能天気に過ぎるだろうか。 まあいいだろう。思うだけなら自由だ。 咎めるものも、いやしないのだし。]
(264) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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――昇降口――
うん、信じるよ。
[ 「嘘じゃない」、なんて念押ししなくたって、>>258 今更、帰る、って言葉を疑ったりはしない。 そして、さあ帰ろうと、光に飲み込まれていく直前。 もし、その声が聞こえたなら。>>259
どういたしまして。 大丈夫、ちゃんと見てるよ。
俺も、僕も。2人で、君のことを見てるから。 一緒に、頑張っていこうね。
心の中でそっと応えて。 皆と共に、光に呑まれていくだろう*]
(265) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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…………ありがとう。
(266) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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[去りゆく場所に零せた言葉は、それだけだった。*]
(267) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2020/06/23(Tue) 23時半頃
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―― 昇降口 ――
[みんなで並んで、という 辰美の言葉>>262に頷いた。
まるで徒競走のスタートラインで 空鉄砲を待つ運動会の子供みたいに、 昇降口に横並びになるのだろう。
抜け駆けはなしだろ、って 歯を見せて笑いながら]
(268) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[もちろん、信じているさ>>258]
(269) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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いっせーの!
(270) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[元気よく、その一歩を踏み出した。 光の粒子に飲まれながら、 文化祭の出来事が走馬灯みたいに駆け巡る。
さよなら。だけど忘れないよ。 そのあとに起こったことも含めて、 ちゃんと向かい合って生きていきたいんだ。
俺は光の奔流に飲まれ、静かに目を閉じた]*
(271) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[みんなとの文化祭の思い出は、 本当にかけがえのないものでした。]
(272) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[どうか、それだけは信じて欲しかったので、このメールを遺します。 許してくれなくてもいいので。]
(273) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[さよなら。 今まで生きてしまって、ごめんなさい。]
(274) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[——結局、これらも嘘ということになってしまうのだけど。 仕方ないよね、だってわたしは嘘吐きだから。
自分の中にある紫色の中には、嘘の赤が含まれている。 でも、赤色に混ざる青色が何を示すのかは分からなかった。
今ならなんとなくわかる。 わたしの中には赤色も青色も含めて、いろんな色があって…… 経験や、記憶や、みんなの存在、 それらすべてが混ざり合っているうちの、紫色だったんだ。]
(275) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[真実を示す色は、わたしの中にあるみんなの色だった。*]
(276) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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