82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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そっか、……
[>>3出かけないと言う言葉に、 安堵したような笑顔を浮かべて、耳元で囁かれて くすぐったそうに、小さく笑いを零した。
攻芸が傍にいれば、胸の痛みが少しだけ和らぐ。 もう少し、もう少しだけ、時間があれば、 いつものように笑えるはず……**]
(5) 2013/05/17(Fri) 00時半頃
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[>>19また、何かを失いそうで。 その気配に小さく震え、縋るように腕を伸ばせば、 囁かれた言葉に、頬を染める。]
……っ、うん
[微かな声で囁き返して、こくりと頷いた。
彼が傍いればいい。 いてくれさえしたら、そこが自分にとって 幸せな場所だったから、
攻芸が、死の向こうに 別れを見ていることなんて、知る由もなく、
今はただ、その腕に身を任せた。**]
(42) 2013/05/17(Fri) 08時半頃
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ん、……大丈夫、
[>>43ゆっくりと起き上って、背を預けた。 この温もりを失いたくない。
抱き締めてくる腕に手を添えて、 幸せそうに笑みを零した。
包帯の下が、僅かにひきつるような。 奇妙な感覚がしたが、それは、一瞬だけ。
何が起き始めているのか、知るのはきっと 朝が明けてから、**]
(47) 2013/05/17(Fri) 12時半頃
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―夜半― [いつ眠りについたか。 その寝顔は、どこか安心したような幸せそうなもの。
この一瞬が、もう少しだけ、 あともう少しだけでいいから、続いてくれたら
深く、浅く。 眠りの微睡の中で、小さな願いを]
(98) 2013/05/17(Fri) 18時半頃
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―翌朝― [少し遅い朝。 攻芸は、恐らくもう起きて、活動を開始していただろう。 未だ少し赤い目をこすり、ゆっくりと体を起こせば]
……っ、てて
[怪我をしたところもだが、色々な所が痛い。 気だるさと痛みに呻きながら、なんとか動き出せば 傷を負った左の頬に違和感を感じた。
何か、重いような、ひきつるような。 少しの不安が過ったが、すぐに確かめようとはせず、 着替えを始めた。包帯を取り換えようかと思ったが、 今取り外すのは、何か嫌な予感がして……]
(100) 2013/05/17(Fri) 18時半頃
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[着替え終われば、ふらふらしながら台所へ、 きゅるると腹が空腹を訴えていたので、 いつもの野菜スープを作る]
攻芸ーー?
[家の中にいる気配がすれば、呼び寄せて]
朝ごはん作ってるから、お前は……掃除、な エルさん家の前の……
[悲しそうな色を瞳で揺らして、柔らかい声でそう頼んだ。
それから、自分は調理の続きへ。 パンを見ると、昨日の師匠の言葉を思い出して 後で行こうと考えていた。
保冷庫から、ジェームスからもらった パウンドケーキを取り出し、切り分ければ 果物を添えて、テーブルに並べ。今日の朝食の完成だ。]
(102) 2013/05/17(Fri) 18時半頃
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手合せ? ……あぁ、約束していた……
[約束。 叶わない約束が沢山あった。 この村で、いくつの願いが、祈りが、届かなかったのだろう。 何が起きても後悔をしない為に、]
……いいよ、お弁当くらい、いつでも。 沢山作ろうか、
[重い言葉に笑顔を返す。 豆料理を沢山作ろう、あとで隣の家に届けよう。 そんなことを考えながら、]
(107) 2013/05/17(Fri) 19時半頃
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そうそう、遠慮なく頼れよ 俺たち、……相棒、だろ?
[>>111いつもの癖。 小首を傾いで、緩く笑った。 相棒以上の存在だけど、口に出すのは照れくさくて
美味しいと言う言葉が、聞こえてきたのは、 さすがに驚いて] …………ふふっ、ありがと
[少しの沈黙の後、くすっと笑った。 とても嬉しそうに、幸せそうに、]
(115) 2013/05/17(Fri) 20時頃
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……そうだな、きっと美味しいよ
[攻芸と食べる食事は、いつでも美味しかったけれど。 この前、縁側で食べた昼食の様に、もっともっと、 美味しい食事になるだろう。
食事は、心と身体の休息時間。 大事なひと時を愛しい人と過ごせれば、それだけで幸せだけど 違うスパイスがあるのも、なお良いものだ。]
楽しみだねっ、それじゃ張り切って作ろうかな!
[楽しみだと、笑いあえるのが嬉しくて、 腕まくりをして、弁当の準備を始めた。]
(116) 2013/05/17(Fri) 20時頃
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チアキは、鼻歌交じりに台所に立っている。**
2013/05/17(Fri) 20時半頃
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[>>117攻芸が笑ってくれるのが嬉しかった。 それが自分の真似だとは気付いてないけれど。
珍しく、感謝の言葉。 今日の攻芸は、いつもと違う気がする。
少しの不安が過る。 昨夜の言葉が過る。
まるで、別れが近いみたいじゃないか。]
……うん、どういたしまして [不安げに瞳を揺らして、薄く笑い返した。 だけど、それも一瞬の事。]
(120) 2013/05/17(Fri) 21時頃
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俺のしぶとさ、舐めんなよっ
[>>118病人扱いに軽口を返せば、 一緒に食器を片づけに台所へ。
洗い物を済ませれば、弁当箱はどこだったか。 まずそこから、始めた。
攻芸が出て行った後。 屈んで、戸棚を覗き込めば、さらりと髪が揺れて 水瓶の艶やかな表面に薄く自分が映っているのが ちらりと見える。
なんとなく見たそこであることに気付いた。 左側の首筋に僅かに黒い染みができている。
血の痕でもない。 まるで割れた石の表面のような色をしていた。]
(121) 2013/05/17(Fri) 21時頃
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―――っ、!!!
[慌てて首を抑える。 包帯の下、頬の部分に奇妙な感触がした。
硬い。 自覚すると、重さと引きつるような感覚もはっきりしてきて 慌てて見えないように、包帯を伸ばした。
いずれ気付かれてしまうけど、今はまだ知られたくない。]
(123) 2013/05/17(Fri) 21時半頃
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[平静を保とうと、静かに深呼吸。 このまま、病に倒れれば……攻芸もまた、きっと倒れてしまう。 それは分かっているけれど、どうにかしようと思わないのは
残して逝くのも、残されるのも嫌だから、 それは酷く子ども染みた独占欲。
彼が地獄に堕ちるなら、きっと後追うだろう。 入れないと閻魔に言われたら、喧嘩を売ってやる。 無理やりにでも、連れ出してやる。
そんな、子ども染みたことを考えていて、小さく苦笑を漏らした。 攻芸はどうも、少し俺の事を綺麗に見過ぎなきらいがある。 こんなにも欲に忠実で、エゴの塊なのに、]
(128) 2013/05/17(Fri) 21時半頃
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……しっかりしろ、俺
[片手で右頬を叩いて、暗い感情を追い出す。 気を取り直して、戸棚から弁当箱を取り出せば、調理を始める。
この前の残りのひよこ豆を水煮して、適当にすり潰す。 それから、水切りした豆腐と調味料などを一緒に混ぜて焼けば、 まずは1品。豆腐ハンバーグのできあがり。
同時作業で、同じひよこ豆を鹿肉とトマトと一緒に煮込む。 そのうち、ぐつぐつと良い香りが、漂ってきただろう。]
(131) 2013/05/17(Fri) 21時半頃
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[そして、途中で、はっと気づく。]
……主食、がない
[米は切れている。 パンも殆どない。なんてこったと、頭を抱えて]
攻芸ーーーー!! ちょっと、出かけてくる 師匠の家に……お前も行く?
[攻芸に呼びかけて、姿を見つければ、遺言通り、 パンを貰いに行こうと誘う。
師匠の事だから、俺だけじゃなくて、他の人にも きっと食べて、元気になって欲しいはずだから、 弁当と一緒に持って行くつもりで、]
(133) 2013/05/17(Fri) 22時頃
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……やるなら、今日がいいと思ったからさ うん、トレイルさんのとこにも言って、ちゃんとお願いしに行こう
[約束を、後悔のないようにと思っていたけれど。 今は……残された時間が、ないことも自覚しているから
僅かに声に切なそうな色を滲みませたが、 それも一瞬の事。すぐに明るい声を出して、一緒に師匠の家へ]
→ケヴィン家
(137) 2013/05/17(Fri) 22時頃
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―ケヴィンたちの家へ― [頬の痛みをそういえば感じなくなった。 どれくらいの速さでこれは進行するんだろう。 ホレーショーやサミュエル、ドリベルの様子を思い出す。 大丈夫、きっと……まだ、時間はあるはず。
真っ直ぐに、師匠の家を目指せば、]
お邪魔します、
[無人の家の戸を叩いて、 礼儀正しく頭を下げれば、中へと入った。 暖かい優しい気配に満ちた場所だったのに、今はどこか寒い。
だけど、ふと風を感じて>>141]
(143) 2013/05/17(Fri) 22時半頃
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うん、……良い風、だね ホレーショーさんがいるみたいだ、
[緩く笑った。 右の胸辺りも、なにか、 引きつる感覚がしたけど気付かぬふりをした。]
(144) 2013/05/17(Fri) 22時半頃
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[しばし、風の感触を感じてから]
パンは、確か……あっちのはず、
[いつも出してくれるのを見ていただけだから、 確かに覚えている訳ではないけれど、いつもの彼らを思い出して 少し悲しい顔をしそうになった。
我慢しかけて、
泣きたいときは、泣けと言った人たちの言葉を思い出す。 だから、我慢はせずに悲しそうにしながら、胸に刻んでいた。 この風景を、彼らがいた記憶を、]
(145) 2013/05/17(Fri) 22時半頃
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うん、……そうだと、いいな
[>>147傍にいてくれる。その言葉に笑い返して、頷く。 だけど、一番、傍にいて欲しいのは…… 口に出そうと思ったけれど、今は言い出せなくて口を噤む。]
あぁ、頼む
[部屋の奥に消えた攻芸を見送ってから、 右の胸辺りに触れた。
そこも、また硬かった。 筋肉の感触ではない。
小さく息を吐いて、窓の外を見つめた。]
……パン食べて、元気出しますからね
[今朝は、食べてない。 だから、今は元気がないんですと、胸の内で呟いて]
(150) 2013/05/17(Fri) 23時頃
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[昔から、隠し事は苦手だった。
なんでも顔に出てしまうから、 喜怒哀楽が激しくて、そんな所をよくサミュエルに からかわれていた。ときどき、ドリベルも一緒になって、
思い出せば、やはりちょっと腹立たしいけど。 あの日常は、もうないのだと思うと寂しい。
攻芸に気付かれているなんて、思わないまま、 どうやって隠そうかと、未だ悩んでいた。 これ以上広がったら、隠し通すこともできないけれど。]
(154) 2013/05/17(Fri) 23時頃
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お、これは……ブルーベリーのパンかな?
[>>156微かに香る甘酸っぱい香りに微笑んだ。 出かけると言う言葉に、一瞬だけ寂しそうな顔をしたが]
あぁ、迷い子になるなよ? それが一番、心配だ
[本音と冗談を混ぜて、頷き返した。 何か決意を込めて、出かけたいと言っているのを感じたから 黙って見送ろうと思った。きっと、帰ってくると信じてるから]
うん、……待ってるよ、ずっと あんまり遅いと、探しに行くけどな?
[待ってるだけは性に合わない。 だから、あまりに遅ければ、探しに行くぞとちょっとの脅し。]
(160) 2013/05/17(Fri) 23時頃
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忘れ物、か……
[>>161ふと、栞のことを思い出す。 あの子になぜ、あれを渡したのか。 訊かれれば、ただ……放っておけなかった。 きっと、そう答える。
ゼラニウムの花言葉は、友情……そして、慰め まだ他にも会って、親友から聞いた覚えがあるけれど、 思い出せない。少し申し訳ない気分になる。]
……あいつ、元気かな
[ぽつりと呟いてから、 パンの包みを抱えて、外へと歩き出した。]
(162) 2013/05/17(Fri) 23時半頃
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さぁさぁ、料理の続きに戻らないとだし!! 早く、トレイルさんのとこにも行こうかっ!
[攻芸の背後に回れば、 パンを持っていない方の手で背中を押した。
一度、師匠の家を振り返って、軽く会釈をする。]
いただきます、師匠、ホレーショーさん [小さく呟いてから、歩き出した。]
(164) 2013/05/17(Fri) 23時半頃
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―トレイル家へ向かう途中―
エルさんたちにもあげるから、いいんだよっ
[>>166約束したから、豆料理を沢山作るって、夕飯に、 ただ……夕飯までに、この身体が持つか分からなかったから、 弁当にして、一緒に作ろうと思った。
それは口には出さなかったけれど。 道すがら、ふらふら歩く白い影を>>149見つけることができたなら きっと声を掛けただろう。]
(167) 2013/05/17(Fri) 23時半頃
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[トレイルの家に向かう途中で、 あの白い方の錬金術師を見つけて、声を掛ければ 駆け寄ってくるとフードが外れて>>171
意外と同じくらいの歳な気がした。 実は、年下だと思っていたなんて言えないが、 渡した栞をつき返されて、少し困った顔をする。]
確かに、俺だけど……迷惑、だった?
[しかし、理由は違うようだ。>>172>>173 その言葉を聞けば、そういえばそんな言葉もあったと 親友の言葉を思い出していた。
じぃと傍らの攻芸を見上げた。どうするのかなと、]
(176) 2013/05/18(Sat) 00時頃
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[ローブの裾の隙間から、黒い腕が見えて>>173 少しだけ悲しそうな顔をした。
別れたまま、生きていくのは辛いだろうけど。 やはり、誰かが死ぬのは悲しい。]
(179) 2013/05/18(Sat) 00時頃
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[>>180精進しよう。 その言葉に思わず、くすりと笑う。
それにお守りの意味があることは、今は内緒にしておこう。 きっと、彼が帰ってきたら、教えてあげよう。 効果があったろ?って笑って話してやるんだ。
そして、去り際に名前を聞かれて>>174]
俺は、チアキだよ、
[さようなら。と立ち去る背に]
さようなら、ペラジー……またな、
[こちらは、また。と声を掛けた。]
さて、行こうか
[攻芸の背を叩いて、トレイルの家を目指した。]
(182) 2013/05/18(Sat) 00時頃
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―トレイル家前― [>>181頼もうと言いそうになってる攻芸に苦笑を漏らす。 それじゃあ、道場破りだろうと]
すみません、いしゃっらいますか?
[攻芸が戸を叩く音の後に、控え目な声で同じように声を掛け]
(184) 2013/05/18(Sat) 00時頃
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チアキは、[>>184どうやら寝ぼけているようだ。噛んだので、慌てて言い直しただろう]
2013/05/18(Sat) 00時頃
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[出てきたトレイルの声が、いつもの調子で少し安心した。 この前、会った時大分心配させてしまったし、]
おはようございます、トレイルさん、ジェームスさんっ 今日はですね、お願いに来たんです
[元気よく挨拶すれば、お願いがあると攻芸の方をちらりとみた。 今日は、というより今日も、になるのだろうか。
病の事は、悟られないようにしなければと、 さりげなく首の所に触れて、見えないように隠した。]
(189) 2013/05/18(Sat) 00時半頃
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