255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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― 本屋 ―
[店内のカウンターの中で、鼻歌をうたいながら手元の用紙にごちゃごちゃとメモ書きをする。 たまにぐるぐると書いたものを塗りつぶし、また新しい文字を書いていく。
この店は暇だ。 だから、考え事をする時間は山ほどある。]
…今日はちょっと、早めに店じまいしようかな
[今日は客の姿も見えない。 たまにはずるをしてもいいだろう。 少し閉店していたからと言って、潰れる店でもないし、たまに客先への本の配達の時にはシャッターを半分閉めて、実質店を閉じていることを商店街の皆が知っている。]
(157) 2018/12/03(Mon) 00時半頃
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楽しいな
[色々と考える事は好きだ。 そしてそれを形にしていくことも。 そう、わたしも十分夢見がちなのだ。]
でもまずは…
[観察しよう。 見て居よう。 楽しい上に、幸せだ。]
(158) 2018/12/03(Mon) 00時半頃
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[色々と荷物を入れたナップサックを背負って店の外に出ると、本屋のシャッターを半分閉める。 さて、一度自宅に戻ろうか、それとも彼の店の付近へと行ってみようか。 色々考えながら、道を歩いて行く。]
あ、そうだ。 パン、まだ食べてないわ。
[ちょうど近くにあった小さな公園に入ると、ベンチに座り、ナップサックからパン屋の袋を取り出す。 買ったばかりの頃はいい香りを漂わせていたパニーニも、今はすっかり冷めきっている。]
ん、でも、すごくおいしい
[本当に、ココアのパンの味がした。 彼女が招集されると知っている身としては、食べたら寂しい気持ちにもなりそうなものだが、何故かそんな悲しい気持ちなど感じさせない、不思議と前向きな味がした。]
(160) 2018/12/03(Mon) 00時半頃
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…でも、そういうものだけじゃないのよね
[ココアのパンは、世の中の素敵なもの、素晴らしいものの一つだ。 でも、それが全てではない。 素敵なもの、素晴らしいものはまたその正反対にも存在する。 微笑みながら、呟いた。]
うん、急いだほうがいいよね。
[パンを食べ終え心なしか元気が出た気がする。 よし、と小さく気合を入れて立ち上がると、まずは必要な荷物を取りに少し早足で家路を急いだ。]**
(161) 2018/12/03(Mon) 00時半頃
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― 薬屋 ―
…あれ?
[一旦家に帰ると簡単な準備を済ませ、すぐに家を出る。 そして何気ない素振りで向かった先はやはり薬屋前だった。
さて、彼の不在時を狙うために、どのような場所で見て居るのが適当か、と様子を窺おうとし、さりげなく店の前を通り過ぎようとしたとき、扉の張り紙に気が付いた>>44]
…
[何も言わずにそのまま、以前、通行人からも見つかることのなかった建屋の脇に歩いていく。
さあ、どうするか。 一時間後に戻る。 どこから一時間なのだろうか。 あと10分で戻る可能性だってある。]
(242) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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まあ、いいか
[なにせ時間がない。 微笑んで呟くと、ナップサックからマイナスドライバーを取り出し、窓枠から硝子を剥がすように一撃入れた。 鈍い音がし、硝子の隅に小さくひびが入る。]
って… 不用心ね
[ひびを入れた窓から少し離れた奥側の窓が、ふつうに開け放たれていた。>>144 こういうところが… 笑いながら、窓枠にスニーカーの足をかけると、勢いをつけて窓から部屋の中へと入りこんだ。 後で窓枠は拭けばいい。 靴を脱ぐと、ナップサックに入れ、内部を見回す。
さて、ここからだ。 彼が戻るまであとどのくらいかわからない。 足は真っ直ぐ二階へと続く階段へ向かった。]
(243) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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― 薬屋・二階 ―
[二階はどうやら3つの部屋と物置に分かれているようだ。 部屋は倉庫と、タツミの部屋と、恐らく前店主の部屋だと当たりをつけ、タツミの部屋の書棚や引き出しを漁っていく。
ここは荒らしたことがばれると面倒だ。 出来る限り慎重に物を動かし、また戻していく。 見た目としてはうまく戻せているが、部屋の持ち主からしたら何かしらの違和感はあるかもしれない。
しかし成果は振るわない。 日記やら手帳やらが見つかると良かったのだが…
もう猶予時間はほぼ無くなっているはずだ。 仕方なく立ち上がると、帰りついでにもう一つの部屋…恐らく、サイラスの部屋だった場所もちらりと覗いていく。]
…サイラス・チャニング
[店主の残した荷物の一つに、名前が書かれていた。 特に仲良くもなかった前店主のフルネームを、今初めて知った。]
(245) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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[最後に倉庫を眺める。 店じまいだからだろうか。 もう大分がらんとした倉庫の片隅に、金庫が置かれているのが見えた。
しかし、遠目から見てもダイヤル式だということがわかる。 あれを何のヒントもなく開けるには時間があまりにも足りな過ぎるだろう。 目に入れるだけ入れてそのまま階段を降りた。]
(247) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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さてと
[階段を下りて、一息つく。 窓ガラスにひびを入れてしまった。 そして、気づいたことだが、軽く湿って苔むした家の横側の土の上には、あとで軽く誤魔化すにしても誤魔化し切れない足跡が残っていた。
これは、空き巣に入られたと思われた方がいいだろう。
店側に行くと、こちらも薬の在庫は大分無くなっているようだ。 取りあえずかるく店に並べられた薬を床に落とすと、なにかよく分からない厳重取り扱いになっている薬を2,3個ナップサックに入れる。]
あ、そうだ ついでだし、持っていこう。
[ふと考えると、棚から包帯と消毒液を何本かまとめて取り、同じくナップサックに入れた。 腕時計を確認する。]
(254) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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ほんとまずそう。
[急いで入ってきた窓から飛び降りると靴を履き、窓枠を拭く。 足跡をこするように消しながら薬屋入口までくると、呼吸を整えた後、大通りへと出て行った。]*
(256) 2018/12/03(Mon) 22時頃
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