279 宇宙(そら)を往くサルバシオン
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― スラグについて ―
[鉄でできた、星があった。 小さな星だ。名前もない。
それでも不便がないような、 他星とのかかわりもあまりない星だった。 ゆえに共用語の普及もあまりされておらず、 独自の言語を使われていた。
機械音、正確には細かい金属の振動音。 他者が聞いてもそうとしか聞こえないそれが、 この星の言語だ。
ヴーーーーーーーーー…
…… 少し不便ができ始めたころ、 この星はそのまま鉄の星と呼ばれるようになった。]
(12) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[この星の鉄は、生きていた。 この星は鉄が支配していた。
地面から命が生まれた。 地面へと命が還った。
それは様々な形をしていて、 球体だったり立方体だったり、 人型だったり、四足型だったりと、 様々だった。 時には他星人と見紛う者もいた。
共通点は、生きている鉄。 それだけだ。]
(13) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[他の星から生命体が来るようになり、 人型の鉄が増え始めた。
中には異星間婚姻までする人たちも現れた。 生きている鉄には、 他星とも通じる感情というものがあったから。
そうして、鉄と他星人とのハーフ。 そういう人種が徐々に星に広がりはじめた。
ワクラバも、その一人だった。 彼の体内の半分は、溶けた鉄で満ちている。 もうずいぶんと錆び付いているけれど。]
(14) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[そもそも子供の作り方に無理があったのだ。 繁殖行動が違う以前に、鉄には生殖という概念もなかった。
ただ持っていた感情が、 今までにない他星者との交流で刺激され暴走し、 できるような気になってしまっただけだ。
結局子供を作るため、 親たちは命に命を混ぜ込むことにし、…
その結果、鉄でも人でもない、 新たな人種がうまれてしまう。
異星間結婚が流行りに流行った当時、 その時代に生まれた子供たちが大多数だが、 今でもその数は減ることがない。
それらの人種は様々な意味を込めて、 不純物…「スラグ」と呼ばれている。]*
(15) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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(16) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[鉄の星では、公務員だった。 砕けた鉄、溶けた鉄を回収する仕事だ。 片親で、親を看取ったときの回収も自分が行った。
毎日働いては近所の子供と遊んだり、 小さな鉄と遊んだり、 そんなゆっくりとした生活を送っていた。
ゆっくりとした中で、 ちょっとした事件があった。
鉄の子供が、 ちょっとしたいたずらで怒られたらしく、 ふてくされて自分の家に泊まりに来たのだ。
一日くらい、と置いたのだが、 その次の日もうちにくる。]
(17) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[家に帰れと言っても聞かず、 家の中は騒がしい金属音が響いていた。 返す言語は機械音だ。
スラグは金属音を言語として使うため、 頭蓋の中にチップが埋め込まれている。 そのため、会話によるスラグか純鉄かの判別は容易だった。
少し違う音だけれど、 それぞれの響きは似たようなもので、 とても、…とても、にぎやかで、楽しいひと時だったように思う。]
(18) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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(19) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[あの時のことを思い出そうとすると、 チップが熱を持ち回路が焼ききれそうになる。
助けたかっただけだった。 助けたかった、だけだったのに。
結果的に、 自分のせいで、 鉄が3人溶けた。]
(20) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[自分の仕事道具を使って、 子供が人を殺した。 その処罰を免れるため、 さらに鉄を溶かした。砕いた。殺した。
逃げようとした。 逃がそうとした。
その際に、体内にある鉄が溶け 歪に固まりなおしてしまって、 動作が不自由になったりもした。
移民船のチケットは、子供がとっていたものだ。 一人分しかとれなかったと言っていた。 自分は戻って罪を償うつもりでいた。
だけど、結果的にはそうはならなかった。]
(21) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[人を殺したあの子供は、スラグではなく、 純粋な鉄だった。 うちに来たこと、移民船のチケットが一枚だったことから、 恐らく計画的なものだったのだろう。
巻き込んだことへの詫びだろうか。
でも、違うだろう。 自分がもっと、もっと、気を付けていれば。 追い詰められたあの子を見れていたならば。 きっと結末は違っていただろうに。]
(22) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[コータへの激昂は、 荷物を見られたかもしれないということと、もう一つ。 部屋の中から仕事道具を持ち出した子供のことを思い出したからだ。
荷物の中。見られたくないものは、 砕けた鉄と、子供の写真が一枚。
他星の人間が見ても、 何の事だか解らぬだろう。
みていて、と言ってくれた相手も、 もう居なかった。]*
(23) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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― 最終日、翌朝 ―
[投票の結果。 モナリザが冷凍ポットで射出された。
もう毎日の日課のようになってしまった、 窓からの見送りを行う。
昨日の様子を思い出す。 がらりと変わった全てに、 くらげとはああいうものなのだと改めて思い返した。
相容れない。 おそらく共存の道はない。]
(24) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[ヒューマノイドとしてのモナリザの考えを、 くらげはずっと行っていたんだろうか。
なりかわる。 何にでも。
だとしたら、彼女の行いや言葉は、 生きていたのだろうか。
そう設定されているからだろうか、 他者を気遣い細やかで女性的なものだったように思う。 シルク以上に、誰かと共に居た印象だ。
本当に設定だけだったのだろうか、は、 今となっては解らない。
石や鉄にも感情があるこの広い宇宙の中。 言葉を使い他者と交流ができる機械に感情があったとしても、何の不思議もないように思えた。]
(25) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[こちらにとっての天敵に、 こちらから歩み寄る事は難しいだろう。
それこそ共存という名の家畜化や、 見返りを用意しての交渉、ルール作り等だろうか。
だが代表など作ったところで、 そいつが寄生されたらもう終わりだろう。
今の自分の頭では、 共存の道は限りなくないように思える。]
(26) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[寄生されたくらげを駆除する何かを作ったら、 どうなるのだろうとも考える。
対抗手段ができ、交渉の余地ができる、 という意味でなら、共存への一歩かもしれない。
それでも性質は相容れず、 結局は妥協と犠牲のもとに行われるだろう。
そうだな。 ―― そうだ、
ミタシュやアーサーのように、 駆逐する対象としてみるのが、 きっとおそらく、一番健全で建設的なのだろう。]
(27) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[くらげに情はあるのだろうか。 聞く機会を失ったそれは、 恐らくもう二度と自分では知れないだろう。
あの時にシルクがいたならば、 コータの時のように、対話しようとし、 くらげに関する情報を引き出せていたかもしれない。
だけど自分はそこまでするつもりもなく。 相容れない、と、そこまでだ。
積極的にどうにかしようとはしなかった。 きっとそれは、これからもそうだろう。
だからアーサーとミタシュとは、 この先道を違えることになるだろうとも予想がついた。]
(28) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[良い名だ、といった猫の姿や、 一生懸命に自分の考えを話そうとする少女の姿。
くらげとの因縁を持ち、優しい声を伝える猫、 他者に寄り添い、心を和ませる少女。
ああ、どこを思っても結局は、 共に居れるような相手ではないな、と思う。]
(29) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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[次星での寄港の際、 ワクラバは、サルバシオンを降りることにした。]*
(30) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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― それから、 ―
[いつか、もう少し落ち着いた先。
気付けずに後悔した子供の事や、 解らぬままに殺した移民船のものの事、 もう見れなくなった相手の事。
結局、自分は他人とかかわらなければ後悔するのだ、と。 気付ける材料はもう十分にある。]*
(31) taru 2020/09/10(Thu) 23時頃
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