253 緋桜奇譚・滅
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[風の余波を『操り』 六つの瓦が大地に降り立つ しかし、台風は童女を巻き込むに至らず>>6 竜巻を相殺し、二つの勢力は霧散した。]
ッく……
あれを防ぐか……。
[焦げた法衣、肩は爛れているのが 確かめずとも分かること。 天狗印の薬膏を塗る暇もない上 一番辛いのは負傷などよりも 歳のせいで燃費の悪い妖力の消耗であった。
まともに立ってはいられず、膝をつく。]
(13) 2018/11/14(Wed) 08時半頃
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[しかし―――もう一つの狙いは、叶った。 井戸から桜から注意を切り離す意図。
緋風を巻き込む大きな風が打ち消えた時、 いっとき風が止むことであった。
天狗の妖力を肩に侍らせ 神通力を『分け与えていた』 一反木綿の姿は此処になく。 暴風が巻き起こした土埃に紛れ、消えていた。
応援を呼ぶ為に?
――――否。 ]
(14) 2018/11/14(Wed) 08時半頃
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[ 籠目陣。
地面に落とした瓦に一反木綿は巻きついて 六方の陣が完成し――大地に吸い込まれていく。
天狗の妖力を孕む一反木綿の生命力を犠牲とし、 『綴らせた』秘術は調和の意味を持つ。
緋桜を封印――まではいたらぬものの 魂を吸う速度を遅延させる 自然解呪となろうその秘術、 この鳴動を感じる限り>>8 半日も持つか怪しいところではあるが]
木綿の、天晴れ。 ようやったわい。
[絶え絶えな息を漏らす。 褒美を求める声に、顔を上げた>>11]
(15) 2018/11/14(Wed) 08時半頃
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腹一杯食わせてやろう
――――――――――冥府で のぅ。
[遠くから黒犬の群れが轆轤を乗せ 近付いて来るのはまだ知らず。
風を練るも飛ばすに至れず 防御楯にしか成らなかろう]**
(16) 2018/11/14(Wed) 08時半頃
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褌とは失礼であろうよ、確かに似てはおるが
[そこまで言ってない>>17]
命懸けで時間稼ぎを申し出たのじゃからな。
[緋桜の紅さは今にも冥府の門を開くともつかない 恐らくは強力な妖が逝ったのだろう。>>3:240
一刻でも天狗爺の判断が鈍れば。 一寸でも一反木綿の消滅を引換にする 決意が揺らいでいれば。
――たった今、冥府の口は開いていたともつかぬ]
(27) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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[天狗としては門封じが目的であり、 提灯娘から絶大な妖力>>17が流れにくくなったのは 思いがけない副産物であった。]
なんじゃ…。 桜の――――
[桜に影響をされていたのか。
そう言いかけて。]
(28) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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おんし……桜を使っとる気でおるが、
最早桜に『使われて』おるのではないか。
[桜が妖になってきているという見解は>>1:#0 天狗爺も同じ感想を抱いていた。
使うもの 使われるもの それらの力均衡が崩れた末、どうなるか。 やはり、止めねばならないと 甘くなりそうな心に叱咤を入れる。]
(29) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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安心せい。 儂が向こうで共に探してしんぜよう。
[この戦いで果てようと、そうであるまいと。 この数日間で消耗した妖気は著しく 老い先短きにゆらぎを感じ得ない。
前者の方が可能性としては高く有る。 あの大きな熱球を防げるか否か>>19]
(30) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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顔……?
いや、それも気になるが
[完全な真円ではなく南瓜のように横に歪んだ形状]
おんし、見えておるぞ。
[釣り糸にぶら下がった位置と>>6 屋根の上では童女の方が視点高く。 死の瀬戸際という刻であるというに 鼻血がつぅーっと伝う。 ……少し元気が出てきたような……]
(31) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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[―――その時。
新手。>>3:234
黒い獣数匹と髑髏が寺の下まで詰めている。 三峯からの伝言にやはり、と見解を色濃くする。]
のう、めりけん娘よ。 何故異国の妖と組んだ。
(32) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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思う限りでは、あの者は おんし個人の願いで加担するようには どうにも思えなんだ。
[どうして二妖が組んでいるのか。
それを知りたいというよりは――
盾一枚を拵えるが限界点である今 『信仰』により妖力が少しでも この老いぼれた身に戻ってはくれまいかという 時間稼ぎでもある]*
(33) 2018/11/14(Wed) 21時半頃
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……まったく、これだから若いもんは無鉄砲で困る。
あれが何者にも手の付けられぬ 強力な妖怪となれば 繋がっとるおんしを喰うとも おんしそのものを乗っ取るとも限らんわい
そうならなければ探すこともできるじゃろうが 老いたとはいえ儂と互角の妖気を注ぐ邪念体。 なにを企んでおるか分からぬぞ。 [そうはならないかも知れない だが、そうなってしまえば この子はこの子で居られなくなる。>>34
童女の純粋な願いと途方もない寂しさに つけこんだ挙句蹂躙するような真似を この桜が仕組んでいるならあまりに許し難き。]
(39) 2018/11/14(Wed) 22時頃
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むしろ感謝せい! 教えてやったというに…!!
[童女の着物――裾奥を凝視する爺も 許される存在ではないという話は横に置く>>35]
(40) 2018/11/14(Wed) 22時頃
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異国…ええと 清じゃな、めりけんやえげれすではないぞ。 [どこからどう見ても日本の妖ではないことは 身につけているもので知っていようにと、 面識の有無も分からず思ったものの>>36]
なんじゃと…? あやつ、何故…… 一体この國になんの恨みがあるというのか
[碁を打とうと口にした時、嫌々口裏を合わせた―― ようには見受けられなかったが…。
それに誰も、とも言っている。 やはり火鳥は童女が生み出したものでは無いと知る。]
(41) 2018/11/14(Wed) 22時頃
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聞いたとおりよ。 轆轤の、戻って伝えよ。
[あんたらは骸骨遣いが荒すぎると文句を立てつつも、 恐らくは匂いで所在伝える為なのか 黒い獣を一匹残し、再び路を戻っていく。]*
(42) 2018/11/14(Wed) 22時頃
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ふむ… 桜に興味がない、か。
えげれすとの戦争で植民地化が懸念されておると聞く。 大勢の珍妙なる半死人、 意味は其処にあるのやもしれん。
[何一つ断言できることこそ無いけれども。
道士であったと聞く限り、妖力から見た所では あの者自体が相当の法力の使い手であろう。 桜に興味なく、暴れるだけであれば あの様に数を増やす必要はない。 御所を囲む神社を狙っていただけに 想像もつかない目的があるかもしれないが。>>44]
(47) 2018/11/14(Wed) 23時半頃
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[さて――――、]
(48) 2018/11/14(Wed) 23時半頃
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[ほんの少し――― ほんの少しだけ、 考えてしまった。
どうしても冥府の扉を開けて、 今の童女として両親と再会したいのなら。 老い先短き命を食わせてやる事も。 天秤にかけるべき話でも無いというに。
天狗爺は老いても天狗。 この命を吸わせれば冥府の扉は開くであろう。
桜を抑える封陣は一反木綿の生気で保つもの。 天狗爺が死のうが半日程度は保つ。 後世を生きる者に預けるのも、一つの選択と。]
(49) 2018/11/14(Wed) 23時半頃
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暖琴よ。 ……これが親心というものやもしれぬなあ。
おんしに変わって貰うのは困る。 おんしはいつも飛び跳ねて笑っておったではないか
万に一度すらも根に縛られ 年に一度しか咲かぬものになって貰っては困るのう
[けれども。 その様な手抜きや他妖任せは、止めた。 京の為、 この子や亡き親の為にも。 此処で、この娘を冥府に連れて行く。 例え、天狗爺の命尽きようとも]
(50) 2018/11/14(Wed) 23時半頃
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[暫しの小休止のお陰で、妖力は若干だが戻った。 片膝つかずとも立ち上がれ。]
さあ、さあ。 終わらせたいのであろう。 儂を捧げて食らわせたいのであろう。
[しかし、始めに襲った時のように、 奇襲を仕掛ける訳ではなく、 合図の号をこうして掛け]
ゆくぞ。
[風の刃を発生させ、四方に舞わせ―― 団扇を童女に向けて掲げ、『集め』ようと。]*
(51) 2018/11/14(Wed) 23時半頃
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[――――――歳は余計じゃ。>>53
しかし、笑顔が一番可愛いというのはその通り。 だからこそ、その胸に哀しみが満ちていた事 今日の今日まで見抜けなんだ。
ぶらさがる他の提灯らは、 ただの火を灯しただけとは思えぬ眩さ>>53 四方から狙い撃つ風は焔に相対して 此方が放った分では足らない火勢までは 相殺されず、天狗爺を包んでしまう。
煙が上がる――
火包の中で、 もうもうと燃えているかのように。 立ち込める煙は、雲のよう。]
(55) 2018/11/15(Thu) 00時頃
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[けれども、――その煙の中では影が在った。 三頭身の老人らしかぬ、巨大な影が。 煙が晴れて出ずるは、八尺はあろうかという巨体。 屈強な山伏が、ひとり。]
微温いのう……。 火岩の上で座禅していた頃のほうが よほど熱きものじゃった。
[声の質まで変わっている。 別人のような風貌にして、 これが本来の八手の姿]
(56) 2018/11/15(Thu) 00時頃
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[焔は八手を焼いているが、今は痛苦を感じ得ない。 まるで、闘気のようであった。]
二代目僧正坊 八手大天狗、見参。
[神通力の格が上がれども、 この姿となることが、 八手の存在出来る刻限を 縮めるものとなる。
焔纏うこの身は縮めば焼き付くであろう
なれば、線香のように―― 大天狗が燃え尽きてしまう前に。]
(57) 2018/11/15(Thu) 00時頃
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[巨躯がぶれて、ぶれたかと思えば それは身を『二つに分けた』だけ。 仕掛け――トリックなど何処にもない どちらも実態があり、何方も八手。]
「「とくと味わえ、我が刃!」」
[跳ぶ、
童女との距離を縮めるべく、―――翔ぶ。
団扇を扇ぎ、爪のように鋭き風が二つ、 左右に回った『二人』が同時に発する。 火を吹く提灯が余っているのなれば。 それすら貫き、胴を狙うものとなろう]**
(58) 2018/11/15(Thu) 00時頃
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[京の町に来て、どころか。 ここ二百年は存在を繋ぐ為取らなかった姿。 今ある生を以てしての全身全力。>>60]
どうじゃ、中々かぶいておるじゃろ これならばまだまだ儂もおなごと……
[しかし、中身は別に変わってはいなかった。 色濃い鼻血をどふっと垂れ流す]
(69) 2018/11/15(Thu) 08時半頃
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[中身は変わっていないが―― いつまでもこの様な力を使える訳ではない。 刻限を見据え、一気にカタを付けに行く。
童女ひとりのむきむきのおじさん二人とは 構図からして気まずいものはあれど>>61 今はそんな事を気にしている場合に在らず。 紐を伝って移動し難を逃れ>>62ゆくのを見、]
(70) 2018/11/15(Thu) 09時頃
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[『さがしもの』を知るよしもなく]
「「ちょこまかと…。」」
「「逃がしはせぬぞ!」」 [団扇で天を射す。 黒い雨雲がたちまち京の一角を包囲する。 雲より下るは、雨と――――
ゴロロ、と低く轟く音色。 天から降り注ぐ光の槍は 張り巡らされた縄に突き刺さり千切れるも 既に童女は民家か店か、 よその屋根へと居を整えている]
(71) 2018/11/15(Thu) 09時頃
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「「射よッ!!」」
[再び狙いをつけ、二本の雷が黒雲より下る。 ひとつはその身を狙うものであり ひとつは屋根に突き刺さり帯電し]**
(72) 2018/11/15(Thu) 09時頃
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なん…じゃと!? それでは普段と変わらんではないかッ……! 儂自体に問題があるようなこと申すでないわ!! ええい許さぬぞ、丸裸に剥いてくれるわ!!
[大きくても小さくてもおなごに逃げられる>>74 爺って損よね。 鼻血はむしろ出している状態が元気の象徴であり 興奮によって下がりすぎた代謝を上げている為 天狗爺にとっては元気の証拠であったそうな。
それよりも、明らかに危ないことを叫びながら 逃げる童女の尻を追い回す今を 誰かに見られなくて本当に良かったと思う。 どちらが京を窮地にたたせているか 客観、解ったものではない]
(86) 2018/11/15(Thu) 19時半頃
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[二体にその身を増やしての猛攻。 屋根から跳ねることで雷を回避する動きは>>75 先ほどからの交戦で予測はついていて、
だから、一本の槍は敢えて外し、 ――屋根に帯電させたのだ。]
(87) 2018/11/15(Thu) 19時半頃
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