人狼議事


266 冷たい校舎村7

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視点: 人

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【人】 ニビル星 キョウスケ


[ 眩い光が心地よかった。あたたかかった。
 そう長くは続いてくれなかったけれど。]
 

(15) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ

──現世:自室──

[ ぎぎ、ぎ…………

 って音がして、
 それは姉さんが歯ぎしりをしてるか、
 爪を噛んでいるかの音です。

 部屋の端っこと端っこに置かれたベッド。
 いつか、仕切りを入れる? って両親に聞かれて、
 姉さんも僕も特別それを必要としてなくて、
 別にいいんじゃない……? と言ったから、
 僕らは家族という動物を飼う箱の中の、
 さらに小さなひとつの箱で息をしている。]
 

(16) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ 部屋の真ん中のあたりに、
 メイク道具が散らばったままだった。

 砕けたアイシャドウがフローリングに散って、
 チップやブラシが床に落ちてるのは不衛生。

 僕の彫刻刀やカッターナイフは、
 依然として鏡台に陣取ってて、

 僕は、自分のベッドの上で、
 ぼんやりと膝を抱えていたみたいだ。]
 

(17) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 あのね、姉さん。
 

(18) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ばかみたい。だなんて言うなら、
 もう僕の顔だって必要としないなら、
 いっそ憎んでぐちゃぐちゃに切り刻んでほしかった。

 それで姉さんの心がいっときでも晴れるなら、
 姉さんが、少しでも満たされるなら、
 きっと、僕の18年にも価値があったと思えたよ。
 僕の心は最後に満たされたはずだった。

 あるいは、一緒に死んでと言って。
 姉さんが、あのまやかしとして死ぬために、
 僕ごと殺してくれたなら、そうしたら……
 

(19) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 求められていたかった。
 必要とされていたかったよ。
 僕にもわかるくらいわかりやすく。
 あなたの幸せのために今日も生きるねって、
 明日も呼吸をする理由にさせてよ。
 最後までちゃんと使い切って。
 それは姉さんの義務だよ。
 

(20) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 だって、姉さんがもう少し美しかったら、
 きっと僕はこんなにこの世を嫌わずに済んだのに。
 

(21) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……って、考えてしまうことが、
 身勝手だってこともわかってるよ……
 

(22) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 姉さんは何も悪くないよ。
 僕も悪いことなんてしてないよ。
 だから、全部この社会のせいにするしかなかった。
 

(23) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 醜いからと気味悪がられたり、
 怖がられて、石を投げられることも、
 その弟として見られることも、
 醜い子には似合わない服があることも、
 それよりマシに着飾れたって、
 性別が合致しなければ正しくないことも、
 醜いとされる自分を隠したまま、
 他人に褒めそやされて喜べることも、
 

(24) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 こんなに間近で見なければ、
 きっと違和感なんて覚えずに済んで、
 僕は、僕なんかじゃなくって、
 こんなばかみたいに斜に構えて、
 自分の生きる社会を嫌わずに済んで、
 

(25) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 全部どうでもいいことだなんて、
 くだらない価値観に基づいて営まれている、
 この世が悪いだなんて唱える必要もなかった。
 

(26) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……って、考えてしまう自分が嫌だよ。
 どう考えたって、間違ってるのは社会の方なのに、
 これじゃあまるで、
 僕がその一員になりたいみたいじゃないか……
 

(27) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 だからせめて、僕として生きさせてよ。
 こんな、どうしようもない僕のまま生きる理由を、
 姉さんは僕に与えるべきだよ…………
 

(28) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……実のところこの話は、
 永遠にループするので、一旦やめようか。
 

(29) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ 姉さんは、姉さんのベッドの上にいる。
 俯いてゆらゆらと揺れている。

 親指の爪をきつく噛んでいて、
 変形したその爪が、すごく痛そうなんだけど、
 姉さんは、何も言わないでいつもそうしてる。

 それが僕の姉さんだから、
 僕はふらふらと立ち上がって、
 その目の前まで歩いて行って言うのだ。]
 

(30) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 姉さん。
 姉さん、僕、まだ死ねない……
  

(31) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ 僕を見上げる姉さんの胡乱な目は、
 きっと、だから何? とか、そういう、
 意味のわからないものを見る色をしていて、

 でも、それだけなんだ。それだけなんだよ……

 早く死んで。って、
 言ったのは姉さんのくせに、
 僕がおかしいみたいな目をするのも、ずるいよ。]
 

(32) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 姉さんはずるい。
 僕よりずっと当事者でいるくせに、
 この世の価値観に染まるだなんて。
 

(33) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……ああ、だから永遠にループするって。
 僕は僕が思うよりずっと幼稚で頭が悪いから、
 考えたって仕方のないことに囚われて、
 もうここから一歩たりとも動けやしないんだ。
 

(34) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 だから、何も考えずに済むように、
 ただ姉さんのために。姉さんの望みだって。
 姉さんはそれで喜んでくれて、
 少しでも満たされてくれるからって。
 そのために生きていることにしたいよ。
 

(35) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ そんな目をされたらもう何も言えないよ。

 姉さんが何も言ってくれないから、
 僕は何をするべきなのかもわからないのに。

 決別したいわけでもなんでもなくて、
 変わらないままでいられたほうが、
 姉さんのままごと遊びの人形でいられたほうが、
 僕は、ずっとずっと楽だったと思う。]
 

(36) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ 僕たちの部屋はいつも静かで、
 今も変わらずそうだった。

 静かな部屋で、僕らは少しの間見つめあって、
 先に目をそらしたのは僕の方だった。

 上を向いて。の言いつけに背いたから、
 じっと待ち続けられなかったから、
 こうなっちゃったのかもしれないのに、]

 ……あのね、少し出かけてくる。
 
[ 僕はそう言って、この箱を出て行く。

 あれは夢なんかじゃなかったって知ってるから。
 向かうべき場所を教えてくれる友人もいるはずって、
 スマートフォンと財布を握りしめて、
 ひどく冷たい夜へと繰り出した。*]
 

(37) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 拝啓。
 帰ってきてくれて早々ごめんね。
 この世なんてやっぱり地獄です。
 でも、この地獄で、君に生きててほしかった。
 

(38) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 それだけは本当だったんだ。
 僕自身も気づかずにいた僕の意思だった。
 だから、ごめんね。ありがとう。
 …………おかえり。**
 

(39) nabe 2019/06/18(Tue) 03時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ

──現在:病院へ──

[ あの天変地異みたいな大雪は嘘だった。

 だから、レインコートを着る必要もないし、
 僕の家から病院も少し距離があるから、
 マフラーをきつく巻いて自転車に跨った。

 通知のきていたスマートフォン。
 僕にも連絡を寄越してくれる相原さんは親切だ。
 でも、あのときのメールはどこにもなくて、
 僕はそれが、ちょっとだけ寂しい。

 マフラーで覆い切れなかった鼻や瞼が、
 びゅんと冷たい風を切るから痛かった。]
 

(46) nabe 2019/06/18(Tue) 17時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


[ そこにたどり着いた頃、
 僕の頬や鼻が赤くなってるのは、
 寒さのせいかもしれないし、急いだからかも。

 駐輪場を探して自転車を停めて、
 ぐるぐる巻いてたマフラーを外しながら、
 僕は待合室へと、歩みを進めてって、]

 ……た、拓海くん、目を覚ました?

[ って、道中見つけた顔>>2に、いきなり。
 問いかける僕は珍しくも笑っていない。

 ……けれど、ああ、でも、
 灰谷彩華を呼ぶときに限っていえば、
 普段から、僕はどうしたらいいのかしらって、
 だいたいそういう顔をしている僕かもしれない。*]
 

(47) nabe 2019/06/18(Tue) 17時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ

──現在:病院──

 ……灰谷さん、えっと、

[ きっと、それが誰かを認めたときに、
 少し安堵の息を吐いた僕である。
 ほら、正しい相手に声をかけられたという意味で。

 今ばかりは、灰谷彩華の知らないことを、
 僕が知ってるってこともすっかり失念して。

 だから、頼りなげな笑み>>95に、
 僕は少したじろいでしまうし、
 差し出されたココア缶を咄嗟に受け取ってしまう。]
 

(97) nabe 2019/06/19(Wed) 00時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……ありがとう。
 寒い、けど。雪降ってないし……、
 これ、もしかして登校したときの?

[ お返しでしょうか。と僕は思い、
 覚えてる? って、恐る恐る囁いた。

 ……きっと僕の財布の中身は減ってないから、
 少しばかりズルをした気分になる。けど、

 気持ちはありがたく受け取りたいし、
 今度こそ、ちゃんと温かいココアが飲みたかった。

 いえ、今はそれよりも、
 僕は缶を握りしめたまま、微笑む。]
 

(98) nabe 2019/06/19(Wed) 00時半頃

【人】 ニビル星 キョウスケ


 ……あのね、拓海くんは、
 一緒に帰るって言ってくれたよ。
 だから、だからきっと、もうすぐ……
 

(99) nabe 2019/06/19(Wed) 00時半頃

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