人狼議事


270 「  」に至る病

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【人】 公証人 セイルズ


( ”――――約束を果たして” )

( ”……約束を” )

[――……]

(7) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃

【人】 公証人 セイルズ

[つきん、と頭が痛んで目が覚めた。
そろりと目を開ける。精と汗、甘い血の匂いがして
くらくらと眩暈がする。

少し呻きながらセイルズは時計を確認し
朝餉を作るより前の時間であることを悟ると
抱きしめていたミルフィからそっと体を離し

少し迷って、その頬を 軽く抓った。]

 …………ミルフィ。
 起きなさい。
 ミルフィ。

[今日が休日であれ平日であれ
はやめに風呂に入っておかねばならない

……ベッドを見下ろしてそう思う。]

(8) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃

【人】 公証人 セイルズ

[セイルズは何度か、彼女に呼びかけたが
疲れのせいか、それとも起こし方が下手なのか
ミルフィの目は開かないまま

呼吸をしていることはわかっていたので
セイルズは少し眉を顰めて
彼女の寝顔に顔を近づけた。]

 起きないと………

[唇と唇が触れ合いそうな距離で呟く。
そのまま彼女がおきてくれるなら、
おや、と片眉をあげて意地悪そうに笑うだろうし



起きなければ、その形のいい鼻が抓まれるだけだ**]

(9) さねきち 2019/10/14(Mon) 15時頃

【人】 公証人 セイルズ

[ふる、と震える瞼が、開く。

紅茶色の瞳に亜麻色の髪。
唇は春の色めいて赤く

そこにいるのは、確かに”娘”であるはずなのに
浮かべようとした笑みが違和感に消えうせる。]

 ……、君、は……

[誰だ、というかすれた声はカーテンの揺れる音に消えた。
朝を迎えて間もない薄暗い部屋の中。
一人の女を見下ろす男の表情は、固まっている。]

(34) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 …………
 ……………どうして、

[窓に結露が張り付く時のような肌寒さに
セイルズはぶるりと背を震わせた。

狂ってしまった娘が生み出した二人目の人格か、
それとも本当に――本当に、”彼女”なのか、

冷静に分析しようとする頭が追いつかない。
ただ、聞き覚えのある甘い声、見覚えのある妖艶な微笑みに
激しく痛む心臓を押さえ、拳を握る。]

(35) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 (僕が君を呼び戻してしまったのか?
  ――今更化けて出るならどうして死んだんだ、
  ……違う、……どうしてこんな、
  おかしいとは思っていた、思っていたんだ、けれど

  ――…………嗚呼、)
 

(36) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

 
  僕を…………

  …………許さないでくれ、クラリッサ。
 

(37) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[震える男の手指が、小さな女の指を掴んだ。
繋ぎとめておきたいのはどちらか。
――わからないまま、ただ祈りと恐怖に身を震わせて、]
 

(38) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 
[――…………、]


 …………5分といって15分は経ったよ。ミルフィ。

[結局、風呂にも行かず、
さりとて彼女の体を抱きしめて寝なおすこともできず
ただ体液でべたついた体でベッドサイドに座った男は
少しげっそりした表情でミルフィを一瞥した。

ああ、良かった。元に戻った。

そう思ってしまう自分が憎らしかった。
かつて愛した妻が戻ってくるのを素直に喜ばず
愛しい娘が娘のままでいる様子にほっとする。]

(39) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[――……それでも、不気味に思う気持ちはあったが
首元の噛み跡を確認して、>>23
まるで子犬のように飛びついてくる>>24娘を見て
何もかもが吹き飛んでしまった。

ぺたり、と合わせる肌の感触が心地よく
はあ、とため息をついて、その頭を少々雑に撫でる。

それから、たどたどしい口調でおねだりする娘の
その表情を覗き込んで]

 まったく、遊びのように言う。
 僕からすれば大変なことだったんだが?

[つん、と額を人差し指で押してから、
肩を竦めて笑った。
……愛らしい子。そう思いながら]

(40) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ


 ……また、今度、な。

 …………さて、
 レディなんだから、ちゃんと体は綺麗にしないと。

[そのまま形のいい唇にキスをすると、
娘が抱きついてきているのをいいことに、
そのまま抱き上げて風呂に向かう。]

(41) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[その最中。]

 ミルフィ。
 ……さっき、寝ぼけて起きてなかったかい?

[セイルズはじっとミルフィの顔を見つめて
ぽそりと問いかけた。*]

(42) さねきち 2019/10/14(Mon) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ


 …………、ばかな事を聞くんじゃない。
 …………………気持ちよかったよ。

[頭を撫で見下ろす娘は、
いつもどおり子供らしい彼女なのに

その小さく愛らしい唇から情事の事がこぼれ出るので
セイルズは100年ほど感じていなかった照れを思い出し
少し顔を背け、ぼそりと答えた。>>46

昨日は――
ちらつく妻の影を振り払って思い出してみれば
相当獣のような振る舞いをしたはずで

その記憶を娘に賞味される前に
恥をかくすように彼女を抱き上げた。
ミルフィの乱れる姿はしっかり思い出しながら。]

(50) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 ……おはよう、クラリッサ。

[問いかけても「何の話?」と問われるので
セイルズは「なんでもない」と返す。

ママ、と挨拶したミルフィの視線の先を一瞥し、
クラリッサの写真と目が合って、
セイルズは一瞬、表情を翳らせたが]

 ああ、一緒に入ろう。
 服を着なおして入れ替わりで入るのは
 きっと無理だろうしね……

[全く、無茶をしたものだと昨日の自分に思う。

せめて風呂に入ってから事に及べば
無駄に服にまで汗が染みなかっただろうに、と。

どうせシーツも服も洗濯するのはセイルズ自身なのに
馬鹿なことをした、と。]

(51) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[じめじめした思考は
上機嫌なミルフィの表情で消し飛んでしまう。
風呂場の入り口に彼女を下ろすと、
扉をあけて、「おいで」と手を引き彼女を導いた。]

 さすがに大人二人は狭いね。

 ……ほら。背中、きれいきれいしますよ。
 

(52) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[けだるげに呼びかける。
投げかけるのは、彼女が六歳だった頃
たまに親子感で交わされた幼児語であった。

何の事はない。
伴侶として共に風呂に入るのが気恥ずかしいので
相手を子ども扱いしているだけである。

あの頃よりきっと増えた洗顔料や、
シャンプーの類を見下ろして
結局昔から使っている洗剤を手に取ると
娘用のボディスポンジを泡たてて、彼女の背中を流した。]

(53) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ


 …………、

[首裏や背中をひとしきり洗ったところで
セイルズは彼女の体を見下ろして何かを言いかけ
――……口を閉ざし、咳払いを1つ。]

 ……前とか、足の間は、ちゃんと自分で洗うんだよ。
 見てない。見てないから。

[はい、とボディスポンジを手渡して目をそらす。]

(54) さねきち 2019/10/15(Tue) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

―― 朝餉 ――

 …………近いうちに、ママの命日が来るんだ。

[そういう話を切り出したのは、
きっと風呂から出て、
休日である事を確認してから洗濯機を回して
昨日冷蔵庫にしまったパスタを温めていた頃合だった。

”いつもどおり”きっちりと服を着込んだセイルズは
娘を前に獣に成り果てた男とは遠く

紅茶を淹れながらおもむろにその話題を切り出して
娘をちらりと一瞥し、再びカップに視線を戻した。]
 
 例年通り僕は会いにいってくるから
 帰りは夕方になるけど――……

[君も来るか、と言いかけて、口を噤む。
静寂が食卓に落ちた**]

(60) さねきち 2019/10/17(Thu) 00時頃

【人】 公証人 セイルズ

―― 朝餉 ――

 そう…………

[落ちた呟きを拾って>>61
セイルズはこくりと頷いた。
自分自身のコップに珈琲を淹れようとして
娘から出た言葉に、少しだけ手の動きを止める。]

 ……かまわないよ。

[数秒の沈黙を挟んでから、再び頷いた。
半ば望んでいたことなのに、
彼女の口から行きたい、と切り出されると
少しだけ不安になってくる。]

(64) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[――――二人を混同しないであげて。と
白い眷属に言われたことを思い出す。

妻と娘にとって自分はどう映るのだろう。
二人目の眷属を迎えたことは。
……妻はきっと怨んでいるだろう。

そんな事を考えながら、セイルズは食卓についた。]

 優しい子だね、君は。
 彼女を……家族だと思ってくれるなら、
 祈ってあげてほしい。

[微笑みながら、そうしてほしいと添える。

食前の祈りは相変わらず捧げない。
捧げどころを失った想いだけが燻っている。*]

(65) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃

【人】 公証人 セイルズ

―― 命日 ――

 ……けっこう古い墓地でね。
 彼女が眠るのは、新しく敷地が増やされた場所だが

[十字架の墓が立ち並ぶ墓地へ
娘を伴って出かけたのは、それから少し経った日の事だった。

蒼い草原の上にいくつも灰色の十字架が立っている。
誰かが誰かの墓に花を供えているのが見える。

セイルズは墓地の入り口から少し歩いた場所
立ち並んだ墓の一角へ向かうと]

(66) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃

【人】 公証人 セイルズ


 会いに来たよ、クラリッサ。

[本来悼まれるべき家族に悼まれず
一人の男に添って、100年を生きた女性の名を呼ぶ。]

 今日は娘も一緒なんだ……
 ずいぶんと、君に会わせていなかったけれど

[呼びかける間も、十字を切ることはなく
乾いた風が、墓地を駆け抜ける**]

(67) さねきち 2019/10/17(Thu) 08時半頃

【人】 公証人 セイルズ

――命日――

 ……ありがとう。

[乾いた指先を、娘の小さな頭に伸ばした。
そのままいくらか撫でて
白い薔薇と墓石に目を落とし思考をめぐらせる。

生まれた年と、死んだ年。
それから名前だけを刻んだ小さな墓がそこにある。

クラリッサ・ローズブレイド。
きっと順風満帆な人生を送っていれば
一人の令嬢として生を終え、
もっと”家族”に囲まれて弔われていたはずの女。

殺したのは、他ならぬセイルズだ。
愛を言い訳にして何度も何度も毒を盛り
気を狂わせて殺してしまった。]

(79) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[かわいそうに。という嘆きと、
いまだ燻る「あいしている」のやり場がないまま
ここに祈ることもなく通って約三十年。

愚かにもセイルズは同じ轍を踏もうとしている。

長年添い遂げた妻の後を追うこともできずに
ただ生を長らえて
幼い少女を生かすといいながら
自由に生きる尊厳を奪った。 

…………いとし子には
反抗期も成長に伴う別離も存在しなかった。
彼女の意思が芽生える前に殺したようなものだ。]

(80) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[二人も殺したセイルズに、よもや祈る神などなかった。
残り100年か200年の命を抱えて
きっと行くなら地獄だ。

――――けれども、その前に]

(81) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 馬鹿な僕の独り言として聞いてほしいんだが…
 
 ……1つだけ、聞きたいことがあったんだ。
 ここに君を連れてきたときに。

[優しく呼びかける声は、
父が娘に呼びかけるようであり
あるいは夫が妻に呼びかけるようでもあった。

セイルズは亜麻色の髪から手を離す。
”彼女”から視線をそらし、
灰色の空を見上げた。]

(82) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 初めての夜にね。
 目覚めた君を起こそうとして
 君は、いつもどおり起きなかった。
 あと5分、って…………いつもどおりに。

 けれどその時の君は目を開けて、
 僕を夫のように呼んだんだ。
 『――呼んで、』って、……30年前みたいに。
 

(83) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[視線を落とす。
紅茶色の目を見た。

風にさらさらと流れる髪も、揺れる瞳も
なにもかもが似ていて見分けがつかなくなりそうになる。

吐息ばかりの笑いがこぼれた。
惑いながら、
きっと知らなくてもいいことを知ろうとしているのに
伸ばす手をやめられないのは職業柄か]

 僕が言っていることがわからないならいいんだ。
 いいんだが……
 

(84) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 …………君は一体誰なんだ。
 ミルフィ? それとも、クラリッサ?
 

(85) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[問いかけながら、セイルズはどこかで
「何をいっているの」と笑う娘の声を求めている。

その都合のよさを内心でせせら笑う間にも、
墓地には湿気た風が吹き込んだ。*]

(86) さねきち 2019/10/17(Thu) 21時半頃

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