105 CLUB【_Ground】
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―翌週・VIPルーム―
[男の姿は珍しくスーツに包まれていた。 それも幾分根の張るもので、履物も黒く光る革靴である。 後ろで緩やかに髪を括り、いつもは伸び放題のひげも整えられている。 こういう姿は年に数度、本社での大規模な会議の日のみである。]
…、…―――――。
[VIPに向かう前に、短く息を飲んだ。 通る通路、響く足音が雨音とジャズに紛れ。 ほんの少し、一週間の記憶を辿る。]
(@3) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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―雨の回想・蛇の部屋―
どんな事をされても、文句言わねぇ、言えねぇ。 人間が勝手に、テメエの欲で作ったもんだ。
[矛盾だらけだ、蛇に説く男の指先がその“テメエの欲”を作り上げている。]
でも、お前らは。 幸せにならなくちゃ、いけねぇ。
[エゴイズム。 それも押し付けだ。 男はそう思いながらも。]
お前らが“生まれた”のは、幸せになる為だ。
[“作られた”命だったとしても。]
(@6) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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――――ああ。
[18点とはいえ、やって見せたのだ。 男は広げられる腕を拒否するつもりはない。 撫でられ、抱きしめられ、厳しい言葉を投げた代わりにやさしく。 その後蛇の部屋には、彼の愛らしい嬌声が響いた *だろう*]
(@7) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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―雨の回想・ある晴れた日―
[サンダルの音を響かせて、研究室から外に出たのは何日ぶりか。 名指しで呼び出されることは男にとってあまりなく、何事かと思いもしたが。 まさか本当に呼び出してくるとは思わず。 人間嫌いではあるが、面白い奴だと喉奥で笑ったのは少し前。]
あーっと、ミー、ナ?
[一階のバーに現れ、第一声が疑問形であるのは 男が彼に名前を聞いていなかった上に、まともに顔をみたのが初めてであったからである。 ああ、こういう顔をしていたのか。 黒縁のガラス板に反射させて、カウンターにでも腰を下した。]
良い話と、悪い話?
[何を告げられるのか、多少の検討はつけていた。 首に下げた銀が、揺れる。]
(@8) 2013/12/19(Thu) 03時頃
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は?
[絵本作家、特にこれといって熱心に愛読しているというわけではない。 単純に昔手にとった絵本がその作者で、単純に気にいっていただけだ。 その作者が愛玩動物の話を出す、と。 30(0..100)x1秒ほど停止して考え。]
あー、……そ。
[襟足を掻いたのは、ほんの少々のわかりにくい照れ隠しだ。 受け取ったのは10冊、その中には男が持っていた本があった。 その本をわざわざ一番下に回して、受け取る。 次に告げられる内容もまた、男は表情も変えずに聞き終え。]
そうか。
[ただ一つ、告げた。]
(@9) 2013/12/19(Thu) 03時頃
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わかった。 『UG:3541』にも確認を取っておく。
[それは酷く淡々とした、事務作業。 相手の眉間に寄ったシワを、緊張した面持ちを。 逸らされぬ視線を暫く見つめ返し、―――先に逸らしたのはどちらだろう?]
来週までに準備しておけ。
[逃げ帰るような背には、そう落とした。 それから数日、男の日常は *変わらない*]
(@11) 2013/12/19(Thu) 03時頃
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―雨の日・VIPルーム―
[雨の音が遠ざかり、鍵盤の作り出す音楽が満ちて行く。 一週間の時間はそれこそ光陰流水の如く。 流れ落ちる雨の水に過ぎ行く時間を重ね、男の足はVIPルームにたどり着く。]
あー。
[嫌気のさした顔で襟足を掻く。 本部でお小言を言われたらしく。]
リージ=カストラータ=ミナー、様。 藤原怜、様。 本日、ご購入の費用はご用意されておりますでしょうか。
[敬語だと言うのに淡々とした、寧ろ毒気さえ感じられる声が室内に低く響く。 軍人様の嫌がる煙は、今は纏わず。]
(@14) 2013/12/19(Thu) 03時半頃
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お連れの準備が出来ましたら、再度お声かけ下さい。 所員がお連れ致します。
[それから男は連れてきた際、研究所員が愛玩動物の後ろに待機する事。 客本人が目隠しを取ってやる事。 目を合わせれば、もう他の誰のものでもなくなる事を簡単に説明した。]
つわけなんで。 其々に確認とるから待っとけ。
[結局本社のお小言は説明の一瞬だけで効力を失い 男はまた、客を客と思わない態度で背を向けた。]
(@16) 2013/12/19(Thu) 03時半頃
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―研究ルーム―
[男は一度研究ルームへ立ち寄る。 支給された、もとい無理やり着ろと押し付けられた真新しい白衣に腕を通す。 ノリが利き過ぎて随分かたい。]
おい、ティー。 藤原に連絡受けたのお前だろ。 呼ばれたら、鶯“運べ”よ。
[商品を運ぶよう、生きて意思もある彼らを“モノ扱い”で告げる。 男にとっては揺ぎ無い、境界線。 愛玩動物は研究対象であり、商品であるというボーダー。 たとえ幸せにならねばいけないと、矛盾を抱えていても。]
(@19) 2013/12/19(Thu) 04時頃
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[一本、二本、空気清浄機の体力を瀕死に近づけて行く。 吸殻の山の中に押しつぶし、男が抱えるのは10冊の本。]
運んでくる。
[差し入れの本を抱え、寮へと足を向ける。 煙草の残り香が、白煙が棚引いて消えた。]
(@20) 2013/12/19(Thu) 04時頃
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―寮・広間―
お前ら、差し入れだ。 ヒゲ面の絵本作家のオッサンからだ。 あと、お前らが遊んでるボールは元軍人からだと。
[もうボールで遊ぶ動物が居ただろう。 差出人に関してはきちんとチェックしたが、モノのチェックはしていない。 手袋が一つ紛れ込んでいるなど、男が気付く事はなく。 そして配膳口に重ねるのは絵本10冊。 順番関係なくバラバラだが、一番下には怪獣が描かれたものが敷かれている。]
勉強にもなる、好きに使え。
[雨と同じような温度で、男は告げ。 そこにシマリスの気配を感じれば、何か考えるような表情をした。]
(@22) 2013/12/19(Thu) 04時頃
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おい、鶯と狼。 お前らを今日買い取りたいってやつが上に来てる。 呼ばれたら連れて行く。
[動物達が何を思っているかは知らないが、男は広間で声を掛けた。 広間にいる他の動物たちにも、わざと聞こえるように。]
準備しとけよ。
[そして其々に通信を飛ばし、男の気配は扉の音と共に消えた。 配膳口には数滴、男の髪から落ちた雨粒が *落ちている*]
(@23) 2013/12/19(Thu) 04時半頃
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[男の一週間の中に変化はなく、世話があれどの動物へも分け隔てなく 愛も温度もない淡々とした愛撫でデータを更新した。 狼の思うように意図的に、それは何十年も変わらず、愛玩動物を名前では呼ばなかった。 動物の前では自分がなんたるかを無意識に感じさせる為に、動物の名称を。 客の前では余計な嫉妬心を煽らぬために、そして研究所員にとってあれは商品であると明示するために製造番号を。 何度動物に、狼に訴えられたとしても。独り言でも。 男が名を呼ぶことはない。]
――――――。
[雨垂れに届く音声に返信しながら、まず *向かう先は*]
(@26) 2013/12/19(Thu) 09時半頃
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―寮・フェネックの部屋―
いいか、入るぞ。
[ノック音と返事が返るまでを待ち、あればドアをゆっくりと開ける。 音は驚かしすぎないように小さく、しかし存在と距離を教えるために確実に。 煙草の臭いはフェネックの側に寄る。 いつもと違うのはコツコツとした革靴の音と、清潔でのりのきいた白衣。 その下に雨で濡れたスーツがあった。]
少しだけ待て。
[湿度に弱い動物だ、男は一度白衣を脱ぎ 雨の染みた高価なスーツのジャケットを扉付近に捨て置いて、もう一度白衣を羽織る。 歩み寄り、衣擦れをわざと鳴らしながら手を伸ばした。]
(@32) 2013/12/19(Thu) 13時頃
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触るぞ。
[目隠しをしたフェネックがどんな反応を見せるかはわからないが。 男はゆっくりとその体を抱き上げ、腕にゆるく抱き締めて座った。]
――――――。
[それからは暫く黙っている。 動物を抱き締めるだのということは、とても *珍しい*]
(@33) 2013/12/19(Thu) 13時半頃
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[フェネックを抱き締めたまま、暫くは黙っている。 男が愛玩動物とボーダーラインを引くのは、愛玩動物のためでもあり そしてまた、男自身の為でもあった。 距離を縮めて、温もりを覚え、その命が買われ離れていく瞬間。 そんなものを味わうのは、たったの一度で十分だ。 繰り返し経験する“売買”に立ち合うことは、楽な仕事とは言えない。 今度のことも、変わらず。]
サミュ、すまん。 俺が申請を受けた、狼は俺が運ぶ。
[そう告げたのは、研究ルームを離れる前。]
(@41) 2013/12/19(Thu) 15時頃
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お前も、いつかかならず買い手がつく。 不安ならこうしてやる。 だから、あんなこと言うな。
[淡々と、雨垂れは落ちる。]
言わんでくれ。
[要らないと、いつ処分されるのかと。 ならば一体なんのために彼らは生まれ、なんのために彼らを生み出すのか。 買われて消えていった命の走馬灯と、首の銀色が小さく *音を立てた*]
(@42) 2013/12/19(Thu) 15時頃
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―寮・フェネックの部屋―
[抱きしめた動物は最初こそ戸惑いを見せていたが いつしか男の白衣を掴み、そしてシワを強く刻んだ(>>88) 投げられる端末は音を立てて、落ちる。 衝撃に故障してしまうことはないだろうが、この動物が望むのは 誰の声も届けなかった、通信機の。]
―――――。
[言葉が浮かばない。 自らを頭脳明晰だと、客の一人に言ってのけた男の頭は こういった時なにを語るのが“正解”なのか考え続ける。 過去に、似たような経験がないわけじゃない。 それでも毎回、いや、いつだって。 “正解”などありもしないものを、追い求めて。]
(@60) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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[“いつか” なんて曖昧な言葉を、どうして選んでしまったのか。 それは不安を煽るだけの言葉でしかないと、わかっているのに。 見えぬ未来を語る、保障も何もない、男の勝手なエゴイズム。 先週、蛇が口にした言葉が雨だれのように落ちる(>>61)]
(――――なんなんだろうな。)
[愛も、幸せも、何もかも。 ただその言葉を落とさなかったのは、これ以上不安にさせるわけにはいかなかったからだ。 子供の駄々のような言葉を、行動を、男は黙って。 抱きしめた手をゆっくりと伸ばし、背を、頭を一度ずつ とん とん と、撫でた。 それは叩いて叱るつもりでもあり、撫でて慰めるつもりでもあり。]
(@61) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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――――、いい。
[落ちる、言葉。]
ずるいと思って構わん。 お前がそう思うなら、お前にとってはそういうことだ。 他を嫌うならそれでもいい。 何も間違ってない。
[それはモニターにも映し出され、声は雨だれのように届く。]
俺も一緒だ。
[最後の一言の意味は、この動物にはきっとわからなかっただろうけれど。]
(@62) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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幸せにしてもらわんと困る。
[涙は落ち着いてくれただろうか。 男の言葉は“正しかった”だろうか。 男自身にもわからない、わからずとも、それでも揺らぎないのは。]
勿論、お前もだ。
[愛玩動物を幸せにするという、強い意志。 通信機が未読のメッセージを光らせている。 ああ、と再生を押しながら離れた。]
今日は湿度が高い、不調があったらすぐに誰か呼べよ。
[フェネックの部屋を出る際に落としたのは、そんな言葉だった。]
(@63) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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[フェネックの部屋を出て、未読のメッセージを読んでいく。 一つは買われて行く動物の、そして部下からの幾つか。 返事を返しながら向かうのは、また別の動物の部屋。
それが終われば、狼を運ぶ事になるのだろう。 男は短く、息を吐いた。]
(@65) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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―寮・シマリスの部屋―
[白衣、手には塗れたジャケット。 幾つかの通信を返して、男はシマリスの部屋へと向かう。]
おい、いるかシマリス。
[ナーバスになっていると受けた報告。 寂しさゆえに、ならば男こそ適任ではない気がするも 買われて行く動物が現れた以上、こうして残されていく動物に不安が募るのは必然。 先のフェネックもしかり、口には出さないが蛇や虎もそうなのだろう。]
部屋には入らん、目隠しはせんでいい。 そのかわり聞いておけ。
[男の声はリスへ届ける為に、少しだけ張ったものとなる。]
(@74) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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今、お前が辛い分。 お前を幸せにしてくれるやつが“絶対に”現れる。
[触れるのは扉。]
見つけてやる、それが俺たちの仕事だ。
[見つけてやる、それに為ることは出来なくとも。]
だから辛い時は泣けばいい、隠す必要はない。 寂しければ、寂しいといえばいい。 我慢しなくていい、がんばらなくてもいい。
[フェネックの青白くなった指先にも、きっと同じ事を落とした。]
(@75) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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[動物たちは一途すぎる、純粋で眩しく、例えひねくれていても臆病でも。 だから癒され、だから愛らしい。 愛玩動物が“人間”にしか縋れないように、ここへ来る人間もまた そういった動物たちに心を奪われ、共に生きる事を決めて、買い取る。 幸せにならなくてはいけない、動物も、人間も。]
無理して「いい子」でいる必要は、ないんだ。
[男に出来る事は飼い主を見定め、愛玩動物が愛されるように動く事だけ。 動物を買ってやることでも、愛玩動物になることでも、ない。]
すこし、休め。
[そう残して、男はシマリスの部屋を後にする。 一方的な、研究所員の男のエゴを押し付けて。]
(@76) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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―研究ルーム―
[男の足音は普段とは違う音で、しかしいつもと変わらぬ歩調で 地下四階の研究ルームにたどり着いた。 椅子を引き、座る。]
――――――。
[煙草を咥え、灰皿の中の無残な死体たちが片付けられていることに気がついた。 優秀な部下からの返事はない。 つまり今、あの小さな部屋の中で“それ”は行われているのだろう。 火をつける為にライターを指で擦る。 オイルはまだまだ溜まっているのに、フリントが火をともしたのは何度音を立ててからか。 深く煙を吸い込み、フィルターを無意識に強く噛んだ。]
(@77) 2013/12/19(Thu) 22時頃
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[カメラの仕込まれていない研究ルームで、男は銀のロケットを手にとった。 指先は酷く優しく、そっと大切なページを壊れぬように開く。 黒縁のガラスに映るものに細まる目は、誰にも向けたことのない色をして。 緩やかに微笑んだ表情は、モニターに映る事はない。 抱き締めるように、指先が銀色を包み込む。 そこで初めて、自分自身の指先が金属より冷えていたのだと知った。 この雨に濡れて冷えたのか、それとも。]
――――――。
[デスクの上に置かれた一通の手紙。 添えられた名前に、眉根を寄せて。 見せたくない、聞かせたくないと言うように。 開いていたロケットを、ゆっくりと閉じた。]
(@78) 2013/12/19(Thu) 22時頃
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[男は狼に、通信を送る。 それは事務的で淡々とした雨垂れ。 「準備が出来たら呼べ」と。]
悪いな、行ってくる。
[目隠しと耳を塞いだ銀色のロケットに触れる唇は、甘い。 いつでもすぐに“運べるように”と、男は研究ルームから寮の方へ歩き出した。 雨に濡れたジャケットを着て、その上にフェネックの手でシワが少し刻まれた白衣を着。 ポケットに、一通の手紙をいれて。]
(@79) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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―寮・狼の部屋―
[男は扉の前で待つ。 愛玩動物とはいえ、同じ仲間に挨拶もあるだろう。 この数週間の生活を群れと認識しているなら、きっと尚更。 急かす事はなく、タイミングは愛玩動物に任せた。 部屋の中に気配が感じ取れるまで、男の背中は扉越し。 冷え切った指先で、襟足を掻き毟った。]
(@81) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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[二つの通信、それは男などなくとも惹かれあったのであろう二人から。 絶妙なタイミングに、人知れず笑った。]
入るぞ。
[目隠しをしているであろう、確認をとってから部屋の中へ。 そして狼の手をとると、賛美歌のない狭い協会へ“運び”だす。 途中で擦れ違うティーから聞こえた言葉に、滞りなく鶯が購入された事を知る。 小声で擦れ違い様に返し、足を進めた。]
(@84) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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